3パートの中でも、その華やかさからひときわ目立つ存在であるチアリーダーズ。常に前向きに応援し続けるその姿は、日々の練習や身体的、精神的な成長の上で生まれるものだった。黒沢真紀子チアリーダーズ責任者、二村亜祐美応援企画責任者、落合里帆学生誘導対策責任者に、応援部として、チアリーダーズとしての4年間について伺った。
※この取材は10月25日に行われたものです。
早稲田が1つになった瞬間(黒澤)
思い出深い応援を笑顔で語る黒澤
――好きな応援歌と応援曲を教えて下さい
二村 好きな応援歌は『早稲田の翼』という曲がすごく好きで、4年生一人一人担当している曲があるんですけれども、その中で私が『早稲田の翼』を担当していて、すごく明るい風潮で普段リーグ戦ではそんなに使わない曲なんですけれども、たまに出てくるからこそ出てきた時にすごくうれしいから好きです。
――担当という言葉が出てきましたが、どのようなシステムなのでしょうか
二村 内部の話になっちゃうんですけど、1年生が応援歌とか応援曲を踊る前に担当の4年生に1回見せてそれで合格をもらってから初めて踊れるという仕組みがあって、それで4年生が一人一人持ち曲で自分の担当する曲をもっていて、その曲を責任をもって見て、神宮球場とかで踊れるかどうかを判断するというものです。
落合 私は『魁』が好きです。特に亜祐美(二村)みたく持ち曲とかではないんですけど、神宮球場でもメドレーの最初に入る曲だったりして、これから始まっていくぞみたいな感じ曲調と名前にも『魁』とあるように先駆けていく感じ、疾走感みたいなのがすごく好きです。
黒澤 私はやはり第一応援歌の『紺碧の空』が一番好きです。得点が入った時であったりとか観客の方々と一緒に肩を組んで盛り上がれる早稲田ならではの早稲田らしい曲だと思うので一番好きです。
――好きな衣装を教えてください
二村 私は『ユニフォームセット』という野球の衣装と同じ衣装があって、それは4年生しか着られないということでずっと1年生の時から着たいなと思っていたので、4年生になってそれが着られるのがうれしいなというのと、野球でしか着られないということですごくプレミアム感があるというか応援に沿った衣装ということですごく好きです。
落合 私は『エンジェル125』が好きで、4年生になっていろいろな種類の衣装を着させてもらうことが多いんですけど、『エンジェル125』はスタンダードで新人の時に一番着た衣装ということもあって、初心に戻れるというかそういうのが好きです。
――これまでで一番習得が難しかったスタンツや技はありますか
二村 私は高校時代までずっとダンスをやっていたわけではなかったので、一番初めに覚えたのが『紺碧の空』だったんですけれども、その『紺碧の空』を覚えるのが本当に大変で、ずっと何回も踊りながら「違う」って言われながら覚えた印象があるので一番苦労したなという思い出はあります。
落合 私は難しかったというよりは自分が苦労したという経験なんですけど、『一騎リバティー』という技があって、1本の足をやっていたんですけど、それが難しかったなという思い出があって、1年生の冬にけがをしてしまって1年間ブランクがあったので、そこから復帰して一番習得したいなと思った技がその技だったので、復帰して慣れない中で挑戦した技だったので難しかったなと思います。
黒澤 私はミドルというポジションをやらせていただいているんですけれども、初めてミドルとして人の肩の上に乗って人を持ち上げた際は一番難しかったなというふうに思っていて、2年生の際のチアリーディングステージでミドルとして初めて演技に入らせていただいたんですけれどもできなくてできなくて、技切り日と言ってその日までにできなかったらその技を切るという日が決められていたんですけれども、その日までできなくて。上級生の方々と空いている時間にずっと練習させていただいてその日にギリギリできるようになったので、上級生の方々のおかげもありますし、自分の中で難しくもありうれしかった瞬間でもありました。
――これまでの4年間の応援で印象的だったシーンはありますか
二村 きょねんの秋の早慶戦というのが私たちのなかでも印象が強くて、応援ってずっと思いを伝え続けててもなかなか届かないというか、必ずしも結果につながるわけではないということが多いんですけれども、秋の早慶戦は全員が一丸となって選手だけを思ってひたすら応援し続けて、最後の最後で逆転勝利をすることができて、その瞬間はほとんどの部員が泣きながら応援していて、すごく感動的な瞬間だったなと思います。
落合 私は今言った秋の早慶戦もそうなんですけど、野球の早慶戦で言ったら私が3年生の春の早慶戦がすごく印象的で、自分が今の役職もお客さんの誘導とかをする役職なんですけど、それを3年生の補佐という役職に就くんですけど、その時に外野の誘導をした経験があって、春って結構お客さんが来るじゃないですか。その大勢のお客さんを自分がリーダーシップ取って外野に誘導していって満杯になった外野を見た時は感動しました。
黒澤 私はどれも心に残っているんですけれども、自分が3年生の際の早慶サッカー応援が心に残っていて、自分が登板という応援を運営する立場として携わらせていただいたというのももちろんあるんですけど、早慶サッカーって観客の方が本当に多く来て観客の方との距離も近くて、その中でみんなで一緒に肩を組んで『紺碧の空』を(歌って)わーっと盛り上がった瞬間、早稲田が1つになった瞬間というのを実感できたので、そこが一番心に残っています。
――チアリーダーズは笑顔が印象的ですが、表情トレーニングなどはされていますか
一同 してないですね。
落合 私はもともとクラシックバレエをやっていて、そんなにクラシックバレエって笑うわけじゃないじゃないですか。他の人は踊っているときとかスタンツ中とか笑うのがうまいんですけど、私は新人の時とかも真顔で踊っていて(笑)、あまりいい写真ないなと思っていた記憶があります。
黒澤 自然と楽しくて笑っちゃうというのが一番ありますね。
――やはり4年間で徐々に身についていくのでしょうか
落合 下級生時代とかは緊張しているときがあると思うんですけど、4年生だと応援も数を重ねていて純粋に楽しめたりするので、確かにそういうところかなと思います。
――チアリーディングの中で一番大切なことは何だと思いますか
落合 1つ言えるのは、私は高校時代はテニスをやっていたんですけど、正直ダブルスって言っても最悪個人プレーじゃないですか、球が来たら自分が打つだけなんですけど、チアって1つの技をやるにしても2、3人とか絶対に複数人関わってきて、そういうところで意思疎通というか同じところに向かって同じ思いとか考えをもってやらなきゃいけないなというのが違うかなと、大切にしたいなと思います。
引退するまでにはしっかり習得した状態で引退したい(二村)
ミドルのポジションに挑戦していると笑顔で語った二村
――残りのチアリーダーズとしての期間で向上したいポイントはありますか
二村 私はチアリーディングの面になるんですけど、今、さっき真紀子(黒澤)が言っていたミドルという人の肩の上に乗って人を支えるというポジションを4年生になってから初めて挑戦するようになって、今試行錯誤しながらやっているんですけれども、引退するまでにはしっかり習得した状態で引退したいなという1つの目標があります。
落合 私は応援部にいるとどういう応援が選手に届くかって考える機会が結構あって、4年目になっても応援部がやりたい応援ってやって自己満で終わっちゃうことも結構多いと思うんですけど、自己満の応援じゃなくて実際に選手に届く応援というか選手がうれしいなと思う応援がどういう応援なのかというのを、残り2か月弱ですけど最後の最後まで考えて伝えていきたいなと思います。
黒澤 里帆(落合)も言った通り、応援部として応援活動に参加させていただいている以上より良い応援は何かというところを追求して、あと2か月精一杯頑張っていくというのはもちろんなんですけれども、チアリーディングの選手としてこれから自分が今目標としている技であったりとかそれが絶対に達成できるように日々練習していきたいなと思っております。
――高校時代は何をされていましたか
落合 私は軟式テニスを中高で6年間やっていました。
黒澤 私は付属校出身なんですけれども、高校からチアを始めて応援部に所属していました。
二村 私は高校合わせて13年間ずっと柔道をやってきていて、トレーニングの一環で筋力トレーニングがあって、私はすごく腕力が強いのでベンチプレスという持ち上げるやつを80キロ持ち上げたという記録をもっていて。
一同 (笑)。
二村 自分の中でもすごいなって、自負しています(笑)。
――応援部に入ってお互いの第一印象はどのような感じでしたか
落合 真紀子(黒澤)は高校でもチアをやっていて主将をやっていたので、話を聞くからにしてもすごく真面目っていう一言に尽きるという感じですね。
黒澤 亜祐美(二村)は柔道をやっていたと言っていたんですけれども、私も小学校までずっと柔道をやっていたので巡り合ったなって(笑)、ここで柔道やっている子に出会ったかと思って親近感がわいて、最初は柔道トークで盛り上がっていました。
二村 すごいびっくりした(笑)。
黒澤 いたと思って。いるんだって思ったよね。
二村 里帆(落合)は今もあまり変わんないんですけど人の心に寄り添うのがすごくうまいなと思っていて、優しいというか人の心に寄り添える。
黒澤 冷静だよね、いつも。ちゃんと周りを見てる。
――今お互いに尊敬しているところを教えてください
落合 真紀子(黒澤)は自分の実力とか現状に絶対満足しないでもっとやり方があるんじゃないかとかもっとうまくなるんじゃないかというのを人一倍努力家で人一倍貪欲に何もかも考えて行動できるのが本当にすごいなと思っていて、できるのに一番謙虚なのが真紀子(黒澤)なのかなと思うのでそういうところを見習いたいなと思います。
黒澤 亜祐美(二村)は応援企画責任者という役職に就いているんですけれども、応援活動が応援部が主としてやっている活動なので活動量もすごく多いんですけれども、その中でおそらく一番同期の中で行っていることも多いと思うんですけれども、それを顔色一つ変えずに楽しみながらやっているところですね。
黒澤、落合 キャパシティーが広い!(笑)
黒澤 あと応援とかもすごく楽しんでやっているので、亜祐美(二村)自身も周りを見て下級生に指示を出しているのでそこはすごく尊敬できる部分だなと思います。
二村 里帆(落合)はどんな時でも一歩引いて見られるのが本当にすごいなと思っていて、例えば同期が28人いるんですけれども、やっぱり同期が28人いるとすごくいろんな意見が多くて揉めたりすることもあるんですけれども、里帆(落合)は一歩引いてすごく冷静な立場から全体にとって一番いい道を言ってくれるというか、自分の意見に偏るんじゃなくて一歩引いた状態で周りの意見も聞きながら発言できるところがすごいなと思っています。
落合 就活前の他己分析みたい(笑)。
――下級生に期待することを教えて下さい。
二村 応援面に関しては応援企画部門の1年間の方針として、まずは最高の応援は何かというのを考えた時に応援席にいる全員が楽しみながらする応援というのが一番いい応援なんじゃないかと思っていて、そのためには部員が誰よりもまず楽しまなきゃいけないなと思っていて、でも現状として緊張しちゃったりとかして委縮しちゃったりとかであまり応援を楽しめないという状況があって、そういった時に全力で楽しみながら応援をするのが一番重要かなと思っていて。そのためには主体的になって応援を率先するというのが私の中ではすごく重要かなと思っていて、それを今年1年間でもともとお客さんの前でしゃべるというのはチアリーダーズは行わなかったんですけども今年の秋からチアリーダーズが学生注目といってお客さんを盛り上げたり企画を進めたりというのを行うようにしていてそういったところで応援を主体的に動かすという意識が芽生えてきたのかなと。そこでどんどんどんどん応援を主体的になって楽しむという意識がもててきているのかなと思うので、もっともっと応援を主体的に楽しむということができたらいい応援部になるんじゃないかなと思うのでそこを今後も期待しています。
落合 私も役職で言うと、応援部がやりたい応援を企画するのが応援企画部門という今言った亜祐美(二村)の部門で、その下支えをするのが私の学生誘導対策部門というお客さんの集客だったりお客さんへの広報をしたりという部門だと思っているので、形式的に学生呼ばなきゃとか野球にお客さん来てほしいと思うだけじゃなくて、やりたい応援があってその上でどういうお客さんを呼びたいかとかどのくらいお客さんを入れたいかというところまで考えて、単に来てほしいとかお客さん呼び込むってするだけじゃなくてなんでお客さんが必要なのかというところまでどういう応援をしたいのかって考えて集客とかできたらなと思います。
黒澤 チアリーダーとしてもっともっと成長していってほしいと思いますし、応援する立場としてまた一選手として自分の決めた目標であったりそういうところを絶対目標を下げずに高みを目指してどんどんどんどん貪欲に挑戦していってほしいなと思います。
――下級生のお話を伺いましたが、自分の下級生時代を振り返ってこれまでで一番つらかった瞬間を教えて下さい。
落合 私はさっき言わせていただいたんですけどけがをした経験があって、実際もともと膝が悪くてそれを悪化させて手術して1年間ぐらいチアができなかったんですけど、けがで復帰するためのリハビリとかももちろんつらかったんですけど、一番つらかったというのは自分がやりたかったことを同期が先にやっていたりとか出たかった応援に同期が楽しそうに出ているのが自分自身うれしかったりするんですけどその反面悔しいなという思いの方が強かったりする場面もあったので、そういうところでは厳しかったというか苦労したというかつらかったです。
二村 私は新人時代にもともと柔道をずっとやっていたというのもあってダンス経験が全くなくてその中でダンスを覚えなきゃいけなかったりだとか、あとあまりうまく立ち回れる方ではなかったのでうまく応援部の生活になじめなかったりというのがあって最初は本当に失敗ばかりで、同期から後れを取っているなという自覚がすごくあったのでそういったところで埋もれているなというので、そこからどうにかして抜け出さなきゃと思ってあがいていた瞬間というのが一番自分としてはつらかったなと思います。
黒澤 私は大学2年生の時期が一番つらかったかなというふうに思っていて、右も左もわからず入部してあっという間に2年生になって、下級生が入ってきて下級生を指導する立場なんですけれどもうまく下級生に思いが伝わらなかったり、同期間でもうまく考えが同じ方向に向かなかったりとか2年生として同期の中で一番いっぱい話し合ったりとか一番私たちが変わるきっかけになった時期かなと思っています。その時期があったからこそそれを乗り越えたからこそ、今の同期とこうして今応援部として活動できているのでそこの期間はつらくもあり、でも一番自分たちが成長できた期間かなと思っております。
――その経験を踏まえて一番身につけた大きいことは何ですか
落合 私はやっぱりあきらめないことで、私はけがから復帰するので1個大会に出たいという目標を立ててそこに向かって復帰とかリハビリとかしていたので、今も大きなけがとかをしている下級生とかがいたりするんですけど、けがでブランクがあるからチアうまくなれないとかじゃなくて絶対にけがから学ぶこともたくさんあるのでそういうのも生かしてもっとうまくなれるように絶対にあきらめないで貪欲に何もかも頑張っていけば絶対に立てていた目標が達成できると思ったので、一言で言えばあきらめないことですね。
黒澤 あきらめなければ目標であったり夢は叶うなというのは本当に感じました。
――オフの日は何をされていますか
黒澤 接骨院に行ったり体のケアをしております。ほぼ毎日練習しているので、私自身は体の疲れがとれていないと次の練習であったり活動に響いてしまうので接骨院に行って体をマッサージしてもらったりとか、あとは映画を見たりとか漫画を読んだりとかリフレッシュに使っています。
落合 私も結構オフはオフしています。休みたくなっちゃう。
黒澤 しっかり休んでるね。
二村 たくさん寝ます。
――オフの日はどのくらいの頻度であるのですか
二村 今は週休2日で、4年生は自主練習を行っていてその関係で週に1日あるかどうかという感じです。
黒澤 全体としては主に2日取れるようにはしているんですけれども、活動量によってはオフの日が変わってしまったりとかはします。
二村 最後だから頑張ろうという。
黒澤 4年生は今はオフなしでもやってやろうという感じで(笑)。
――1日どのくらい練習するのですか
黒澤 今は4時間だよね。今はチアリーディングステージ前なので4時間やっているんですけれども、普通の期間ですと3時間で、今の4年生は5時間(笑)。
二村 プラス朝練習も含めると6時間くらいやってる(笑)。
――きょうも朝練習を
黒澤 きょうはなかったです。
――好きなワセメシと早稲田周辺の好きな場所を教えて下さい
落合 私はやよい軒。
一同 (笑)。
二村 ワセメシ!?チェーン店じゃん(笑)。
黒澤 いや、いいと思うよ。
落合 栄養が取れるからというのと、ごはんおかわり自由なので。
二村 おかわり自由じゃなくなったよ。
落合 えっ!そうなの!?知らなかった!
二村 私は、都電荒川線の近くに金城庵というお店があって、そこでかつ丼フェアとか天丼フェアとかいろいろあってそのフェアごとに行くというのが私の中のルーティーンで、誰かを誘って行って。だいだい安くなっているので。
黒澤 私は図星が好きです。早稲田大学に入学したばかりの頃は油そばを食べても胃もたれしていたんですけれども、だんだん食べていくうちに病みつきになって、今では同期と何回も行っています。
――キャンパスを含めて早稲田周辺でお気に入りの場所はありますか
落合 私は法学部なので8号館の106教室という一番大きい教室があるんですけど、そこは思い入れがあるわけじゃないんですけどアットホーム感があって好きです。
二村 私は7号館も結構好きで、早稲田アリーナのWスペースも好きで、応援部で何か作業をやる時はだいだいここに来て行うことが多くて、特に7号館は3年生って結構応援を動かす立場にあるんですけれども、そういった話し合いとかを7号館で集まって話した思い出があるので結構好きです。
黒澤 私は教育学部なので16号館が好きですね。(キャンパスの)一番奥地にあるんですけれども…
落合 Wi-Fiついたしね。
黒澤 そうWi-Fiがついたし、授業に行かないと会えない友達や学科のこと会える時間がとても大切な時間なので、私にとって16号館は好きな場所です。
両親や家族から応援されるのが嬉しい(落合)
ステージではスタンツ以外も注目してほしいと語る落合
――最近応援されて嬉しかったことを教えてください
黒澤 …応援された?
一同 (笑)。
二村 ミドルの練習を始めたと言ったんですけれども、自分が「やりたい」といった意志を尊重して、同期がチアリーディングステージの要綱に入れてくれたんですね。私を尊重してくれる同期の気持ちがすごく嬉しくて、私のために残って一緒に練習してくれるのが、本当にこの代と一緒にやってこられてよかったなと思います。
落合 私は両親や家族から応援されるのが嬉しいです。私が4年生になってから父が応援部にハマりだして、私が行っていない応援にも行っていて…。
黒澤 あ、来てたね(笑)。
落合 普段私たちは応援する側なんですけど、応援している私たちを「応援するよ」と言ってくれるのが家族なので、そういうのがすごくうれしいなと思いました。
黒澤 自分はつい先日まで教育実習に行っていたんですけれども、部活動には3週間という大きな穴を空けてしまい迷惑をかけているのですが、同期が応援してくれたのが嬉しかったです。
――応援部に入ったきっかけと、もし入っていなかったら何をしていると思いますか
落合 私は元々8年間ほどクラシックバレエをしていて、大学に入った時にできたら身体を動かしたいなと思いまして。出来たらダンス系に入りたいと思っていました。新歓期にたまたま応援部のステージを見て「いいな」と思ったのがきっかけです。もし応援部に入っていなかったら、MYNXに入っていました。
黒澤、二村 おー!すごい、かっこいい。
二村 私は高校3年生の時に秋の早慶戦を観にきて、応援席が一体になって『紺碧の空』を一緒に歌ってりして応援している姿にすごく感動して応援を始めました。あと自分は大学に入って何か打ち込めることをしたいなと思っていたので、そういうことで入りました。もし応援部に入っていなかったら結構柔道部に入ることも考えていたので、入っていたかもしれないです。
黒澤 私は付属高校出身なので、高校1年生の時に初めて早慶戦を観に行きました。そこで憧れたというのはあるんですけど、一番決め手になったのは、始めた観たチアリーディングステージでした。ステージを見て涙が出るという経験をして、「絶対私もあのステージに立ちたいな」と思ったのがきっかけです。それが目標に変わりました。高1から応援部に入りたかったので想像が難しいのですが、もし入っていなかったらサーフィンをやるかULTRAS WASEDAさんに入っていたと思います。
――チアリーダーズパートはその華やかさからアイドルのような扱いをされることが多いと思います。なにか大変だったことはありますか
黒澤、落合 (そういう扱いは)ないですよ(笑)。
二村 あほっぽい話でもいいですか。高校までずっとショートで大学に入ってからポニーテールをするようになったんですね。で、ポニーテールが汚くて(笑)。
一同 (笑)。
黒澤 侍みたいだったよね(笑)。
二村 そうそう。でいろんな人に「直した方がいいよ」って言われて。私としては一生懸命ポニーテールしたのに。そこから編み込みの練習をしたりして、慣れてだんだんとポニーテールが上手くなりました。最近は同期から「ポニーテール上手くなったね」って(笑)。成長しましたね。
落合 上級生の方に直されてたよね(笑)。
二村 そうそう。1年生の時に当時4年生の方に「亜祐美、直してあげる」ってくしを出されて(笑)。申し訳なさ過ぎて「はあ」ってなっちゃった(笑)。
黒澤 身だしなみとか立ち振る舞いとか、そういう部分は意識していると思います。みられるパートではあるので、チアリーダーズとしてどこで誰が見ていても胸を張って歩けるように行動しています。
落合 新人の時のアメフト応援で、自分としてはしっかりメイクをしていったつもりだったんですけど、同期に「きらきらが足りない」と言われて。
一同 (笑)。
落合 「キラキラが足りないよ」と言われて「なんでだろう」と思っていたら「目の上にキラキラが足りない」ということになって(笑)。後日、きちんとキラキラを買いました(笑)。
黒澤 里帆はキラキラマスターなんですよ。
落合 最近はやりすぎて目の周り全部(アイシャドウで)キラキラにしちゃって(笑)。
二村 でも普段のメイクとチアのメイク分からないよね。
黒澤、落合 わかるわかる。
二村 普段のメイクが濃くて、お母さんに「大丈夫?宝塚だよ」って言われます(笑)。
――チアリーディングステージに向けてパート全体で向上していきたいポイントを教えてください
落合 今は技とかも難易度が高いものをやっていて、スタンツを上げることだったり練習しているんですけど、ステージではスタンツだけではなくてそこから何かを伝えたいなと思っています。今は内輪でやっている感じなんですけど、ステージでは技以外の部分でも伝える演技に持って行けたらなと思います。
黒澤 私たちが年に1回の自分たちが主役になれるステージだと思っているので全員が輝けるように、お世話になっている方々への感謝の気持ちをBIG BEARSが表現出来たらなと思います。
二村 きょねん自分が招待した友人や家族から「すごい感動したよ」と言ってもらえたのが何よりもうれしくて。感動するステージってそれなりの過程が必要なんじゃないのと思っています。チアリーディングステージもその前からずっと練習し続けていて、その過程があるからこそ誰かの心に響くような演技が出来るのかなと思うので、そういったところで悔いなくやりたいです。
――次に練習について伺います。みなさん個人トレーニングはされますか
二村 応援部としての全体の練習は全員が集まらないと出来ないものが多いので、スタンツとか合わせる練習が多いです。だから振り付けはおぼえた状態で練習に来るというのが前提なので、全員が自主的に振りを覚えて練習ではそれを合わせるということをします。なのでそういったところでそれぞれの練習は必要ではないかと思います。
黒澤 昨日も里帆(落合)と練習しましたね、空きコマに。
落合 16号館の僻地の教室でやりましたね(笑)。 こそこそと。
黒澤 自宅では筋力トレーニングですとか、そういうのをやっています。
落合 私は亜祐美(二村)が言っていたイメトレとかですね。スタンツが上手くいかないときってあげているイメージをするんですね。やらないと不安で、夜とかは練習で撮った動画を観てイメージトレーニングします。
――やはりスタンツを上げる瞬間は緊張しますか
二村 上げること自体というよりは、同じ機の人と共通認識を持たないといけないので、全員が同じ認識を持つためにイメージとレーニングで、カウントのどこで上げるかというのをきちんと認識するようにしています。
黒澤 演技を行うのも、私は4年生ですが毎度毎度緊張していて、やっぱり全体の演技として完成度を高めていかなければいけないので、自分のせいで機が上がらないとか演技の質が下がるということは絶対にならないように緊張感を持ちながら取り組んでいます。
――ステージの振り付けは自分たちでされるのでしょうか
二村 そうですね…。でもハーフタイム演技だけは振り付け師さんに作っていただいて、それ以外は、自分たちでやっていますね。バンド演奏曲は代々2、3年生がやるという伝統があります。春は3年生、秋は2年生がつくって、それを全体で広めています。
――4年生が振り付けを作ることもありますか
二村 早慶戦のダンス曲があって、それは4年生が作って全体に共有しています。
――他パートで行ってみたい活動はありますか
落合 私元々小学生の時に吹奏楽部に入っていて、応援部に入る時も吹奏楽団かチアで迷っていたのもあって。吹奏楽部に入っていたらオーボエやりたいなと思っていました。でもオーボエは大きいから応援で使えないと言われてチアにしちゃったんですけど(笑)。もし楽団に入っていたらオーボエで座奏をやりたいですね。
二村 私はリーダーをやってみたいなと思いますね。応援というのはどういう応援をしてもらいたいかという依頼を(各部から)頂いてそれに応じていくんです。例えばエール交換の依頼だとリーダーしか応援に行かないので、そういうのがあると「いいなあ」と思いますね。なので馬術、バドミントン、射撃などリーダーが行ける幅が広いのが私としてはうらやましいなと思いますね。
黒澤 私は高校3年生の時に応援の主将をしていました。私の代は部にリーダーがいなかったのでチアリーダーズからリーダーをやる人を1人だしていてそれが私だったのでリーダーには憧れがありました。あと姉が応援部の吹奏楽団に入っていたこともあり、吹奏楽団にも憧れがあって…。まとまらないな(笑)。全パートやりたいなと(笑)。
――最後に、稲穂祭と早慶戦の見所を教えてください
二村 稲穂祭…。リーダーが主役のステージで、チアリーダーズはどちらかというと花を添えさせていただくという立場だとは思うので、応援企画責任者(小宮佑一朗)が前からずっと考えてきたステージを体現出来たらいいなと思います。見どころではないのですが、意気込みというか、そう思いますね。
黒澤 4年間一緒にやってきた同期の最後の稲穂祭になるので、リーダーのぶつける思いがステージ上にバッとあらわれるのが見所かなと思いますね。
二村 リーダーの人数が歴代でも多いので、そういう点でも迫力があると思います。そこは例年の稲穂祭にはない魅力が伝わると思います。早慶戦は…。この代全員で臨む最後の応援で、集大成になる応援が早慶戦になります。今まで野球(応援)を通じて改善していったところが継続してきたいいところが発揮できる場所だといいなと思います。最後にやり切ったなと思える早慶戦になってほしいです。実際慶應はすごく強くて、早稲田は今勝てるかどうかというところなのですが、勝利に関係なく部員全員がやり切ったと思った状態で終えられるかどうかが重要だと思います。やり切ったと言える応援が出来て初めて選手にもその思いが届いて勝利を後押しできるのではないかと思います。部員一人一人がやり切れる場所が早慶戦にになってほしいです。
落合 早慶戦は普段開門しない外野が開門するということもあるので、ぜひ色々な方に来ていただきたいというのはあります。外野からしか見られない景色というのが私は好きなので、もし外野に来て下さるお客さんがいたらぜひ外野から観てほしいです。あとは観戦するだけではなくて一緒に闘うというのが大事だと思うので、来てくださった方と一緒に戦いたいと思うので、全力で応援しているところにも注目してほしいなと思います。
黒澤 早慶戦は試合前に1年生から4年生まで大きなステージで演技をしたりするので、そちらに注目していただきたいです。あとは私たちが野球部の方々を後押しできるように全力で応援している姿にも注目していただけたらなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 橋本和奏、馬塲貴子)
その日の雨天を吹き飛ばすようなチアリーダーズスマイルです!
◆黒澤真紀子(くろさわ・まきこ)
1997(平9)年7日30生まれ。埼玉・早大本庄出身。教育学部4年。役職は副将、チアリーダーズ責任者。
マイブームはお笑い芸人のハナコやメイク動画をyoutubeで見ること。取材では常にはきはきと話す黒澤さん。今回の対談では思い切り笑ったりふざけたり、同期愛があふれている様子が多く見られました。チアリーダーズ責任者という重責を背負いつつ、自分らしく着実に歩んできた1年間。黒澤さん率いるチアリーダーズ集大成のステージは期待大です!
◆落合里帆(おちあい・りほ)
1997(平9)年4月22日生まれ。東京・早実出身。法学部4年。役職は学生誘導対策責任者。
マイブームはお笑い芸人の千鳥とクレーンゲームのコツをyoutubeで見ること。
しっかりと落ち着いた口調で一つ一つの質問に答えてくださった落合さん。怪我の経験から成長したという精神力は、現在の活動にも生かされています。稲穂祭、早慶戦ではクラシックバレエで身に付けた、しなやかな踊りに注目です!
◆二村亜祐美(にむら・あゆみ)
1996(平8)年6月20日生まれ。愛知・旭丘高出身。政治経済学部4年。役職は応援企画責任者。
マイブームは漫画を読むこと、昔のドラマを見ること。
13年間の柔道経験者で、高校では80キロのベンチプレスを持ち上げた記録を持つという二村さん。その体力はスタンツでも生かされているのでしょうか。対談では常にニコニコと話してくださいました。今年初経験というミドルのポジションでも、息の合ったスタンツを見せてくれること間違いなしです!