六大学の仲間とともに

応援

 今世紀初の立大優勝で締めくくった六大学春季リーグ戦。あれから3週間が経ち、こんどは府中の森芸術劇場に六大学の応援団が再集結した。2年前までは日比谷公会堂で行われていた『六旗の下に』。日比谷公会堂の改修工事の影響を受け、昨年は昭和女子大学人見記念講堂、そしてことしは府中の森芸術劇場に場所を移し開催された。前売りチケットは販売開始5分で売り切れ、ことしも大盛況であった。

 各大学の2年生チアによる華やかなオープニングステージで幕を開けた。メインの各大学の校歌・応援歌・拍手紹介に移ると、各大学の特色を表した応援が披露される。そんな中ワセダは「リーダーが多いことが強みなので、リーダーが多いことで生み出される華やかさ」(井上雄太連盟常任委員、教4=愛知・海陽学園)という特徴を活かし、リーダーの迫力を前面に出した構成でステージを演出する。最初に行われたのは、『校旗紹介』。府中の森芸術劇場に堂々とそびえ立った『新大校旗』で会場をエンジに塗り替える。続いて披露したのは第一応援歌『紺碧の空』。「『六旗の下に』でしっかりしたものがしたい」と今回のために半年間研究していたという井上がセンターリーダーを務めた。そして早慶戦で勝利したときのみ行われる『伝統の勝利の拍手』。幹部と下級生のそろった拍手は観客を魅了した。

オープニングステージに登場した2年生チア『六旗隊』

 特にワセダのステージで盛り上がったのは早稲田必勝応援曲メドレー『大進撃~スパークリングマーチ~コンバットマーチ』。田路進太郎新人監督(商4=兵庫・淳心学院)の『新人哀歌』で始まると、スライドショーではリーダー幹部の写真が映し出される。新人時代からの変遷を刻んだスライドは3年間半の苦労とワセダへの愛を感じさせるものであった。そして『大進撃』に入るとこれまでの静けさから一変し、一気に会場のボルテージは最高潮に。最後の『コンバットマーチ』ではリーダー幹部4人の迫力のある突きを魅せ、観客を圧倒した。ワセダの締めくくりの曲は、もちろん校歌『都の西北』。櫻井康裕代表委員主将(社4=群馬・中央中教校)がセンターリーダーを務め、「みんなでどんな場面でも盛り上がれる」(櫻井)というワセダらしさを最後まで見せ続けた。

『紺碧の空』を披露した井上

 フィナーレでは六大学のリーダー総出で六校の応援歌メドレーを披露。普段はそれぞれの応援席で披露しているが、この日は特別だ。舞台上では幹部が、観客席では下級生がそれぞれの大学とは関係なく一体となって観客を盛り上げていた。ライバルでありながら、仲間である。そんな関係を象徴している場面であった。ことしで70周年を迎えた東京六大学応援団連盟。「他大学のいいところと自分たちのいいところを六大学で関わることでわかります。」と櫻井はこの連盟の存在を重要視する。これまでもお互いに切磋琢磨(せっさたくま)しあい、尊重しあっていた。そしてそれはこれからも続いていくことであろう。また、秋が来れば六校の熱い戦いが始まる。

(記事、写真 平松史帆)

コメント

櫻井康裕(社4=群馬・中央中教校)

――きょう全体を振り返っていかがですか

 全体としては非常にいい盛り上がりを見せていたのではないかと思います。

――ワセダのステージではこだわった部分はありますか

 ステージの構成を考えているのはすべて連盟委員の井上なんですが、近年『六旗の下に』で各学校にもらえる時間が短くなっていて、30分以内という制約がありまして、その中でもどれも犠牲にしたくないということで、旗の紹介、第一応援歌『紺碧の空』、伝統の勝利の拍手、応援曲メドレー、校歌のすべてどれもおろそかにせずに見せ所にできるようなステージになっていたと思います。

――ほかの大学と同じステージを作ることはこの『六旗の下に』でしかされないと思いますがそちらに関してなにか考えていることはありますか

 発表会のようなもので応援のパフォーマンスに順位はつけられないわけで、明確に順位がつかない中でここの部分ではほかの大学よりワセダが優れているという部分を出すか、見せつけられるかだと考えて自分たちはやっているので他大学のいいところと自分たちのいいところを六大学で関わることでわかって。いい関係を保てるステージで、六大学応援団にとって必要なものだと思います。

――先ほど、六大学それぞれに良さがあるとおっしゃっていましたが、ワセダのいいところはどこだと思っていらっしゃいますか

 一言で表すのは非常に難しいですが、みんなでどんな場面でも盛り上がれるステージかなと思っていて、静と動のような静かな場面と動く場面とある場合もありますが、全体的に常に30分間楽しめる構成になっていると思います。

――最後に秋のリーグ戦に向けて意気込みをお願いします

 春はリーグ戦の優勝も、打倒ケイオーも果たせなかったので秋こそは必ずいい順位で順調に勝っていって最後打倒ケイオーしてリーグ戦の優勝を果たしたいと思います。

井上雄太(教4=愛知・海陽学園)

――連盟として六旗の下にに関わっていたと思いますが振り返っていかがですか

 時間はコンパクトになったんですけど、全体的に間延びもせずにいい盛り上がりをみせてくれていい形で終わったんじゃないかなと思います。

――ことし重要視したことはありますか

 リーダーが多いことが強みなので、リーダーが多いことで生みだされる華やかさですね。華やかにできるぶん動きを合わせるという練習をたくさん行ったりしたので、うまくワセダの華やかさは出せたんじゃないかなと思います。

――『紺碧の空』ではセンターリーダーを務めていらっしゃいましたがそちらを終えていかがですか

 ワセダを代表して『紺碧の空』を振る身分なので自分なりに連盟についてから半年間研究していて。自分でもこの『六旗の下に』でしっかりしたものをやりたいという思いがあって。きょうはしっかりできたので自分では満足しています。

――フィナーレはたいへん盛り上がりましたがステージに立たれているときはどのような思いでしたか

 万感の想いというか。自分は昔から連盟で集まって作るステージが好きで、連盟になりたくてやってきたので、最後はすごい皆さんが盛り上がってくれて六大学全体でお客さんと一緒に盛り上がれて、ここまで頑張ってきてよかったなと思っています。

――六大学全体でステージを作ることはこの『六旗の下に』ぐらいだと思いますがその点はいかがですか

 ことしはケイオーの曲でやったんですけど、ケイオーの同期が色々と教えてくれてしっかり合わせて練習しようということで。『ダッシュケイオウ』などケイオーのチャンスパターンもすごい盛り上がるのでみんなで出来て盛り上がることが出来たのは良かったと思います。/p>

――まだ先ですが秋のリーグがあります。意気込みをお聞かせください

 春のリーグは中盤まで優勝候補する勢いできてて自分たちも本気で優勝させようとして応援していたんですけど、悔しい結果になってしまったので。自分は応援の企画も兼ねていて、自分か作りたい応援の基礎はだいたいできたのでこれから夏にしっかりリーダー全体を鍛え直してもっと野球部の優勝を後押しできるように頑張ります。