開幕3連勝! 堅い守りで順大に粘り勝ち

男子ハンドボール

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)2連勝中の早大は、3戦目で順大と対戦した。序盤は思うように得点できず苦しい立ち上がりとなるが、徐々に早大がリズムをつかみ、5点差をつけて前半を終える。後半は追いすがる順大に一時点差を縮められたが、粘り強い守備を見せて逃げ切りに成功。26-22で勝利を挙げ、秋季リーグ開幕3連勝とした。

 早くもリーグ戦3勝目を挙げ、その勝負強さが伺える早大だが、「相手の流れを断ち切ることが出来ず、自分たちの時間をつくることができなかった」と山田和直(スポ3=群馬・富岡)が振り返るように、今日の試合内容は課題が残るものとなった。試合開始直後は、相手にペースを握られる。順大が連続得点で沸く一方、早大は決定力に欠け、攻撃がなかなか得点に結びつかない。劣勢な展開の中、早大は山田の身体を張ったミドルシュートや、相手の隙に付け込んだ速攻でじわじわと理想的なかたちをつくっていく。前半16分には、積極的に攻め続ける山田が相手ゴールを割って逆転。さらに、村井達也(スポ4=富山・高岡向陵)の力強いカットインシュートをきっかけに、4連続得点を挙げて相手を突き放す。ディフェンス陣も奮起し順大の攻撃を封じ込め、14-9で前半を終えた。

チーム最多得点を挙げた山田

 後半は前半の流れそのままに、早大が良いかたちで攻撃を組み立て、相手ディフェンスを翻弄する。村井の強烈なロングシュートがゴールネットを揺らすと、青沼健太(社4=千葉・昭和学院)、神前怜(スポ3=埼玉・浦和実)も続きスピードの乗ったシュートで順調に得点を重ねていく。さらに、後半14分に鈴木雄大(政経4=東京・早実)の気迫のこもったシュートが決まると8点差に。このまま早大が危なげなく勝利するかと思われた。しかし、後半17分以降、流れは順大へ。早大はつなぎのミスが見られ攻めきれず、思い通りの攻撃ができない時間帯が続く。順大が連続得点を挙げて勢いに乗る中、早大ディフェンスは要所を締め、なんとかリードを守りきった。終盤に差しかかって失速し点差を縮められたものの、迫りくる順大を振り切って勝利をつかんだ。

シュートを放つ村井

 序盤や終盤で攻めあぐねる時間帯がありながらも、我慢強く戦って勝利を挙げた今回の試合。チーム一丸となって早大の持ち味である堅守速攻を発揮し、見事秋季リーグ開幕3連勝とした。次戦はリーグ戦前半の山場となる明大戦。「流れが悪くても、今日のようにバックチェックやディフェンスの意識を高く持って、自分たちのリズムをつかんで波に乗っていきたい」と青沼が語るように、強みである堅い守備から効果的な攻撃を展開できるか。連勝の勢いそのままに、さらに勝ち星を積み重ねてほしい。

(記事 澤崎円佳、写真 小澤慶大)

関東学生秋季リーグ
早大 26 14ー9
12-13
22 順大
GK 中村匠(スポ4=千葉・市川)
CP 山田和直(スポ3=群馬・富岡)
CP 青沼健太(社4=千葉・昭和学院)
CP 中惣健友(スポ3=石川・小松)
CP 福田友貴(スポ4=神奈川・法政二)
CP 佐藤法俊(スポ4=長野・屋代)
CP 神前怜(スポ3=埼玉・浦和実)
コメント

青沼健太主将(社4=千葉・昭和学院)

――関東学生秋季リーグ開幕3連勝となりましたが、今のお気持ちをお聞かせください

2年生のときの、開幕戦だけ勝ってそのあと負け続けるというリーグだったり、昨年度のように4連勝したリーグだったりとか、いろいろなリーグを経験してきた中で、今日は自分たちの力をあまり出しきれなかったのですが、それにも関わらずちゃんと勝ちきれたという点で、早稲田としての僕らの成長が見られた試合だったかなと思います。

――順大戦に向けて、どのような点を意識して練習してきましたか

2つあります。順大の左利きの背の低い選手が結構動きが速くて、そこへの戻りの速さを意識していました。また、順大が1人前に出てくるようなゾーン気味のディフェンスをしてくるのがわかっていたので、おおまかに言うとそこの対策を1週間してきました。僕らのシュートが入らないということで、相手のディフェンスシステムが変わったことが、リズムをつかみきれなかった1つの原因かなと思います。

――早大のディフェンス、オフェンスはそれぞれどれくらい機能していたと思われますか

ディフェンスは、前半の点数を見ればわかるように9点しかとられていないので。オフェンスではそこまで攻めきれていなくてもディフェンスではしっかり守れていたという点で、100点満点だとしたら80点か85点くらいで守れているのではないかなと思います。オフェンスは、僕をはじめ、山田(和直、スポ3=群馬・富岡)を除くバックプレーヤー陣の足が止まってしまったり、ディフェンスの正面からシュートを打ってしまったりということが多かったので、良くて50点かなと思います。

――青沼さんは厳しくマークされていて、いつもよりもシュート本数が少ないような印象を受けましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

今日は、床やボールが結構滑りやすかったということがあって。知り合いが多いチームということもあり、向こうがマークしてくることはわかりきったことだったので、速めにボールをさばくということを意識していました。そういった点で、シュート本数は少なかったのかなと思います。

――次戦の明大戦に向けて、意気込みをお願いします

間違いなく向こうは我々と違ってスーパースターが多いですし、身長もプレーの精度も上回っているチームではあると思うのですが、流れが悪くても今日のようにバックチェックやディフェンスの意識を高く持って、自分たちのリズムをつかんで波に乗っていければいいかなと思います。

山田和直(スポ3=群馬・富岡)

――試合を終えて今の率直な感想をお聞かせください

今日は立ち上がりがあまり良くなく、苦しい展開が続いたのですが、勝てて良かったです。

――今日の試合を振り返って、ご自身のプレーはどうでしたか

前半の最初に周りの選手の調子が良くないように見えたため、自分で積極的に攻めた結果、点に結びついたので良かったです。

――順大に対して事前にチームで意識したことや対策などがありましたら教えてください

特徴的な1-5ディフェンスをやってくることは分かっていたので、それに対する対策をしっかりやってきたことと、相手のサイドの速攻が速いことも分かっていたのでバックチェックも試合に向けて練習から意識的に行ってきました。

――今日の試合を通してチームでの反省や課題などがありましたら教えてください

相手チームに流れがある時に、ディフェンスから声をかけて自分たちの強みである速攻を生かしたかったです。

――次の明大戦に向けての意気込みを教えてください

リーグ戦の山場だと思っているので、絶対に勝って次につなげていきたいと思います。