【連載・男子第3回】『Nonstop to the Top』柳田諒×倉田將史×藤岡憲二

男子ラクロス

 全勝で勝ちあがったグループステージ。そのワセダの快進撃を支える各ポジション別のリーダーがいる。チーム内最多得点を挙げるATリーダー柳田諒(社4=東京・早実)、 小柄ながらスピードを生かしたプレーが持ち味のフェイスオファーリーダー倉田將史(スポ4=愛知・明和)、そしてリーグ最少失点を引っ張るDFリーダー藤岡憲二(政経4=東京・早大学院)の3人だ。チームの中心選手としてここまでの結果について振り返ってもらうとともに、日本一へ向けての抱負について伺った。

※この取材は10月23日に行われたものです。

昨年の悔しさを糧に

4年生の同学年対談(左から藤岡、柳田、倉田)

――今シーズンの結果を振り返ってみていかがですか

藤岡 内容はともかく全勝できて、1位通過することができて目標である日本一に向けていいスタートが切れたと思います。

柳田 1位通過できたことは本当に良かったですが、新たな課題も見つかったのでそれも含め本当にいいリーグ戦だったと思います。

倉田 全勝できたのは本当に久々のことだと思うので、ワセダラクロスの歴史にまたは伝統に新たな1ページを刻みこめたかなと思います。また個人的には大きく成績には絡めていないと思うので、今後に向けて詰めていきたいと思います。

――初戦の慶大戦では2年続いた早慶戦の同点にけりをつける格好での勝利を収めましたが

藤岡 (5月の)早慶戦では後半にディフェンスによる失点続いてしまいました。オフェンスは点を取ってくれるとディフェンス陣は思っていたので、いかに失点を押さえるかが開幕戦の早慶戦での鍵だったと思います。その中で3失点に押さえられたことは本当にすごく良かったと思います。

――実際、開幕戦の早慶戦では大差での勝利でしたが、オフェンス陣にはどのようにうつりましたか

柳田 合宿後であったこともあって、チームとしてもまとまって臨めたこともあり、どこのポジションも自分たちのいい形で試合に臨めて、あの勝利につながったのだと思います。

倉田 早慶戦であり、また開幕戦にしばらく勝っていないこともあって、みんな特別な気持ちで挑んだと思います。気持ちで勝って、トリプルスコアという結果につながり、チームを勢いづかした勝利でした。

――次の明大戦では若干の苦戦もみられましたが

藤岡 明大戦では前半はディフェンスとしてもしっかり守ることができたのですが、中盤、勢いにのった相手に対して内容として負けてしまって、4クオーター(Q)で4失点してしまいました。流れを完全に相手に持っていかれたまま試合を終えてしまった感じでした。今後あたるかもしれないのでもう一度対策をたてていかないといけないと思います。

――その明大戦後チームを引き締め直したというお話も伺いましたが

柳田 普段からディフェンスリーダーの藤岡君はチームの中でもたぶん怖い存在だと思うので、悪者役を買ってくれてチームを引き締め直してくれたと思います。

倉田 その後練習試合で東大と試合をしたんです。その試合で本当にふがいない結果となってしまって、みんなチームで意識を統一したことによって、全体の雰囲気が変わっていったと思います。

――リーグ戦を全勝で終えたこのチームを振り返ってみていかがですか

藤岡 全体をみて各ポジションしっかり軸となる選手がいて、バランスはいいのかなと思います。チームにおいてU—22の代表が数多くおり、機動力あふれる選手が多く活躍している印象です。

柳田 他の大学の評判を聞くと、ワセダはディフェンスのチームだといわれているので、藤岡がしっかりとまとめているディフェンス陣のがんばりがこの結果だと思います。

信頼でき合えるリーダーに

ブロック戦5戦でチームトップの14得点を挙げたAT柳田

――それぞれポジションリーダーなども務められていますが、その役割とは

藤岡 ディフェンスのロングとして同じポジションには主将の左官(佑樹、スポ4=千葉・市川)がいますが、戦術の部分の多くは任せてもらって、シーズン当初から自分がやりたいコンパクトにまとめたディフェンスをチームにやらせてもらっている感じはあります。

柳田 自分は左官や藤岡のように強くものが言えるタイプではないのですが、周りのことを考えた上で今後2ヶ月は厳しいことも言っていきたいと思います。畑田(峻希、スポ2=福井・若狭)に関してはことしのチームの当初から手をかけてきたと思うので、「得点王がかかっているのにパスだけもらっていて悪い」と思われていてありがたい気持ちでいっぱいですね。

倉田 フェイスオフリーダーですが、あまりフェイスオフがうまくないのでワセダの2枚看板と言われる用に大場(卓次、スポ4=東京・国分寺)と頑張ってボールをとりきれるようなリーダーになりたいですね。またことしはMFとしても出場させていただいているので、後輩たちには視野を狭めて欲しくないと言うことを伝えていければなと思います。

――それぞれ各ポジションの推しメンの選手を教えてください

藤岡 ディフェンスからみてATの推しメンは岸本(僚介、政経3=東京・早実)と畑田ですね。下級生ながら特に畑田に関してはラクロスを始めて2年も経っていない中、すごい頼りがいのあるオフェンス陣なのでぜひともファイナル4もこれからも頑張っていって欲しいなと思います。

柳田 オフェンスから見て、DFの推しメンは松尾(昂、法3=神奈川・鎌倉学園)だと思います。プライベートでも毎日のように遊んでいて、本当に仲がいいので試合で活躍してほしいなと思って選びました。

倉田 MFの推しメンですが、吉永(佑大、社2=東京・早実)ですね。少しずつAのチームにも出場してきているので、まだ出場していない同期や後輩を引っ張っていけるような存在になっていってほしいですね。

――それぞれポジションが違いますが、なぜそのポジションになられたのですか

藤岡 入ったときにぶつかり合うシーンとかみてディフェンスがかっこいいなと思いましたが、やっていくうちにミッドフィルダーでやっていこうか迷いました。最終的には自分が試合に出るにはどのような道が一番近いのかを考えたところ、ディフェンスのロングだと思いました。

柳田 自分は全くディフェンスができないのでATになりました。

藤岡 結構、ライドとかで相手のクロスをバシバシと的確に当ててボールを奪うので才能がないとか言うことはないと思うのですがね。

倉田 私は体も小さいので、逆に小回りのきき、ちょろちょろ駆け回るのが得意なので、自分に一番あっていると思って、ミッドフィルダーにしました。

――左官主将について

倉田 主将は本当にオンとオフがしっかりと切り替えられていると思います。本当にオフの時はものすごく面白いやつで、自分の持ちネタ(自慢のお腹のお肉を披露して・・・)を披露してくれますし(笑)、優しい面もあり、いい主将だと思います。

――副将の忠平裕司選手(スポ4=埼玉・松山)はどんな方ですか

倉田 一言で表すと番長ですね。威圧感抜群で怖いですね。ただたまに英語の綴りを間違えたりとお茶目な部分もあります(笑)。しかし、主将をサポートすることに関して、主将の目の届かない所まで目を配らせて気遣うあたりはさすがだと思います。

MF倉田はスピードを生かしゴールも陥れる

――嶋田雄二ヘッドコーチ(平7政経卒=神奈川・桐光学園)について

柳田 ヘッドコーチがいらっしゃるのは基本週末だけですが、平日に連絡を取り合ってもすぐに連絡が返ってきますし、仕事を行いながらも全力で部活に注力していただけるので、すごくありがたく思っています。

――どのようなことをよくおっしゃっていますか

一同 『巧より強たれ』と「強くなれ」とよくおっしゃっています。

――マネージャーやトレーナーの皆さんに対しての思いは

倉田 ことしはマネージャーと話合う機会が多くて、マネージャーリーダーと密にコミュニケーションがとれていると思います。またトレーナーに関しても、ことしは筋トレであったり、走り込みの面で細かい所までサポートしてくれるので本当に助かっています。

――ラクロス部オススメ飯はありますか

倉田 東伏見の選手たちをサポートしてくれている点も込みで東京stayですね!ワンコインで栄養が考えられた上で食べることができます。

藤岡 ラクロス部行きつけのラーメン屋と言えば花道ですね。ここは絶対に行くべきです!

――お互いの良さを教えてください!

藤岡 柳田はオフェンスだけでなく、ディフェンスでもいろいろ厳しいことも言ってくれるし、チーム全体のレベルアップに向けて引っ張ってくれるような人です。倉田は面白くて、よく笑わせてくれるのですが、試合になれば俺によこせと言わんばかりな顔でパスをもらいにくるので、試合になるとものすごく熱い男だなと感じています。

柳田 藤岡は厳しいことをみんなに言ってくれるので、そこに関してはすごいなと思っています。というのと自分の意見を押し付けないで人の意見も取り入れてまとめあげるところはすごいなと思います。倉田は下級生からの信頼も厚くて、一歩間違えればなめられると部分にもなりかねないのですが、まだ間違えてないのでそこがすごく尊敬できる点です。

倉田 藤岡に関しては、ディフェンスリーダーとして今季活躍していますが、同じポジションで左官という大きな存在があるにも関わらず、その中で自分の中に大きな信念を持って後輩たちを背負っていると感じます。ディフェンスだけではなくて、オフェンスに関してもわからないことがあればすぐに質問してきてくれるのでありがたいです。柳田はことしオフェンスの総監督のような形をとってもらっていて、本当に言葉ではあまり言えませんが、他の同級生に対してもしっかりと自分の意見を言ってきてくれて、チームのモチベーションが下がってきている時のチームをしっかりと激励して、ここまでチーム力をあげてき功労者だと思います。

勝利あるのみ・・・バモス(さぁいこう!)

強力な早大ディフェンス陣をまとめ上げているDF藤岡

――ファイナル4に向けて相手が東大と言うことですがいかがですか

藤岡 東大はキーになるうまい選手が何人もいるので、とにかく相手に流れを渡さず固いディフェンスをしていければいいと思っているので、点を与えず後はオフェンスに任せて点を挙げてくれることを信じているので守ります。

柳田 日本一という僕たちの夢に向かっての通過点だと思っているので、しっかり内容よく勝ちきりたいと思います。

倉田 フェイスオフの観点からいうと、今年の東大のフェイスオファーは去年の1部のベストテンでもある選手なので、その選手に対していかにボールを奪えるかだと思うので、そのファイナル4の鍵になってくると自分自信思っているので、後2週間ですが、しっかりと詰めて流れをもっていきたいと思います。

――先週合宿を行われたそうですが

藤岡 合宿は今後2ヶ月についてどのようにやっていくのかを含めて、いろいろ行ったのですが、東大に勝たなければ終わってしますので、東大のオフェンスに対する対策についてしっかりと話し合うことができました。

柳田 本当に密度の濃い練習ができました。

倉田 本当にファイナル4まで後2週間しかないという中で、危機感を持ちながら練習ができましたし、本当に土砂降りの雨の中行ったということもありましたし、みんないい緊張感を持って望めたと思います。

――ことしのリーグ戦は慶大、一橋大が負けるなどいつもの年とは違ったシーズンとなっていますが

藤岡 毎年毎年、同じチームが勝っていればラクロス界も発展しないと思うので、いろいろなチームが強くなって、どんどん入れ替わっていくことが刺激になると思うので非常にいいことだなと思っています。

――上位6チームすべて六大学のチームということでいかがですか

倉田 ワセダラクロスの試合でもあまり重要視されていない六大学戦が盛り上がるなと言う感じですね。ここで優勝したチームがリーグ戦で強さを見せることにもなっていくかもしれませんね。

――ラクロスへの思いとかはありますか

倉田 4年間大学生活を充実させてこられたのはラクロスのおかげだと思うので、その4年間の集大成としてことしは社会人を倒しての日本一に立ちたいと思います。

柳田・藤岡 大学生活そのものですね。

――注目してほしいプレー、見て欲しいプレーはありますか

藤岡 オバーヘッドですね。相手の見えてないところからクロスをたたき落とすプレーです!

柳田 ショットでゴールを決めるシーンです。

倉田 フェイスオフを見てください!

――同じくファイナル4に進出した女子部へ一言

全員 女子部に関しましても、僕たちと同じでファイナル4敗退という悔しい思いをしていると思うので、ことしはアベック優勝できるように頑張ってください!

――最後に抱負をお願いします

藤岡 ファイナル4は来週ありますが、目標としていることは社会陣を倒しての日本一。あと2ヶ月、それに向けて全力でやっていきたいと思います。

柳田 ラクロスというスポーツを普及するためにも、楽しい試合をしていきたいと思うので応援の方よろしくお願いいたします!

倉田 たぶんファイナル4ではワセダ対東大という好カードだと思いますし、レベルの高い試合が繰り広げられるはずであるので楽しんでみていただければと思います。バモス(さぁいこう!)

――ありがとうございました!

(取材・編集 浦井拓也)

『「圧倒」(藤岡)、「滾れ(たぎれ)!」(柳田)、「全日優勝!VAMOS」(倉田)』

◆柳田 諒(やなぎた・りょう)(※写真中央)

1991年(平3)8月27日生まれ。173センチ65キロ。東京・早稲田実業高出身。社会科学部4年。ワセダのエースは料理も得意!チャーハンはなんとパラパラに作れるとのこと。そんな器用さがゴール量産する的確なクロスさばきに結びついているのかも…?!ラクロスを始めたきっかけは高校の野球部の監督に薦められてと、監督さんの先見の明もすばらしいですね。

◆藤岡憲二(ふじおか・けんじ)(※写真左)

1991年(平3)9月21日生まれ。173センチ71キロ。東京・早稲田大学高等学院出身。政治経済学部4年。青汁飲んで健康には気を遣って生活を送っているという藤岡選手。体を張ったプレーでゴールを割らせないディフェンスに注目です!

◆倉田將史(くらた・まさし)(※写真右)

1991年(平3)7月14日生まれ。166センチ60キロ。愛知・明和高出身。スポーツ科学部4年。他の二人と違って一人暮らしなので、普通の学生と同じような食生活であると。普通の生活とはどのようなものか気になりますね。