昨季は快進撃でブロック戦全勝と、7季ぶりのファイナル4進出を果たした女子部。『日本一』を目標に掲げる今季は心身ともにさらにたくましくなり、安定した強さを誇っている。そんなチームを率いるのはG水谷菫主将(スポ4=東京・青稜)とAT西村佳那子副将(スポ4=東京・西)。大一番を目前に控えるいま、攻守の要として、そして4年生として何を思っているのか、お二人に話を聞いた。
※この取材は10月21日に行われたものです。
チームの成長
和やかに話す水谷主将(左)と西村副将
――ブロック戦を終えてから約一週間が経ちますが、今のチームの雰囲気はいかがですか
水谷 昨年は全勝でしたが、ことしは最終戦で明大に負けてしまいました。それでもいけるなという気持ちも出てきて、日本一という目標に向かって一丸となれていると思います。
西村 きのう、おとといと合宿をして、ここからは気持ちの問題だよねということを再確認したので、ここからはどんどん上がっていくと思います。
――具体的にブロック戦を振り返っていくと、まず初戦に予定されていた明大戦が雷のため途中中止となりました。調整などの面でその後の試合への影響はありませんでしたか
水谷 実際にその試合のときは拍子抜けでしたが、個人的には切り替えることはできていたと思います。あまり引きずらないようにという声掛けはしました。
西村 気持ちの面では引きずることはなかったのですが、初戦で意外と苦戦をして。こんなに苦戦するのかと、初戦はやっぱり大事だなということを改めて実感しました。その一戦を乗り越えてからは落ち着いてプレーをすることができました。
――5戦のなかで特に印象に残っている試合はありますか
西村 私は日女体大戦ですね。自分が出られなかったということも大きいのですが、自分がいない中でチームがどういったプレーをしていくのか全然見当もつかなくて。でも実際蓋を開けてみれば快勝という形で、ベンチで泣いていたほどでした。
水谷 泣いてたね(笑)。
西村 本当にチームの成長を一番感じたのであの試合が一番印象に残りました。
水谷 私は日体大戦です。ディフェンスリーダーのはく(=DF中村未来、スポ4=東京・戸山)が途中ケガで抜けるというトラブルがあって、そういうなかで日体大戦を落とすとファイナル4への出場が厳しくなるという状況でした。後半追いつかれる場面もあって本当に負けたくない!という気持ちでやっていました。最後、らい(=西村)がダメ押しで2点決めてくれたのですが…。(西村選手の方を見て)
西村 わーい!
水谷 (笑)。内容として反省することも多かった試合でしたが、そういう意味では大きな試合だったなと思います。
――では4連勝で迎えた明大戦はどのような意気込みで臨まれましたか
水谷 ブロックのなかで一番強敵であることは分かっていて、今シーズン勝てていない相手でした。ただ日本一を目指す上で勝たなきゃいけない相手でしたし、全勝でファイナル4に進むためにも必ず勝ちきりたいということをみんなで話しました。
西村 昨年が全勝だったので、ことしも絶対に全勝からの日本一ということはチームで掲げていた目標でした。最低でも勝ちをとりにいくということはチームで確認していたことでした。
――そのなかで明大と対戦して感じたことは
水谷 負けてはしまいましたが、自分たちにもチャンスがあるというか、そんなにベースのところでの差はないなとは感じました。
西村 私も同じ印象で、負ける相手ではなかったのになと。特にクリアで運べればセットでは点数が取れるという印象でしたし、ディフェンスもかなり守っていたのでその行き来のところが良ければ勝てた試合だったのでかなり残念ですね。ここで負けちゃいけないなと感じました。ただメイジはチームとして盛り上げ方がとても上手だなと試合を通して思いました。かなり苦しい時間が続いても点が決まったときにすごく喜んでいて。それがワセダとちょっと違うところだなと感じました。
――ここまでのリーグ戦を通して感じたワセダの良さと課題はなんでしょうか
水谷 切り取った部分、ハーフコートであれば安定して力を発揮できているとは思います。逆にボールを運ぶという点でクリアやライドの中で崩れてしまったり、コミュニケーションが取りきれないところがありましたね。
西村 日本一をとるにあたって課題はまだスキルの面でもありますが、とりあえず学生日本一という観点からいうとやっぱり気持ちですね。もちろん4年生は4年間やってきて、勝ちたいという気持ちがすごく強くてそれがプレーにすごく出ているのですが、やっぱり下級生は投げていいのかなとか、走っていいのかなという自信のなさというのはまだ見えます。それを払拭するのが4年生の役目。それがメイジはできていて、ワセダができていないところかなと思いました。今回の合宿でそこは改善したと思いたいのですが、次は全員が前に向かって勝ちたいから、強気でプレーをするというところまで持っていきたいです。
――今季も3年生以下でスタメン出場されている選手も多いですが、後輩の活躍をどのように見ていらっしゃいますか
水谷 本当に頼もしいの一言です。練習中も意見を言ってくれて、下級生だからといって萎縮しなくて、コートの中では学年関係なくという意識がある子が多いですね。そこはやりやすいです。
西村 戦術の部分でも分からなければ質問してくれたり、「ここはこうなんじゃないですか」と逆に言ってくれたりもします。それが自分にない視点だったりすると自分にとっても新たな価値観のようなものが生まれます。人間的にも成長していることが分かるような感じです。
――それぞれ主将、副将、ATリーダーなども務められていますが、4年生になって意識の点で変わったことはありますか
水谷 昨年からリーグ戦には出場していましたが、ゴーリー(G)というポジションでは私が最高学年だったので、自分が崩れたらいけないとは思っていました。チームの流れが悪いときにそれを断ち切るようなセーブをしたいという気持ちでやっていたので、そんなに大きく変わったところはないですね。ただ昨年はDFリーダーの先輩がまとめてくれていたところを、ことしは自分もこうしてほしかったということを伝えたり、以前より積極的に関わるようになりました。
西村 私は昨年副リーダーもやっていて、けっこうやりたいようにやらせてもらっていました。意見があれば言わせてもらっていましたし、新しいこともさせてもらったり、先輩に生かされていたのだと思います。なので先輩のために、先輩を引退させたくないという思いでやっていました。ことしは自分が一番上の学年になって、自分が活躍しなければならないという気持ちも強いのですが、それよりはチーム全員が良いプレーができるようにとか、自分ではなくてチームをまとめるという意識が持てています。そこを後輩も評価してくれているのか、「らいさんを引退させたくないから頑張ろう」と言ってもらったりしてこれでいいんだなって思えました。3年と4年で全然違うあり方をしているのですが、今の自分に少し自信が持てているので、その後輩の言葉かけはとても嬉しいですね。
――いままでに先輩から受けた影響が大きかったと感じたことはありますか
西村 みんな個性がありすぎます(笑)。でも私は堀田前主将(ひかる、平25スポ卒=静岡東)。ATリーダーも兼任していましたが、かなりたくさんミーティングをしていました。ラクロスを語る以外でも日常生活でもすごく仲が良くて、そういったところで自分もすごくやりやすかったので後輩ともそういう関係を築きたいですね。フィールド上では厳しいことも言うのですが、それ以外のオフの日は一緒にご飯食べたり、遊びにいったり、オンとオフを使いわけてやっていきたいと思いました。
水谷 私は2個上のGの先輩2人ですね。とても上手で負けたくないという気持ちというか、引退するときに比べられたら嫌だから頑張ろうという気持ちでいたのですが、そのお二人から手紙をもらったことがありました。「Gとしてその人のコピーをするということは無理で、自分にあったスタイルをつくることが大事だよ」ということが書かれていて、原点に帰れたというか、そこで先輩を超えるためにではなく自分としてのあり方を考えるようになりました。
――リーグ戦にもよくOGの皆さんが応援にいらっしゃっていましたね
西村 私たちの代は先輩たちとすごく仲が良いのですが、先輩たちも忙しいはずなのに毎試合応援に来てくれたりします。私たちのこと好きなのかなって(笑)。
一同 (爆笑)
西村 本当に来てくれて嬉しいというのが一番です。試合の内容は反省するところがたくさんあるのですが、来てくれてるから頑張ろうとか、モチベーションの部分でかなりOGさんの力を感じます。
水谷 OGさんたちと話すと気持ちも新たになって、良い試合を見せようという気持ちになりますね。
「日本一をとろう!」
守護神として好セーブでチームを支えるG水谷主将
――お二人はなぜラクロスを始められたのですか
水谷 私はラクロスって女子大生って感じのきゃぴきゃぴしたスポーツだと思っていたんです。でも新歓試合を観にきたときに相手がクラブチームで。私を誘ってくださった先輩がGで、クラブチーム相手にセーブしていて、そこで「キーパー格好いい!キーパーやりたい!」と思ってラクロス部に入りました。
西村 私はワセオケ(早稲田大学交響楽団)に入るつもりでした。大学までバイオリンを続けていたので、ワセダに入ったら絶対にワセオケって思っていたのですが、高校の友達が男子ラクロスのトレーナーを志望していて新歓のときに一緒に見に行ったんです。DVDを見たらこれは自分にもできるんじゃないかと思って、女子の方に流れてみたら面白そうって思って、体験に行きました。そのまま体験初日に虜になって入りました!なぜか(笑)。できなかったんですよ。
水谷 分かる、それ!
西村 運動とかけっこう得意なんですけど、本当に何にもできなくて。でもなんでできないのか分からなくて!
水谷 そうそう!基礎が難しすぎて、悔しいって思ったよね。
西村 なんでできないんだろうって思って通ってたら入ってました(笑)。悔しかったよね。
水谷 球技とか割となんでも最初からできる方なんですけど、できない…!って。
西村 本当に衝撃だった!
――高校までは何かスポーツをされていましたか
西村 私はハンドボールをやってました。高校のときも管弦楽部に入ろうと思ってたんですけど(笑)、結局強くなるって言われたハンドボール部に入りました。
水谷 私は小学校がバレーボールで、中高がバスケです。
西村 強肩ですからね(笑)!
――その経験が今のラクロスに生きていると思うことはありますか
西村 フェイントの仕方とかはかなり似たところがあると思うので、そこは人より長けていると思いたいですね。
水谷 Gなんですけど、パスカットの部分とか、ボールをあげておいて出るところなどが好きで、切り返しの感覚とかはバスケからきているかなと思います。
――そのように始めたラクロスですが、4年間続けてきて印象は変わりましたか
西村 楽しいとは思ってたんですが、レベルが上がるにつれて楽しいの質が変わってきたとは思います。最初はただ単にボールが触れて楽しいというくらいの感覚でしたが、今はみんなで崩していくのが楽しいとか、みんなで点を取るのが楽しいという風に変わって。やっぱりチームスポーツだなという印象を持っています。
水谷 最初は基礎に必死でしたが、本当に頭を使うスポーツですごく戦術的部分が大きいです。いろいろな要素が組み合わさっている深いスポーツだといまは思います。
――ずばりいま思うラクロスの魅力とは
西村 意外と激しいところかな。女子はファウルとかに厳しいですが、それでも球際の取り方とか競るところは、けっこうぶつかりあったり、ディフェンスとオフェンスの攻防は接触プレーも多いので、そこで守ったとか抜いたとか際どいところでの競り勝ちが一番の面白さかなと思いますね。
水谷 私はフィールドが広いけど、スピード感があるところですね。例えばサッカーはフィールドは広いですが、ボールの流れは割と遅いですよね。ラクロスはパススピードとかも速いですし、観ている人を飽きさせないスポーツでもあると思います。
――ではお互いのプレーの良いところは
西村 とりあえず神セーブだね!
水谷 Gは要素少ないからね(笑)。
西村 最近目立つプレーは際どいコースのシュートをクロスを流してスッと取るところ。普通はセーブするところをゴール外に流すんです。
水谷 間に合わないと思ったときにクロスをバンってやるんだよね。一番早くできるからね(笑)。
西村 あとはスローの精度が良いので、1年生のときはダイレクトで私へパスが通ったのですが、そういったプレーが最近ないのでちょっと期待しています!
水谷 頑張ります!らいは角度がないところでも独特のフォームでうつことができて、出どころがわかりづらいところがかなり効いていると思いますね。ボールに対する執着、ボールがわったときの信頼感があります。
西村 あと、(水谷選手は)守備範囲が広いですね。クロスの範囲もなのですが、脇の下でセーブされたり、足元際どいところを狙っても足を出されてセーブされたりします。体全身で止めてやるという感じが強いです。
水谷 足で止めた時にシュートをうった人に「イラっとする」とかと言われます(笑)。
――そういった言葉を受けて自分のポジションへのこだわりはありますか
水谷 相手の心理を考えるようにしていて、シュートを打つ瞬間に相手が何を考えているかなどを考えています。そこは他の人に負けたくないですね。
西村 オフェンスって戦術次第で本当に変わるんです。点が入らないのは何でかということをしっかり考えて、それをプレーに出せば絶対に決まります。コーチから言われるだけではなく、フィールド内で解決していくということはいまの私の役割としてはとても大事ですね。負けたくないとか、MFからATになったのもシュートを決めたいという気持ちがすごく強かったからだし、私の性格ともマッチしているポジションだと思います。
――ラクロス部というと朝練習という印象が強いのですが、早起きなど慣れるのは大変でしたか
水谷 慣れてしまえば早起きも平気でした。オフの日も目覚ましかけてないのに、目覚ましをかけた時間の1分前とかに目が覚めたり。「あ、オフだ」ってなって、「二度寝幸せ〜」って気持ちになりますね(笑)。
西村 「最初はこんなに早いの?!」って思いましたが、4年間同じサイクルでやっていたら体内時計もそのようになるのかなと。
――4年生はどんな学年なのでしょうか
水谷 良い意味でまとまりがないのかなと(笑)。個性が強いけど、根底に持っている意志は同じで勝ちたいという気持ちが強いですね。一人ひとりが自分のプレーやチームのことを考えられる学年だと思います。
西村 良い意味でまとまりがないというのは今聞いて納得というか。プレーも性格もみんな自分の個性を把握していて、それをお互い尊重し合って生かそうという意識はすごくあるなと思います。それができるから幹部が忙しいときに「仕事やるよ」と言ってくれたりという配慮にもつながっているのかなと。本当にありがたいです。
水谷 本当に気が遣えるよね。
西村 一生つきあっていくんだろうなって思います(笑)。
――面白いキャラクターの方はいますか
水谷 みんな変です(笑)。
西村 いじられキャラははくで、ボケキャラが私だね!
水谷 ボケというか、面倒くさいキャラだね。こってり系ラーメンみたいな…。もういらないって感じ(笑)。
西村 はい、ひどいね(笑)。これ後輩にも伝わっちゃってて、最近は後輩からもそういう扱いされてるんです。すみさんはツッコミキャラで、MF名児耶優希(スポ4=東京・大妻女)がやりたい放題。AT竹田夏未(教4=東京・早実)がおばさんキャラ。とにかく気が遣えすぎるんです(笑)。試合の日のバスの時刻表とかLINEで流してくれたり、1年生のときはボトルを持ち帰って洗浄するのに誰が何本持って帰るかということの振り分けをしてくれていたのでボトルおばさんって呼ばれてました。
水谷 あとスカウティングのために試合の撮影をするビデオ班のリーダーをしていたのでビデオおばさん(笑)。
西村 とにかく全部おばさんをつけるんです(笑)。
水谷 本当にそれぞれ個性がありますね。
――そんな同期の皆さんに今の時期に伝えておきたいことは
水谷 日本一をとろう!
西村 「ありがとう」は引退のときなので、やっぱり「日本一とろう」ですね。とるまで引退させない!しない!
「感謝の気持ちを結果で表す」
副将とATリーダーを兼任し、チームの得点頭となっているAT西村
――まずファイナル4で対戦するのは慶大を破った立大です
水谷 立教はポイントを分かっているというか、賢いというか。
西村 一人ひとりうまいんですよね。考え方が分かっているという点でもうまいなと。ワセダはどちらかというと1対1が強いのですが、こういう動きをしているからここが空くという考え方の部分では立大には負けているのかなと思います。あとは監督がリーダーシップを発揮するタイプの方で、その指示に対しては絶対というか揺らがないですね。自分たちのスタイルを曲げないという印象があります。
水谷 独自の世界観があるのですが、対応力ありますね。フィールド上で個人で考えられるので、パッと対処ができるのかなと思います。
――ファイナル4のもう一カードは慶大対明大です。慶大への特別な意識はありますか
水谷 あります。1年生の頃は早慶戦への重みはあまり実感できていなくて、「先輩すごい!」という風にしか思っていませんでした。でも学年が上がるにつれ特別な意識は強くなりました。
西村 私は絶対にケイオーには負けたくないって思ってきました。(4月)の六大学戦では勝ったのですが、リーグや早慶戦で勝たないと意味がないと思い続けてきてまだ勝てていなくて。それでケイオーが昨年日本一になってさらに意識しています。ことしはケイオーとは言わせません。
――今季から目標が学生日本一から日本一へと変わりました。それは自分たちが力をつけてきたことに加えて、昨年慶大が日本一になった影響もありますか
水谷 昨年からメンバーが二人しか抜けていないなかで上を目指したいという部分と、クラブチームが絶対ではないということを昨年良くも悪くもケイオーが証明してくれました。なので自分たちもそこを目指したいと思いました。無茶なことを言っているのではなく、できると思って立てている目標です。
西村 そこはブレないです。
――お二人にとってはここからは引退もかかる試合となっていきますが
水谷 昨年は副将、ことしは主将という立場として、たくさんの方々が支えてくれていることを感じます。OGの方であったり、保護者の方であったり。その人たちへの感謝の気持ちを結果で表していきたいです。
西村 私もタテのつながりはすごく感じています。強いチームは応援したくなると思うんです。昨年からことしにかけて応援に来てくださる方が多くて、それは勝ってくれるかもという期待感が高まっているからなのかなと。その部分は今後後輩たちにも受け継いでいってほしいです。ただ4年間のプロセスを振り返ると1、2、3年生の役割はチームとしてとても大事だと思います。普段あまり言えないのですが、自分がこうやってプレーができているのはそういった人たちのおかげなので、下級生でいろいろな役割を果たしている人たちにも感謝しています。
――ファイナル4以降、ワセダのキーマンとなる選手は誰でしょうか
西村 すみさんは絶対にキーマンになってもらわなければ困る!ここが崩れたら終わりなので。すみさんは置いといて(笑)、下級生もまっすー(MF鳴澤眞寿美、社3=福島・富岡)とかも活躍してくれていて一定レベル以上の期待は常にあるので、期待したいという意味でのキーマンは4年生ですね。4年間一緒にやってきて成長もすごく感じるし、その努力が実ってみんなAチームにいるので、試合に出たら自分の個性をつかんで、そこで点を決めたり、コンビプレーが生まれたりということに期待しています。同期だからこそ分かるプレーもあると思うので、そこを引き出せるように考えてやっていきたいです。
水谷 私は良くも悪くもキーマンはいないと思います。全員で戦っていくというチームとしての強さを見せつけたいです。チーム力でワセダは一番だと言われるようなチームになりたいです。
――残りの期間はどのような練習、どんな意気込みで試合に臨んでいきたいですか
西村 クリアやライドのボールの行き来の部分は今までも課題だったし、これからも課題。ファイナル4に進む明大に対してボールを運べなかったという印象が強く残っているので、まずそのイメージを払拭するということを徹底的にやっていきたいです。
水谷 プレー面では今までのリーグ戦で見えた課題をカバーすることと、気持ちの面も重要だと思います。3、4年生は昨年も大舞台を経験していますが、それでも気持ちが高ぶって緊張したりもするかもしれません。さらに、そこに初めて臨むことになる2年生はもっと思うようにできない可能性もあります。実際に雷で流れた初戦の明大戦も2年生は硬さが見られました。そういった中でどのようにカバーしてあげるかということも個人的な技術として上げなければならないところですね。上級生が中心に引っ張っていって、この人たちについていけば大丈夫だと思われるようなプレーをしていけるように練習したいです。
――最後に抱負をお願いします
水谷 日本一を目標にしていますが、先を見過ぎず一つひとつ大事に戦っていって、ファイナル4に出れるチームであることにまずは自信を持って、そこからどのようにつなげていくか。着実に勝っていって、試合が終わった時にワセダは強かったねと言われるようなチームを目指して最後まで引っ張っていきたいです。
西村 ワセダは先入観に弱くて、ここのチームは強いからと思うと萎縮してしまったりという部分があります。だからその先入観をなくして、逆に「ワセダって強い!ワセダって強い!ワセダって強い!」という先入観を植え付けていって、最終的に一個一個勝っていったら日本一になってたっていう形にしていきたいです。「あ、日本一とれてた!」って思えるくらい本当にリラックスして挑んでほしい。そうできたら私たちも引退のときは悔いないはずです。絶対に日本一とります!
――ありがとうございました!
(取材・編集 荒巻美奈)
四文字熟語で締めてくださいました!
◆水谷菫(みずたに・すみれ)(※写真右)
1991(平3)年5月19日生まれ。164センチ。B型。東京・青稜高出身。スポーツ科学部4年。『すみさん』の愛称で親しまれ、ピンチの場面での「すみさん!止めて!」コールもお馴染みです。でも下級生の頃から先輩にもそのように呼ばれていたため、他大の選手から「先輩ですか?」と間違われたこともあったそう(笑)。
◆西村佳那子(にしむら・かなこ)(※写真左)
1991年(平3)6月26日生まれ。157センチ。A型。東京・西高出身。「こってり系ラーメンみたい」(水谷主将)と言われていた西村選手ですが、いつも取材の受け答えはさっぱり明快!持ち前の雷のごとくスピーディな攻撃と、プレッシャーを感じないというその強心臓でぜひワセダを勝利へと導いてください!