シーズン開幕! 金井組の初陣は収穫のある大会に

女子ラクロス

 3月11日から2日間にわたって東京六大学交流戦(六大戦)が行われた。六大戦は早大ラクロス部にとってシーズン開幕戦であり、G金井美穂主将(教4=神田女学園)率いる『金井組』の初陣でもある。早大は1日目に明大に逆転負けを喫して、立大とは引き分けた。2日目は東大から六大戦初勝利をつかんだものの、続く慶大、法大に敗れ1勝3敗1分で六大戦を終えた。

 初戦の明大戦は、前半にMF脇田萌衣(教3=東京・白百合学園)が先制点をあげると、後半開始直後にもMF五十嵐杏子(文2=神奈川・相模原)が追加点となるゴールを挙げ2点リードとなった。しかしファールからのフリーシュートで立て続けに失点し、同点に追いつかれる。そして後半13分、相手に勝ち越し点を許し、2ー3で敗れた。続く立大戦は2度リードを許す展開となったが、MF齊藤莉果子(先理3=東京・小山台)、MF茅野汐莉(教4=東京・早実)のゴールでそれぞれ追いつき、2ー2の引き分けに持ちこんだ。

ゴールを決め喜ぶ選手たち

 迎えた2日目、初戦の相手は東大。開始早々に先制点を許すが、AT拝原花歩(政経4=東京・早実)のゴールなどで3点を奪い逆転する。その後同点に追いつかれ、3ー3で試合は終盤を迎えた。そして後半14分、AT山口葵(教4=神奈川・桐蔭学園)がフリーシュートを確実に決めてこれが決勝点に。4ー3で六大戦、そして『金井組』の初勝利を飾った。

東大戦で決勝点を挙げたAT山口

 続く慶大戦では4点ビハインドから粘りを見せる。反撃の口火を切ったのは、東大戦で決勝点を挙げたAT山口。前半終了間際に慶大ゴールをこじ開けると、後半開始直後にもこの試合2点目となるゴールを決める。するとAT西川佳(文構3=東京・東洋英和女学院)も流れに乗って得点し、ついに1点差に詰め寄った。その後、両チームともに1点ずつを加えて4ー5で試合終了。東大戦に続く連勝とはならなかったが、MF脇田は「通用する部分もあると分かった」と振り返り、来たる早慶定期戦(早慶戦)に向けて確かな手応えを感じていた。最終戦となった法大戦は序盤から相手の猛攻に苦しむ。攻め込まれる時間が長く、前半だけで4失点と法大の流れを止めることができなかった。攻撃陣も相手のディフェンス陣の前に得点を奪えず、0ー4で敗戦。六大戦5試合を1勝3敗1分の成績で終えた。

主将としてチームを引っ張るG金井

 G金井主将は今シーズンを「勝つシーズンにしたい」と意気込んだ。これから迎える早慶戦、関東学生ラクロスリーグ戦で目標を達成するために、六大戦で見えた収穫と課題をもとにさらなるレベルアップを目指す。始動したばかりの『金井組』から今後も目が離せない。

(記事 廣野一眞、写真 飯田諒、廣野一眞)

結果

1日目

▽第一試合 ●2ー3 明大(脇田萌衣、五十嵐杏子)

▽第二試合 △2ー2 立大(齊藤莉果子、茅野汐莉)

2日目

▽第一試合 ◯4ー3 東大(水野文萌、拝原花歩、横幕円香、山口葵)

▽第二試合 ●4ー5 慶大(山口葵2、西川佳、星川陽恵)

▽第三試合 ●0ー4 法大

コメント

G金井美穂主将(教4=東京・神田女学園)

――新チームで5試合を戦ってみていかがですか

 六大戦に向けて準備してきたところは発揮できた一方で、やってきてないことなどが課題として残りました。

――準備してきた部分は具体的にどのようなところですか

 ライドでボールを奪うことと、ドローのレベルが去年よりも飛躍的に上がったかなと思います。特に慶大戦ではドローの勝率がすごく高かったので、そこの準備というのはできていたと思います。

――課題や反省点は見つかりましたか

 やってきてないという点では、ブレイクとクリアです。加えてDF陣はフォローを寄せる動きをやってきた分、寄せすぎてしまったり、逆に寄せなければならない場面で寄せてなかったりというディフェンス面での課題がありました。あとはショットの精度がまだまだ低いかなという感じです。

――ここまで主将を務めてみていかがですか

 例年と違って、試合は4年生だけではなくて、4年生よりも下(の学年)がメインになってくると思うので、距離感が近くていい面があります。一方で、メリハリがつけられない面があって、それは4年生だけでなく2、3年生の課題でもあって、そして六大戦1週間前にチームの大きな課題になってきて、しっかり締めなければ、という思いがありました。一度チームで意識を高めた結果、六大戦に向けてはいい準備ができたので、(チームに)メリハリをつけることを自分がやらなければならないのが難しいと思いつつ、でもみんながしっかりついて来てくれているということは感じているので、みんなには感謝しています。

――今シーズンをどのようなシーズンにしたいですか

 「勝ち」を目指したいです。去年は次の代や、その次の代で勝つチームをつくるための基盤となるシーズンでしたが、今年は今年のチームでしっかり勝ちたいです。それが来年にもつながると思うので、勝つシーズンにしたいと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 六大戦で見えた課題をしっかり解消して、早慶戦では必ず慶大に勝てるように頑張ります。

MF脇田萌衣(教3=東京・白百合学園)

――六大戦の攻撃面を振り返っていただけますか

 今日(2日目)の最初の2試合に関しては、結構やりたいことができました。自分たちがボールをコントロールしたうえでの得点が多かったので、そこの部分は良かったです。ただ法大戦に関しては、(ボールを)取りきれなかったり、相手に流れを握られたりした部分が多かったので、コントロールが重要だなと感じました。

――1日目が終わってチーム内でどのような話しをしましたか

 今までは相手に合わせたアタックをすることが多かったのですが、今年は早大のアタックをつくったうえで、それをどれだけ相手に発揮できるかということをモットーにやってきたので、やりたいラクロスを継続して明日(2日目)もやろうとチーム内で話しました。

――慶大戦の後半で1点差まで追い上げた攻撃について振り返っていただけますか

 1Q(前半)が終わったときに、相手にボールのコントロールをされていると感じたので、私たちからボールのコントロールをすることにしました。パス回しの距離感だったり、どこを攻めるかの共有であったりをやったことで、2Q(後半)は流れが持ってこれたかなと思います。

――慶大の印象について

 正直なところ、結構通用する部分もあると感じました。特に今年力を入れているライドを発揮できれば、通用する部分も多くあると思います。もちろん課題も見つかりましたが、通用する部分も分かったのでこれからさらに磨きをかけて、早慶戦に向けて頑張っていきたいと思っています。

――今後の意気込みをお願いします

 通用する部分も多く分かったので、そこはさらにブラッシュアップして、弱点に関してはこれから一つ一つ練習を積み重ねていきたいと思います。