早慶戦前夜祭で野球部を激励

応援

 六大学野球秋季リーグ戦はクライマックスを迎える。今季の優勝は明大に決まったものの、「華の早慶戦」に向けて早大応援部の士気は最高潮に達している。大隈講堂で開催された稲穂祭。例年以上に伝統を重んじて行われ、大歓声の中、野球部を早慶戦へと送り出した。

 第一部の早慶合同ステージは早大と慶大の校旗の入場から始まった。二つの旗が並びいよいよステージが始まる。まずは『早慶賛歌』。早大は鈴木崇正代表委員主将(教4=静岡・韮山)、慶大は副将がセンターリーダーを務め、両校の部員が肩を組み合い、互いをたたえ合った。早慶戦90周年を記念して作られた『Blue Sky Waseda』、『Blue Sky KEIO』を演じ、次は慶大のステージ。『慶應義塾塾歌』、『若き血』、チア曲の『NO MORE CRY』を披露する。その後の『伝統の勝利の拍手』ではこれまでの華やかさから一変し、会場全体が厳かな雰囲気に。最後に披露した『チャンスパターンメドレー』では大隈講堂の観客を圧倒した。

 続く早稲田のステージでは最初に『紺碧の空』を披露。待ってましたとばかりに会場の雰囲気をエンジに塗り替えた。その後、『ひかる星雲』、『伝統の勝利の拍手』で慶大に対抗。そして舞台にスクリーンが下ろされると杉山湧一郎新人監督(商4=三重)の独唱から始まった『新人哀歌』の合唱。これに合わせリーダー幹部の新人の頃からの写真を使った、スライドショーが上映された。最後は『ワセダ必勝応援曲メドレー』と『紺碧の空』。本番さながらの迫力でこの日一番の盛り上がりを見せ、早大は一丸となって早慶戦に挑むと慶大にアピールした。

リーダー幹部6名による『コンバットマーチ』

 第二部では、野球部壮行会が行われた。最初に早大応援部が作成した、モチベーションビデオが上映された。このビデオは体育会の他の部から野球部へのエールを集めたものだ。野球部を代表した高橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)、石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)のあいさつでは、必ず慶大を倒すとの決意を表明。それを後押しするように鈴木が記念品を贈呈すると、会場からは温かい拍手が送られた。そして、稲穂祭の締めくくりに『早稲田大学校歌』を全員で合唱。ステージ上では野球部と応援部が肩を組み、一体となって打倒慶大を誓い合った。

応援部から野球部へ、記念品贈呈

 ついに今週末に迫った早慶戦。野球部の4年生はこの試合を最後に引退するが、応援部のリーダー幹部も大きな舞台に立つのは早慶戦が最後である。4年間の集大成として有終の美を飾れるか。神宮球場に『紺碧の空』が広がることを期待したい。

(記事 平松史帆、写真 中川歩美)

コメント

鈴木崇正代表委員主将(教4=静岡・韮山)

――きょうのステージを振り返って感想をお聞かせください

早慶戦前夜祭というステージなので、早慶戦に向けて盛り上げていくというのが主な意味なのですが、やはり私たち応援部リーダーにとって早稲田大学応援部がメインのステージがこの稲穂祭だけなので、最後の稲穂祭という部分では相当気合が入りました。

――会場の雰囲気や観客の反応はいかがでしたか

ワセダが好きという方がたくさん集まってくださるので、そういう部分では非常に盛り上がっていただけて、こちらもやっていてどんどん観客の皆さまにあおられるような気分で気合を入れてすることができました。

――早慶戦への意気込みをお聞かせください

自分たちの集大成でもあるので、とにかく早慶戦という大きな舞台に対して大きな責任を持って、謙虚な気持ちで挑んでいい早慶戦を作れたらと思います。

――野球部へのエールをお願いします

4年生にとっては最後の早慶戦ということで、悔いの残らない試合をしていただきたいです。われわれ4年生にとっても最後なので、私たちも悔いの残らない応援を届けます。

――早大生や神宮球場で応援してくださる方々にメッセージをお願いします

早慶戦は特別な舞台ですが、それを作るのは来てくださる観客の皆さまなので、一緒に特別な舞台を作っていきましょう!

齋藤健史稲穂祭実行委員長(教4=埼玉・早大本庄)

――本日はどのような気持ちでのぞまれましたか

例年はお客さんをたくさん呼んでステージをやるという我々主体のステージだったのですが、ことしは野球部の壮行会という意味をしっかり重んじてやりたいということで、野球部を客席にあげてステージをやって。少しでも野球部の皆さんが早慶戦で自分たちのプレーができるように、背中を少しでも押せるように気持ちを込めて演技をしました。

――きょうを振り返っていかがですか

準備段階では不安な部分がかなりあったんですけど、皆さん盛り上がってくださって。紺碧を歌う時も校歌を歌う時も客席の皆さんが一体感を持って歌ってくださったので良かったと思います。

――会場の雰囲気を肌で感じていかがでしたか

我々にとってはこういったステージが最後になるので、やはり皆さんの熱い思いを感じて自分も感極まり、うれしいという気持ちで演技していました。

――実行委員長として一番意識したことを教えてください

ステージの運営はかなり多くの人が動いてやっているのでしっかり指示系統をもちつつ、まとめ上げながらいいステージを作っていくことを意識してやっていました。

――その中で慶大との応援合戦はいかがでしたか

今年は他団体を呼ばずに応援部から送りだすということで、応援指導部と応援部のみで演技をしたのですが、かなり時間をとって『伝統の勝利の拍手』など伝統ある演技を組み込むことで応援の士気が例年より上がったかなと思いました。

――野球部へのエールをお願いします

 慶大は絶対に負けられない相手なので、自分たちも全力で応援するので一緒に打倒慶大を果たしたいと思います。頑張ってください。

――応援に来る早大生へのメッセージをお願いします

 とにかく楽しむということが応援で一番大切なことだと思うのでその場の雰囲気だったり、応援部の動きだったりを一秒も無駄にせず楽しんでもらえたらなと思います。

――早慶戦への自身の意気込みをお願いします

 応援部生活の集大成として、これまで積み上げてきたつらかったこととか楽しかったこととかを全部含めて、自分の糧になるように全力で応援するだけだと思います。

――終演後に胴上げされていましたがその時のお気持ちをお願いします

 役職的に目立つ役職ではないんですけど慶大の同期もそうですし、早稲田の応援部の同期も本当によく支えてくれて、ああやって胴上げしてくれるようなすごくいい同期に恵まれて幸せだなと思いました。