三大学定期戦二日目は同大との対戦となった。女子は試合経験が多くないメンバーで構成したチームを送り出し、男子は前日の対関学大のメンバーを大きくは変えずに試合に臨んだ。女子は立を追うごとに的中差を離されてしまい、3人のメンバーを途中から投入したが巻き返せず、9中差をつけられての敗北となった。男子は壱ノ立で上回られても、弐ノ立で抜き返すといったチームの全体的な強さを見せ、前日より的中は落としたものの勝利を手にした。
同大を迎えた三大学定期戦二日目。早大女子は1年生を含めた実戦経験が豊富ではないメンバーをそろえ、リーグ戦に向けての戦い方を模索していた。後攻を取った早大は0中が出た選手もいたこともあり、初立で8中-10中と2中差をつけられてしまう。何とか巻き返しを図りたいところだが、早大が奮闘して12中を出した立でも同大は13中を出しており、的中差は離される一方だった。3立目が終わり同大に6中差をつけられたところで、早大は山﨑琴葵(社2=東京・早実)と、前日に途中出場で結果を出した武川衣万里副将(スポ4=山口・宇部フロンティア大香川)を、4立目が終わったところで山野桃果(先理4=東京・吉祥女)をそれぞれ投入する。山﨑はこの日8射皆中の活躍だったが、同大との差を縮めることはできず、47中-56中で最終的に9中の差をつけられての負けが決定した。この日20射引き切ったのは亀卦川響主務(法3=東京・早実)ただ一人で、リーグ戦に向けて選手層の厚みという課題が迫っていることを感じさせた。
この日20射を引き切った亀卦川
早大男子は女子とは対照的で、前日の関学大戦からほとんどメンバーの変更を行わずに同大との対戦に入った。壱ノ立の初立で1中の選手が出るなどあり、8中-9中で先行されてしまう。しかし直後の弐ノ立で大前の黒羽航平(文構3=東京・早大学院)、落前の東海枝航平(スポ3=埼玉・県浦和)、落の大澤暢主将(創理4=東京・早実)が3中を出して逆転し、初立が終わった段階で19中-18中とした。その後3立目、4立目でも壱ノ立で的中差を詰められるものの、弐ノ立で取り返していく。そうして少しずつ同大と差を離していった早大は、最終的に114中-102中で勝利した。また佐藤我音(先理1=東京・早実)と、前日には交代の選手を送られた河野誠也(人1=埼玉・県浦和)が20射を引き切ったことも、チームにとって大きな収穫だろう。
1年生ながら連日出場の河野
リーグ戦に向けて収穫と課題が明確になってきた。女子の課題はやはり層の厚みだろう。緊張した場面やプレッシャーがかかる場面でも、自分の力を発揮できる選手がもっと必要だ。もともとの力が遺憾なく発揮されれば、目標とする60中には確実に届く選手はそろっている。男子も壱ノ立のみでは80射55中で、竹宇治雄介(政経2=東京・早実)の20射19中は光るが、メンバーを考えると物足りない数字だった。実際に壱ノ立だけで見ると同大には2中及ばない。1部の強豪ぞろいの中で勝ち残るにはもう少し的中が欲しいところではあるが、今回は壱ノ立がそれほど好調ではなかった中で、弐ノ立が踏ん張るというチームでの強さを見せた。またこの同大戦では控えにまわることが多かった選手や1年生が20射引き切るなど、男女ともに本人たちだけではなく早大全体にとってもプラスになることも多くあった。ここからさらに上を目指すために、今は力を蓄えるときだ。
※掲載が遅れてしまい申し訳ありません
(記事、写真 新井沙奈)
結果
【女子】
大前 鈴木 16射10中
山野 4射2中
弐的 渡邉 12射7中
山﨑 8射8中
落前 橋本 12射5中
武川 8射3中
落 亀卦川 20射12中
●早大47中-同大56中
【男子】
壱ノ立
大前 竹宇治 20射19中
弐的 佐藤 20射13中
落前 渡部 12射6中
村岡 8射4中
落 宮﨑 20射13中
弐ノ立
大前 黒羽 20射17中
弐的 河野 20射13中
落前 東海枝 20射13中
落 大澤 20射16中
○早大114中-同大102中
コメント
亀卦川響主務(法3=東京・早実)
――今日の射を振り返っていかがですか
最初の付け矢の時点で全て上に抜いていて、緊張するとどうしても会で止まってしまう癖が出ていました。試合ではなるべく止まらないように、詰め合いに入ってから伸び合って離れれば的に飛んでいくと思って、それだけを意識して引きました。
――チームとして良かった部分と改善しないといけない部分はどこですか
チームとして良かったところはちゃんと当たった流れを続けられた部分があったので、そこは良かったと思います。ただ3人で連抜きなど外れが続いてしまったことも多くて、相手校の同大さんは連抜きがほぼなくてちゃんと詰めていたので、ベストメンバーでなかったとはいえ横のつながりを意識しなければならなかったのかなと思いました。
――今日意識したことはどんな部分ですか
私は本当にすごくプレッシャーに弱くて、試合では離れが早くなってしまっていました。実はこの前のインカレの時に男子のトーナメントの試合を見ていたのですが、どこかの大学の落の方が相手校が全て引き終わるまで、最後自分がアリーナに一人残るまで待ってから、見ている人全員俺を見ろという感じで引いて当たっていたのがすごいなと思ったんです。今日落で出るというのは何となく分かっていたので、見ないでほしいと思うと余計に緊張してしまうと思って、見られている状態で最後の1本を当ててやるという意識をもって引きました。最初の3立は当たったのですが、最後の2立はやっぱり緊張が勝ってしまって馬手が強く出て前に抜いてしまったのがとても悔しいです。
――リーグ戦に向けてどのように取り組みますか
早大の中ではベストメンバーが強くてまだ全然自分はそこに入れないなと思うのですが、昨年に比べたら自分の実力も上がっていて、試合に対する耐性も経験を積んでだんだんついてきていると思います。今年はリーグに出られるよう意識して、出たうえで他のメンバーの迷惑にならずにちゃんと的中を積み重ねていけるように、あと1カ月間練習していきたいと思います。
河野誠也(人1=埼玉・県浦和)
――今日の射の振り返りをお願いします
最近はあまり調子がいいときがないので、安定した的中が出せませんでした。今日も正直それほど良くはなかったのですが、しっかり伸びて離れようというのは意識しました。
――一日前の公式戦初出場から二日連続出場ですが、調整はうまくできていますか
高校の時と流派が違うので、そこにちょっと苦労しているのが出ているという感じですね。
――うまくいったところと改善したいところを教えてください
今日はしっかり矢線に伸びて離れられたのは良かったと思うのですが、離れの瞬間緩んでしまったりというところは改善したいです。やはりもう少し数を引いて慣れないとという感じです。
――同学年でも何人も試合に出ていますが、刺激を受ける部分はありますか
最近は結構1年生も他に当てる人が多いので、自分も置いて行かれないように頑張らないとなと感じています。
――リーグ戦に向けてどう取り組んでいきますか
とにかく練習の中で、試合でも引けるような射型を見つけていかないといけないと思うので、もっと引かないとなと思っています。