成長見せるも準優勝

女子ラクロス

 ラクロスを始めて約1年。そんな2年生が成長した姿を見せる場となったあすなろカップ。早大は昨年同様、成蹊大と合同チームを組み2連覇に挑んだ。劇的な逆転勝利を収めて予選を突破すると決勝トーナメントでも勝負強さを発揮。決勝まで順調に勝ち上がる。ウインターステージで負けを喫した明大αとの頂上決戦に臨んだ。先制点こそ奪ったが、その後は相手ペースに持ち込まれ1-4。宿敵にリベンジすることはできず、惜しくも準優勝となった。

優秀選手にも選ばれた堀切。Aチームでの活躍にも期待がかかる

 まず1日目の予選では青学大・学習院大合同チームと対戦。開始直後にAT岡朋奈(国教2=智弁和歌山)のショットで先制、さらに追加点を挙げ2点のリードを奪う。しかし、ファウルを与えるなどして同点、さらにはドローもなかなか取ることができず逆転を許してしまう。それでも残り90秒でMF曲道楓(スポ2=東京・国分寺)が同点となるショット放つとラストプレーで決勝ゴールが生まれ、接戦をものにした。

 決勝トーナメントは東北大との一戦で始まった。先制点を献上するもその後は5連続得点で相手を突き放し5-1。2日目を幸先の良くスタートさせる。続く準々決勝でも序盤からテンポの良い攻撃で得点を重ねていく。ミスをしても全員でカバーする姿勢を貫き、失点しても取り返してみせた。5-2と日大を下し準決勝へと駒を進める。準決勝の相手は文教大。早大は序盤から攻め立て、開始2分で2連続得点を挙げてペースを握った。まだまだ止まらない早大の攻撃は、5分に曲道、8分にDF堀切梓沙(スポ2=東京・成蹊)がゴールネットを揺らし、リードを広げる。終盤に詰め寄られる場面もあったが、大量得点で逃げ切り7-4で勝利した。

得点を決め仲間と喜ぶ曲道

  ついに頂点まであと一つのところにやって来た。決勝戦で早大の前に立ちはだかったのは明大α。ウインターステージの覇者であり、何よりもその舞台で早大の優勝への道を閉ざした因縁の相手だ。「明大に勝って学年日本一になる」(堀切)との言葉に表れるように、選手達の集中力はここで最大限まで引き上げられた。すると、その効果は試合開始のドロー直後に表れる。相手陣内の中央でパスを受けた曲道が1人、2人と敵をかわすと、そのままゴールにシュートを突き刺した。見事に先制した早大だったが、その後は防戦一方に。明大αの素早いパス回しに翻弄(ほんろう)され、自陣に押し込められる展開が続く。すると4分に同点、6分に逆転を許し、前半を1点ビハインドで終えた。後半も明大αの勢いは衰えず、終了間際にはダメ押しとなる得点を決められてゲームセット。トータルスコアは1-4。早大は後一歩のところで栄冠を手にすることができなかった。

 連覇を逃す形とはなったが、この大会は決してゴールではない。「メンバー入りして活躍することを絶対に叶えます」(岡)と言うように、最終目標はあくまでもAチームでの日本一。 サマーステージ、ウインターステージ、あすなろカップと順位を上げて着実に成長していることは間違いない。 今回味わった悔しさ、そして 新人大会で培った技術を生かし、選手達は上のチームでの活躍を誓う。

                       
                  

(記事 荒巻美奈、御船祥平、写真 荒巻美奈)

結果

▽予選

○5-4青学大・学習院大

▽第二戦

○5-1東北大

▽準々決勝

○5-2日大

▽準決勝

○7-4文教大

▽決勝

●1-4明大α

コメント

AT岡朋奈(国教2=智弁和歌山)

――準優勝で大会を終えたいまのお気持ちは

ウインターステージで負けて、敵は明大だと思ってそのためだけに集中してやってきました。でも最後の最後に及ばなかったということが悔しいです。

――ご自身のプレーを振り返って

自分は点を決めるATなので、先制点を決める、ATの指示を出すという部分を意識してやりましたが、決勝の明大戦ではオフェンス時間もなかったですし、せっかくのオフェンス時間も落ち着かせることができませんでした。自分の力不足を感じた点です。

――今大会は成蹊大との合同チームとして出場しましたが、他大の選手と一緒にプレーをしていかがでしたか

きょねんの先輩たちもこのあすなろカップで成蹊大とチームを組んでいて、優勝されました。私たちもそれにあやかって組ませていただいたのですが、みんな臨機応変に私たちについてきてくれたし、私たちに意見もしっかり言ってくれて本当に良いチームになったなと思います。このチームで勝てると思えるところまで仕上がっていたと感じています。

――新人戦を経験して

自分たちはサマーステージ、ウインターステージ、あすなろカップと徐々に順位を上げていって、そこは成長点だと思います。この1年間が自分たちをどう伸ばすか、チャレンジしていくか、上級生の管轄ではないところでどうプレーをしていくかという中でも試すことができました。

――学年キャプテンとして意識していたことは

プレーで引っ張ることを意識していて誰よりも努力をしようと思いました。練習も自主練、朝練とサボらずにやろうと決めていました。そんな自分の姿を見てみんなついてきてくれるようになったらいいなと思いましたが、本当の試合のプレーなどではユースの選手たちに頼ってしまうシーンもあって自分の不甲斐なさも感じました。

――今後に向けて意気込み

自分は国際教養学部でらいねん留学してしまうのでことし1年が勝負の年だと思っています。メンバー入りして活躍することを絶対に叶えます。

MF曲道楓(スポ2=東京・国分寺)

――惜しくも準優勝でした

正直やはり悔しいという気持ちが大きいです。ウインターカップでも負けてしまった相手だったので、勝ちたいという思いが強くて、『打倒メイジ』で頑張ってきたのですが、力の差で負けてしまいました。

――どういった取り組みをしてきましたか

私たちは成蹊大との合同チームだったので、やはりプレーが合わないこととかやりたいことがかみ合わなかったりしたのですが、それを詰めて直前はオフの日も返上して練習してきたので、それが結果につながって準優勝という形にはなったのでそれはすごく良かったなと思います。

――決勝戦ではチーム唯一の得点も決めました

絶対先制点を取るという気持ちで、今大会よく点を決めることができていて、自信もついてきていたので絶対先制点はだれがボールを持ってもゴールを決めようという気持ちで、そこで自分がボールを持ったのでゴールしか見ていませんでした。絶対決めるという強い気持ちで行けたのでそれは良かったと思います。

――その後は攻め込まれてしまいました

ウインターステージもそういった展開が多くて、試合中は悪いイメージは持たなかったのですが、やはり今思い出すと自分たちのミスから相手の流れになってしまった場面がすごく多くて、やはりウインターステージの時と変わっていなかったのかな、というのは大きかったです。ウインターの時よりも成長したところも多くてミスもだいぶ減ったのですが、やはりミスが失点に直結してしまったというのがとても悔しいです。

――今大会で培ったものは

Aチームで私自身が得点するという意識がなかったわけではないのですが、やはり自信がない部分がありました。今大会を通して得点を重ねることが自分なりにはできたのでそこは自信にしてチームに持ち帰って活躍したいと思います。

DF堀切梓沙(スポ2=東京・成蹊)

――いまのお気持ちは

ウインターでも明治に負けて、今回明治に勝って学年日本一になるっていうのを目指していて、きょねん先輩も成蹊大と合同チームでやって学年日本一になっていたので、2連覇を目指していたんですけど、達成できなかったのは悔しいです。

――決勝戦では自陣に押し込められる時間が長かったですが

クリアでのミスが多くて自分たちのアタックセットに持ち込めなくて、点を取れなかったのが大きかったと思います。

――新人戦を通して得たもの

合同チームでやっていたので、自分たちのチームで出るよりもコミュニケーションが必要だったし、チームを作っていく上でも最初はお互いのやりたいことが違って、あわせていくのが大変だったんですけど、そこで何回もミーティングをして、いっぱいコミュニケーションを取って、試合中もたくさんしゃべるようになったと思うので、それは一試合ずつ成長できたかなと思います。

――優秀選手賞を獲得されました

みんなで一試合ずつ勝ってきたあすなろだったと思うので、優秀選手賞を頂いたんですけど、みんなのおかげでここまでこれたと思うので、成蹊大のみんなにも、同期のみんなにも感謝したいです。

――今後に向けてアピールしたい点は

私はワセダのチームではディフェンスとして出ているんですけど、走ってクリアをつないだり、一対一で絶対に負けないというのを売りにして頑張っていきたいと思います。

――早慶戦に向けて

いままで早慶戦はあまり勝てていないというのを聞いているので、ことしは絶対慶大に勝って自分もその時にフィールドに立てれば良いなと思います。