安定感のある試合運びで開幕2連勝!

男子ハンドボール

 先週、東海大との初戦を勝利で飾り、スタートした関東学生秋季リーグ。連勝を目指して迎える2戦目は日大との対戦だ。早大は、相手の高いディフェンスに対しても、素早いボール回しでシュートを狙い続ける。隙のないディフェンスから生まれる速攻も見られ、終始早大のペースを崩さない試合展開となった。安定したプレーで前半を14-10で終えたが、後半には両チームの点数が停滞する。しかし、それ以降も流れを手放さず22-17というスコアでリーグ戦2勝目を挙げた。

 試合は、早大にとっては珍しくオフェンスからのスタートとなった。日大は前から積極的に当たる3-3の布陣を引いてくるが、早大はPVの福田友貴(スポ4=神奈川・法政二)を中心に足を動かし、青沼健太主将(社4=千葉・昭和学院)のシュートで先制点を奪う。青沼が「序盤から積極的にディフェンスが動けていた」と語るように、試合開始3分からは相手を苦しめるディフェンスや良いキーピングが立て続けに光り、試合の手綱を握る。中盤には、相手にペナルティスローを与えてしまうが、交代して入ったGK渡辺航平(人科1=神奈川・桐光学園)がスーパーセーブ。その後には、神前怜(スポ3=埼玉・浦和実)がパスカットから単独での速攻とペナルティスロー2本で3連続得点を挙げ、点差を6点に広げる。相手の退場もあり、完全に早大ペースになるかと思われたが、終盤に2点を許してしまう。点差を4点に縮められ、14-10で前半を折り返した。

ゴールを狙う神前

 後半に入ると、日大のロングシュートやサイドシュートが決まり、一時は2点差に。速攻であわや1点差になりそうなところ、しっかりと走って戻りチャージングをもらう。シュートブロックも冴えわたり、堅固なディフェンスで流れをわたさない。後半13分にロングシュートを決められ19-16になると、そこから約10分間、両チームの点数が動かない膠着(こうちゃく)状態に入る。これを打ち破ったのはやはり青沼のロングシュート。試合も残すところあと5分、積極的にシュートを打ちに行き、相手の警告が重なる。青沼、代わって入った白築琢磨(文構1=東京・早実)がしっかりとペナルティスローを決めきり、勝利を引き寄せた。

シュートを放つ青沼

 先週に引き続き落ち着いた試合運びを見せ、無事に勝ち星をあげた早大。9点を奪った青沼を中心に、「裏の広いスペースをうまく使うことを意識した」オフェンスが展開された。また、早大が得意とする、よく守りよく走るという意識を随所に見ることができた。我慢の時間帯を制し、要所要所でしっかりと決めきることで試合をものにしたワセダセブン。明日に予定されていた日体大戦は延期となり、次戦は来週の順大戦となる。リーグ戦はまだまだ2戦目、この勢いをそのままにさらに進み続けてほしい。

(記事 宮島真白、写真 小澤慶大)

関東学生秋季リーグ
早大 22 14ー10
8-7
17 日大
GK 中村匠(スポ4=千葉・市川)
CP 遠近拓海(教4=東京・早実)
CP 青沼健太(社4=千葉・昭和学院)
CP 山田和直(スポ3=群馬・富岡)
CP 福田友貴(スポ4=神奈川・法政二)
CP 菅原七海(社3=東京・早実)
CP 佐藤法俊(スポ4=長野・屋代)
コメント

青沼健太主将(社4=千葉・昭和学院)

――試合を終え、今の率直な感想をお聞かせください

これまで迎えたことのない勝利後の試合に、もっと浮き足立つと思いましたが、序盤から積極的にディフェンスが動けていたので、正直驚いています。

――チーム最多得点を記録しましたが、ご自身のプレーはいかがでしたか

オフェンスに関しては、役割は果たせたと思います。もう少し僕から崩す展開も欲しかったですが、センターに入った田井(健志、スポ2=香川中央)と山田(和直、スポ3=群馬・富岡)の2人がうまくやってくれました。ですが、ディフェンス面で中惣(健友、スポ3=石川・小松)に負担をかけることが多かったので、強い1対1に対するコンタクトは見直さなければいけないなという印象です。

――立体的でアグレッシブな日大のディフェンスに対してどのようなことを意識していたのですか

大きな決め事としては、ミーティングから「ドリブルからスタートしない」と全体で決めていました。それ以外は基本的に選手同士がアドリブで崩すようにして、個々の打開力が生きる展開にしました。結果論ですが、うまくハマって良かったです。

――後半途中、点数が全く動かない停滞した時間がありましたが、その時の心境を教えてください

ディフェンスから速攻を持ち味にしたい早大にとっては、この時間帯で粘れるかどうかが重要だなとは考えていました。特に焦りもなく、ディフェンスとキーパーの連携、速攻への意識、オフェンスでフラストレーションを溜めないことがカギとなる試合だったのでそれらが体現できてよかったです。

――次の順大戦に向けての意気込みを教えてください

先週と同じ言葉になるかもしれませんが、対策以上に勝利への執着心、例えばルーズボールやバックチェック、リバウンドなどの数字上ではあらわれない部分を大切にして臨みたいと思います。応援よろしくお願いします!

中村匠(スポ4=千葉・市川)

――関東学生秋季リーグ開幕2連勝ですが、今の感想をお聞かせください

2連勝できてとてもうれしいです。

――先週の試合からどのような点を意識して、この1週間練習をしてきましたか

東海大戦でのブラインドシュートのように、日大も最後の際で個人技のシュートが上手なので、いつも通り守ったあとに最後の個人技でやられないように枝を上げることを意識して練習してきました。個人的には、東海大戦でカットインシュートの位置取りが良くなかったのでそこを意識して練習しました。

――良いキーピングがたくさん見られましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

60点くらいです。今回は相手のロングシュートがほとんど入ってしまい、チームに流れをつくれなかったと感じています。途中で田畑さん(田畑和典コーチ、昭58教卒)にもアドバイスを頂いたのですが、立ち位置を変えるなどして同じような失点をなくしたいと思います。ノーマークシュートに関しては後半、タイミングと位置取りがしっかり合っていて止められる気がしていました。

――後半途中、膠着(こうちゃく)した試合展開となりましたが、その時は後ろからどのような声かけをされていましたか

チームのディフェンスの方針でも、まずはディフェンスからと決まっているので、粘って守ろうと声かけをしていました。

――次戦の順大戦に向けての意気込みを聞かせてください

今とてもいい雰囲気で試合を勝ちきれているので、このまま流れに乗って順大にも勝ちたいと思います。

神前怜(スポ3=埼玉・浦和実)

――今日の試合を振り返っていかがですか

勝利できたのは素直にうれしいです。ただ、自分を含め、決めなければいけないシュートを外している印象があるので、これから改善できたら良いと思っています。

――日大に対して、事前にチームで意識したことや対策などがありましたら教えてください

日大のディフェンスが変則的な3-3ディフェンスなので、セットオフェンスの練習に時間を多く割きました。具体的には、裏の広いスペースをうまく使うことを意識しました。

――次戦の順大戦に向けての意気込みを教えてください

気を緩めず、確実に勝利したいです。