あと一歩及ばず、ファイナル4で姿を消す

女子ラクロス
前半 後半
早大
立大
▽得点者
鈴木2、西村2、鳴澤、辻本、竹田

 8月から始まった関東学生リーグ戦(リーグ戦)もブロック戦を終え、ファイナル4へと駒を進めた早大。同じファイナル4の舞台で、1点差で敗れた昨シーズンを上回るべく立大と対戦した。前半は一進一退の攻防が続き、同点で折り返す。後半ファウルトラブルにより流れを相手に渡し4連続失点を喫するも、立て続けに攻撃し1点差まで詰め寄る。しかし、あと一歩のところで試合終了。ファイナル進出はならなかった。

終盤まで攻撃陣をけん引したAT西村

 勝てばファイナル、負ければ敗退という戦い。満員のスタンドが異様な熱気に包まれ、試合開始のホイッスルが鳴り響く。開始早々ワセダペースで試合を進めていくが、立大の激しいディフェンスでなかなかシュートを決めきれない。そんな中、開始7分MF鳴澤眞寿美(社3=福島・富岡)が相手ファウルから待望の先制点を挙げると、続いて10分にAT鈴木杏奈(スポ3=東京・日大二)も得点し2点のリード。その後同点に追いつかれるも、19分にはMF溝本ほのか(政経3=埼玉・早大本庄)がゴール前でフリーシュートのチャンスを得る。一人で決めるかに見えたが、ゴール左前にいたAT辻本麻亜(スポ3=北海道・札幌月寒)にパスし追加点。トリッキーなシュートに会場が沸いた。しかし直後にミスから速攻を決められ、3-3で前半を折り返す。

 すべてが決まる後半。5分にAT竹田夏未(教4=東京・早実)がゴール正面からのフリーシュートを冷静に決め1点リードするも、すぐに返され4-4。両者一歩も譲らない展開の中、早大のイエローカードにより3分間のマンダウンとなる。これで流れは一気に立大へ。ミスも重なり4連続失点。会場の雰囲気も立大の勝利へ傾きかけたところでたまらずタイムアウトをとる。早大スタンドは一丸となっての応援。「まだ時間があったので、普通に運んでセットを組めば勝てる」(MF名児耶優希、スポ4=東京・大妻女)との言葉通り、4年生を中心に懸命なプレーで試合の流れを手繰り寄せる。後半22分、AT西村佳那子(スポ4=東京・西)がゴール右から相手ディフェンスを数人かわしてのショットをねじ込むと、鈴木、またも西村と立て続けにフリーシュートを決め3連続得点で7-8。その後も再三のチャンスを迎え、誰もが逆転を予期した――。しかし、ここで無情にも試合終了のホイッスル。またしても一歩及ばず、1点差で涙をのむこととなった。

試合後涙を流すMF鳴澤の背中を押すG水谷主将

 失いかけた流れを自分たちの力で取り戻し、最後まで勝利へ粘り続けた早大。「あと1歩で追いつけたのに、なんで追いつけなかったのかは、いまもまだ分からない」(西村)。『一念通天』を掲げ、1年間戦ってきた4年生達の言葉からは悔しさがにじんでいた。試合後、来シーズンについて「結果を出す。それだけです」(鳴澤)と、短くも力強く言い放った次期主将。水谷組の果たせなかった夢はしっかりと次へつながれた。

(記事 久保田有紀、写真 佐藤匠、荒巻美奈)

コメント

川上順久ヘッドコーチ(平10理工卒=東京・早大学院)

――試合を終えての感想をお聞かせください

ブロック戦と違って負けたら終わりという試合の中で、ミスなくチームをまとめあげることの難しさを改めて感じました。

――試合後、選手たちにはどのような言葉を掛けましたか

4年生とはこれまでぶつかることもありましたが、それだけ勝つために腹を割ってコミュニケーションを取ることができた学年でした。ここで終わるのは残念だけど、お疲れ様と伝えました。下級生にはここまでやってきた4年生でも越えられなかったカベがあるのだから、それをどうやって越えていくかをもう一度考えてやっていこうと話しました。

――2年連続のファイナル4進出を果たした今季ですが、チーム作りの手応えはどの程度感じることができましたか

昨季以上に手応えはありました。昨季は4年生が2人でしたからほとんどの選手が今季も残るということで、チャンスがあると感じてシーズンインしました。ですから昨季と同じ結果で終わってしまうことは残念ですね。関東制覇、学生日本一という我々が今まで達成できなかったカベを越えられると思っていた学年でした。それだけに残念だなあと感じています。

――きょうは積極的に仕掛けてフリーシュートを獲得し、得点を重ねていきました。ゲームプランは狙い通りでしたか

立大がどのような形で来るかというのは何パターンか想定していましたが、その想定の範囲内でしたので対応はできていたと思います。ただディフェンスの方でファールトラブルと言いますか、マイナーなファールを重ね、イエローカードが出るような危ないファールも重ねてしまいました。昨季も含めて2回もイエローカードで退場が出てしまう試合はありませんでした。そうなるとなかなか勝つのは難しいですね。

――試合の中で勝敗を分けたポイントはどこですか

2回目のイエローカードをもらった場面です。あの時点で相手はタイムアウトの権利を使いきっており、こちらは2度のタイムアウト申請を残していました。(溝本選手が)5点目を決めたかという場面でクロスが相手の顔に当たってしまったということで、2度目のイエローカード、3分間の退場になってしまいました。あそこが得点になっていれば、相手はタイムアウトも取れず動揺したまま試合を進められたでしょうから、残念なところですね。チャレンジしなければ点は取れないので仕方ないところですが、悔しいポイントです。

――きょうで引退される4年生はどんな学年でしたか

責任感がある学年だったと思います。組織を作る力がある子たちなので、我々コーチ陣はあまり口を出さなかったです。判断力があり、社会に出ても即戦力になれる人材だと思います。「自分たちがやらなきゃ」と朝早くから頑張っていましたね。

――下級生も多く試合経験を重ねていますが、今後のチームをどう見ていますか

とは言え半分くらいは4年生が占めていたチームなのでいまの1年生、2年生がもっと力を付けていかないと伝統的に、継続的に強いチームにはなれないと感じています。川の水もそうなのですが、きれいな水が汚れるのは早くて、汚れた水をきれいにするのは大変なんです。いまの状態を悪い流れにしないように、慎重に見守っていきたいですね。

G水谷菫主将(スポ4=東京・青稜)

――ファイナル4を終えての率直な感想をお願いします

負けてしまうといまは後悔しかでてきませんね。

――調整面ではファイナル4に向けて順調でしたか

そうですね。今までリーグのなかで出た課題がかなり明確で、そこに対しても理解し、自分たちで向き合ってきました。気持ちとしても昨年を超えたいと思ってやってこれました。

――きょうのゲームでは2点を先制しましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか

もともと「勝てる!」と思って臨んでいたので、これはいけると思いました。

――連続失点を喫した後半の苦しい時間帯をどのように乗り越えましたか

まだ焦る時間ではありませんでしたし、そこで踏ん張りたかったので「大丈夫だよ」という声掛けはしていました。中でやっていた人たちもマイナスや受身になっている様子はありませんでした。

――Gの立場から立大の攻撃をどのように見ていらっしゃいましたか

自分がすこし前に詰めた時に落ち着いてショットを決めてくるあたりはうまいですね。相手の1番の選手が中心になっていて潰していたいと思っていました。

――最後の最後まで追い上げを見せました。このときの心境は

本当に負ける気がしなくて、ゲームを通して負けると思った時間は一度もありませんでした。いけるという気持ちしかなかったです。

――これで引退ということになりました

実感が本当にないですね。終わった瞬間は泣いてしまったのですが、あさってから間違って練習に行ってしまいそうですね(笑)。

――4年間振り返っていかがですか

上の学年に偉大なGの先輩がいらして私は2年生の時まで全然出場機会がありませんでした。そういう中で3、4年生では試合に出していただいて、主将も任せていただいて、プレーヤーとしても主将としても悩んだ時期も多かったです。チームのために何ができるかということを考えて。でも後輩から「信頼してます」という言葉をもらってやっててよかったなと思います。

――ラクロス部でどんなことを培ったと思いますか

日本一というところは限られた人にしか目指せない場所と思います。嬉しいことにそれを目指せるようなメンバーが揃っていて、同じ気持ちを持って頂点に向かってやっていけたことがこれからもなかなかないことです。環境に感謝しています。

――同期の皆さんへどのような思いを持っていらっしゃいますか

頼りない主将だったと思うんですが、そういうなかでも自分を立ててくれて後ろから支えてくれてありがとうということは伝えたいです。

――最後に思いを託すことになる後輩たちへ一言お願いします

日本一になって私たちのこの悔しさを晴らしてくださいってことです!

AT西村佳那子副将(スポ4=東京・西)

――試合を終えて感想はいかがですか

なんで負けちゃうんだろうという気持ちです。昨季も1点差で負けて、今季こそ絶対に加藤と思っていました。あと1歩で追いつけたのに、なんで追いつけなかったのかは、いまもまだ分からないですね。

――試合前のチームの雰囲気はいかがでしたか

いい雰囲気だったと思います。課題も明確でしたし、その課題を潰していけば大丈夫だと思っていました。

――試合前の心境はいかがでしたか

「勝つ」の一言でしたね。立大が相手でしたが、慶大よりは戦いやすいと考えていました。落ち着いて1点を確実に積み重ねていけば勝てると思っていました。

――終盤は追い上げましたが、どのような気持ちでプレーされていましたか

私自身は勝てるとずっと思っていました。ただ、気持ちが全員で前を向けていなかったのかもしれません。あと1歩足りない点があったとするなら、全員の気持ちが前を向けていなかったことなのかもしれません。

――副将として今季を振り返っていかがですか

昨季まではリーダーがいて、その下でプレーしていたので、全体を見渡すことができていました。今季はリーダーとなって上を目指して引っ張る立場となり、全体を見るというのが難しくなってしまいました。自分が副将として役割を果たすことができたのかは分からないですね。ただ、今季は「考える」ということを呼びかけてきましたが、その点では後輩たちに伝えることができたので、その点はよかったと思います。

――同期のみなさんにメッセージはありますか

きょうの試合は4年生に助けられた試合でした。みんなが頑張っているから、自分も頑張ろうと思えました。だからこそ、まだまだこのチームで戦いたいという気持ちはあります。これからも付き合いは続いていくと思いますし、1年生の新人戦が残っているのでそれまでは4年生としての役割を果たしたいですね。そのあとは遊びます(笑)。

――後輩の皆さんに伝えたいことはありますか

日本一を獲ってください!以上です(笑)。

――ラクロス部での4年間を振り返っていかがですか

最初は何もできなかったので、こうして戦えたことが奇跡に近いと思っています。目標を達成できずに終わる気持ちが、いまようやく分かりました。後輩たちには本当にあっけなく終わってしまうから、悔いのないように頑張ってほしいですね。

――今後はラクロスとどのように関わっていかれますか

もちろん、後輩の試合の応援は行きたいと思っています。同期でラクロスチームを作るという話もありますし、OGのチームなど選択肢はいくつかあるのですが、自分がプレーを続けるのかは未定です。でも後輩の応援は絶対に行きます!

AT岡奈里美(文構4=東京・日大二)

――ファイナル4を終えた今のお気持ちはいかがですか

実感がないというか、まさか負けると思っていなかったのでただただびっくりの一言です。

――きょうに向けての調整は順調に進みましたか

まず立教のスカウティングが始まって、幹部やコーチが中心に立教戦に合わせた戦術などをチームでも共有してきました。準備という点では立教には絶対に負けていないという自信はあったので、調整の面では万全の状態だったと思います。

――実際に試合が始まると幸先良く2点を先制する形となりました。チームの雰囲気はいかがでしたか

勝つということしか目に見えていなかったので、このままいってほしいというかまだまだ点は取れるぞという気持ちでチームの士気としては下がっていませんでした。

――同点で迎えた後半に連続失点。その苦しい時間帯をどのように見ていらっしゃいましたか

自分は試合に出ていなくてベンチで見ていただけだったのですが、本当に頼れる同期や後輩がいるので、らい(AT西村佳那子、スポ4=東京・西)だったら点を取ってくれる、ドローだったら夏未(AT竹田、教4=東京・早実)がいて、声をかけていたと思います。同期や後輩を信頼して自分の分まで活躍してほしいなという気持ちで見ていました。

――最後の最後まで追い上げをみせましたね

終始、涙腺が緩みっぱなしだったんですが、最後は4年生が決めてくれて、ルーズボールを取ってくれるというシーンが続いたのですが、この4年生なら任せられると思っていました。同期ですが、頼もしいと感じました。

――これで引退となりますが、4年間を振り返っていかがですか

1、2年生のときはただただラクロスが楽しくてしょうがなかったのですが、3、4年生になってからは上級生という責任も出てきました。自分自身苦しいシーズンが続いたので、本当に後半は辛かったというか悔しい思いもいっぱいしましたが、その中でも自分なりにすごくがむしゃらに這い上がってきたつもりです。最後に頼れる同期と後輩の姿を目に焼き付けることができてよかったです。ただ今はびっくりという気持ちの方が大きくて、悔しいという気持ちもやっぱりありますね。

――4年間共に過ごした同期の皆さんへはどんな思いがありますか

自分が苦しい時期に一番支えてくれたのは同期のみんなです。当たり前のことなのですが、支えてくれる人がいるありがたみや幸せを一番感じさせてくれたのが同期なので、「ありがとう」という言葉と「一緒にできてよかった。お疲れ様でした」と伝えたいです。

――最後に後輩たちへ一言お願いします

本当に頼もしい後輩しかいないので、絶対に私たちの上をいって日本一になってほしいです。

AT佐藤南(法4=東京・早実)

――きょうの試合にかける思いはどのようなものでしたか

きょうは最後まで続く日本一への途中経過だと思っていたので、今までのリーグ戦と同様、大事に勝っていこうという気はあったのですが、やっぱり昨年負けている試合だったのでそういう意味では思い入れは強かったです。

――試合全体を振り返って

最初始まった時はワセダのペースでした。前日の練習の時から思っていたのですが、勝てる気しかしなかったです。ただ後半崩れてきてしまいました。ファウルトラブルなどもあって、そのあたりから不安になる気持ちはあったんですけど大事なところで4年生が巻き返してくれたんで、見ていて同期を誇らしく思う試合でした。

――2Qはリードを広げられたところからの反撃でしたが、その間のタイムアウトでは何を話されたのですか

ファウルを原因に崩れているなというのがあったのでファウルの部分と、まだ負けていないからここから自分たちの試合をしていこうという話がありました。

――試合が終わった瞬間には何を思いましたか

周りも同期も後輩も泣いているのを見て最初は涙も出なかったのですが、観客席に向かって顔を上げた時に涙があふれ出てきて引退を実感するという感じでした。

――試合後にはチームでどのような話をされましたか

みんなかける言葉がなくて各々肩を抱いて泣きながらという感じです。

――4年間を振り返っていかがですか

私は試合になかなか出られなくて苦しい時間も長くてほんとにつらい思い出ばかりだなと練習しているときは思ったのですが、振り返ってみると全部1つも辛くなくてもっと頑張れたんじゃないかなと。後悔じゃないんですけど、その気持ちがどうしてもあります。

――同期にはなんと声をかけたいですか

4年間ありがとう。それだけです。

――これからのチーム、後輩へメッセージをお願いします

最後、4年生が頼もしいところで引っ張ってくれたというのは言われていたのですが、それでもやはりチームの戦力としては下級生にすごく助けられてきた今シーズンだったと思うので、今シーズンチームの力になってきた人たちが来年主力になって良いチームを作ってくれると確信しています。頑張ってください、応援しています。

AT竹田夏未(教4=東京・早実)

――試合を終えての感想をお願いします

勝てる試合だったので悔しいです。

――ファイナル4に向けてチームの士気は上がってきていましたか

みんなで勝ってやろうというか、立教を倒してやろうということを毎日言ってました。

――きょうは2点の先制がありました。チームの雰囲気はいかがでしたか

勝ってはいたのですが、ちょっと焦ってミスが続いてしまったので、そこはもう少し落ち着いてやれたらよかったなと思います。

――後半連続失点をした苦しい時間帯はチームで何か声かけはありましたか

焦らず1点ずつ返していこうと話していました。

――ご自身も得点されていましたが、オフェンス面で意識していたことはありますか

セットに持ち込められば点は入っていたので、落ち着いてセットに持ち込んで得点につなげようとしていました。

――終盤には追い上げが見られましたね

点差が開いても絶対に追いつけるから諦めずに頑張ろうと思いました。

――きょうで引退となりますね

あすからも早起きする予定だったので(笑)、腑抜けな感じというか、何していいかわからないです。

――そのように4年間打ち込んできたラクロスですが、4年間を振り返って

つらいことの方が多くて、やめたいなと思ったこともありましたが、最後後輩にもすごく支えられて、やりがいがあって楽しかったです。

――一緒に頑張ってきた同期の皆さんはどんな存在ですか

もちろん嫌な面もたくさん見ましたが、私のわがままを受け入れてくれたりしてとても感謝しています。

――ご自身にとってラクロス部とは

なんていえばいいんだろう…。難しいな(笑)。部活に行くことは今まで当たり前だったのですが、あしたからみんなの顔を見れないのはすごく変な感じです。空気のようになくてはならない存在ですね。

――後輩たちへ一言お願いします

辛いことも多いと思いますが、めげずにこつこつやっていってほしいです。

DF中村未来(スポ4=東京・戸山)

――試合を終えての感想はいかがですか

悔しいですね…。

――試合前の心境はいかがでしたか

全然負ける気はしていませんでした。きょうは勝って、その先も勝って、日本一になるんだろうと思っていました。チームとして間違ったことはやってきていないし、絶対に勝てるといういい雰囲気だったと思います。

――試合終盤に追い上げましたが、あと1歩足りませんでした。あと一歩足りなかったのは何だと思いますか

基本の基本だと思います。基本を忠実にやってきていれば勝てたのかなと思います。基本が難しいのがラクロスなので、日々の練習や、一人ひとりの意識なのかなと思います。

――この試合がケガからの復帰戦でした

私がケガをして、後輩が勝ってここまで連れてきてくれました。本当にありがとうという気持ちです。アドバイスをくれた先輩たちにも、プレーできるんだと伝えたいと思っていました。

――同期のみなさんにメッセージはありますか

こんなに信頼できる仲間に一緒になることができて、本当に嬉しいです。こんなに長い期間一緒にいた人たちはいないのでありがとうと伝えたいです。

――後輩のみなさんに伝えたいことはありますか

最後は笑顔で終わってほしいです。難しことだと思いますけど、やりきって、悔いのないように戦って、日本一になってください!

――ラクロス部での4年間を振り返っていかがですか

あしたから早く起きる必要もないし、つらいトレーニングもないですし、痛みに耐えることもないと思います。そう考えると実感がないですね。振り返ると、よくやってきたなと思います。その分、喪失感も大きいので、かけがえのない日々だったんだと思います。私はいろいろな人に支えられてきたので感謝の気持ちでいっぱいです。

――今後はラクロスとどのように関わりたいですか

ラクロスが好きというより、このチームが好きだったので、続けるかどうかはいまもまだ考えています。先輩や後輩と関わっていけるなら、支える立場として役に立てるなら、恩返しをするつもりで貢献したいですね。

MF名児耶優希(スポ4=東京・大妻女)

――きょうの試合にかける思いはどのようなものでしたか

絶対勝ってファイナルで早慶戦だなと思っていました。

――試合全体を振り返っていかがでしたか

前半の時点で熱くなりすぎてしまって暴言を吐き、イエローカードをもらいという最低なプレーヤーだったのですが(笑)。ミスがちょっと続いてもっと余裕で勝てる相手のはずでした。もっとボールをきちんと運んで攻めたら勝てる相手だと思ってたんですが、上手くいかなくて。もどかしいというか、それで熱くなりすぎたというのがありました。

――2Qでは点差を広げられる展開もありましたが、どのように戦っていましたか

12分くらいありましたよね?まだ時間がちゃんとあったので、普通に運んでセットを組めば勝てるなとは思っていました。

――3連続得点の前のタイムアウトでは、どのようなことをチームで話していたのですか

運んでセットに持ち込んだら点取れるというような話をしてたと思います。

――試合が終わった瞬間には何を思いましたか

「無」でした。ほんとにぼけーっとしたままで。さっきのさっきも、試合終わった後、コーチの話を聞いていた時も、もう「無」でした。負けて引退してしまったという実感がまだ湧いていない。

――他の選手の様子はいかがでしたか

みんな悔しがって泣いてましたけど、私は涙が出なかったんです。対戦相手の立教に仲の良い子がいて、その子にお風呂入って着替えて出てきたときに会ったんですよ。その瞬間になぜかそいつの胸で泣いてしまいました(笑)。ワセダのではなくて、なぜか対戦相手の仲の良い子。なんでって。でも、顔見た瞬間に立教のユニフォームというかウィンブレ見た瞬間に悔しくて涙が出ました。

――4年間を振り返っていかがでしたか

あっという間でした。ほんとに生活でしたラクロスが。人生の一部というか。

――一緒にやってきた4年生にはなんと声をかけたいですか

こんなクソなやつのことを今まで支えてきてくれてありがとう。感謝です。

――これからのチームへのメッセージをお願いします

来年も必ずこの舞台に立って、私たちの悔しさを晴らしていただきたいと思います。ちなみにそのためにこれからも練習に参加したいと思います。

――今後もラクロスを続けられますか

卒業するまでは現役と同じくらい練習に行こうかなと。練習に行かないのは変だなと。よくわかんないですけどそんな感じで。1年生を育てるのも4年生の役割なので。

MF鳴澤眞寿美(社3=福島・富岡)

――きょうの試合の前には何を話していましたか

昨シーズンはここで1点差で敗れて、ことしはそういった意味でのリベンジ。今までのワセダラクロスの歴史を変える素晴らしいチャンスを与えられたなという意気込みで臨みました。

――きょうの試合全体を振り返って

全ての面で自分たちが弱くて、相手がうわまわっていたなという感じで本当に悔しいの一言です。

――連続失点からの反撃に、なにかきっかけはありましたか

はっきりとは覚えていないのですが、最後まであきらめるなという気持ちの面とグラボ(グラウンドボール)とドローを絶対取ろうね、というのは再確認しました。

――今シーズンを振り返って

ことしはもう副将という立場で幹部にも加わって、試合で果たす役割や責任もだいぶ変わってきました。その中で4年生に私の力を最大限に出していただけたことに感謝するとともに結果を出すというところで自分が最後の最後に貢献できなかったことに申し訳なく感じています。ただ、この1年間は私にとって代表活動であったりとかワセダのみんなに成長させてもらった1年間だったなと思います。

――4年生に伝えたいことはありますか

私は厳しいことを言ったり後輩としてはほんとにかわいくない存在だったんですけど、それでも4年生は愚痴1つ言わず、私を立てて力を引き出してくれたりお互いのコンビプレーを共有しようとしてくれて感謝しても感謝しきれないです。

――来シーズンはどんな戦いを見せますか

結果を出す。もうそれだけです。

DF西真理子(スポ3=茨城・竹園)

――試合を終えたいまのお気持ちは

ここで終わると思っていなかったので、悔しいです。昨季は自分も初めてのリーグ戦でしたし、チームとしても初めてのファイナル4でした。だから昨季経験した分、今季はそのカベを絶対に越えて、日本一になってやろうと思って臨みました。正直、きょう負ける気は全然していなかったです。

――試合を振り返って

ファウルがかさんで押し込まれてしまいましたが、そこから自分たちの流れに持ち込んで、試合の最中は本当に誰もが負けるとは思っていませんでした。それだけ最後までやれましたし、勝つことができる試合だったと思います。

――きょうで引退となる4年生へはどのような思いがありますか

本当に実感がないですね。1個上の先輩方にはずっと支えてもらってきたので。すみさん(G水谷菫主将、スポ4=東京・青稜)とらいさん(AT西村佳那子副将、スポ4=東京・西)なんて私にとってはラクロスのお父さんとお母さんのような存在だったので、いなくなってしまうのは実感がないですし、どうなってしまうのかなと思います。また、一度はくさん(DF中村未来、スポ4=東京・戸山)が欠場した試合があったんですけど、それでもベンチで見守ってくれているという安心感がありました。それがなくなって、はくさんやすみさんが引っ張ってきたディフェンスを今度は自分がどうやって引っ張っていこうかなと思っています。

――今季はDFリーダーである中村選手が欠場している時期もありましたが、そこではどのような思いでプレーしていましたか

逆にチャンスだととらえていました。はくさんが抜けたのは大きかったのですが、今まで頼ってばかりいたところを、自分たちで成長できる良い機会だと感じていました。また、はくさんが「自分が抜けたから負けた」と思わずリハビリに専念できるような試合をしたいと思っていました。でも成蹊大戦はそこまで安心できる試合展開ではなかったので、先輩がいなくなる来季こそは自分たちでしっかりやっていかなければと思います。はくさんはカベがなく、本当に気を配ってくれる先輩でした。後輩がミスをしてへこんでいる時も一つ一つ声を掛けてくれて、そういうことが自然にできる方でしたね。

――最終学年となる来季へ向けての抱負をお願いします

日本一を獲って、「先輩たちに育ててもらったおかげです」と恩返しができるようにしたいです。

MF溝本ほのか(政経3=埼玉・早大本庄)

――試合を終えてのお気持ちは

本当に悔しいの一言です。絶対に負けないと思っていましたし、点差を付けられていても勝てるという思いは変わりませんでした。またファイナル4のカベを越えられず4年生の先輩に申し訳ないという気持ちと、力不足を感じた試合でした。

――試合内容を振り返って

途中からこちらのペースにはなったんですけど、ちょっと…判定に泣いたところもありました。ボールを奪い返した後のパスが雑になってしまって、流れを引き寄せることができませんでした。そこが敗因かなと思います。

――自身の勝ち越し点が無効と判定されてしまった点が悔やまれると思いますが

あそこは自分でもどうしようもできない場面でした。それ以外にもっと丁寧にプレーできたところがあるかなと思うので、練習不足だと感じています。

――きょうで引退される4年生への思いは

ファイナル4の舞台に2年連続で立つことができたのは、先輩方のおかげです。本当に感謝しています。プレーでも、らいさん(AT西村佳那子副将、スポ4=東京・西)とすみさん(G水谷菫主将、スポ4=東京・青稜)を中心にきょうも引っ張ってくれて、私たちは付いていくだけでした。もっと4年生のためにできることがあったなと感じています。その思いを忘れずに、歴史を変えるためにあしたからしっかりやっていかなければと思います。きょうで終わってしまうのは早すぎるなと感じるんですけど、私たちは幸運にもまだ1年あるので結果でしっかり恩返ししたいです。

――試合の後、先輩方と何か言葉を交わしましたか

試合の後はすみさんがあいさつをしたのですが、本当に話を聞いていることしかできなくて、まだちゃんと言えてないんですけど感謝の気持ちを伝えたいです。でも私たちは早く切り替えて、来季この舞台で雪辱を果たすことが一番の感謝の形になると思います。

――最終学年となる来季へ向けて

本当はもっと3年生としてプレーしたかったんですけど、もう最後の年になるので残された時間を大切にしたいです。下級生を引っ張ってまだまだステップを上がっていかないとこのファイナル4の舞台にすら立てないと思うので、自分が姿勢を示して、後輩が付いてきてくれるようなチームに仕上げたいです。