前半 | 後半 | 計 | ||||||||
早大 | 7 | 3 | 10 | |||||||
学習院大 | 1 | 3 | 4 | |||||||
▽得点者 溝本4、柿本3、堀切、平野薫 |
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日本一に向けての第一関門・関東学生リーグ戦(リーグ戦)。強豪・立大との初戦で激闘の末に引き分けに持ち込んだ早大は、学習院大との第2戦に臨んだ。序盤から主導権を握り、7-1と大量リードを持って前半を折り返す。後半は連続失点などで追い上げられるも、終盤にも加点した早大が10-4で快勝。今季リーグ戦での初白星を挙げた。
4得点でエースの役割をきっちり果たした溝本
ペースを握ったのは早大だった。開始5分、MF溝本ほのか(政経4=埼玉・早大本庄)が左から切り込んでまず先制、さらに2分後にも逆からのショットが決まり2-0。相手にポゼッションを許しても焦ることはない。ディフェンス陣が相手のミスを見逃さず、確実にクリア。丁寧にパスをつなぎ、また早大のポゼッション時間へ。まさに落ち着いた試合運びを披露する。そうしてつくったチャンスでAT鈴木杏奈(スポ4=東京・日大二)も続き、早大は3-0と文句なしの滑り出しを見せる。その後、ファウルから初失点を喫するもMF堀切梓沙(スポ3=東京・成蹊)のショットから前半残り20秒で決めたAT柿本菜実(スポ4=東京電機大)のゴールまで攻撃の手を緩めることなく4連続得点。「ドローをコントロールして流れをつくれた」(堀切)と、ドローをポイントに取り組んできた攻撃のかたちに持ち込み、前半だけで6点差をつけることに成功した。
さらに突き放したい後半は追加点を挙げる一方で、ファウルを取られ苦戦を強いられる場面も。ファウルから相手にチャンスを与えると、対応しきれず連続失点。一時流れを悪くしてしまう。それでも、終盤には数日前に行われた新人戦サマーステージ優勝の立役者となったルーキーAT平野薫(国教1=神奈川・桐蔭学園)も出場を果たし、見せ場をつくる。積極的な攻撃参加から巡ってきた試合残り1分でのチャンス。ゴール裏から走り込んだ平野は相手DFを抜き去り、会心のショットを突き刺した。オフェンス陣はこれで2ケタ10得点を達成。4得点の溝本、3得点の柿本ら4年生の活躍に加え、新戦力の躍動も光った早大は攻撃への積極性を見せ続け、勝利へとつなげた。
得点を決めて喜ぶ選手たち
「ほっとしています」(溝本)。負けが許されない中でのリーグ戦一勝目に試合後、選手たちは安堵(あんど)の思いを口にした。それでも、前半の良い流れを後半まで維持することができず、一試合を通して戦い続けることの難しさも痛感。「50分間常に自分たちのペースで勝てる試合にもっていきたい」(DF川勝美輝、法3=埼玉・春日部共栄)という目標に向けて最後には表情を引き締めた。これからも課題を克服し、一戦必勝の姿勢は変わらない。次の一戦もただ全力で勝利をつかみにいく。
(記事 荒巻美奈、写真 久保田有紀)
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コメント
MF溝本ほのかゲームキャプテン(政経4=埼玉・早大本庄)
――関東学生リーグ戦(リーグ戦)初勝利となりましたが、いまの気持ちを聞かせてください
やっと一勝することができてほっとしていますが、この後一回でも負けたら日本一への道は閉ざされると思うので、まだまだ油断せず、しっかりリーグ戦を1位突破したいなと思います。
――7ー1と圧倒した前半を振り返ってみていかがですか
前半はドローなど入りのところから集中していて、やってきたことができたかなと思います。
――一方で後半は苦戦しているように見えました
オフェンスの面では、ファールなど自分たちで攻めのリズムを崩してしまった部分がありました。守りの部分では、練習から課題として挙げてきたライドからの失点ということが、この試合でも出てしまったので、練習の甘かった部分が出てしまいました。また、失点が続いたときに自分たちで立て直すということは今後の課題かなと思います。
――溝本選手はこの試合で4得点マークしましたが振り返ってみていかがですか
前半から相手のディフェンスの形に合わせて自分たちの攻めをやろうと思っていて、そのなかでも自分のディフェンスが薄くなった瞬間にはしっかり自分で攻めようという気持ちで臨んでいたので、よかったです。
――チームとしての課題と収穫はどのようなことでしょうか
前半はワセダのプレーができたと思うのですが、後半の入りをもう一度東伏見に戻って確認しなくてはいけないです。あと、立て続けの失点というところは、今シーズン入ってからずっと課題であるので、そこは日本一に向けて修正しないといけないと思います。
――次の横浜国大戦に向けての抱負を教えてください
この後の試合はどれも負けられないと思っていますし、次も圧倒しなくてはならない相手だと思っているので、まず三戦目を勝って、四戦目五戦目と勝ち、無敗でファイナル4に進出できるように、一度東伏見に戻って、みんなで頑張っていきたいと思います。
DF川勝美輝(法3=埼玉・春日部共栄)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
前半はいい流れできていたのですが、後半は連続失点もあってディフェンスでも課題の見えた試合となりました。次の試合は後半の部分と、常に圧倒してやっていくというところは意識してやっていきたいです。
――特にDF面を振り返ると
結構相手が自分から来るチームだったので、そこだけ押さえようとはいっていたのですが、途中で割られたりして詰め切れていない部分もあるので今後修正していきたいです。
――リーグ戦2試合目ですがチームとしての仕上がりはいかがですか
初戦が同点であったこともありこの試合絶対に負けられないということで声を出して元気よくやっていこうと思ってやっていきました。
――このリーグ戦にかける思いというのは
3年目で、学生日本一を取って4年生に恩返しをしたり今まで支えてくれた人に感謝の気持ちを込めてそれは結果として表していきたいです。
――これからどのような戦い方をしたいですか
自分がDFということで最小失点で、DFから相手を圧倒するチームでいきたいと思います。
――次の試合に向けての意気込み
今回の試合は後半相手のペースにもっていかれてしまったので、50分間常に自分たちのペースで勝てる試合にもっていきたいと思います。
MF堀切梓沙(スポ3=東京・成蹊)
――10-4での勝利となりました。感想はいかがですか
きょうの試合は自分たちのやるべきことをしっかりやれば勝てると思っていたので、やるべきことをやって相手を圧倒していくということをチームとして話していました。なので、これはそのやるべきことができた結果だと思います。
――初戦を引き分けた後の第2戦として特に勝ちへのこだわりもあったのでしょうか
そうですね。1戦目が引き分けで、そのあとの試合で負けてしまうとファイナル4やファイナルへ進めないので、きょうを含めてこれからの試合は1試合も落とせないという状況でした。そういう意味での負けられないという緊張感はすこしありました。
――そのなかで7-1と試合を優勢に進めた前半を振り返って
私はドローで試合の流れをつくることが自分の最初の仕事なので、ドローをコントロールして流れをつくれて、チーム全体としてもいまが攻めるところなのかなどということに対しても共通認識を持ってプレーできたので、自分たちのペースで前半を持っていくことができたかなと思います。
――ポゼッション時間も長かったように感じました
すこし点を取ってからは自分たちのペースでしっかりやってきたかたちや攻め方で点を取っていくということを練習していたので、それが本番でもできました。
――脚力を生かした得点シーンもありましたね
スペースもあると感じたので、自分で(シュートに)いけるかなと思って、ショットをうちにいっちゃいました(笑)。
――一方で後半はすこし苦戦した印象でしたが
後半になって私たちの脚が動かなくなってきてしまったこともあって、クリアとかでもパスミスで自分たちに流れを持って来れなくてしっかりと(ボールを)運びきれなかったりしてしまいました。アタックでのチャージングを取られたりというのは全く悪いミスではなかったと思うので、そこはしょうがないと思うんですけど、しっかりライドでチェックアップもできなくて、自分たちのミスで連続失点してしまった部分とかは今後は修正していかなければいけないと思います。
――相手には長身の選手が複数いましたが、対策などはありましたか
相手がキーマンを中心に攻めてくるチームだったので、そこではしっかりディフェンスは寄せていこうという話はしていたのですが、それが全部できたかと言われると抑えきれていない部分もディフェンスでは多くあったかなと思います。
――連続失点の直後など後半にあった声掛けはどんな内容でしたか
クリアのミスとかはしっかり一本つないでいこうとか…。後半あまりリズムが持ってこれなかったのは、ショットにいったのにファウルを取られてしまったりということもあったと思います。それについてはみんな悪いミスだとは思っていないので、割り切ってプレーしていたかなと思います。
――さきほどもお話に挙がったドローはこの試合でも一つのポイントになったと思います。どんな点に意識しながら取り組まれていますか
ドローは1対1なので、相手との相性もあって、相手がこういう傾向だからと思って臨んでも、思っていたようにはいかなかったりということも多くて、きょうもドローは難しい展開になるかなと思ったんですけど、しっかり周りの選手も(ドローに合わせて)飛び出してくれて、取りきってくれたので良い流れをチームに持ってこれるドローになったかなと思います。
――ことしのリーグ戦初勝利です
初めて勝ち点3を取れてすごくうれしいんですけど、リーグ戦の予選で勝つことが私たちの目標ではないし、日本一など先のことを目指すことが私たちの目標なので、きょうはちょっとだけ喜んで、あしたから切り替えて一日ずつ成長していきたいです。
――次戦に向けて具体的に詰めていきたい点は
きょうはディフェンスでもうすこし守るべきところでファウルになってしまうことも多かったと思うので、個人的にはそこを詰めていきたいです。いまのままだともっと強いチームと対戦するときには止めきれなくなってしまうと感じたので、修正していきたい点ですね。
――横国大戦へ向けての目標と意気込みを教えてください
私たちのやることは変わらないので、自分たちのやるべきことをしっかりやって相手を圧倒して、勝ちにいきます。横国戦はワセダのウェルカムマッチなので、たくさんの人に見に来てもらえたらと思っています。