東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)は最終週に突入した。1部昇格のための入れ替え戦に王手をかけている早大は、慶大との対戦となる。1立目で相手に先行されるが焦ることなく2立目で追いつき、3立目で3中のリードを取った後は追撃を許さず勝利を手にした。苦しい展開でも自分たちの弓道を全うする姿を見せ、1部昇格への挑戦権をつかみ取った。
先攻を取った早大は、慶大に少しでもプレッシャーをかけるべく1立目に入る。落の藤井千裕(スポ2=山口・宇部フロンティア大香川)の皆中もあり、12中を出した。決して悪い数字ではなかったが、ここで慶大が早大を上回る13中を挙げる。序盤から追いかける展開となった早大だったが、落ち着きがあった。2立目では3本目まで一人も外すことなく13中で立を終えると、慶大は12中ですぐに同中に追いついた。
チーム最高の18中を出した山野桃果(先理4=東京・吉祥女)
続く3立目では引退が近づく4年生が活躍した。大前の山野桃果(先理4=東京・吉祥女)と武川衣万里副将(スポ4=山口・宇部フロンティア大香川)が皆中し、早大は13中。ここで慶大が10中を出し、逆転して3中差をつけた。4立目も山野の皆中を含む13中を出し、慶大との的中差をさらに広げる。5立目は山﨑琴葵(社2=東京・早実)の皆中もあって12中とし、慶大も12中のため63中-59中で勝利を収めた。これにより早大は1部昇格を懸けて、入れ替え戦に進むことが決定した。
終始安定した的中を見せた武川
終わってみれば、このリーグ戦では今季の初めに掲げた目標である60中以上での勝利を、全ての試合で実現した。そしてそれ以上に驚くことは、選手たちがそのことに満足を見せないことである。例え目標を達成しても、チームが勝利を手にしても、もっとできる、もっとやれるという貪欲な姿勢こそが、今季の早大を成長させてきた原動力であった。その貪欲さを貫いて、もう一つ上のステージに上れるか。厳しい戦いになるのは間違いないが、最後の試合を早大がどう戦うのか、見つめていきたい。
(記事、写真 新井沙奈)
※掲載が遅くなり申し訳ありません。
結果
大前 山野 20射18中
弐的 山﨑 20射15中
落前 武川 20射16中
落 藤井 20射14中
○早大63中-慶大59中
コメント
武川衣万里副将(スポ4=山口・宇部フロンティア大香川)
――今日の試合の振り返りをお願いします
今日の試合は自分が思ったことが全然できなくて、勝ったとしても悔しい気持ちが残る試合だなということは結構最初から感じていました。勝ちが確定した後も、悔しい気持ちの方が勝った試合だったと思います。
――試合前半は競った展開でしたが、その時のチームの様子はどうでしたか
あまり焦りもなく、自分たちが落ち着いてやるべきことをやれば的中も上がってくるので、とにかく自分のやることに集中して何が悪かったのかを各自で考えて行動できたのではないかなと思います。
――自身の調子はどうでしたか
練習でも平均が16中でしたし、やることがまとまっていないということが続いていて、その状態で試合に出てしまったのも悪かったなと思います。まあ、良く言えば練習通りかなと思います(笑)。
――調子が良くない中でも意識したことはありますか
とにかく緊張だったりプレッシャーだったり、普段の自分がしないような余計な考えはしないようにというのは常に考えていました。当たらないというイメージが自分の中で強かったのですが、そのイメージを押しのけてしっかりやることを考えていたのでぎりぎり16中出たのかなと思います。
――入れ替え戦に向けて意気込みをお願いします
入れ替え戦はこれまで行ったことがなくてやっと4年目にして行けたので、相当緊張はすると思います。ですが緊張しても体が射を覚えているという状態にできるように、しっかりこれまで以上に練習をして、自信満々で楽しく引けるような準備をしていけたらいいなと思います。
山野桃果(先理4=東京・吉祥女)
――今日の射について振り返ってください
やることが結構あいまいだったのでとにかく丁寧にやろうと思って、しっかり会をもって、残心を取って、真っすぐ矢を飛ばすということに集中してやりました。
――直前の練習では的中が多くないと感じましたが、試合に入る時に意識したことはありますか
基本的に私は試合前の練習は当たらないのですが、そこの意識の持っていき方としては、私は結構集中力によって的中に差が出てしまうタイプなので、集中力を高める方に全振りするしかないという感じで(笑)。今までも付け矢が当たらなくて試合になってしまうということも結構多かったので、その経験を生かしてというわけじゃないですが(笑)。射が大きく崩れて当たらないというよりは、ところどころ詰めが甘くてというのが多いというのは自分でも分かっていたので、とりあえず練習で当たらないのはあきらめて、集中する方に全力を注いでいました。
――シーズンも最終盤ですが、どういう気持ちで試合に臨んでいますか
あまり最後だからとかは意識していなくて、試合前に言われてそういえば最後か! と実感することも多いです。入れ替え戦は今までも行けそうで行けないということが何回もあって、自分としても今のチームがみんなすごく強くて、私がこれまでリーグに出てきた中で一番チームとして強いなと感じているので、今年がチャンスだなと思ってやってきたので上に上がるというモチベーションでやってきました。
――入れ替え戦に向けて意気込みをお願いします
久々の対面の試合でどうなるかが少し分からないのですが、今のチームで対面でやってきた試合であまり大きな失敗をした経験がないので、対面ということに関してはいいイメージでそのままできるという気持ちで臨めると思います。対戦相手の2部のもう一つのチームが強くて、今まで大差がついた試合ばかりだったので、そこで自分たちがプレッシャーを感じて射が崩れてしまうのではないかという不安が少しあります。私個人としては試合前日に急に当たらなくなって、付け矢まで当たらなくて試合に入ることが多いので、次こそはしっかり練習で完成させて万全の状態で臨めるように、射を大きく変えることはせずに、プレッシャーがかかっても自分に自信を持てるような状態で試合に臨める準備をしたいと思います。