関東学生リーグ戦(リーグ戦)ブロック戦をBブロック2位で突破した早大。3年生ながらスタメンとしてチームを支えるのがMF原ひかり(人3=東京・成蹊)、MF岩田菜央美(スポ3=神奈川大付)、DF細見千明副将(文構3=千葉・昭和学院秀英)だ。自身初めてのファイナル4を前に、今の心境をお伺いした。
※この取材は10月24日に行われたものです。
「早慶戦の光景は忘れない」(原)
笑いの絶えない対談となりました!(左から原、岩田、細見)
――リーグ戦全体を振り返ってみていかがですか
細見 去年と比べて今年は不安なく勝ち進むことができたと感じています。去年はリーグ戦初戦での引き分けから始まって、結果が思わしくなかったりしたんですけど、今年は先を(ファイナル4)を見据えた上で勝ち進むことができたと思います。
岩田 入りがあまり良くないことが多くて、相手に先制されることも多かったんですけど、それが通常、いつも通りといった感じでした。でもこれからはワセダが先に点を取れたらいいなと思っています。あと、審判のジャッジですね。ラクロスはジャッジが難しく、審判に左右されることもあったので、それを試合を通して修正していけたらいいと思います。
原 リーグ戦を通して個人の技術が上がっていて、ミスも減ってきているので、そういう面で試合運びがワセダ有利になってきているなと感じています。そういう面はすごくいいなと思っています。
――リーグ戦を通しての個人の目標というものはありましたか
岩田 周りへの指示力というか。去年までは自分のことしか考えていなかったんですけど、周りを動かすために声を出すことをことしは意識しています。
細見 私も似たようなことになってしまうんですけど、去年は2年生として出させてもらっていて好きなことだけ、とりあえずディフェンスを頑張るみたいな感じだったんですけど、ことしの自分の目標としては、いれば安心と思われるような指示力があるDFになれればいいなと思ってやっていました。
原 私はディフェンスよりもアタックよりなので、どちらかというと得点力になれるように考えています。3年間を通しての私の個人の目標というのは安定したプレーヤーというものでした。去年のリーグ戦はミスが多く、チームの足を引っ張っていてしまっていたので、そういう部分は意識してやっていました。
――リーグ戦の中でも印象に残っている試合はありますか
原 何かミスしたところしか出てこない(笑)。
細見 2年連続で日体大に負けていて、大丈夫と言いながらもそわそわしていたんですけど、ギリギリの試合になっても勝ち切れて。勝てるという自信を持ちながら勝ち切れたので、良かったと思っています。
原 すごく個人的なことになってしまうんですけど、青学大戦でMFとして出場して、ディフェンスの面ですごく不安が大きかったんですけど、みんなのディフェンスのおかげで何とかやれたのは大きかったです。青学大戦は結構緊張していましたね。
岩田 じゃあこっちは立大戦で(笑)。立大はことし試合に出ている人が去年も出ていたことが多くて、新チームが始まったときに昨年と同様にすごく強いというレッテルをみんなに貼られていたと思うんですけど、実際戦ってみて負けてしまったものの意外と強くないなというか。春にやったときよりも、負けを感じなかったというか。結構審判にファールを取られてそれを修正できなかったのは反省点なんですけど、実際手応えとしては次やったら勝てるぐらいの感じだったので、負けたけど内容の伴った負け方だった気がします。
チームの得点源として活躍する原
――お互いのプレーの印象というものは
細見 ディフェンスの話だけで言うと、私が保守で(岩田が)攻撃といった感じで、印象がまだないんですけど(笑)。
一同 爆笑
岩田 堅いディフェンスとハイリスク、ハイリターン的な。
原 (岩田の)ハイリターンを(細見が)カバーするみたいな。
岩田 千明がいるから何でもやっていいかなと思っていて…。
一同 お~。
岩田 ここの信頼は厚いですよ(笑)。
細見 よく出てくるもん、後ろから(笑)。
岩田 千明が後ろにいるときは私は自由です(笑)。
原 隠れアモーレでしょ?(笑)。
一同 爆笑
細見 りん(原)について何か言うね。
岩田 りんは上手いよ。
原 どういう意味?(笑)
岩田 うまいよ、終わり(笑)。
一同 爆笑
岩田 でも安心感はありますね。攻撃力は言うことなしですね。
――それぞれ違ったプレースタイルなんですね
一同 全然違いますね。
原 最初MFで(岩田と)一緒だったのにね、1年生のころとか。気付いたら正反対にいたね。
岩田 いいバランスだね。
――ことしの早慶戦では慶大から10年ぶりの勝利を収められましたが、それに関してはいかがですか
原 あの光景は忘れないですね。リーグ戦より早慶戦のほうが印象に残っています。
試合前からことしならいけるという自信はありましたか
細見 何とも言えないですね。
岩田 でも試合をする前から勝つ気しかしなかったよね。
原 負ける気がしなかった。
岩田 負けのビジョンが見えなくて、勝つだろうなと思ってた。その割にめっちゃ練習したけど(笑)。
――実際に試合をしているときに去年との違いは感じましたか
岩田 ことしはパスとキャッチの安定力というのがすごくて。去年と比べて全然ミスがないよね。
細見 うちらも学年上がったしね。
原 去年がどれだけ下手くそだったかが分かる。
――基礎的な部分のレベルアップもことしは図ってらっしゃるのですか
岩田 ことしはというよりも、去年のリーグ戦を通して(基礎力のレベルアップの必要性を)気付かされた感じがします。
一同 去年が本当にやばい(笑)。
岩田 私たちの代はそうなっちゃってるよね。
「できない自分が悔しい」(岩田)
アグレッシブにクリアを狙いにいくプレーが印象的な岩田
――ラクロスを始めたきっかけは何かありますか
細見
私は軽い気持ちで始めました。軽い理由といったらあれなんですけど、高校の頃にバスケをやっていて、大学に入ってもバスケをやろうと思ってサークルを見ていたんですけど、サークルの雰囲気が合う性格ではなくて。入れる部活はないかなと思っていたらラクロス部がありました。ラクロスが部活で、誰でもできるなら入ろうかなと思いましたね。他の人は日本一を目指せるから入ったとかだと思うんですけど、私はそんな感じではなかったです。スポーツで部活ならやるかみたいな感じです(笑)。
岩田 私は体験のときに軽い気分で、友達が行くから行こうみたいな感じで行って。ラクロスって初心者には難しいスポーツなんですよね。始めたては何もできなくて。できない自分がすごく悔しくて、できるようになりたいと思って始めました。
原 私もバスケ部に入りたかったんですけど、やっぱり無理で(笑)。それで大学4年間で何か夢中になれるものを探していたらやっぱり部活かなと思って。ラクロス部に高校の(バスケ部の)ときの2つ上の先輩がいてその先輩から話も聞いていたので、行ってみようかなと思いました。
一同 みんな軽いね(笑)。
原 入部届出す瞬間って軽いなって思わない(笑)?この一枚で4年間決まるのに。
岩田・細見 分かるわ~。
――バスケ部と迷ったりはされなかったんですか
細見 ワセダのバスケ部はレベルが違くて、自分が入れるレベルではなかったのでラクロス部に入りました。
岩田 私も一年やったか分からないくらいで、ビギナー同然なので(笑)。
――お互いのキャラクターについては
原 千明は闇が深い(笑)。
細見 これ読まれるんだから(笑)!
原 じゃあやめとくか(笑)。
岩田 でも千明は一見冷静、真面目、大人っぽいクール系な感じに見られがちなんですけど、ちょっと深くかかわると全然違って。
原 自由奔放なタイプです。こんなにきちっとして真面目そうなのに、すごく自由に動くから。
岩田 外でしっかりやって中でぐだるタイプの人間。中に入ると何もやらないよね?
原 甘え上手で、しっかりした末っ子みたいな。
細見 これでも学年キャプテンなんですけど(笑)。
岩田 でも外ではしっかりやるから!
原 オンオフがしっかりしてるんだよね。
細見 その表現いいわ(笑)!
原 やるときはやるけど、オフはめっちゃ遊んだりするので、元気だなって思います。
――原選手については
岩田 りんはすっごく真面目!
細見 すっごく真面目で損するタイプ(笑)。学年の中だと…。
岩田 つまらないNo1です(笑)。疲れているとひたすら1人でしゃべっちゃうんですよ。2人(岩田・細見)でいつもちょっとひいてます(笑)。
原 それに気づいて話すのをやめます(笑)。
――損するというのは
岩田 全部自分でやっちゃうタイプなんですよ。自分でできちゃうから最終的に疲れちゃうって感じで。
原 仕事が終わって気づいたらパンクしてます(笑)。
岩田 でもすごくいい子なんですよ。闇を全く感じないです。
――細見選手は闇が深いと言われていましたが…
岩田 多分さっぱりしているんだと思います。
原 それがいいところだと思う。
岩田 言葉を変えようか。闇が深いじゃなくて、さっぱりしてるってことで!
一同 爆笑
原 闇も含めて愛されキャラです。でもなんらかんら私の話にも笑ってくれるので、優しいんですよ。
細見 ちゃんと心から笑ってるからね!
原 闇が見えちゃう…(笑)。
――岩田選手については
細見 しゅん(岩田)も自由だよね。でも私とは違くない?
原 クリエイティブな自由(岩田)と真面目な自由(細見)みたいな(笑)。
岩田 クリエイティブってめっちゃいいわ(笑)
――岩田選手はアクティブなのですか
岩田 基本家にはいないですね。オフの日も出掛けるかバイトかって感じです。バイト(原)、バイト(岩田)、遊んでる(細見)って感じだよね。
細見 まあ、オンオフはっきりしているので(笑)。しっかりバイトしている2人に対し、適度にバイトしつつ遊んでいます。
原 ここ3人バランスいいよね。しゅんがいろいろ考えたのを2人(原、細見)でまとめて良いところを出すみたいな。
岩田 2人とも考え方が大人だなって思うことはあります。でも千明は友達の家に泊まりに行ったときも先に寝て、こっちが洗濯とかをやる感じです(笑)。
細見 寝たいという気持ちが…(笑)。
岩田 でも部活の時は誰よりもしっかりやっていると思います。だから(プライベートのことに関して)何も言わないです(笑)。
――3年生のみなさんから見たことしの4年生の印象はいかがですか
一同 すごい!!!
岩田 4年生でひとまとまりって感じがあります。まとまりがすごい。
細見 今の3年生は割と自由な人が多いんですけど、それをうまくキュッとまとめてくれています。
原 先輩たちがいなくなったらパーンってなっちゃいそう。
岩田 理想の先輩だよね。優しいかつ厳しいところは本当に厳しくて。
原 真面目だよね。オンオフがしっかりしてるから遊ぶところはめっちゃ遊ぶし。
岩田 どんなプレーにも対応してくれるし。
原 大きいよね。
細見 大きいね。
――オフの過ごし方や趣味についてはいかがですか
原 趣味…。お菓子作りとでも言っておく(笑)?試合前日に作ったりしていますね。
――他の選手にあげたりはされますか
原 タッパーに入れて持って行ったりはします。
岩田 でも私が嫌いなバナナがよく入っているので、あんまり食べた記憶はないです(笑)。
――よく作られるものは何ですか
原 パンはよく作りますね。ベーカリーで発酵させたのを練って形を作って、ベーグルとかあんぱんを作っています。あんぱんを作るときはアンパンマンにしたいからわざわざチョコペンを買います(笑)。
細見 しゅんは何やってるの?
岩田 バイトか遊んでるか。友達と買い物に行ったりカフェに行ったりしてます。なんかいいオフの過ごし方じゃない(笑)?
一同 爆笑
原 千明は…。
岩田 千明は何をやってるか表に出さないから気になる。
千明 遊んでるか、家でテレビを見てるか。めっちゃテレビ見てますね、バラエティでもドラマでも。録画したのをずっと見ています。しゅんはすごくバイトしてるイメージ。
岩田 オフ…バイト入れよ!って感じだからね。
原 バイトマンだよね。
岩田 オフの前は深夜までバイトします。
――全然休んでいないようですが…
岩田 短時間でも休めるようになってきたんですよね。
一同 すごいな~。
「チャンスが来たら決めてやる」(細見)
タイトなマークで相手を寄せ付けない細見(左)
――ファイナル4まで2週間弱となりましたが、今のチームの雰囲気はいかがですか
細見 負けたら4年生が引退って明確に決まっている試合なので、自分の中では高まってきています。直前合宿でもやるべきことが見つかったので、2週間でそこを修正してもっと高めていけばと思っています。
岩田 チームの仲もすごくいいよね。
原・細見 うん。
岩田 アットホーム感があります。
――ファイナル4でのご自身の目標はありますか
原 千明は点を決めることじゃない?
細見 ひそかにDFながら点を決めてやりたいって思ってはいます。あわよくば(笑)、東海大戦でも決めてやりたい気持ちはあります。チャンスが来たら決めてやろうくらいの気持ちですけど(笑)。
――今まで試合で得点を決められたことはありますか
細見 全くないです、(シュートを)打ったこともないです(笑)。
原 目標かあ、なんだろうな。
岩田 何点取るかってところじゃない?
原 じゃあ2点で。
岩田・細見 控えめ~。
原 今シーズンは早慶戦で2点、リーグ戦も大体が2点なので…。じゃあ3点にしとく(笑)?
岩田 りんなら余裕でしょ!
原 頑張ります!
――岩田選手は
岩田 ボールを奪って、点につながるクリアをします!
――キーマンになると思う選手はどなたですか
岩田 Gのみおさん(小川、スポ4=東京純心女)。絶対にナイスセーブしてくれると思うので。
原 キーマンかあ…。
細見 難しいね。
岩田 ワセダのキーマンって難しいよね、特にATは。他大と違って全員に得点力があるから。実際絞れないです(笑)。
――では最後に、ファイナル4へ向けての意気込みを聞かせてください
原・岩田 絶対勝ちます!
細見 それに尽きるね。
原 勝つ気しかしないです。
岩田 勝つつもりで予定を組んじゃっているので…。
一同 爆笑
原 名古屋(全日本大学選手権)に行ってひつまぶしを食べよう!
岩田 私も手羽先食べるつもりでいるから(笑)!
――ありがとうございました!
(取材・編集 岡田静穂、小川由梨香)
意気込みを書いてくださいました!
◆原ひかり(はら・ひかり)(※写真左)
1995(平7)年7月6日生まれ。154センチ。AB型。東京・成蹊高出身。人間科学部3年。お菓子作りが趣味という原選手。ハロウィンでも何か作る予定だとか。MFとして守備をこなしながらも、積極的に攻め込み相手ゴールに迫ります!
◆岩田菜央美(いわた・なおみ)(※写真中央)
1995(平7)年9月23日生まれ。158センチ。B型。神奈川大付高出身。スポーツ科学部3年。一人称が『こっち』だという岩田選手。部内でも『こっち』というあだ名で呼ばれたこともあるそうです(笑)。リーグ戦では相手のボールダウンからワセダオフェンスにつなげる場面が幾度も見られました。岩田選手のチャンスメークに注目です!
◆細見千明(ほそみ・ちあき)(※写真右)
1995(平7)年10月12日生まれ。167センチ。A型。千葉・昭和学院秀英高出身。文化構想学部3年。DFながら試合でゴールを決めるべく、ひそかにシュート練習を行っているという細見選手。岩田選手から「シュートがうまい」と太鼓判を押されていました。細見選手の1本に期待です!