前半 | 後半 | 計 | ||||||||
早大 | 4 | 3 | 7 | |||||||
立大 | 2 | 5 | 7 | |||||||
▽得点者 溝本3、日置、曲道、柿本、鈴木 |
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関東学生リーグ戦(リーグ戦)の初戦。ワセダは強敵・立大との一戦を迎えた。序盤はワセダペースで得点を重ね、2点リードで前半戦を終えるが、後半で相手チームの猛攻から逆転を許してしまう。その後一進一退の攻防が続くと、なんとか終了間際の得点で追いつき、初戦を引き分けに持ち込んだ。
前半は順調な滑り出しだった。ドローが取れず立大の攻めから始まるが、守備で粘り自分のペースに引き込む。ボールを奪い、細かい連携でパスをつなぐと、AT辻本麻亜(スポ4=北海道・札幌月寒)のゴール付近のパスからMF日置綾香(政経4=埼玉・早大本庄)が先制点を奪取。さらに8分にはMF溝本ほのか(政経4=埼玉・早大本庄)がフリーシュートを決めた。その後立大に2点を許すも、相手のファウルからのチャンスに溝本が3点目。ワセダのキープが長く続いたラスト30秒、MF曲道楓(スポ3=東京・国分寺)が辻本のパスから4点目を押し込み、4-2でハーフタイムを迎える。
先制点をアシストした辻本
2点リードの後半戦。このまま勢いづきたいワセダだったが、ミスやファウルが続いてしまう。まさかの連続4失点、2点ビハインド。完全に立大ペースにのまれたかと思われた残り5分、相手のミスを見逃さずボールを奪うと、敵のDF陣を打ち破る1点をAT鈴木杏奈(スポ4=東京・日大第二)がねじ込んだ。すぐさま相手の反撃があるも、G南條文菜(スポ4=東京・吉祥女子)のファインセーブにより加点を阻む。その後ワセダに幾度と得点のチャンスがあるが、攻めあぐねて生かすことができない。しかし、AT柿本菜実(スポ4=東京・東京電機大)がラスト2分、相手の守備が手薄の間にシュートを放ち、6-6の同点に追い上げる。直後の立大の1点でまたも逆転を喫するが、そこで諦めないのがワセダ。ラスト30秒、フリーポジションから溝本にパスが回り、「思いっきり投げた」と語る今試合自身3得点目。日本一への執念でゴールを揺らし、7-7の引き分けで互いに譲らない激戦に幕を下ろした。
この日3得点を挙げ、大車輪の活躍を見せた溝本
「ワセダらしさ泥臭さ、ワセダ魂を見せられた」と鳴澤眞寿美主将(社4=福島・富岡)。逆境の中でもしぶとく果敢に攻め続けた。確かに勝ちを得られなかったことは悔しいが、チームは昨シーズンから着実に成長している。「ワセダ魂」は日本一への必要条件だ。優勝に向け、今後も粘り強い熱闘を繰り広げるに違いない。
(記事 後藤あやめ、写真 寒竹咲月、荒巻美奈)
コメント
鳴澤眞寿美(社4=福島・富岡)
――まずは1試合戦っての感想をお願いします
終わって一言で言うならば、ほっとしたというのがあります。夏合宿を含め、この初戦にかけてきた想いと時間はすごく大きいものでしたので、きょうは価値のある、いろいろ考えさせられる試合だったという意味では、それが終わってほっとしたなという一言です。
――前半は試合を優勢に進められましたね
そうですね。前半はどちらかと言えばワセダのペースになることが多かったと思うのですが、少し相手の顔色をうかがうような場面があったりしました。でも、攻めの姿勢であったりだとか、いつものワセダらしさは前半には出せていたかなと思います。
――反対に後半は厳しい展開になりましたが、振り返っていかがですか
立大はすごく頭が良くて、戦略的に心理的に相手を崩すのがうまいチームだということは分かっていました。ただ相手の攻撃も良かったのですが、ワセダのチームが昨シーズン、もしくは早慶定期戦までできなかった粘り強く、しぶとくしがみ付いて、そこで追いついて、そして追い越すという、その粘り強さと言いますか、ワセダらしさ泥臭さ、ワセダ魂を見せれたのが後半だったので、私はそこに良かったなと感じました。
――きょうの試合に臨むにあたって、具体的な目標はありましたか
相手よりも1点でも多くというのが一つの目標でした。リーグ戦はまず勝つことがすごく重要だなと思ったので、そこにこだわりがあって、点数とかよりは1点でも多く相手に勝つことを目標にしていました。
――ワセダ魂を見せられたことのほかに、良かった点はありますか
ワセダ魂というのはフィールドに出ている人たちが見せれたと思うのですが、本当にプレー以外のところで全員が一体となって仲間を信じることができたというのは、ことしの私のチームのコンセプトの一つである人間性の重視というところで、そこで一人一人が自分の置かれている複雑な立場に対して立ち向かえたところは非常に良かったかなと思います。
――この大会に向けて、日々の練習や合宿などを通してどのようにチームを作ってきましたか
一人一人の個性を引き出してあげる、個性を強みにそれを終結させるラクロスをことしはやっていこうと。そこに関してはどこの大学よりも自信を持って強みとして言えます。
――きょうの守備に関してはいかがでしたか
守備に関しても以前よりは粘り強く対応できたところはあったのですが、ファールであったり、ちょっとした隙を狙われたところに関してはまだまだ課題があるなと思いました。
――これからリーグ戦が続きますが、どのように戦っていきたいですか
日本一、ファイナル4、ファイナルという目標を持ちながらも、目の前の一戦一戦にしっかり立ち向かって勝ち続けること。そこにフォーカスして大きい夢を持ちながら、小さいことを一つ一つ徹底的にやっていきたいなと思います。
――最後に、鳴澤主将として最後の大会にかける想いをお願いします
どんな状況や立場に置かれても、私の目指すところややることは全くブレないです。その日本一への想いとワセダらしさと自分らしさ、この3つは貫いていき続けたいなと思います。
MF溝本ほのか(政経4=埼玉・早大本庄)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
一番の感想は勝てた試合だったなということです。チームとしてやってきたことができたという手ごたえと、初戦はこういうものだという思いがありました。チームとして、追いつけたことは次に向けての良い糧になったと思います。
――リーグ戦の初戦でしたが、どのような気持ちで臨みましたか
1年生のときにこの会場に来たのですが、自分がもう4年生であっという間だなという思いがありました。フィールドに立った瞬間から、みんなが自分らしくできる環境を整えてやればしっかり結果はついてくると思い、初戦に臨みました。
――前半のリードから後半は逆転を許してしまいましたが、チームとしてはどのように対応していきましたか
ハーフタイムでリードしている状態で、相手が返ってきてもわたしたちは自分たちのラクロスをしようという話をしていました。相手の波になってしまったときは、いつものワセダだったら下を向いて離されてしまっていたところですが、合宿などで初戦に向けてみんなでやってきたメンタルの部分がとても強くなったと思います。ここでもう一度できるぞという雰囲気にはなっていました。
――ご自身のプレーはいかがでしたか
わたしが一番冷静にやろうと思っていて、試合だからといって緊張はしていなかったです。いつも通りの雰囲気を引き出せたのではないかと思います。とにかく自分がまずゴールに向かうという姿勢を見せられたのは良かったと思います。
――最後に立大に追いつく得点を決められましたが、どのような気持ちでしたか
ボールをもらう前から要求をしていて、ボールが入った瞬間わたしが絶対行くという気持ちで、とにかくゴールに向かって思いっきり投げました。
――今後の試合に向けてどこを強化すればよいと思いますか
きょうの試合は、負けなかったというよりは勝てる試合だったという話がコーチからありました。まずは次の試合に向けて、トータルとしては日本一に向けて、個人個人の課題、チームの課題からさらに成長していきたいと思います。
――次の試合に向けての意気込みをお願いします
次の相手も自分たちのやってきたことをやれば勝てると思っています。相手を見たうえで戦い方を自分たちでコントロールできるのが自分たちの強みだと思うので、しっかり主導権を握って、次はひやひやしない圧倒させる試合ができればと思います。
AT鈴木杏奈(スポ4=東京・日大二)
――試合を終えての感想をお願いします
こちらのAT陣からしてみたら相手のDF陣より勝っていると手応えを感じていたので、引き分けで負けはしなかったのですが勝ちきれなかったということが悔しいという思いはあります。
――相手は立大でしたがどのようなことを意識されていましたか
私たちもそうなのですが、相手も2年生の時から出ているメンバーが多くてどんな風な手を使ってくるかということをある程度読めてはいたので、そのことを想定して練習してきました。
――夏合宿ではどのようなことを意識されていましたか
すごく暑い試合が想定されたので、自分たちのボールポゼッションをいかに大事にして、相手を疲れさせて勝つかということを意識した練習を中心にしました。
――きょうの試合でそのことは達成できましたか
みんな認識はできていたと思ったのですが、やはり結果的に少しのミスで決まってしまったりしたのでそこはもっとこれからのリーグ戦の中で注意していけるといいなと思いました。
――ゴールも決められましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか
本当に前半はボールを全然触れていなくて、ゴールに行くこともできなかったので後半は得点を決めたいと思っていたのですが、(後半は)決められるはずのシュートが何本もあったのに決めきれなかったのがちょっと悪かったことです。得点を決めてチームに貢献できたということで、それを糧に次の試合に臨んでいきたいと思います。
――最後となったリーグ戦への意気込みをお願いします
本当に最後のリーグ戦で、いままで2年生からずっと出させてもらっていて、集大成となるのでいままでの最高の形で終われるように、自分のことはもちろん、チームに貢献していきたいです。
MF日置綾香(政経4=埼玉・早大本庄)
――引き分けという結果でしたが、いまの気持ちを教えてください
正直、勝てた試合だったので悔しいです。
――昨季敗れた立大が相手ということを意識していましたか
そうですね。ことしこそという思いでしたし、4年になったので最後こそという意気込みでした。
――この試合に対してプランなどはありましたか
夏合宿等でも立大戦に向けてやっていました。
――何か具体的なプランがあったら教えてください
タイムマネジメントとして、最初のドローを取って1本(ゴールを)取りに行こうということや、後半に同点だったらこうしようということは、共通認識を持っていけたと思います。
――ご自身の先制点の場面を振り返ってみてください
緊張していて、ドローを力入れて練習してきたのに一本目は取れなかったのですが、ディフェンスで守ったあとの攻めで、どうにか先制点で流れを作りたいと思っていました。麻亜ちゃん(AT辻本麻亜、スポ4=北海道・札幌月寒)からいいパスが来たのでよかったです。
――点差が離れていくなかで、チームの雰囲気はいかがでしたたか
コーチからも「相手チームのペースになってしまうときが絶対ある」ということを聞いていて、そういうときこそいつも通りやろうとみんな考えていたと思います。
――では、チームとして慌てるようなことはなかったのですね
はい。声もかけ合いましたし、絶対に点を取れると思っていました。
――終盤の追い上げについて振り返ってみていかがですか
残り時間が少なくなっていましたし、あと90秒と書いてあるのも見えたのですが、1点ビハインドのときに、エースのほのか(MF溝本ほのか、政経4=埼玉・早大本庄)が決めてくれました。でも、みんな信じてプレーしていて、負けるとは思っていませんでした。
――ご自身の課題と収穫はありますか
みんながいて、試合でも絶対に負けない、勝てるんだというように強気になれたことがよかったです。ですが、ドローやひとつひとつのパスキャッチでまだまだよくできると思うところがあるので、そこを次の学習院大戦に向けて改善していきたいです。
――最後に、ラストシーズンに懸ける思いを聞かせてください
最後はやるしかないというか、やってやるという気持ちです。毎年4年生が引っ張っていってくれていたし、良くも悪くも下級生は4年に託す部分があると思うので、4年らしく頑張っていきたいです。
DF西真理子(スポ4=茨城・竹園)
――初戦は同点に持ち込むかたちになりました。感想はいかがですか
勝てなかったことは悔しいことなんですけど、早慶戦から自分たちがやってきたことが出せて、早慶戦と同じように相手にリードされたままでは終わらず、心が折れずに立て直せたことは収穫だと思います。
――どのような部分の成長がその立て直しにつながったと思いますか
ATが苦しい時にすごく点を取ってくれて、次につながったというのが一番大きいかなと思います。あとDFも崩れた時に粘ることができました。早慶戦の時は下向きがちだったんですけど、そこで下を向かないということを(きょうは試合の)入りからやっていて、絶対に何があっても下を向かないという気持ちを強く持てていたと思います。
――同ブロックの中では最大のライバル校であった立大に対して、どういったゲームプランで臨まれましたか
きょうが一番の勝負どころだと思ったので、とにかくぶっ倒してやろうと(笑)。受身にならずにどんどんこちらからいって、昨年のファイナル4のリベンジでもありますし、とにかく攻め気で臨みました。
――前半は4-2とワセダ優勢に進みました
前半は良いかたちで進んで、ディフェンスも想定内でした。ただ立教はいつも後半になって戦術を変えてきたりだとか、一気にチームとしてスイッチを入れてくるということがわかっていたので、決して気を抜かずにやろうという話をしました。
――実際に後半は一転、押し込まれる展開になりました。立大はどういった点を変えてきたのでしょうか
どちらかというと立教が変わったというよりは自分たちが無駄にファウルをしてしまったというのが大きかったかなと思います。立教の勢いにのまれたというよりは自分たちがジャッジに対して対応できなかったり、クリアの部分で慌ててしまったりというところが大きかったですね。
――後半開始直後にもデンジャラスチェックなどがありましたね
ジャッジについても意外なジャッジがあった時にすぐに対応できないといけないですね。昨年のファイナル4もそういった部分でいらいらしてしまって、カードが出てしまったりしたので、きょうの試合を通して(ことしのリーグ戦は)どういったジャッジがされるのかということが分かったので、それを東伏見に持ち帰ってマネージャーさんに(ホイッスルを)吹いてもらいながら練習していきたいです。
――後半は立大のオフェンス側からの早大DF陣へプレッシャーも強くなっている印象がありましたが
はい。立教がライドで前から潰してこようというのが分かっていたので、それに対しても落ち着いてやっていこうとは話していました。ただまだまだ慌ててしまったかなと思います。今回のが良い経験、練習になったと思うので、これも持ち帰ってATにそういうふうにやってもらいながら練習していきたいと思います。
――得点が大きく動いた終盤の心情とは
絶対に最後までに追いついて、追い抜いてやるという気持ちを持っていました。本当に数十秒でもあれば逆転できるのがラクロスなので、追いついても気を抜かずに、負けていても絶対に諦めずにディフェンスから(ボールを)奪ってアタックにつなげれば絶対に決めてもらえると思っていたので、相手に点が入ってしまったときに落ち込むことはなくて、取り返そうという感じでした。
――ご自身としては最後のリーグ戦が始まりました。どんなお気持ちですか
あっという間に始まっちゃったなという感じで、こういうインタビューされる立場になっちゃったんだなと思っています(笑)。ただやることは昨年と特に変わっていないというか、自分としても自分のやるべきことやってチームを引っ張っていくという感じなので、特別気負ったりすることはないですね。一戦一戦大事に戦って、12月の全日(全日本選手権)まで進めたらと思っています。
――ディフェンスリーダーの立場から見て、ことしのDF陣をどのように捉えていますか
優しい子が多くて、真面目なので、やろうと言ったことはできるチームだと思っています。ただ真面目なのでまだ思い切りが足りないかなと思うところがあるので、そこを思い切りよくやらせることができたらディフェンスリーダーとしていいのではないかなと思います。
――最後に次戦への意気込みを
絶対に勝ちます!
G南條文菜(スポ4=東京・吉祥女)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
きょうの試合に向けて、Bブロックの中で一番のライバルだと思っている立教との試合に照準を合わせてみんなで合宿とかもやってきたので、勝てなかったのはすごく悔しかったんですけど、とりあえず同点に最後の時間がない中、追いつけたのは価値のある試合だったと思います。
――合宿では、具体的にどのような点に重点をおいて練習していましたか
合宿では、個の力とそれにプラスにて、全員での連携をとって動くという普段の東伏見の練習では全然足りない部分を、合宿の中で午前と午後で連続で練習していました。
――失点が多かった後半での守備はいかがでしたか
後半は、結構立教が入りに変えてきて、すごく前で詰めて詰めてこっちにプレッシャーをかけてというのが相手のライドだったので、こっちのディフェンスはそんなに変えたりだとか自分たちの気持ちが下がってたとかではなかったです。でも、ディフェンスして自分たちのボールになった後に立教のプレッシャーにやられてしまってボールを失ってのディフェンスになったので、そこが自分たちでしっかりボールをキープするのがディフェンス陣の課題だと思いました。
――ご自身のプレーはいかがでしたか
立教の選手の個人を分析して、この人はこういうところに打ってくるだったり、分析した通りになったことは多くてそこは良かったんですが、もちろん自分が止めて流れを変えることができた場面もあったんですけど、やっぱりまだまだもっとセーブ率を上げないと日本一にはなれないので、しっかり止めるところは止めることは当たり前として、今後流れを変えるセーブを増やしていけたらなと思います。
――南條選手にとって最後の大会となりますが、どのような気持ちで臨まれましたか
私は、すごく大事なこの試合を練習試合だと思ってやっていて、練習試合をリーグ戦、また逆にきょうの試合はずっと前からイメージトレーニングでこの土曜日の試合は立教との練習試合だからと思っていました。気負わずにいつも通りやれば勝てると思っていたので、普段通りを意識して無駄に力を入れないようにしていました。
――次の試合への意気込みをお願いします
次は学習院との試合ですが、絶対に勝ちます!