痛い二敗目 青山学院大学に敗北

弓道

 9月から始まっている東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)、戦っているのは男子だけではない。2部リーグから1部リーグへの昇格を目指す女子部も、このリーグ戦に並々ならぬ思いで臨んでいる。この日行われたのは青山学院大学との一戦だ。立ち上がりに苦しんだ早大は序盤から追いかける展開に。差を埋められぬまま試合は進み、最後まで逆転できないままに終わった。早大はこれで二連敗。1部リーグ昇格という目標の前には痛すぎる敗北となった。

 第一週の明星大学戦では1中差で勝利を逃した早大にとって、これ以上の負けは許されない。気持ちを切り替えて挑んだ青山学院大学戦、早大は序盤から大きくつまずくことになる。1立目では弐的の山野桃果(先理1=東京・吉祥女)が3中を出すのみで、他の選手は羽分け以下と振るわず16射8中という立ち上がり。相手校も本調子とはいかなかったが、それでも1立目から青学に1中の先行を許す。2立目では、1立目に1中と振るわなかった渋谷有希乃(文構2=東京・早実)が奮起し4射3中の結果を出すなど復調の兆しを見せるが、差を埋めることはできず。立を追うごとにじわじわとその差は開いていった。4立目でようやく調子を取り戻した早大は、武藤香帆(文構4=東京・青山)、山野が共に皆中を出す活躍で16射13中を記録し、初めてその差を埋めることに成功する。だがここで集中が切れたか。5立目では4人全員が的中を落としてしまい、16射8中に終わる。1立目でついた差を、最後まで取り返すことは出来なかった。

4年生として、落として、チームを支えた武藤

 「練習では中っているにもかかわらず、試合になるとうまく中らない」と武藤が語るように、試合になった時の弱さ、とりわけ立ち上がりの弱さが浮き彫りになった。十分な実力を備えていることは4立目の的中が証明している。あとはいかにしてそれを1立目から発揮するか。一人一人の改善が求められるところだ。とはいえ光明もある。今回大前を務めた武川衣万里(スポ1=山口・宇部フロンティア大香川)や山野、そして出場機会はなかったが控えに入っていた井上采香(文構1=東京・吉祥女)など、1年生が戦力として育ってきていることだ。その練習熱心さは上級生が認めるほどで、武藤も「まだまだ伸びると思う」と今後の成長に期待を寄せている。山野も「これまで部にいなかった人が頑張ることで、部への刺激になっているのかなと思う」と話す。新進気鋭の1年生と、屋台骨としてチームを支える上級生がお互いに刺激し合うことで、チームはさらなる高みにたどり着けるだろう。「このような的中で終わるようなメンバーではない」の言葉通り、次の試合ではさらに成長した姿を見せてくれることに期待したい。

1年生ながら高的中をマークした山野

(記事 菊元洋佑、写真 菊元洋佑)

結果

●早大80射49中―青山学院大学80射54中

大前 武川  20射11中

弐的 山野  20射14中

落前 渋谷  20射 8中

落  武藤  20射16中

コメント

武藤香帆(文構4=東京・青山)

――試合を終えて今の感想は

ある意味、学生生活最後の集大成だったのかなと思いました。大学から弓道を始めて、この國學院大學の会場は私が二年生の時に初めてリーグ戦で弓を引いた会場だったので思い入れもあり、その時と同じ的中で試合を終えたというのは残念です。

――今日は的中が安定していたように思えましたが

練習ではもっと中っていて、今日もあと1、2本は詰められたと思うので、序盤で抜いてしまってチームの雰囲気を壊してしまったことは反省しています。1立目で羽分けが出たのは良くなかったです。

――チーム全体を見た時に今日の試合をどう振り返りますか

連中しているときに外して流れを乱してしまったり、連抜きしてしまったりといった場面が多かったので、その点では選手一人ひとりに改善点がみられるのかなと。練習では1年生の武川、山野はもっと中っていますし、渋谷も羽分けを切るような選手ではないので、本来の調子が出せなかった試合だったと思います。

――1年生が活躍していることについてどう評価されますか

1年生は練習熱心で、日ごろの練習でも残って練習していることが多く、3人全員が全国経験者で基礎がしっかりしているので見習うところが多いです。今は慣れない日置流に変えたため高校の時ほどは中っていないのですが、まだまだ伸びると思いますし、この子たちがいるからこそ、自分も頑張って引けていると思います。

――今のチームの特徴は

試合に弱いところがあります。練習では中っているにもかかわらず、試合になるとうまく中らない。あとはコンスタントに的中を積み重ねられる人が少ないため、全員が皆中を出せる実力があるにも関わらず、調子に波があるのも弱点です。

――次の試合に向けて

このような的中で終わるようなメンバーではないと思っているので、ここで悪いイメージを持たずに次の試合では高的中を出していってほしいと思います。私はそれを支える的中が出せるように頑張ります。

山野桃果(先理1=東京・吉祥女)

――このリーグ戦が入部後初の公式戦ですが、どんな気持ちで臨んでいますか

4年生が最後のリーグ戦なので、絶対1部に昇格するという気持ちで、自分が出来る最大限のことをやって部に貢献しようという気持ちで頑張っています。

――20射14中という自身の的中についてはどうですか

3中で終わってしまう立が多く、当てられたはずの矢を抜いてしまったのは自分の甘さだなと思います。私は馬手が強くなってしまう癖があるので、監督にも言われたように弓手だけ意識して、弓手から離すことを意識して引いていました。中った矢は弓手から離せていたのですが、ちょっと意識が弱くなると馬手から出てしまって抜いてしまっていたので、そういう矢を出さないためにも、もっと集中して引かないといけないと思いました。

――4立目では皆中を出されました

相手校の的中を見て、ここで中てないとこのまま負けてしまうと思い、何が何でも弓手を意識からそらさないという思いで臨んだので、最後まで押し切ることができました。

――自身の射で直したいところは

左右のバランスを気にしなくても、自然と弓手から出せるような射にしたいです。弓手馬手をバラバラに考えるのではなくて、左右が一本で繋がっているということを意識して引けるように練習することと、練習でも抜いたら負け、くらいの気持ちで射に向き合いたいと思っています。

――日々の練習は自身にとってどうですか

立以外の練習の時間は自主練の時間なのですが、その日の調子に合わせてやる練習を自分で組み立てられるのがとても良いです。練習した結果を立で試して再び自主練、というサイクルが出来上がっているので、練習しやすいです。また、設備が整っていて、雨が降っていても練習できるとこに加え、朝から夜まで道場が空いているので、授業があっても練習できるのがいいと思います。

――1年が頑張ることの意義についてどうお考えですか

自分たちは高校から上がってきてすぐということもあり、部とはちょっと違う考え方を持っている部分があると思うので、これまで部にいなかった人が頑張ることで、部への刺激になっているのかなと思います。

――今後の目標は

これからの練習をもっと強気で弓道に臨むことです。今負けてしまった悔しさをばねにして次は全部中てるつもりで、残り2試合全力を出し切ってこのシーズンを終えたいと思います。