大接戦の末に惜敗、宿敵慶大との対決に望みを託す

弓道

 約1カ月に及ぶ東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)もいよいよ大詰め。最終週は桜美林大と対戦した。両校ともに1勝2敗と、この試合の勝敗で1部残留が確定する大事な一戦。先週の逆転勝利から調子を上げつつある早大が、立ち上がりでわずかにリードを奪うが、その後は互角の試合で抜きつ抜かれつの戦いに。試合が振り出しに戻され、勝負が委ねられた最終立では、緊張感に打ち勝つことができず力負け。128-130と、あまりにも悔しい敗北となった。

 立ち上がりは順調だった。先攻・早大壱ノ立の14中に対し、桜美林大はミスが相次ぎ10中。続く弐ノ立では大前の幸明千尋(スポ3=東京・城北)が3試合連続で抜いていた初矢を詰めたほか、倉持洵主将(スポ4=東京・国学院久我山)が皆中を出すなど、今期リーグ戦では初めて先行する展開に。2立目では崩れをみせた桜美林大が早くも立て直し、32射30中を出す。一方、早大も負けじと関口優祟(先理1=東京・早大学院)ら5人が皆中を出し、32射29中と白熱。このまま高的中を維持できれば、勝利に近づけると誰もが思っていた。

全体を通して安定した的中を出す大貫

 しかし悲劇は突然訪れる。3立目壱ノ立では全員が矢を1本以上外し11中。4立目弐ノ立では安定して的中を重ねていた、幸明や倉持がまさかの4射1中と総崩れに。桜美林大の不調に加え、4立目壱ノ立では15中と立て直したことで大差こそつけられなかったが、逆転を許し、相手に完全に流れを明け渡してしまう。1中のビハインドで迎えた最終立。苦しい展開の中で、壱ノ立は失中を2本に抑える。後攻の桜美林大も3本に耐えると、勝敗は残る弐ノ立の的中次第に。両校の選手が固唾(かたず)をのんで試合を見守る、非常に大きな重圧の中、2本目までは8射7中と快調に的中を重ねる。そのまま130中の大台に乗せ、万全な体制で桜美林大を迎え撃ちたい早大。しかしプレッシャーに打ち勝つことができず、最終的中は12中。微かな勝利への可能性に懸ける部員たちであったが、桜美林大はこのチャンスを逃すことなくまとめあげ14中。入れ替え戦への出場が確定した。

4年間の集大成として挑んだ鈴木

 リーグ戦4戦を振り返り、「どこかしら崩れてしまう」ところがある、と答えた志岐伊織(スポ3=群馬・前橋西)。どんな的中で自分に番が回ってきたとしても、確実に中てることが求められるだろう。今回の試合では不調の選手が多かった一方、長谷川翔平(法2=神奈川・山手学院)、牧山千莉(スポ2=千葉)が19中を出すなど2年生が善戦。入れ替え戦では、今期未だ誰もなしえていない皆中賞の獲得に胸が高まる。また昨年度も受賞し、最後の公式戦となる鈴木智貴(法4=東京・早実)や、大貫真央(教3=帝京大高)にも期待したい。感動の1部昇格から1年、今回は1部残留をかけて再び慶大と対戦する。2部リーグを全勝で制した慶大は140中を2週連続で出すなど油断はできない。泰然自若の精神で、慶大を迎え撃つ。

(記事 秦絵里香、写真 田々楽智理、小田真史)

結果

初立
大前  牧山   20射19中
弐的  大貫   20射17中
落前  関口   20射14中
大落  鈴木   20射17中

弐ノ立
大前  幸明   20射13中
弐的  長谷川  20射19中
落前  倉持   20射13中
大落  志岐   20射16中

●早大128-130桜美林大

関連記事

リーグ戦初勝利、見事な逆転劇!/東京都学生連盟リーグ戦(10/2)
130のカベ超えられず、開幕2連敗/東京都学生連盟リーグ戦(9/18)
9年ぶりの1部リーグ、初戦は完敗/東京都学生連盟リーグ戦(9/11)

コメント

鈴木智貴(法4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

きょう勝てば引退という緊張から丁寧に引きすぎて守りの姿勢に入ってしまいました。抜いた3本もその結果だと思います。攻め切ることがなかったところが、きょうの試合では大きいかなと思います。

――リーグで1勝2敗同士の対決だったと思いますが、どのような気持ちで臨まれましたか

4年間の集大成を見せつけてやろうという思いで臨みました。

――きょうの試合はいままでのパターンと違い、リードを奪ってからの逆転負けでしたが、どのように引いていて感じましたか

自分はあまり全体を気にしないようにしていて。自分の射をしようということを心がけていたので、そんなに心境の変化はありませんでした。

――3立目を外してそのあとどのように立て直しましたか

他にも何本か抜いてしまいそうな矢はありましたが、気合で外さないようにしました。

――次戦に向けての意気込みを教えてください

本当にきょうはもったいない矢があったので、そういう甘い部分を無くして臨みたいと思います。

志岐伊織(スポ3=群馬・前橋西)

――きょうの試合を振り返るといかがですか

相手も崩れてくれましたが、自分達が力を出し切れずに負けてしまったので、入替戦ではしっかり頑張りたいです。

――チームとしては3立目から大きく崩れてしまいましたが、原因は何だと思いますか

全体を見た時に、どこかしら崩れてしまうというのが今のワセダにはあります。なので、いつも通りと言えばいつも通りですが、そういった面が出ない方が良かったです。

――きょうの試合は、やはりプレッシャーが大きかったですか

そうですね、この試合で勝てれば、入れ替え戦をしないで終われたので。相手も崩れて最初から接戦だったので、余計、全員にプレッシャーが少しはあったと思います。

――今回のリーグ戦を振り返ると、最初からリードするという展開はなかなか見られなかったと思いますが

上位校ということで、中る大学ばかりなので、リードするという展開はありませんでしたが、今回の試合展開を自分達の中では特別意識はしていませんでした。

――個人としては、的中はいかがでしたか

伸び悩んだなと思います。先々週あたりからずっと調子が落ちてきていて、先週も上手く中てたという感じではありません。もう少し調整をしたかったです。

――入替戦までに、どういった練習をしていきますか

中てる練習というよりは、綺麗に引く練習をして、そこから的中に繋げられればいいなと思います。

――最後に入替戦への意気込みをお願いします

まだ、リーグ戦で皆中を出せていないので、皆中を目指して頑張りたいです。