早大の新人戦2冠へ、まずは2チームが予選突破!

男子ラクロス

 冬の高く澄み渡った空。グランドで響き渡るフレッシュマンたちの声。ことしも新人戦ウインターステージの季節がやってきた。サマーステージが行われた8月からの成長、成果を発揮する大会だ。早大からは最多の3チームが出場。サマーステージで優勝した早大αと準優勝を果たした早大βに加えて、新しく早大γがエントリーする形となった。互いに一番身近な仲間でありながら一番のライバル。まさに切磋琢磨(せっさたくま)という言葉が当てはまる。この日の予選ブロックでは、早大αと早大βが危なげなく決勝トーナメント進出を決めた。一方、早大γは惜しくも1敗を喫し予選敗退。それでも早大としては『歴代で最強の世代になる』というスローガンの下、2冠へ向け好スタートを切ったと言えるだろう。

(記事 田島光一郎)

☆流れ変えられず、悔しい予選敗退(早大γ)

失点後うつむく選手たち

 ウインターステージの先陣を切ったのは早大γ。初戦の日大・淑徳大・埼玉大・桜美林合同チームとの戦いは一進一退の緊迫した展開に。土本達也(スポ1=東京都市大等々力)が先制点を含む3得点を挙げるも後半残り2分で同点に追い付かれてしまう。それでも残り10秒で山内佑真(法1=神奈川・浅野)が勝ち越し点を叩き出し4-3で勝利。続く2戦目の相手は明治学院大β。勝てば決勝トーナメント進出が決まるだけに先制して流れをつかみたいところであったが、逆に先取点を献上してしまう。すぐさま土本のシュートで同点に追いたものの、その後4連続失点。最後まで悪い流れを断ち切れなかった早大γは1-5で完敗。目標としていた予選突破は果たすことができなかった。

(記事 田島光一郎、写真 荒巻美奈)

☆王者の貫禄見せ、決勝トーナメント進出(早大α)

2試合で5得点を挙げ勝利に貢献した秋山

 サマーステージ覇者、早大αは高校唯一の出場校である慶應義塾高を初戦に迎え撃つ。高校生といえども決して侮れる相手ではないが、チームキャプテン秋山拓哉(スポ1=兵庫・豊岡)を中心に早大が得点ラッシュ。最終スコア11-2で難なく快勝。続く武蔵大戦でも終始攻める展開に持ち込む。しかし、「オフェンスの面でしっかり決めきることができなかった」と秋山が語るように序盤は攻撃に精彩を欠いた。前半2-0と接戦を強いられたが、それでも後半終了間際に得点を重ね、6-1で試合終了。着実に決勝トーナメント進出を決めた。秋山に限らず、鈴木潤一(教1=東京・城北)、田口一希(法1=東京・早大学院)など様々な選手の活躍が光り、層の厚さを誇った早大α。強豪ひしめく決勝トーナメントで勝ち進むには、課題となった決定力不足の改善がカギとなる。新人戦2冠目を手中に収めるべく、王者に抜かりはない。

(記事 寒竹咲月、写真 荒巻美奈)

☆堅守光る!2試合連続の完封勝利で弾みつける!(早大β)

要所で得点し勝利を引き寄せた田中大

 サマー準優勝の早大β。2試合連続完封勝利で快勝を収め、早大αに続き決勝トーナメント進出を決めた。初戦の相手である獨協大βに対し、序盤から積極的にゴールを狙う。ゲームキャプテンを務めた田中大智(人1=早稲田佐賀)を中心に果敢にゴール際を攻め、2-0で前半を折り返す。後半、試合終了間際に小泉悠靖(国教1=米国・ビバリーヒルズ高)が2連続得点を決め、5-0で快勝。続く2試合目、強豪東大αを迎える。「いかに気持ちを強く持つかが大切だった」と試合後に語った田中大。その言葉通り、終始相手チームの堅い守りに苦戦するも少ないチャンスをものにする。田中の2試合連続となる得点に加え内藤壮志(政経1=埼玉・早大本庄)が確実にフリーシュートを決めた。この3-0という締まったゲームをものにし、決勝トーナメントへ。サマーステージでのワセダ旋風の再来に期待がかかる。

(記事 上田密華、写真 荒巻美奈)

結果

予選Aブロック(早大γ)

○4-3日大・淑徳大・埼玉大・桜美林合同チーム(得点者:土本3、山内)

●1-5明治学院大β(得点者:土本)

予選Dブロック(早大β)

○5-0獨協大β(得点者:小泉2、鈴木陽、田中大、道本)

○3-0東大α(得点者:沼本、田中大、内藤)

予選Jブロック(早大α)

○11-2慶應義塾高(得点者:秋山3、田口3、池田侑、黒瀬、鈴木遼、星野、近藤)

○6-1武蔵大(得点者:秋山2、鈴木潤2、田口、黒瀬)

コメント

下司健太郎α担当学生コーチ(教4=神奈川・桐蔭学園)

――2連勝で決勝トーナメント進出を決めた予選ブロック戦を振り返って

αに関してはしっかりと自分たちのやるべきことをやれば大丈夫だということは言ってきました。あと予選は大会の入りという意味合いも兼ねているので、勢いをつけて決勝トーナメントに進出したいと思っていました。なので1試合目を11-2で勝って、2試合目もしっかりと勝ちきって決勝トーナメントに行けたので、まだまだ修正すべき点はありますが、まず勝てたこと、しかもしっかりと勢いをつけて勝てたのは収穫でした。

――1年生にとってはサマーステージ以来の大きな試合となります。どういった目標で、どのように指導にあたってきましたか

もちろんサマーステージも、ウインターステージも、あすなろカップも優勝することは目標ですが、ことしの1年生は最強世代になろうということを掲げてやってきています。(サマーステージから今大会までの)期間も空いて目標を見失いがちですが、最強世代になるという大きな目標のためにちゃんとやっていこう、ウインターが近づいてきたらウインターのために頑張ろうと、うまくメリハリをつけることはできたかなと感じています。

――技術的な向上のためにはどのような練習をされてきましたか

サマーステージが終わってから一度上級生と混ざって、同じフルフィールドでのラクロスをしてもらいました。そこで上級生のラクロスを見て、フルフィールドでの戦い方を学んだ上でミニゲームに戻ってきたので、そのフルフィールドで学べたことを生かしてくれたらとは思っていて、その点でも成長してくれていると思います。

――特にオフェンスが効果的に得点している印象がありましたが、攻守それぞれへの評価は

1試合目に関してはディフェンスも最初の方に2点を取られてはしまいましたが、緊張もあったと思いますし、仕方がないかなと思っています。オフェンスは1試合目で11点も取れたので良かったですね。でも2試合目に関しては相手のレベルが上がったということもあって、そこまで点が取れなかったんですけど、もう少しうまく修正できればもうあと3、4点は取れたかなと思っているので、決勝トーナメントまでの1週間で修正したいです。

――その他課題点はありますか

オフェンスもディフェンスもハーフフィールドでの戦い方なので、得点後、失点後の切り替えの部分やフルフィールドでの守り方が課題になると思います。

――7分ハーフという試合の短さへの対応も含めてという感じでしょうか

そうですね。ポンポン流れが変わっていくから、そこをもっと生かせれば、ハーフフィールドでの得点だけでなくフルフィールドでも点が取れるかなと。来週はそういう得点も必要になってくるはずですし、詰めていきたいですね。

――決勝トーナメントへの意気込みを

最強世代になるためにはウインターで必ず優勝しなければいけないですし、特にαチームに関してはワセダの顔として戦うわけなので、優勝しなければいけない義務があります。そのチームにふさわしい練習をやって、必ず優勝したいと思います。

AT秋山拓哉(スポ1=兵庫・豊岡)

――2試合それぞれ振り返っていかがでしたか

1試合目はスコアの通り、点数もたくさん入ってよかったんですけど2試合目はオフェンスの面でしっかり決め切るということができなかったので、そこが一番の反省だと思います。

――2試合通して得点を多く挙げられましたが、手応えなどありましたか

1試合目はあったんですけど、2試合目では僕らの課題はオフェンスのスピード感なんですがそれがなかったですね。

――来週の決勝トーナメントに向けてどのように練習していきたいですか

グラボと1on1は継続で他大に負けないようこだわり持ってやっていくのと、あとさっきも言ったようにオフェンスにスピード感を生み出せるようにやっていきたいです。

――きょうのチームの雰囲気はいかがでしたか

一番良かったんじゃないかというぐらいみんな雰囲気良くやれたので、そこは1週間継続して練習していきたいです。

――決勝トーナメントに向けて意気込みをお願いします

早大γは負けちゃったんですけど、早大βは無事決勝トーナメント来て、早大βは決勝上がってくると思うのでまず決勝にいけるようにするのと、決勝でしっかりと早大βに勝って優勝できるよう頑張ります!

AT田中大智(人1=早稲田佐賀)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

なかなか点数が取れなくて焦ったりもあったのですが、みんなが強気で勝ちに行けたのでしっかり結果を残すことができたと思います。

――相手のチームの印象はいかがでしたか

1試合目は自分たちのプレーができれば勝てるなとは思っていたのですが、2試合目は技術的に同じぐらいだったので、いかに気持ちを強く持つかというところが大切だったな思います。

――2試合とも完封勝利を収めました

自分はアタックなのでディフェンスには関わってはいないのですが、ディフェンスの人たちを中心に強気で当たっていたので良かったと思います。

――これからに向けての課題

まだミスが出たりするので、そこはしっかりと突き詰めていって気持ちを強く持って決勝に上がれるように頑張りたいと思います。

G小宮瑛太郎(商1=東京・早実)

――きょうの試合を終えての感想をお願いします

1試合目は勝ち切れたのですが、2試合目は負けてしまって、ただ単に悔しいという気持ちです。

――1試合目を振り返って

3ー3で苦しかったのですが、最後に決めてくれたので良かったです。

――2試合目はいかがでしたか

入りから2失点して流れが悪くなって、後半も得点されて厳しい展開でした。そこで流れを断ち切る選手がいませんでしたね。

――どのような意気込みでこの大会には臨みましたか

絶対に決勝トーナメントに行くという意気込みがあったのですが、それができなくて悔しいです。

――戦う上でどのようなことを重視しましたか

ポゼッションを多くするということです。1試合目はある程度できたのですが、2試合目はできなかったので悔しいです。

――早大αと早大βは決勝トーナメント進出を決めましたね

そうですね。そこでチーム一丸となってやれるのがワセダの強さだと思うので、手を抜かずに最後までしっかりやっていきたいと思います。

――これからの課題は

グラボなどの基礎的なところと、あとは頭を使ってプレーできるかというところだと思います。