ことしもまた関東の強者たちが武道館に集結する全関東学生選手権(全関)が幕を開けた。この日行われた団体戦では男子は6人立の24射、女子は3人立の12射でその合計的中数を争う。ワセダは男女ともに予選を通過し幸先のいいスタートを切ったと思われた。しかし男子部は19中と高的中で明日の2回戦へと駒を進めたものの、女子部が3度の同中競射の末まさかの決勝トーナメント1回戦敗退。悔しくも優勝への道は閉ざされることとなった。
昨年は予選落ちで結果を出すことができなかった男子部。1部リーグに昇格した強さを見せたい予選であったが、思うように矢を射ることができず24射14中。わずか24校しか出場できない決勝トーナメント進出に向け、同中競射に望みをかける。絶対に負けるわけにはいかない、そんな勝利への執念に突き動かされた6人は、大前の牧山千莉(スポ2=千葉)が初矢を詰めるとプレッシャーをはねのけ12射12中と圧倒的な強さでトーナメント出場権を手にする。流れに乗った男子部は続く1回戦も、思い切りの良い射を展開し19中。快勝で明日の2回戦進出を決めた。
重圧に負けず大落を務めた志岐
女子部は、今季から落を務める森川未和子女子主将(スポ4=岐阜総合学園)がチームを引っ張る。予選では同中競射も含め6射皆中。大前に抜てきされたルーキー前島彩乃(社1=岩手・花巻北)が緊張からか苦しむ中、エースが見事にカバーし次のステージへと駒を進めた。決勝トーナメント初戦の相手は埼玉大。序盤、前島、中の小田代采夏(人4=福岡・西南学院)が崩れ3射目を終えた時点でリードを許す。それでも全員が留矢を詰め、8-8で同中競射に持ち込んだ。直後の二本競射では、森川がこの日初めて抜き勝ち切れず。その後も一本競射が二度行われ、もつれにもつれたこの一戦、最後はわずか1中差で敗れ死闘に終止符が打たれた。2年次に優勝を経験し、3年連続で団体戦メンバーに名を連ねた森川。早すぎる敗退に試合後は涙を流したが、「3年連続で出させてもらったことは光栄だしうれしい」と武道館での戦いを振り返った。気持ちを切り替え、来週こそはチームを頂点に導く。
女子部をけん引する森川主将
男女で明暗が分かれる初日となったが、男子部の戦いは続く。まずはあすの2回戦で強豪・明大を倒し、昨季1部昇格を果たした団結力を発揮したい。また、その後の個人戦では男女計7名が入賞を目指す。関東の精鋭たちの熱戦から、まだまだ目が離せない。
(記事 秦絵里香、川浪康太郎、写真 坂巻晃乃介)
結果
▽男子団体戦
牧山、中谷透(基理3=東京・早実)、西原剛志(スポ2=東京・城北)、鈴木智貴(法4=東京・早実)、幸明千尋(スポ3=東京・城北)、志岐伊織(スポ3=群馬・前橋西)
予選
牧山 1中
中谷 3中
西原 2中
鈴木 2中
幸明 3中
志岐 3中
24射14中
同中競射
12射皆中
決勝トーナメント1回戦
〇早大19-14東京農業大
▽女子団体戦
前島、小田代、森川
予選
前島 1中
小田代 2中
森川 4中
12射7中
同中競射
6射3中
決勝トーナメント1回戦
早大8-8埼玉大
同中一本競射
●早大1-2埼玉大
コメント
森川未和子女子主将(スポ4=岐阜総合学園)
――最後の全関東学生選手権でしたが、どんな思いで臨みましたか
優勝するという思いでやりました。
――予選は完璧な射でしたが、振り返って
自信を持って引けたのでよかったです。
――決勝トーナメントの埼玉大戦は大接戦になりました
負けたことは悔しかったのですが、なかなかあれだけ同中競射になることはなくて、いい経験になりました。自分がまだ気持ちで弱い面があるなと思ったので、来週の全国選抜(全国大学選抜大会)は切り替えて、きょうできなかったことをやりたいです。
――同中競射の場面ではやはりプレッシャーを感じましたか
プレッシャーは特に感じなかったのですが、その前に抜いてしまっていて、その原因を分かっていたつもりだったのですがまた抜いてしまいました。結果としては外してしまったのですが、やったことは特に後悔していません。
――昨年までの大前から落にポジションが変わりましたが、そのあたりで感じることはありましたか
当たり前なのですが景色は変わります。ですが、大前から落になって、そんなに変わったなとか嫌だなということはなくて、全体を見通せるのでいいなと思っています。
――女子主将としてチームの状態はどう見ていますか
去年初心者がすごく多く入ってきて、経験者が少ない状態だったのですが、ことしは初心者の子が上がってきて、毎月の平均的中率も上がっているので、そこはいい面だと思っています。
――今大会は2年前に優勝を経験し、3年連続の出場となりましたが、振り返っていかがですか
なかなか武道館で引くということはできないことなので、3年連続で出させてもらったことは光栄だしうれしいです。初めて出た大会で優勝したということが大きかったので、去年もことしも同じような気持ちで臨んだのですが、結果がこうなってしまったのは悔しいです。
――最後に、来週の選抜に向けた意気込みをお願いします
来週は今回よりも規模が大きくなって、優勝したら全国制覇ということになるので、もう一度練習し直して、チームとしても切り替えて優勝したいです。