1年生にとって2度目の新人戦となるウインターステージ。今大会、早大は人数の都合上筑波大との合同チームで挑んだ。第1戦の対日大は初戦ならではの緊張感をものともせず4-0で快勝。第2戦のヤマ場となる明大α戦は、先制を許すも後半に追い付き引き分けに持ち込む。この時点で明大αと勝ち点、得失点が並んだため、決勝トーナメント進出は第3戦を勝利し、得失点差で明大αを上回ることが条件となった。勝負の第3戦、早大は完全に試合を支配し、8-0と相手を圧倒する。しかし、明大αが9-0で日大に勝利。早大は力を出し切りながらも得失点差の末、悔しい予選敗退となった。
第1戦の日大戦は前半、筑波大の選手のフリーシュートで先制すると、後半早大の選手も3得点を決める活躍を見せ勝利。幸先の良いスタートを切る。続く明大α戦は勝利すれば決勝トーナメント進出に大きく近づく大事な一戦となった。試合は前半、フリーシュートによる得点で先制を許し追い掛ける展開に。その後も明大αに押し込まれる時間が続き前半を折り返した。迎えた後半、早大はドローの後のグラウンドボールをAT古本彩華(政経1=東京・早実)が取り切ると、MF吉見彩(スポ1=早稲田渋谷シンガポール)がショットを決め同点に追い付く。しかしその後「ショット自体は多く放っていても、そこで決め切れなかった」と足立真菜学生コーチ(文構4=東京・国学院久我山)が振り返るように勝ち越すことができず、1-1で試合を終えた。
今大会5得点を決める活躍を見せた吉見
決勝トーナメント進出のために大量得点での勝利が求められた第3戦の白百合女大・国際基督教大・東京家政学院大合同チーム戦。早大は吉見のドローを奪ってからのブレイクで先制するとその後も得点を重ね、前半を3-0で折り返す。同じ時間に行われていた明大α対日大は前半を終えた時点で5-0。早大は後半に向けてさらなる得点が求められることとなった。すると後半、早大は次々と得点を決めていく。グラウンドボールもしっかり取り切り、終始ポゼッションを保持すると、試合終了までに奪った得点は8得点。しかし、明大αが日大に9-0で勝利したため、得失点差で上回れず。サマーステージに引き続き無念の予選敗退となった。
2得点を決めた古本
今大会、早大は筑波大との合同チームで臨んだ。毎日は共に練習を積むことができないことなど、早大のみで出場したサマーステージに比べて苦労した点もあるだろう。それでも「連絡も密に取れ、戦術を共有した上で互いに高め合うことができた」と冨田知沙学生コーチ(政経4=早稲田佐賀)が振り返るように、互いの良い面を生かした上で大会に臨むことができたからこそ、3試合を通じて2勝1分という結果を残すことができた。「自信を持ってほしい」(冨田)。今回予選敗退となったものの、オフェンス、ディフェンス共に新たな戦術を身に付け、試合で発揮できたことは必ず今後プレーしていく上でも生かされていく。残された新人戦はあすなろカップのみとなった。サマーステージ、ウインターステージでの悔しさ、経験を生かし、5カ月後、さらに強くなった選手たちを見ることができるに違いない。
(記事、写真 岡田静穂)
結果
▽予選Kブロック
1試合目
○4-0 日大(得点者:吉見、篠原岬、古本)
2試合目
△1-1 明大α(得点者:吉見)
3試合目
○8-0 白百合女大・国際基督教大・東京家政学院大合同チーム(得点者:吉見3、藤、古本)
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コメント
足立真菜学生コーチ(文構4=東京・国学院久我山)、冨田知沙学生コーチ(政経4=早稲田佐賀)
――大会を終えた今の気持ちはいかがですか
足立 今回は1試合も負けなかったので、だからこそ決勝トーナメントに進めなかったことが悔しいんですけど、それ以上に1年生自身が自分たちで考えてプレーができるようになっていてその姿を見れてうれしかったです。
冨田 決勝トーナメントに進出できなかったことの実感がまだ湧いていないですね。試合内容を見ても、グラボなども負けていませんでしたし、何かミスが続いたわけでもなく、自分たちの全力を出し切った上で決勝トーナメントに上がれなかったのは勝負の厳しさを感じました。本当に完成度の高い試合ができていて、今まで対戦相手になってくれた上級生や、引退してからも練習に来てくれた4年生に本当は勝った姿で恩返しをしたかったんですけど、成長したところを見せられて良かったです。
――初戦の4-0というスコアはどのように捉えられていましたか
足立 1試合目だったので、ミスが出てしまうかなと思っていたんですけど、ほとんどなくいい入りになったと思っています。
冨田 1発目からテンションをしっかり上げていこうということで、それができていましたし、相手にボールを持たせずに自分たちのペースでできたので良かったなと思っています。
――明大α戦では後半に追い付き引き分けで試合を終えました
足立 1番のヤマ場で実力的にも拮抗(きっこう)していて。個人的にはこちらの方が上だと思っていたんですけど、ショット自体は多く放っていても、そこで決め切れなかったのはこちらの実力不足だったのかなと感じています。
冨田 ワセダはメイジと比べて自分たちでボールを回してかたちを作ってからの得点だったので、重みはあると思っていて、だからこそ勝ち切りたかったです。サマー(ステージ)の時も結局ショットが入り切らず負けてしまったので、そこの課題が克服できなかったのがあります。
――第3戦は大量得点で勝利しましたが、予選敗退となってしまいました
足立 ワセダとしてはドローを取ってからのブレイクはできていたので、こちらに落ち度はなかったと思っていますね。
冨田 そこでも、ショットが入り切らずゴーリーセーブとなってしまったのがもったいなかったかなと思います。メイジは決めるだけ決め切っていましたし、そのペースも早かったので、得点力とスピード感という部分で差が出てしまったのかなと思います。
――今回合同チームとして出場するようになった経緯を教えていただけますか
足立 今ワセダでフルでプレーできる選手が14人ということで。ケガでもしたら大会に出られないということで、少人数かつ実力のあるチームと組もうとなったところ、筑波大となりました。
――チームスポーツとして戦う上で合同チームならではの難しさもあったと思いますが、工夫された点はありますか
冨田 それでも筑波大と組めたからこそ1年合宿をしたんですけどそれを筑波大の施設で行えましたし、筑波大の方も結構こっちに来てくださって。他の合わせることのできなかった合同チームより一緒に練習ができましたし、連絡も密に取れたので、戦術を共有した上で互いに高め合うことができました。合同チームでものすごく大変だったとかではなく、筑波大の力を借りることができて本当に良かったと思っています。
――今回の結果を受けて1年生にはどのように伝えていきたいですか
足立 ここまで仕上げることができたのは、1年生が毎日ミーティングをしたり、自主練をしたりした結果だと思うので、そこはよく頑張ったと思うんですけど、それでも勝ち切れなかったことは事実としてしっかり受け止めてもらいたいです。この悔しさを4年生になったとき、あのとき、ああいう思いをしていて良かったと思ってくれたらなと感じています。
冨田 私はディフェンス寄りのコーチだったんですけど、今回の戦術をここまで仕上げられたのは誇りに思ってほしいと感じています。これからいろいろな戦術をやっていくと思うんですけど、それに対応することのできる力は今回でついたので、自信を持ってほしいです。アタックの部分でもコーチの決めた戦術をやり切ってくれました。それができるためには全員の共通認識や意識がないとダメで、ミーティングなどで自分たちの中で(戦術を)今回、落とし込むことができていたと思うので、その経験を生かしてこれから後輩や先輩とやっていく上でひとりよがりにならず、コミュニケーションをしっかり取って、いろいろなことを吸収して今回の悔しさを晴らしてほしいです。個々人に圧倒的な何かがあるといいなと思っています。実力が飛び抜けた人が出てくるともっといいチームになっていくので、思い切ったプレーをしてチャレンジしていくことで、いろいろなことを学んでいってほしいなと思います。