学生弓道の中では最大規模の大会となる全日本学生選手権(インカレ)がことしも幕を開けた。武道の聖地・日本武道館には全国から200校を超える大学弓道の精鋭たちが集結。初日となるきょうは男子団体の予選が行われた。5人立、各4射の計20射で競われる団体戦。209校の出場校を予選でたったの24校に絞る。アリーナには一発勝負の緊張感が漂う中、早大は実力通りの射で17中を記録。9年ぶりのインカレ制覇に向け、好スタートを切った。
会に入り伸び合う永山
早大は6月の終わりに行われた全国大学選抜大会(選抜)で準優勝という好成績を収め、着実にその実力をつけてきている。その中でインカレまでの2ヶ月の間、毎週のように練習試合を行ってきた。その狙いを遠山雄人主将(スポ4=奈良・橿原)は「体調の作り方をみんなに意識してもらった」とする。連戦が続く中、試合までの短い期間でどうコンディショニングを整えるか。大舞台にどう調子のピークを持って行くか。一射一射の重みが大きいインカレなどの大会では経験の差が如実に表れる。早大の選手たちは実戦経験を積みながら個々の射に磨きをかけ、この大会に備えてきた。迎えた団体予選、早大は1射目で5射4中と上々の滑り出しを切る。そして2射目では5人全員が的中。チーム全体で的中の流れを作り出すと、その後も的中を重ね20射17中。橋本和久(先理3=東京・早実)、永山豪朋(文構3=東京・早実)、遠山の3人が4射皆中とその実力を発揮した。
残心を取る遠山主将
抽選の結果により早大は決勝トーナメント1回戦のシード権を獲得。決勝トーナメントへと駒を進めた大学の顔ぶれには立命大、日大、法大、桜美林大と実績のある大学が名を連ねている。どのブロックを見ても強豪校がひしめきあっており、熱戦が予想される。大落である遠山主将の留矢が勝負を決する試合も出てくるだろう。遠山は「やることはすべてやってきたので、後はそれをこのアリーナの地で出し切るだけ」と意気込みを語ってくれた。遠山の長く、美しい残心からは自らの射への自信、どんな状況下であっても自分の射をしようという強い決意を感じる。一人一人が実力通りの射を見せることができれば、優勝という結果はおのずとついてくるだろう。インカレ王者へ、戦いは続く。
(記事 市川祐樹、写真 高橋真耶)
結果
▽男子団体予選 20射17中
大久保侑(スポ2=岩手・福岡)、橋本、永山、佐々木貴広(基理4=東京・早稲田)、遠山
大前 大久保 3中
弐的 橋本 皆中
参的 永山 皆中
落前 佐々木 2中
大落 遠山主将 皆中
コメント
佐々木貴広(基理4=東京・早稲田)
――予選を振り返っていかがですか
みんな一人一人自分のことに集中できていたので、全体的によかったと思います。
――ご自身の調子はいかがですか
そんなにいい方ではないのですが、自分のことに集中してできました。これからもまだ時間ありますし、1回戦から3回戦まで、そういうところが本番だと思いますので、そこに意識を集中していきたいです。きょうはゆっくり休んで、練習していきたいと思っています。
――6月の選抜(全国大学選抜大会)からどのように練習を積まれてきましたか
弓道ということで、やることは変わらないので、焦ることなく、しっかりと練習してきたつもりではあります。
――あすの決勝に向けて一言お願いします
しっかり休むときは休んで、あさってもありますが、あしたに焦点をあわせていきたいです。
永山豪朋(文構3=東京・早実)
――きょうの予選を振り返っていかがですか
とりあえず予選通過は出来たと思いますし、全員、あすにつながる試合が出来たので良かったと思います。
――調子はいかがですか
個人的には調子は合わせてきたつもりですし、団体としても全員良い試合が出来ているので、問題ないと思います。
――きょうまでどのような練習をしてきましたか
立を中心に、的中を意識した練習をずっとしてきました。
――決勝に向けて意気込みは
インカレ(全日本学生選手権)優勝を狙っているので、気を抜かないように全員で頑張っていきたいです。