前半 | 後半 | 計 | ||||||||
早大 | 4 | 1 | 5 | |||||||
慶大 | 2 | 4 | 6 | |||||||
▽得点者 中川、山田、永廣、細見、平野 |
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「自分たちのミスで負けてしまった」(AT山田美帆副将、社3=米国・サウスブランズウィック)。両校の意地とプライドがぶつかり合う伝統の一戦、早慶定期戦(早慶戦)。昨年10年ぶりに勝利を収めた早大は、連覇を達成すべく前半から果敢な攻めを見せて4-2で試合を折り返した。しかし後半はパスミスなどが響いて慶大に攻め込まれる苦しい展開が続き、逆転を許してしまう。あと1点が遠く、惜しくも5-6で敗れ、関東学生リーグ戦(リーグ戦)での雪辱を誓う結果となった。
序盤から両校の実力が拮抗(きっこう)し、激しく攻守が入れ替わる展開となる。一瞬たりとも気の抜けない状況の中で、早大は8分にAT中川真菜副将(スポ4=大阪・茨木)のゴールで先制に成功する。しかしすぐさま慶大の攻撃を受けると連続でゴールを許し、1-2に。すると今度は早大が反撃に出る。14分に山田がゴール裏から回り込んで放ったショットが決まり同点に追い付くと、21分にはMF永廣めぐみ(スポ3=米国・ラファイエット)のゴールで逆転に成功。さらにその1分後にはDF細見千明主将(文構4=千葉・昭和学院秀英)も得点を決め、3連続得点と勢いが止まらない。チームもスタンドも盛り上がりを見せる中、4-2で前半を終えた。
先制点を決め、チームに勢いをつけた中川
迎えた後半。さらに点差を広げて相手を圧倒したい早大だが、3分にはフリーシュートを決められ1点差に迫られる。早大もフリーシュートのチャンスを得るが、ここは慶大Gに阻まれ追加点はならず。その後は互いにファールが続き、10分には早大のファール後にリスタートを切った慶大のショットが成功し、同点に追い付かれる。その後も流れを引き寄せられずにディフェンスを強いられる時間が続き、17分には相手のゴール正面からのショットが成功。4-5と再び逆転を許す苦しい展開となった。しかし、早大の選手たちも意地を見せる。細見主将が相手のファールを誘いフリーシュートを得ると、左サイドのAT平野薫(国教4=神奈川・桐蔭学園)へパス。そのまま平野が同点ゴールを決め、試合を振り出しへ戻した。しかし喜んだのもつかのま、その後の慶大の猛攻をしのぎ切れずに失点し、1点ビハインドの展開となる。残された時間は4分。早大は最後の力を振り絞り、必死に前へと突き進む。そしてMF岩田菜央美(スポ4=神奈川大付)が立て続けにショットを放つが、決め切れない。最後に放ったAT大山咲里桜(人4=東京・国学院)のショットもGにセーブされ、ここで試合終了。5-6と、悔しい1点差での逆転負けとなった。
試合後、応援席で挨拶をする細見 (背番号1)
必死の追い上げもむなしく、あと一歩のところで早慶戦連覇を果たすことができなかった早大。試合後には悔し涙を流す選手の姿も多く見られた。前半にうまく波に乗ってリードを奪えていただけに、後半の失速が悔やまれる。両校ファールが多かった中で、パスミスやグラウンドボールを取り切れなかったことなどでボールを失う場面がしばしば見られたことは、今後への課題であろう。奇しくも8月から始まるリーグ戦でも2校は同じブロックとなり、早大にとってはリベンジの機会が与えられた。「目指すものは1つしかない」との中川の言葉通り、次は『日本一』を目指して日々鍛錬を重ねていく。この日の悔しさを糧に必ずやリーグ戦では慶大を撃破し、『日本一』へと駆け上がってくれるはずだ。
(記事 小川由梨香、写真 岡田静穂)
コメント
DF細見千明主将(文構4=千葉・昭和学院秀英)
――本日の早慶戦(早慶定期戦)はどのような意気込みで臨まれましたか
連覇のかかった大事な試合だったので、絶対に勝つという気持ちで臨みました。
――惜しくも逆転負けでしたが、試合全体を振り返っていかがですか
前半は入りも良く点差もつけたのですが、後半に入って疲れもありミスが続いてしまい、逆転を慶大に許してしまいました。
――かなり暑く体力的にも厳しい試合でした
そうですね。後半、暑さが関係しているかは分からないのですが細かいミスが出てしまいました。
――細かいミスというのを具体的に教えていただけますか
クリアのときのパスミスであったりだとか、取るべきグラボ(グラウンドボール)を取れなかったことです。
――前半オフェンス陣が素晴らしい活躍でした。振り返っていかがですか
ゾーンが苦手だと他大に思われていて、今回も慶大がゾーンを組んできたのですが、練習で対策してきたことがしっかりできて3連続得点取れたので、本当に良かったと思います。
――後半、逆転を許した場面を振り返っていかがですか
ファールが続いてしまったことと、ゴール前でグラボを落としてしまい(ショットを)簡単に打たれてしまったなと感じています。
――ご自身でも1得点を決められました
みんなびっくりしていたと思うんですけど、そこは中でボールを受けて決められたのが良かったと思います。
――DFというポジションということで、攻撃には普段から参加されていますか
去年は全くしていなくて。メンバーの関係で早慶戦は参加することになりました。
――オフェンスに関しては何か対策はされていましたか
今までは全然していなかったのですが、早慶戦前にアタックセットに入って練習していました。
――関東学生リーグ戦(リーグ戦)では慶大と同じブロックです。今後の目標について聞かせてください
リーグ戦で慶大と同じなのはきっと何かがあると思うので、今回の負けを無駄にせずに直すべきところは直し、リーグ戦に向けて頑張っていきたいと思います。
AT中川真菜副将(スポ4=大阪・茨木)
――きょうの早慶戦はどのような意気込みで臨まれましたか
この日に懸けて練習もミーティングも重ねてきたので、絶対に勝って2連覇しようというのを気持ちでした。
――試合全体を振り返っていかがですか
前半は良い流れがワセダにきていて、その流れをつかみ取って勝ちたかったのですがケイオーに押されて負けてしまい悔しいです。
――前半はオフェンス陣が3連続得点を決めるなど大活躍でした
緊張もあったと思うのですが、全員が声を出して盛り上がり、チーム一体となって戦えていたのがフィールドで感じられたので楽しかったですし、気持ち良かったです。
――中川選手は先制点を決められました
すごく難しい時間がそれまで続いていて。早く点が欲しく、相手のディフェンスをしっかり見たところで、(ショットを)打てると思ったので、打ちました。
――オフェンスの戦略は何かありましたか
最初は緊張もあるので、ミスしても周りがカバーして、いつも通りのプレーをしていこうというのは前半、後半通じて話していました。
――逆転を許してしまった後半を振り返っていかがですか
ワセダが勝っている時点でケイオーが勢いをつけてくるのは分かっていたのですが、そこで着実に点を取られ、焦りからかミスが増えてしまいました。リーグ戦(関東学生リーグ戦)に向けて見つめ直さないといけない課題が出てきたと思います。
――最後に今後の目標について聞かせてください
目指すものは1つしかないので。日本一という目標にむけて新たに頑張りたいです。ケイオーとまた(リーグ戦で)戦うことができるので、勝ってまたファイナル(関東ファイナル)で勝利し、真の日本一をつかみ取りたいと思います。
AT平野薫(国教4=神奈川・桐蔭学園)
――この試合はどのような意気込みで臨まれましたか
私は去年留学中で2年ぶりの早慶戦でした。1年生で出させていただいたときは負けていて、早慶戦で勝つということを目標にしていたので絶対勝つという意気込みで臨みました。
――試合前はオフェンスでどういう攻撃をしようと話し合っていましたか
まず落ち着いて雰囲気にのまれないように、一回ボールに触ってその後は自分たちのできることをやろうというのは前半で点差が開いたということで証明できたのかなと思います。後半は点差をつけていたものの無理やり強引に行き過ぎてしまってミスが続いたというのは反省点としてあります。
――後半、力みすぎたことが後半点を連続で決められた要因ですか
そうですね。もっと点差が開いていればもっと落ち着いてワセダペースで行けたんですけど、欲張ってしまったというのも反省です。
――後半、一時追いつきましたがそのことに関してはいかがですか
後半決めなければいけないところで追いつけたのは良かったんですけど、最後安心して喜んでしまった自分がいたので、反省しています。あと70秒で点を取るということはラクロスでは可能なことなので点を取れたはずだと思っています。
――今後の目標をお願いします
慶大とは同じブロックなのでリーグ戦でも最高2回当たれるので、日本一になるにあたってもいい位置でぶつかる相手です。しっかりきょうの反省を生かしてしっかり勝ちきれる自信もありますし、今後自信をさらにつけられるような練習をしたいと思います。
AT山田美帆副将(社3=米国・サウスブランズウィック)、MF永廣めぐみ(スポ3=米国・ラファイエット)
――きょうはどのような気持ちで試合に臨まれましたか
山田 絶対に勝つことは部員1人1人が考えていて。その中で私は安定したプレーを心掛けていて、ミスをしないように、ミスをしても自分でフォローしようという精神で行こうと思っていました。
永廣 私は去年の早慶戦でベンチ入りさせていただいていたんですけど、試合に出る機会がなくてすごく悔しい思いをしていたので、ことしこそは絶対にフィールドに立って優勝して、うれし涙を流すという意気込みで臨みました。
――実際に試合を終えてみての今の心境を教えていただけますか
山田 ケイオーに負けたというよりかは、自分たちのミスで負けてしまったという感じがします。
永廣 今考えると一瞬だったなと思います。私たちがやりたいことはやれていたし、準備してきたこともできたと思うんですけど、それが足りなかったかなという印象です。ワセダもケイオーもお互いにミスが多かった中で自分たちがそのミスを取り切れなかったので、ミスをいかに減らすかが大事なのかを感じました。
――チームとしてはどの程度の力を出すことができたのでしょうか
山田 去年とかは後半から上げていくチームだったので、「前半でこれだけ上げられているのはいいね」ってOGさんたちにも言われました。前半はいい感じでボールも運べていたし、ショットまで持って行けていたんですけど、後半に疲れからか失速し始めてミスもしてしまって、相手にそのミスを取られてしまったという感じです。最初は良かったんですけど、後半で失速してしまったなという印象ですね。
――後半の戦い方が今後に向けての課題になってくるということでしょうか
山田 そうですね。
永廣 試合の入りの最初のプレーを大事にしようと話をしていて、最初ほー(山田)がドローを取ってくれて、流れがこっちに来たなと思って、それで実際にリードしていたし、すごくいい流れがあったにも関わらず勝ち切れなかったので、課題の見つかる試合になりました。
――きょうのご自身のプレーに関してはいかがですか
山田 絶対にドローを取って、点も取ろうと決めていたので、そこはできたと思うんですけど、自分もパスとかのミスをしてしまって。せっかくボールを運んで自分たちのオフェンスに持ち込んだのにミスをしてしまってまた相手のボールになってしまった場面があったので、そういうところはもっと基礎からやり直して、今後につなげていきたいと思いました。
――優秀選手賞に選ばれた時はどのような気持ちでしたか
山田 びっくりしました(笑)。
永廣 ちょうど二人で話していた時で。名前を呼ばれて「えっ」ってなっていました(笑)。
――永廣選手はきょうのご自身のプレーを振り返っていかがですか
永廣 同じポジションでワセダのエースの原ひかりさん(MF、人4=東京・成蹊)がケガをして試合に出られないと分かった時から「自分がやらなきゃ」という気持ちでやってきたんですけど、きょうの自分のプレーに点数をつけるとしたらとてつもなく低い点数になりますね。
山田 課題が見つかった試合だったね。
――最後に今後に向けての意気込みや目標をお願いします
山田 リーグ戦(関東学生リーグ戦)では絶対に結果にこだわって泥臭く、ミスのフォローやきょうあまり取れなかったグラボを徹底的にやっていきたいです。あとはこれから暑くなるのでトレーニングもおろそかにせずに、基礎的なところから組織の部分までしっかり詰めて練習に励みたいと思います。
永廣 ケイオーとはリーグ戦で同じブロックになってまた戦えるチャンスを与えてもらえたので、リーグ戦までにしっかり準備をして、絶対にリベンジして勝ち切りたいです。あと私たちの学年が新人戦で負けて、去年の関東ファイナル4でも負けている東海大とも同じブロックになったので、東海大にも必ず勝ちたいと思います。
山田 日本一になります!