平成28年度東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)第5週。2部リーグ優勝、そして1部昇格のために何としても勝たなければならない早大は東工大と対戦した。出だしは重くリードを許してしまうが、2立目で相手の的中数を大きく上回り逆転する。そのまま最終立まで大きく崩れることなく的中を重ね、最終的中を123-104と快勝。早大は次週、同じく3勝1敗で並んだ中大と順位決定戦に臨むこととなった。
好スタートを切りたい1立目だが立ち上がりに不安を残した。先攻の東工大は32射25中という結果に対し、早大は初立が12中、弐ノ立が9中と的中を伸ばせない。合計21中と序盤から4本のリードを許してしまう展開に持ち込まれる。このまま重い雰囲気の中、試合が進んでいくかと思われたが早大の初立が流れを変えた。2人が初矢を抜いてしまうもその後はテンポ良く的中を重ねていき14中。この波に乗るように弐ノ立では3人が皆中し15中と見事な射を展開していく。東工大が21中と的中を落としたこともありトータルで50-46と早い段階で逆転に成功した。緊張がほぐれてくる中での3立目では「崩れてしまった印象」と大久保侑主将(スポ4=岩手・福岡)が振り返るよう、弐ノ立が9中と中だるみが見えてしまう。しかし初立でリーグ戦2回目の出場となる中谷透(基理1=東京・早実)がルーキーながら堂々とした射で皆中を出しチームに貢献。71-68とリードを保ったまま前半を終えた。
主将としてチームに声掛けを欠かさない大久保
流れを維持したい4立目。疲れも見え始める頃だが早大はしっかりとした射で的中を重ねていく。リーグ戦初出場の志岐伊織(スポ1=群馬・前橋西)が初立の初矢を詰めると、後ろの3人も続きテンポ良く射を展開。リーグ戦を通して安定した的中を見せている清水雄貴(人3=東京・早稲田)と中村浩太郎(創理3=東京・芝浦工大高)が皆中し早大に良い流れを引き寄せると、続く弐ノ立でも3人が皆中し実力を発揮する。東工大の18中に対して早大は初立、弐ノ立共に14中で32射28中と的中数を大きく上回り、リードを広げた。迎えた最終5立目でも集中力が途切れることはない。初立が13中と的中を落とすことなく立を終えると、弐ノ立も大落の大久保による力強い離れから放たれた留め矢がしっかりと決まり11中。早大は最後まで着実に的中を伸ばし、最終的中を123-104と差をつけての勝利となった。
留め矢を全て詰め、落ちとしての役割を果たす中村
「1部に通用するような良い部分」と大久保が話すよう、全体的に良い矢が目立った今試合。結果的にリーグ戦を通して最も高い的中数を出すことができた。しかし出だしの重さや練習通りの実力がまだ発揮しきれていない部分も見られ、昇格に向け課題が残っているのも事実。次週に行われる順位決定戦の相手は何度も接戦を演じてきた中大だ。「絶対に勝たなければならない」(大久保)。悲願の1部昇格のため、入れ替え戦への挑戦状を懸けた戦いが幕を開ける。
(記事、写真 黒田菜々子)
※平成28年度リーグ戦は平成27年度に行われます。
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結果
初立
大前 渡邊顕士(社1=東京・日体荏原) 12射6中
志岐伊織(スポ1=群馬・前橋西) 8射6中
弐的 中谷透 (基理1=東京・早実) 20射19中
落前 清水雄貴(人3=東京・早稲田) 20射16中
大落 中村浩太郎(創理3=東京・芝浦工大高) 20射18中
弐ノ立
大前 髙橋真人(先理2=東京・早大学院) 16射8中
幸明千尋(スポ1=東京・城北) 4射2中
弐的 倉持洵(スポ2=東京・国学院久我山) 20射16中
落前 竹沢剛(社1=北海道・札幌第一) 20射15中
大落 大久保侑(スポ4=岩手・福岡) 20射17中
コメント
大久保侑主将(スポ4=岩手・福岡)
――差をつけての勝利となりました。良かった部分はどこにあるとお考えでしょうか
練習での良い矢というのが試合でも目立っていたなという印象がありました。そこが試合でどうにも出せないというときが続いてはいたのですがリーグ戦(東京都学生連盟リーグ戦)でようやく1部にも通用するような良い部分というのがきょう出た結果として良い的中をもって相手に勝てたということがあったと思います。
――今までで一番良い的中数だったと思います。どのように捉えられていらっしゃいますか
練習ではもう少しだけ良い的中が出ていますし、目標としていた130台というのもきちんと出るようにはなってきたのでその練習で出ているものが100パーセント試合で出せなければ1部にも勝てないと思います。その123(中)という今までで1番良い数字ではあるのですが、そこで満足せずにもっと練習で的中を上げていかなければならないですし練習自体の的中をまだ出せてはいないのでそこが課題だと思います。
――主に練習で重要視している部分はどこでしょうか
授業が始まってしまってなかなか練習の時間が取れないので立の試合形式の練習なのですがとにかく個人の技術を伸ばしていけばもっと伸びしろがある選手たちばかりですので個人に任せたまとまった練習というようなかたちを組んでいます。
――早い段階から良い流れを持ち込めたと思いますが、流れに関してはいかがですか
初回に関しては相手の方が的中が上回っていたと思うのですが2回目でしっかりと挽回できたのは良かったと思います。しかし、初回の弱さというのが出てしまいましたしそこが1部と戦った場合には敗因になってしまう原因のひとつですので初回は課題として、ただ2回目で流れ自体は変えられたっていうのは良かったと思います。流れを変えたのが2回目というのが初めてではないと思うのですがその中でも大きく流れを変えられるような良い的中を出せたというのは成長だと思います。
――試合で見つかった課題はありますか
初回の弱さや、きょうに関していえば良い矢は出ていたのですが3回目の休憩が長くなった時に崩れてしまった印象がありましたので次からの相手は激戦も交えてきた相手ですのでそこを意識した練習をしていきたいです。常に3時間4時間くらいの試合にはなると思うのですが、引かない間も気持ちだけは切らさないようなことを練習から突き詰めていきたいと思います。
――次週に向けて意気込みをお願いします
いまの実力を持ってすれば絶対に勝てる相手だと思いますし、絶対に勝たなければならないと思います。このシーズンを通して今まで全関(全関東学生選手権)であったり全日本(全日本学生選手権)であったり、そういったところで出せなかった高的中や個人の目標達成というのをリーグ戦で全てぶつけてみんなが練習していると思うので来週は負けないように、最後の週だとは思わずに再来週もあるということを過程しながらしっかりと練習していこうと思います。