一人一人の煌めきを繋ぐ 全員が主役の最高のステージ

応援

 早稲田キャンパス・大隈記念講堂にて、「チアリーディングステージ2021」(チアステ)が開催された。未だコロナの影響が続く中、1年ぶりに練習を再開したスタンツを披露し、躍動感溢れる演技を見せてくれた。観客は、声援の代わりに手拍子やペンライトにて、会場を盛り上げる。ダンスメドレーや他団体とのコラボレーション企画など、ステージ毎に個性溢れる演技を披露し、「SparkRing」という今年のテーマの通り、一人一人の煌めき(Sparkle)が繋がった(Ring)、迫力ある最高のステージとなった。

 ステージの幕開けでは、昨年に創部80周年を記念として作成された、黒地にえんじが映える衣装『Victory 80』を身に纏って登場し、弾けるような笑顔が会場を包み込んだ。今年新たに作成されたフラッグを使って、アクロバティックなスタンツやタンブリングを披露した。続くダンスメドレーは、セクシー、アイドル、ジャズの3チームから構成される。女性らしいしなやかさの中にも力強さが光るセクシーに、満開の笑顔で可愛らしさあふれるアイドル、クールな表情とキレのあるダンスでマイケルジャクソンを表現したジャズと、それぞれのチームが普段は見せない表情で観客を魅了した。赤、緑、白のクリスマスカラーの衣装に身を包み、ポップな曲で登場したクリスマス構成は、クリスマスツリーを連想させるような多様なスタンツをふんだんに盛り込み、会場は一気にクリスマスムードに包まれた。SKOCKERSとのコラボ企画も見どころだ。BIG BEARSのしなやかさとSHOCKERSのパワフルさが合わさったステージでは、お笑い芸人のネタがアピールの中に散りばめられ、ユーモア溢れる演技で会場を盛り上げた。

ダイナミックなスタンツ満載のショッカーズコラボ

  後半は応援活動にフォーカスを当てた演技が中心だ。アップテンポの曲に揃ったフォーメーションが印象的なハーフタイム演技から開幕した。演技の合間には、体育学部からの応援メッセージの映像が差し込まれる。共に支え合い、早稲田を盛り上げてきた仲間からの熱いエールを背負い、渾身の応援曲メドレーを披露した。続く六大学ステージでは、他大のチアリーダーズからのコメントも映像にて紹介された。4年間良きライバルでありながら、同じ境遇で頑張ってきた仲間たちの熱い想いを受けて、六大学それぞれのユニフォームを身に纏い、応援歌メドレーを披露。ラストでは、「GO Big Six We Are NO.1」のパネルが掲げられた。

4年生26人引退前最後のコンバットマーチ

 応援ドリルでは、応援部3パートの4年生26人が、引退前最後のステージを披露。ラストを飾るコンバットマーチを終え、「ありがとう、4年間」の掛け声で締められた。力強い一回一回の突きに、4年間の想いが込められる。リーダー部員は、「最高の応援人生であり、応援部を選んで間違いはなかった」と叫んだ。カラフルな衣装で登場した引退構成は、4年間を振り返った映像のあとに始まる。4年生が新入生のときの新入生歓迎会で使用された、思い出溢れる曲にのせて、難易度の高いスタンツや華やかなダンスを披露した。終盤にはリーダー部員と吹奏楽団部員もダンスに参加し、全パートが全力で演技を楽しむ姿でステージに華をそえる。柳本有咲ステージ運営責任者(国教4=東京・早実)は「今回のチアステが、後輩に応援の楽しさを知るきっかけになってほしい」と語る。今回のステージは、コロナ禍のもどかしい毎日の中で、「君らしく、誇らしく」をモットーに掲げ、アイデアと努力を積み重ねてきた日々の集大成となった。たくさんの観客の中、かけがえのない仲間たちと全力で演技したこのステージは、4年生にとって最高の思い出になるだろう。4年生から熱い想いのバトンを引き継いだ後輩たちが作る、これからのBIG BEARSの活躍に期待したい。

(記事 平野里歩、写真 浅野圭音)