主導権を握れず惜敗 リーグ戦3連勝はならず/予選リーグ・明大戦

男子ラクロス
  1Q 2Q 3Q 4Q
早大
明大
▽得点者
小川、樫尾、長谷川

 開幕から劇的な2連勝を飾り勢いに乗るRED BATS(早大ラクロス部男子の愛称)。第3戦の相手は昨年のファイナル4で早大が惜しくも負けた因縁の相手、明大だった。そんな明大はすでに4戦を終えており、2勝2敗。この最終戦で勝たなくては4年生の引退が確定することもあり、背水の陣で挑んでくることが予想された。早大は先週行われた東大戦と大きくメンバーを変えることなく、この明大戦に臨んだ。第1Q(クオーター)に幸先よく先制点を奪ったものの、そのQの間に3点を逆転されてしまう。その後もリードされ続け逆転には至らず。3ー4で悔しい敗戦となった。

 

先制点を挙げ喜ぶ攻撃陣

 大雨により試合開始が1時間遅れて、始まった第1Q。先にゴールを揺らしたのは早大だった。開始5分DF中原健太(商2=東京・早大学院)が積極的なディフェンスで奪ったボールをAT永岡秀斗(創理3=東京・早実)に供給。相手の守備体制が整わない間に、ゴール前のAT小川隼人(政経2=東京・早実)にパスを送ると、冷静に流し込み待望のリーグ戦初得点を挙げた。勢いに乗る早大はその後も明大ゴールを脅かすが、相手の統制されたディフェンスに阻まれる。反対に明大のスタンディングシュートが決まり同点に追いつかれてしまう。さらに第1Q終了間際、早大DFが相手選手にうまく交わされ、逆転弾を浴びると直後のフェイスオフで早大の守備体制が整わない間に失点。流れが一気に明大へと傾いた。第2Qが始まると一度は止んだはずの雨が選手たちをたたきつける。この雨により選手たちはうまくボールをつなぐことができない。激動の第1Qとは対照的にこのQはお互いが攻め合うもゴールは奪えず。1ー3で前半を終えた。

 

ボールを持つMF西森大基(商4=埼玉・早大本庄)

 少しでも点差を詰めたい早大と勝利を決定づけたい明大。両校の思いが交錯する中で始まった第3Q、先にチャンスを作ったのは明大だった。スムーズなカウンターから放ったシュートは早大のポストを叩く。直後、明大がマンダウン(反則で一定時間、一人少ない状態)になり早大のチャンスに。MF樫尾拓斗(政経3=アメリカ・テナフライ)が数的有利な状況を生かし、スタンディングシュートを決め1点差に詰め寄った。その後も、松尾がゴール裏から飛び込みながら打ったシュートがゴールラインを割るがインザクリース(ゴール周りの半径3m以内に攻撃側の選手が入ること)により得点は取り消しに。迎えた第4Q、明大のファイナル4への執念が形となったゴールが生まれる。ゴール裏から回り込んだ明大選手が倒れ込みながら放ったシュートがゴールネットを揺らしたのだ。点差は2点になり苦しい展開になったが、開幕から2戦連続で劇的な逆転勝利を収めているRED BATSは諦めない。しかし、相手Gが好セーブを連発し得点には至らず。その間に時間は無常にも過ぎ去っていった。試合終了間際MF長谷川靖眞副将(創理4=東京・早大学院)が起死回生の得点を奪うが残り時間は数秒に。早大は一か八かでクロスチェック(相手のクロスがルールの範囲内か審判に確認を求めること、もし申請に成功すれば早大ボールからの再開となり明大はマンダウンとなる)を申請するが失敗。3ー4で試合を終えた。

 

試合が終了し肩を落とすRED BATS

 3連勝はならなかった早大。AT小川が「技術的な弱さが出てしまった」 と語るように東大戦と同様、パスミスも随所で見られた。次戦はブロックB唯一の3連勝を収め勢いに乗る法大。さらに東京六大学交流戦でも完敗している強敵だ。つまりこれまで以上に一つ一つのプレーを丁寧に行うことが必要不可欠だろう。法大戦で敗北するとファイナル4進出に向けて暗雲が垂れ込める。残された時間は2週間弱。明大戦で浮き彫りになった「弱さ」を修正し万全の状態で次戦を迎えたい。

(記事 飯田諒 写真 田部井駿平、廣野一眞)

 

AT山﨑大暉主将 (政経4=神奈川・鎌倉学園)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 悔しい、の一言ですね。相手の方がこの試合にかける思いが強かったです。自分たちが気を抜いていたというわけではないのですけれど、ワンプレーワンプレーで思いの違いが出てきてそれが結果になったのかなと思います。

――2連勝中でチームはいい雰囲気だったと思います。どのような気持ちでゲームに入られましたか

 自分たちは2連勝していた一方で、相手は最終戦というところで難しい試合になるということは前から話をしていました。チームとしては油断することなく戦おうという気持ちだったのですけど、負けてしまいました。

――追いかける時間が長かった中で、どのように逆転の道筋を考えていましたか

 いい形で攻めていたので、決めきるところを決めれば勝利に近づくと思っていました。ディフェンスは今まで通り守ってもらって、最後の決めきりのところにフォーカスしてやっていこうという話はしていました。

――今の話にもあった通りディフェンス陣は試合を通して奮起されていて収穫もあったのかなと思います。その点についてはいかがですか

 そう思います。かなりロースコアで守ってくれたので通用するところ、逆に通用しないところは明確になったと思うので次に生かしたいです。

――次戦の意気込みをお願いします

 次の法大戦は、負ければ自分たちの引退が近づき、勝てばリーグ戦突破につながる大事な試合なので今までの4年間を全てをかけるという気持ちで臨みたいです。

 

AT小川隼人(政経2=東京・早実)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 今日勝てば、ファイナル4進出に大きく近づく試合でした。今日負けたら残り法大戦、立大戦で負けてしまうと4年生が引退するという本当に大事な試合だったのでこのような結果になって本当に悔しいです。

――リーグ戦初得点を挙げましたが、その点についてはいかがですか

 あそこは絶対に決めきらなきゃいけないところだったので、しっかり決めきれて素直に嬉しかったです。

――相手のディフェンス陣がすごく統制されているという印象を受けました。攻略できなかった要因はありますか

 シンプルに相手のディフェンスが堅かったのですけど、自分たちのミスがすごく目立ったと思います。簡単なパスミスで自分たちの攻撃時間がすぐ終わってしまって相手にずっと流れがあるような感じでした。技術的な弱さが出てしまったと思います。

――明大は最終戦ということもあって、気迫がすごかったと思います。その点についてはいかがですか

 (明大の)4年生にとっては最後の試合になるかもしれないのでグラボの強度もありましたし、ミスも自分たちより少なくてそういう気持ちの部分の差も結果につながったのかなと思います。

――ご自身のプレーについて反省点はありますか

 自分も1個パスミスをしてしまって。言い訳になってしまうのですけど、雨でクロスが濡れてそのことを何も気にせずに普通に投げてしまいました。そこについては日頃の練習から対策出来たことなので詰めが甘かったです。

――最後の次戦の意気込みをお願いします

 負けたら終わりで、4年生と少しでも長くやりたいので死ぬ気で勝ちます。