特集の第4回は学生誘導対策部門の補佐(3年生)の3人。応援部では基本的に4年生のみが表に立つことが多いが、下級生主導ということに重きをおいている学生誘導対策部門ならではの対談となった。責任者とは違ったとは視点から出る言葉に注目だ。
※この取材は12月10日に行われたものです。
この半年が一番楽しかった(三宅)
神宮球場での学対部門
――学生対策誘導部門はどのような部門ですか
三宅 いつもどんなこと記事で言っているんだろう(笑)。寄せていっちゃいますね、いつも見てると(笑)。「あの雰囲気だ」って。
吉澤 分かる、「読んでいるやつだ」って(笑)。
三宅 自分はもともと2年生までのときは学対に興味とかってほとんどなかったんですけども、やっぱり今年はコロナ禍で全然お客さんと神宮とかで応援できないという中で、やっぱりお客さんって大事だなってそれに直結する学対・集客って大事だな、それが第一に思いますね。
山本 ああ(笑)。
三宅 リアクションリアクション(笑)。「(笑)」すらつけられないよ、今のリアクション(笑)。
吉澤 真面目に聞いていたよね(笑)。
山本 雰囲気としては今年は割と下級生からもいけいけどんどんっていう雰囲気があって、結構前後期でいくつか部門経験させてもらって、ここまで意見が要求されてなおかつそれが通る、って環境はほんとに学対の特有の雰囲気だったかなって思っていて。やっぱり応援部っていくつか部門があるのでそういうところでいろいろ連携を取らなくてはいけないってなっていたんですけど、今年の責任者の方はそういうのを進んでやってくれていたので、そういった部分ではいろいろな企画とかあったんですけどやりやすかったかなと思います。
吉澤 意見を言えば、それが全部ほぼ通る、通らないことがない。
三宅 通らないというか、自分たちでやってみよう、いろいろ言われても自分たちで話し合って、なんだかんだ通っていると言うか。
山本 フィードバックをもとに自分たちでやるかやらないかみたいなことを話し合って最終的には自分たちで判断みたいな感じ。いくつかなくなった企画はあったんですけど。
三宅 でっかい企画はほぼやれた。
吉澤 応援部の中で、やりたいことをここまでやらせてもらえること、無条件でやらせてもらえることが本当に少ない。あるんですけどやっぱり上の許可とかそういう話になっちゃうから無条件でここまでやらせてもらえるのは本当にこの部門の魅力だなと思います。
山本 後期で一番と言っていいほど楽しかった。
吉澤 楽しいよね。
三宅 一番楽しかった、3年間の中でこの半年が。
吉澤 やりがいめっちゃ感じる。
三宅 だいたい、でっかいことやるのってやったとしてもその半年の中で1つくらいしかできないんですけど、立て続けに、自分とかはリーグ戦始まる前に一個、みんなのモチベあげるような動画をお客さんから集めて作って、でまた他のところでリーグ戦終わる時、早慶戦に向けてモザイクアートがあって。ってなったらだいたい野球で終わっちゃうんですけど、今年はみなさん見たと思うんですけど、(早慶サッカーの)横断幕作ったりとか、特に部内とかで(活動しました)。例年学対って外向けの発信が多いんですけど、今年は外に発信しても来てくださいとは言えないのでじゃあそれだったらということで下級生の2年生新人とかにも来年以降集客しようというモチベ上げるために投資ですよね、来年に向けた投資というのを結構やっていて、3年生と2年生で一緒にグルディスみたいなことやって、それで立教戦前にビラとか作ったり。
山本 応援部の公式のSNSでも2年生が毎日ビラのグループディスカッションでビラを作成するコンペティションのようなことをやったんですよ。それでまあ補佐と責任者で「これいいよね」となった上位3つだったっけ。
三宅 そうそうそう、3つ。
山本 3つは公式のSNSに載せていたりしていたんですけど。
三宅 2年生が作った画像を載せるなんて今までなかったんですけど。
山本 あとそれ以外でも2年生が(作った画像が)本当にクオリティ高いものばかりでどれも捨てがたいということでなんだかんだで。立教戦用に作ったんですけど、わざわざ早慶戦用に作り替えてもらってSNS載っけたりとか、そういう感じで全部活用しようって。
――やりがいを感じるときはどんなときですか
吉澤 自分が発案して任された企画が完成して世に出すところまで行くと、やりきったなと思うことは多かったです。
三宅 達成感がすごい、やばいっていう感じ(笑)。
吉澤 語彙力のなさがばれる(笑)。
一同 (笑)。
三宅 特に自分たち側で横断幕作ったんですよ。あれとかは本当に1週間前に日暮里の生地屋さんに生地買うところから行って。
吉澤 楽しかったけどね(笑)。
三宅 ペンキとか買ったやつが最初全然色つかなかったりで買い直したりとかして、みんなからTwitterで募ったメッセージとかを自分たちが代筆とか1個1個していたんですけど、そういう過程を経て駒沢に飾られたのを見ると、めちゃくちゃ感動しました。
吉澤 私ちょっとぐっときた(笑)。「待ってあそこにあるじゃん」ってすごくテンション上がって。
三宅 でも直接ア式蹴球部の人に(渡しに)東伏見に行ったんですよ。外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)とも写真を撮らせていただいたりして、本当にこれやりたかったやつだなって思いましたね。
山本 横断幕楽しそうだったね。私一応関わってはいたんですけど、他のバンドの練習の方で(忙しかった)。
三宅 でも横断幕はこの3人なんで。
山本 任せきりになって。2人が頑張ってくれたのでありがとうございましたという感じ。
吉澤 部内で終わらないで外部の人とかにもちゃんと影響を与えることができる、それこそ横断幕とかもそうだし、動画作ったりもアピールできると成果を感じる。
三宅 いつも学対ってお客さん呼ぶのが仕事なので、選手とかとあんまり関わりないんですよね、選手と関わるのは応援企画部門でやってしまうので。っていうのがあったんですけど、今年の学対としてお客さんと選手をつなぐという、お客さんが選手に直接見に行けないからこそ繋いであげるという役割を学対がしていったので、そこが今までとやっていたことが変わりましたね、大きく。
吉澤 リーグ戦が始まる前に、例えば野球部のリーグ戦だったら誰が注目されているのかを聞いて、その注目選手をまとめてそれを部内にも伝えるし、外部にも伝えて、さっきいった体育各部の部員とお客さんを繋ぐという活動はたくさん。
三宅 枠に囚われずにやっているという感じです。大久保さん(友博学生誘導対策責任者、政経4=千葉南)が結構、応援部のマーケティングって言っていて、最初は自分よく分かっていなかったですけども、学対って普通にお客さん呼ぶのが仕事だし、マーケティングって商売、ビジネスで使う言葉だけどなんだろうなっていうのは思っていたんですけど、今になって応援部の良さを外に出すし、応援部の良さを生かしていろいろやっていくということがマーケティングということなのかなと今は思いますね。
吉澤 分かる。商学部なんですけど、ちゃんと勉強しておけばよかったなと思います。(笑)。
三宅 これ1番おもしろいところ(笑)。
吉澤 本当に大久保さんがよく分からない言葉を最初言うじゃん(笑)。
三宅 そうなんですよ(笑)。
吉澤 でもそれがだんだんやっていくうちに、「あ、そういうことか」って(分かってくる)。
三宅 大久保さんは基本的に思考のプロセスが見えないので、10歩くらい先に飛んでいって「え、なんだろう」って分かんないですけど、とりあえずなんかやっていくうちに「あぁ〜そういうことね」って感じなんで。やっていかないと分かんないですね。だから、やっている途中はこれ大丈夫なのか、企画として成功するのかって結構不安も多いんですけど、大久保さんはそこまで見通しているんですかね。すごいですね。
山本 私はいつもすごいなって思っています。
吉澤 学対部門4年生の器の大きさがすごい。3人いるんですけど、すごいんですよ、本当に(笑)。
山本 結構部門会議といって、補佐と責任者で話し合うのがしょっちゅうあるんですけど、そういうのでも欠かさず、みなさん参加してくださっていて、本当にこっちとしてもやりがいというか。例えば大久保さんだけが関わっているという感じではなくて、3パートの責任者として学対部門として関わってくれているんだなというのがすごく伝わってくるので、やりがいというのはありますし。
吉澤 部門によると、パートごとに分裂というか対決してしまうこともあるんですけど、ないよね。
三宅 ないね。
山本 3パートで1つの部門として。
三宅 パートごとの分かれ目がないんだよね、3パートで1人ずつ担当がでてという感じなので。自分も他の部門だと、他パートと関わることここまで多くないんですけど、自分のリーダー同期と学対で関わることほとんどないんですけど、他パートとの関わりが深まりましたね。吉澤とかほぼほぼ企画で一緒だし。
吉澤 一緒にやる担当が多くて。ごめんね、迷惑かけて(笑)。
三宅 まぁまぁまぁまぁ(笑)。
吉澤 ご迷惑かかってないよとは言ってくれないんだ(笑)。
一同 (笑)。
三宅 やってしまったものはね(笑)。
――様々な企画されていましたが、まずモザイクアートについて伺います
三宅 ちょうど自分たちはやっていない(笑)。
吉澤 でも、写真の枚数じゃない。
三宅 たぶん1000枚くらい必要で、最初に集まったのが200枚とかそれくらいなんですよね。到底集まらないかな。終わりは決まっているじゃないですか、早慶戦で飾らなくてはいけないので。という中で、どうしたら残りの枚数稼げるかなと、大久保さんとかも本当にめちゃめちゃ知り合いの人とかに聞いて回って、自分とかも担当ではなかったんですけど、4年生がやっている姿、率先して動いてくださると、自分たちもやらなくちゃなと。部員たちの撮った写真も入っているんですよ。それもただかさ増ししているよというわけではなくて、自分たちもモザイクアートのために文字書いて自撮りしてくださいって大変じゃないですか、関係なかったら。それは4年生とかが率先してはっちゃけて写真撮っていたんですよ、そういうの見たら楽しそうだなって他の学年とかもノリノリで撮っていたので、結構早慶戦へのモチベーションというか、「みんなで一緒にやっていこうぜ」という一体感がちょっと高まったかなって。
山本 結構吹奏楽団も、練習後にも撮影しなきゃみたいな感じで学年を超えて撮影っていうのがあったりして。そういうので学年を超えた関わり合いができたりしたので、そういう応援活動をするだけじゃなくても部内のつながりが生み出せたので、モザイクアート企画はそういった面でもプラスになったんじゃないかなと思っています。私もがんばって友達には声かけてみたんですけど、やっぱりそんなに枚数もらえなくて、それこそ大久保さんがすごいたくさんもらうんですよ。
三宅 自分結構仲いい子に聞いたら大久保さんに聞かれてるということがあったので、そんなところまで手広げているのっていう感じ(笑)。
山本 早慶戦の写真送ってと言っても、送ってくれて1、2枚とかそのくらいで、やっぱりむずかしいなと思ったんですけど、OneDrive上で写真を共有していたんですけど、大久保さんが集めたのだけ、『大久保』というファイルがあって(笑)。
一同 (笑)。
吉澤 あと企画でWith WASEA企画という動画を作ったときがあったんですけど、それもコメントを集めたんですよ。それも集まりが本当に悪くて。
三宅 最初全然集まらなかった。
吉澤 でもひたすら知り合いに「いいから、答えて」って声かけて。
三宅 すごいんですよ、人脈広くて。
山本 今回の早慶戦の横断幕のときもすごいたくさん人に声かけまくっていて、本当にすごいなって思っています。With WASEDAたしか、外部の人に動画作ってもらいましたよね、そうそう「紺碧の歌プロジェクト」ってあるじゃないですか、あれの動画作っている人が知り合いでその人に頼んで。
山本 どこで知り合うの(笑)。
吉澤 応援部内って応援部で完結することが多いんですけど、広報もそうなんですけど、外に発信することが結構大事になってきているからこそ、応援部ってこういうことしているんだよとか、こういうこと手伝って欲しいんだけど、みたいな普段関わらない人と関われるから大事だなって思う。よく言われるのは応援部って「何してるの?」って(笑)。
三宅 こんなにしているのに、意外とね(笑)。
吉澤 応援しているだけじゃないのってよく言われる(笑)。
三宅 「応援部の練習って何してるの?」とかね(笑)。
山本 色々あるのに言い難いみたいな(笑)。
吉澤 集客もしているんだよ、応援も練習もいろいろあるんですけど、それを知ってもらえるいい機会。
山本 外部とのコラボレーションは本当に学対ならでは。
吉澤 みんな頑張っているのに、みんな知らないじゃん、外の人。それがすごい悲しくなっちゃう。
山本 それこそ、下級生とか部門が違う人でさえ同期が何やっているのかいまいち分からなかったりするんですよ。(吉澤)主務部門とか何やっているか知らないでしょ(笑)。
吉澤 一応知っているよ、ある程度は(笑)。具体的には知らないかも。自分でやらなきゃ分からないよね。
三宅 発信していくって大事だなってことですね。学対もそうですけど、他の部門も。学対からももっと他の部門とかにも流れを派生させていきたいなと。
意外と論理的な部門
早慶サッカー定期戦にて横断幕の前で。左から三宅、外池監督、大久保
――学対に入る前と後でご自身の変化したところはどんなところですか
三宅 自分は後期からなんですけど、大久保さんが「学対は神宮が好きなやつが向いている」ってよくおっしゃっていて、自分はもともと野球応援や神宮がそもそもそんなに好きではなくて、怒られたりすることも多かったりとか、お客さんと話すのもそんなに得意ではなかったりとか、なんで野球ばっかり、というのが本音だったのですよね。そこでコロナを経て、野球とかと関係なく、お客さんと会えるところで集客することって大事だなというのを思いましたし、やっていくうちに、野球でWith WASEDAとかモザイクアートとかやったけども、それに留まらずに派生したいよねって横断幕。自分としてはもともとやりたかった野球以外の集客もできましたし、野球で集客することの大切さとかも学べたかなと思いますね。
山本 応援って観客ありきというのを今年はすごく分かったよね。応援部だけでやっていても、やっぱり観客がいないから何やっているか分からないみたいなのがあったかな。
三宅 応援の方も結構工夫しているんですよ、サッカーはこの曲を使おうとか、工夫しているんですけど、やっぱり声出さないと届かないよねというところ、頑張っても限界はあるよねというのを他の横断幕とかで届けられたらいいなというか、これが今後求められていく応援のスタイルなのかなと自分では思います。今まで通りの応援ばかりしていても応援部の文化って廃れていってしまうと思うので、もっと直接選手の方々に届くようなアプローチが必要かなと思います。
山本 もともと私は学生誘導対策部門に興味があって、吹奏楽団自体もともと人数が少なくて前期は選出してもらえなくて、後期はやりたいってなって。興味を持ったきっかけというのが、私もともと楽器を大学から初心者ではじめて、入った新人の頃は全く楽器が吹けなくて、『紺碧の空』すら吹けなくてみたいな感じで、野球とかの応援に対して何もやりがいを得られなくて、ただ行って帰っているだけだったので。実際新人の頃に野球応援の誘導、学生誘導対策補佐のお手伝いみたいな感じでそういう誘導業務に入ることがあって、そこだといろんな人にありがとうといわれて、初めて自分の存在意義を感じていたこともあったりとか、自分がいちよん(1年生の頃の4年生)のパートの上級生の方で進藤さん(愛純氏、平30・人卒)という方なんですけど、その方にすごく憧れていたというのもあって、学対部門にもともと興味があったんです。その頃は誘導がメインなのかなと思っていたりして、後期にいざこの部門に入ってその集客だけじゃなくって部員へのアプローチであったり、集客の方法にも戦略的というか細かいところから考えている部門なんだなと。野球だけではなく、他の体育各部にもアプローチしてみようとか、下級生主体でやらせてくれる独特な雰囲気があったりして、入る前は他の部門と大差ないんじゃないかなと、結局上からいわれたことをやって誘導して、はいはい、みたいな感じなのかなと思っていたんですけど、印象は全然変わりましたね。真面目にコメントするキャラじゃないんだけど(笑)。
吉澤 私は通年で学対補佐をやっていて、たぶんほぼいないんですよ。他の人よりも、学対やりたい欲はある方だよね?(笑)。最初のきっかけは山本も言っていたようにいちよんの方々が素敵な方でリーダの木村さん(太一氏、平30商卒)はじめ、「あ、いいな」って。いちよんって応援部の中では特別で、めちゃくちゃ憧れる。
三宅 学対部門ってどの代も3パートで仲がいいんですよ。今の代もそうですけど。
吉澤 そういうの見ていていいなと思っていたことと、私は三宅と反対で神宮が好きで、素直に野球が好きなんですけど、野球もそうだし、来る人がやっぱり早稲田って良いよねって帰っていくのがすごい好きで、どうせだったらいろんな人にそれを感じて欲しいなって、ちょっとでもそれを手伝える部門がいいなって思って入ったんですけど。変わったこと…。逆にあまり変わらないかもしれない。やっぱり割と応援部の中で異色な部門なんですけど、その異例さは大事にしていかなきゃなと思っているけど、応援部の伝統も大事なところあると思うから、伝統と革新のいいバランスを探すのが大事なのかなと思います。
三宅 山本の発言を聞いていていいなと思ったんですけど、意外と結構細かいところまで考えているということは言っておきたい!と思って、外から見ると大久保さんの勢いや僕らのやりたい気持ちだけで突っ走っている印象になっているかなと思うんですけど、意外とやってみるとコメント全然集まらないよとかあって、じゃあどうする?って考える。意外と大変なこともあるんだぜってことは書いておいてほしいです。
吉澤 変わったことで、段階を踏んでちゃんとやるんですよ。
三宅 意外と論理的(笑)。
吉澤 だから、自分もそうだし、ロジカルな考え方をするようになった。
山本 どうしたらこうなるだろう、みたいなね。
吉澤 ノリで生きているタイプだったんですけど(笑)。ちゃんとやらないと、結果につながらないからこそ。
山本 この前の早慶サッカー(定期戦)の横断幕も、コメントが少なくて、「アディショナルタイムです!」ってTwitterで流して、期限を延長して。このアディショナルタイムは三宅が考えて(笑)。コメント集まらない、じゃあどうしよう、延長しよう、って期限を設定してやって、それであれだけのコメント数が集まったと思います。
三宅 アディショナルタイムでは結構集まって、自分も結構これはうまいなと思って、提案したんですけど(笑)。
一同 (笑)。
三宅 でもこれってただただ、集まらないから延期してくださいってすると、自分たちがかわいそうというか、数合わせのために頑張ってくださいとなっちゃうと思うんですけど、そこはユーモアをつけることによって、企画としてのおもしろさの醍醐味を失いたくないなというのがあって。
吉澤 そういうのリーダー強いよね(笑)。
三宅 ありがとうございます(笑)。
山本 発信をする上で、例年の写真とかを使うと今年の応援はほぼ違うから、絶対に今年は違いますという文章をつけないといけなかったり、割と細かいところも、語弊、誤解がないように発信していました。
――責任者(4年生)3人の印象を教えてください
吉澤 やっぱり大久保さんは独特の考え方と実行力を持っているから、大久保節じゃないけど、あるんですよ。それでみんながつき従う感じ、引っ張っていってくれる感じ。
山本 行動力があるから、本当にそこについていこうとなるし。口だけの人間について行こうってならないじゃないですか。どんな大それたこと言ってもそれを実現してくるのが本当にすごいなと思っています。
吉澤 やりたいやりたいって言うだけじゃなくて、自分が頑張っている姿を隠さない。
山本 応援部って頑張っている姿を表に出さない雰囲気、風潮があって。
吉澤 陰で努力して、表では成功だけっていうね。
三宅 それがいいか悪いかじゃなくて、例年はそうだったんですけど、あえて自分がやっているのを見せることによって周りにも影響を与えたいという考え方はすごい斬新だったなと思います。
山本 井口さん(優海、文構4=栃木女子)は結構、的確な指摘が多くて、その企画に向けて実行するためにはこういう視点が足りていないんじゃないとかそういう正面からじゃなくて、いろんな角度から物を見られる方かなと思います。そこはすごいなというのと、大久保さんが突き進むところについていっているのが、すごいなって。私だったら同期があれだけ突っ走っていたらちょっと、自分は引いてしまう気がするんですけど、大人しめで静かな方なんですけど、学対部門を支えているのがすごいなと思っています。
吉澤 会議とかすると、3年生が言って4年生がフィードバックみたいな感じだったんですけど、その時の井口さん返してくれるし、分かりやすいんですよ。言葉にならないようなことをちゃんと突っ込んでくれるから。あと、かわいい(笑)。かわいいんですよ〜もう好き(笑)。
三宅 自分が井口さんに思うのは補佐目線をもっていらっしゃるなと思っていて、他のところで知ったんですけど外野を開門させることに、一番貪欲というか思いが強いんだろうなと思っていて、大久保さんは補佐寄りではなく、責任者という立場をとっていらっしゃると思うんですけど、井口さんは自分たちに寄り添ってくれるというところを感じるのでありがたいですよね。
山本 あとは下級生、補佐がいっぱいいっぱいになっているところをちゃんと頑張っているねって声かけてくれたり、下級生が何やっているかちゃんと見てくれるので、本当にありがたいと思っています。
吉澤 大渕さん(夏柚子、国教4=東京・早実)はちゃんと軌道修正をしてくださる方なんですよ。企画があって若干くってずれちゃったとか、あらぬ方向にいきそうなときに直してくれる方。
三宅 そうなんですよ。誰が悪いんじゃなくて、自分たちで話しているとヒートアップして白熱するが故に、訳わからない方向にいってしまうんですよね。そのときにちゃんと「でもこうじゃない?」ということをぐっと言ってくれる。「あ、そうだ」って持っていってくださるので。
吉澤 状況分析がすごくできる方という印象で、企画があったときに人間だから漏れている部分があって、そのときに声がけをしてくださるのが、私は助かっていました。
山本 補佐の意見に結構何でもそれ面白いね、って受け入れてくださる方で、思っていてもそれをちゃんと表に出してくださるので、ちゃんとこの人は聞いてくれているんだなと分かりやすくて。人によってはこの部門じゃなくても、「うん、うん」って聞いていても何を考えているか分からない人も、いるかどうかはさておいて(笑)、反応を示してくれることで聞いてもらえるんだなとか、たまに大渕さんが意見言ってくださるときに私はこう思ったとか、これすごくいいと思うとか、誰がどの意見を言ったとか覚えていてくださっていてそこでちゃんと言ったことに対して反応をくれるというのがなかなかできることではないなと思います。
吉澤 とても同感。しかも、絶対フィードバックをするときに否定から入らない、絶対にいいところを見つけてくださるなという印象。やっぱり上級生に否定されると萎縮して言いにくくなるじゃないですか、なのにプラスの方向に持っていってくれるから、意見を言いやすい。
三宅 何がすごいかっていうと、バランスがとれているんですよ。でもバランスの取り方が、大久保さんが出て、2人が引いてとっているのではなくて、みんな情熱っていうのがある中で、それぞれ役割を補いあっているのがすごいなという。そういうバランスの取り方はなかなかできないので。誰かが飛び抜けたら引いちゃうって多いじゃないですか、そうなっていないのがすごいなって思いますね。
山本 自分の同期とかも補佐とかやって誰かが突っ走っちゃうとどうしても自分引いちゃうというのがあったので、それができるのは本当にすごいなと身をもって感じていました。
――コロナ禍でもzoomでグループディスカッションをかなりやられたとお聞きしました
山本 早慶サッカーでも2回くらい朝、やったよね。ことあるごと、企画ごと、その担当者と責任者はzoomをたくさんしていたんですよね。
三宅 グループディスカッションは部内でとにかくやっぱり部門というのは3、4年で作るものなのでそれになる前には見えてないんですよ。でも、集客ってやるのは全員なので、部門の3、4年だけがやっていればいいわけではないので、絶対にみんなで。こういう(コロナ禍で活動)できないときだからこそ、考えること、時間はたくさんあるので、そういううちから考えていこうという趣旨でやっていましたね。
山本 今年の2年生って発想力がすごくて、「これどう思った?」って聞いても、あれやりたい、これやりたい、こうしたらいいと思いますってすごく、意欲が素晴らしくって下級生、2年生とのグループディスカッションやったんですけど、そういうときにもビラ作成でこういうのを作っていて、クオリティーが全部高いもので。やる気がない人が作ったらこんなもの作れないだろうなというのが全部出てきて、それも個性がちゃんと全班あって、「これああしたいです、こうしたいです」というのが、LINEグループが全班ちゃんと動いていて、3年のフィードバックに対して2年生がちゃんと修正してきていたり、それに対して反応がすごく早くて。いやなことって後回しにしがちじゃないですか、そういうのもなくて、本当に意欲があるのを学対として指揮取れたのが、グループディスカッションやってよかったなということです。
吉澤 普段って2年生から意見を聞くことってほとんどないんですよ。その中で、これだけ意見を出してくれる2年生もすごいし、その状況を作れたことも嬉しい。
三宅 これで結構下級生から言える雰囲気というのを全員に伝えられたんですよ。来年以降2年生がそれぞれの部門に分かれていったときに、それぞれの部門で下級生から言う雰囲気を学対に入らなかった子やほかの部門でも言っていってほしいなともいます。
――今年の経験を生かして、来年やってみたいことを教えてください
山本 来年も下級生の意見を組み入れる環境があったらいいなと思いますね。どうしてもトップダウン方式になってしまうと、上の考えに偏りがちになってしまう思考になるので、まだ応援部に染まりきっていない下級生から、いろいろな目線を提供してもらえるというのは、いろいろな人に対して集客しないといけない部門として必要なんじゃないかなと思います。
吉澤 下級生メインにみたいにできたらとっても素敵だなと思いますね。あとは、野球に限らず早稲田スポーツ全体に対する興味をもっと引ける部門になりたいなと思います。
山本 応援行けない部活とかもあるから、そういう部活に対しても応援部として、体育各部を応援する部活として、何か関われたらいいなと思っていて、今年結構ア式と関わる機会があったりして、そういう感じで増やしていけたらいいなと思います。いろいろ、呼んでいただいているんですけど、なかなかそういうリーダーとチアだけだったり、吹奏楽団はなかなか関われない部分だったりするので、部門全体として体育各部と関わっていく雰囲気を作れたらいいなって思っています
吉澤 応援部だから、応援だけしているのかなって思われがちだけど、その部員が頑張って作っている応援を見てもらう場を作るじゃないけど、応援部に対しても、そういうモチベーションの面でアプローチできたらと思います。見てもらうって大事だと思うんだよね。こんなに頑張って準備している早慶戦も早稲田祭と被ると人が流れるのが、本当に悲しくて。来年は被らないことを願うんですけど(笑)。
三宅 自分も結構外に言っていくことが大事かなと思っていて、外に言わないとやっていることって伝わらないんだなと思って、みんなやっぱり自覚するべきだと思いますし、結局応援部の中でやっていて認められていることって、たかが応援部の中だけなんですよ。規則とか守っていれば怒られはしないですけど、応援部の中だけなので、もっと社会とか外の世界見て、他の価値観とかサークルの人の価値観とか自分たちが行っていない体育各部の価値観とか、とのつながりをもっと大事にしなきゃ応援部ってこのあと生き残っていけないよというのをすごく実感したので、それは学対だけではなくて、学対の中で芽生え始めているものをみんなが持てばそれぞれの部門で「これって応援部で当たり前だけど、本当に外でも通用するかな」「これって他の世界に持っていってもそのまま通用するかな」ともっと考えられたら、もっともっといい部活になっていくんじゃないかなと思います。
山本 怒られるのが怖くて動きだしづらい部活ではあるんですけど、そういうところでも間違いや失敗を恐れないでとりあえずやってみようというのを学対部門から発信していってくれればいいなと思っていました。企画とかも通りやすかったのは環境作りとかももちろん部門として大切だと思うんですけど、それが応援部全体に波及するように部内にももっと発信していくべきなんじゃないかなと思います。
僕たちは走り続けますよ(三宅)
熱く語る三宅と山本
――下級生に向けて、学対部門のいいところなどを教えてください
三宅 うーん。自分が悩んでいる理由というのが、学対だからどうだよというのはないと思っていて、自分は学対でやっているけれど、別に学対じゃなかったらできないかと言われたらそんなことないし、他の部門でもできるというのを思ってほしいなと感じたので、こういうのやりたいから学対にみんなきてねと言うのは違うなと思っています。やりたいと思ったなら自分がやりたいこと、外の世界に発信したいと思っていても、それを応援という形でやりたいとか、SNSをやりたいとかそれぞれ違うと思うので、自分のやりたい場でそのフィールドで生かしていってねというのを伝えたかった。学対がどうというのは言えなかったです、すみません。
山本 学対のアピールポイントはどんな人でも受け入れられるというのは学対の良いところかなというのは結構思っていて、結構私も変わっていると言われることが多くて。
三宅 応援部みんなそうだけどね(笑)。
山本 (笑)。考えることが苦手だったり、ディスカッション苦手だったりしても、やっていくうちになんか慣れていくことだったりとか、応援部に入っている自分自身に誇りが持てる、こういうことをやっているから協力してとか学対部門は言うから、結構対外的にも自分の中でも応援部であることを誇りにできる部門かなと思っています。
三宅 さあ、(最後吉澤)どうぞ(笑)。
吉澤 ちょっと待って、考えがまとまらないので長々喋ったらごめんなさい(笑)。たぶん、部門自体がどの部門も全部違うことをやっていて、全部なくてはならないと思うんですよ。そのなかで、学対は全部の部門の、おこがましいけど、全部門のやっていることを受けて…
三宅 全部門を発信していく立場にあるってことでしょ?全部門の上に学対ありますよってこと?(笑)。
吉澤 そこまでは言ってない!(笑)そんなことは言ってないんですけど、例えば、応援だったら応援企画部門がいろいろアプローチ方法とかどうやったら観客巻き込めるんだろうとか部員1人のモチベーションあげるのはどうやってやるんだろうとか、色々考えてやっていると思うんですけど、
山本 でも観客いないと何もできないってよくわかったよ、私応援企画部門だから(笑)。
吉澤 そうね(笑)。
山本 そこを呼んでくるのが学対なんだよね(笑)。
吉澤 ありがとう、言ってくれて(笑)。どんなに頑張っても、人がいないと応援って成り立たないんすけど、その最終形態に持っていくことができるのは学対しかないなと思うので、そういうところにやりがい見つけてもらえたら嬉しいなと思います。
山本 広報とかも結局は何のためにしているの、観客呼ぶため。観客呼ぶのは、学対部門って(笑)。
三宅 本当は学対部門っていらないんですよ。
吉澤 一人一人がやれば、いらない部門なんです。だから私たちは部員一人一人が何も言わずにでも、友だちにも声かけるし、理解してお客さんを呼べる状態にする、みんなが自分からやってくれる状態になったらいいなと。
三宅それが一番目指したいね。
――最後に一言お願いします
吉澤 本当にどうでもいいことなんですけど、通年で学対補佐やって一番楽しめたのは私だなっていう自覚があるので、下級生に言うとしたらどの部門に入っても楽しむのが一番、やりがいを見つければ絶対楽しいじゃないですか、そうなってくれればいいなと思います。
三宅 自分も一番楽しかったんですけど、学対の良さで思ったのは他パートと他部門に関われるのが学対の良さだなと思います。応援企画部門とかって専門というか馴染みがないですけど、学対だと連携は不可欠ですし、広報とかもちろんですし。みんなの思いを知ることも多いですし、自分のやっていることも言えるし、そういうところは魅力ですし、それがあったから楽しかったですね。
山本 最後、トリか(笑)。一言となると、みんな言っているんですけど、この半年間すごい楽しかったと思いますし、私はもともと学対やりたくて入ったので、すごく満足している所はあるのですが、この先やっぱり学対やりたくないって入ってくる人もいると思うんですけど、そういう人たちも学対やって良かったなって思える部門にしていってくれるといいなというのがこの先の下級生に対して思っています。今は楽しんじゃっている勢がここに集まっているんでけど、同期の中にもそんなに学対ガチ勢じゃない人もいるので(笑)。
吉澤 いるのー?みたいなね(笑)。
山本 応援部って3パート合わせてやっているので、パート関係なく応援部、学対部門として一つの括りで活動できることって少ないので、そういった部分楽しんでいただければと思います。また、全体が3、4年になると活動がブラックボックス化しやすいんですけど、そういうのも雰囲気自体を下級生でも「ああ、こういうことやっているんだな」くらいのオープンさが応援部全体に波及したらいいなと思っていたりします。あまり学対とは関係ないんですけど、学対から発信していけたらいいと思います。
三宅最後に言っておきたいんですけど、学対としては何も成し遂げてないんですよ、直接人一人も呼んでいないので(笑)。来年からが本気だから、補佐のみんなは頑張って、責任者のみんなは頑張ってって感じですね。
山本来年は外野席にも人を埋めて、通路にも人を座らせるのが目標。
吉澤立ち見を出したい(笑)。
三宅それやってこその学対なんで、まだ僕たちは走り続けますよ。これからもよろしくお願いします。
――ありがとうございました!
(取材・編集 市原健、手代木慶、吉田美結)
◆三宅風雅(みやけ・ふうが)
東京・桐朋高出身。社会科学部3年。先日の早慶バレーでは応援部の派遣も見えない中、早慶対抗クリスマスツリー企画で選手にエールを届けた!
◆山本千裕(やまもと・ちひろ)
神奈川・公文国際高出身。スポーツ科学部3年。自身のSNSでも積極的に発信している山本さん、早稲田スポーツへの熱を見せてくれました!
◆吉澤萌(よしざわ・めみ)
東京・早実高出身。商学部3年。今年1年間学対補佐として活動してきた吉澤さん。対談中も学対部門への愛がとても感じられました!