アベックでの決勝トーナメント進出ならず、男子部無念の予選敗退

弓道

 ことしも関東の強豪校が集まる全関東学生選手権(全関)が始まった。男子は6人順立の24射、女子は3人順立の12射の合計的中で争われる団体戦。予選は、男子87チーム、女子91チームの中から24チームのみしか決勝トーナメントに進めないという過酷な戦い。男女共に優勝を目指して臨んだ試合だったが、男子部は13中と的中に伸び悩み、まさかの予選敗退。悔し涙を飲む結果に終わる。女子部は前回王者としての粘りを見せ予選を通過すると、同日に行われた決勝トーナメント1回戦も制し、あすの2回戦へ順調に駒を進めた。

 アリーナ独特の緊張感が漂う中、男子部6人は集中力を高めて挑んだ。1本目から6人中5人が的を外す、幸先の悪いスタート。これ以上ぬけないという大きなプレッシャーを抱え迎えた3本目。大前の竹沢剛(社2=北海道・札幌第一)がこの日初めて中てると、選手たちの空気が確実に変わった。引き寄せた勢いに乗り、早大は的中を重ねていく。「後半は自分のやるべきことに集中できた」と振り返る大落の倉持洵(スポ3=東京・国学院久我山)。しっかりと留矢を詰め、後味の悪さをなくすものの24射13中と予選突破は叶わなかった。

留矢を詰めた大落の倉持

 昨季関東女王の重圧を背負っての出場となった女子部は、光明英夏女子主将(法4=東京・桜修館)、小田代采夏(人3=福岡・西南学院)、森川未和子(スポ3=岐阜総合学園)がチーム力を発揮する。危ない場面がありながらも12射7中で予選を勝ち抜く。続く決勝トーナメント1回戦の相手は鎌倉女大。1立目からリードを奪うと、終始主導権を握る。しっかりと気持ちを切り替え、予選の危うさを感じさせない堂々とした射を見せた。最終成績9-4で見事に勝利を収める。

チームを引っ張る光明女子主将

 男子部は惜しくも決勝トーナメントに進むことはできなかったが、今大会での経験を糧に前進し続けてくれるに違いない。「一本一本を大切にしたい」と、あすの戦いに向け、光明女子主将は真摯(しんし)に語った。狙うは関東女王2連覇だ。

(記事 田々楽智理、写真 秦絵里香、吉田優)

結果

▽男子団体

竹沢、牧山千莉(スポ1=千葉)、志岐伊織(スポ2=群馬・前橋西)、溝渕雅(先理1=東京・早大学院)、新津亮太朗(法3=東京・早大学院)、倉持

予選

竹沢  2中

牧山  1中

志岐  2中

溝渕  皆中

新津  2中

倉持  2中

24射13中


▽女子団体

森川、小田代、光明

予選

森川  3中

小田代 0中

光明  皆中

12射7中


決勝トーナメント1回戦

○早大9-4鎌倉女大


コメント

倉持洵(スポ3=東京・国学院久我山)

――この試合に臨むにあたってどのような引きを意識しましたか

いつも自分がやっていることを試合で出すよう心掛けました。

――前半の悪い流れを後半立て直すことが出来ましたが、何か意識しましたか

最初は皆、緊張から力んでしまいました。自分も的に中てなければいけないという焦りもありなかなかいい結果が付いてきませんでした。後半は開き直り、悪い中でも自分のやるべきことをやるという点に集中できたと思います。

――きょう見つかった課題はありますか

全体としては、大事な場面になると緊張したり、弱気になってしまったりしたので、最初から自分の射を発揮できるようにすることをもう少し意識したいです。個人としては、良くない流れに引きずられてしまった部分があったので、自分の世界に入り込んでやるべきことをやれるようにしたいです。

――この1年間の目標をお願いします

秋のリーグ戦での1部昇格に向けて、来週の全国選抜大会、8月のインカレと弾みを付けられるように全員で結果を残せるよう頑張ります。

溝渕雅(先理1=東京・早大学院)

――大会を振り返ってどうですか

個人としてはいつもの自分よりよかったです。結果として予選を通過できなかったところは、早稲田の弱い部分が出てしまったかなと思います。

――きょうに向けてどんな練習をされてきましたか

巻き藁からの試合を意識した立ちで、全体で練習しました。

――悪い流れが続いたと思うのですがどう中てていきましたか

僕が中てないと始まらないだろうと自分を強くもって、一本一本きめていきました。

――きょうは大学始めての公式戦でしたが、緊張はありましたか

緊張はもちろんしましたが、とりあえず楽しむことを意識して試合に臨みました。

――皆中でしたが、それは集中したからこそできたと思いますか

いつもでしたから弱気になってしまう部分があるのですが、今回は気持ちを強くもって引けたのでそれが結果に出たと思います。

――チーム全体としては次の大会に向けてどのようなことを高めていくべきだと思いますか

今回予選通過できなかったということで、本当に今よくない状況にあると思います。ですが、これ以上は下がることがないと思います。上を目指して努力していきたいです。

――最後にこれからの意気込みをお願いします。

全国選抜やインカレ予選などの大会があるのですが、ぬかないように、一本一本丁寧に上を目指していきたいと思います。

光明英夏女子主将(法4=東京・桜修館)

――本日の試合を振り返っていかがですか

予選は結構冷や冷やするような展開で、自分自身はそれなりに上手く引けたかなっていう試合だったのですが、やはりチームとしてはあまり良い流れではなかったかなと思います。なので、決勝トーナメントでどう切り替えるかというところを意識していました。

――具体的には予選から決勝トーナメントの間にどのようなことを意識していましたか

予選があまり良くなくて皆テンションが下がってしまっていたので、出来るだけ声かけて励ましたりして、良い流れで決勝トーナメントに臨めるようにしました。

――1年生も入ってきて、新体制としてどのような変化がありましたか

ことしは1年生がたくさん入ってくれて、初心者が多いということで大変な部分もありますが、活気があって若返ったなという印象です。

――主将としてはいかがですか

これまでやってきたことが良かったのかそうでないのかはまだわからないですが、きょうみたいに一つ一つ勝ち進んでいければ、それが自信として積み重なっていくのかなと思います。出来るだけいろんな話を聞いて、部員それぞれが自分で考えて弓を引いていけるような練習を心がけています。

――明日への意気込みをお願いします

明日のトーナメントが、昨年優勝した時を彷彿させるようなトーナメントではあるのですが、それにとらわれることなく目の前の一本一本を大切にしていきたいと思います。