定期戦6連覇達成!春の覇者らしく慶明を撃破する

男子ハンドボール

 今年で第58回を迎えた早慶明定期戦。関東学生春季リーグ(春季リーグ)を終えて1か月、関東学生秋季リーグへ向けたチームの課題を再確認する上でも絶好の機会となった。6連覇を目指す早大の1戦目は慶大。大きくメンバーを入れ替えながらも勝利を収めると、続く明大戦では春季リーグでチームの優勝に貢献した選手たちが王者の威厳を見せつけ快勝。2連勝で見事早慶明定期戦6連覇を達成した。

 初戦の相手は現在2部リーグに沈む慶大。定期戦ということもあり、春季リーグでは出場機会に恵まれなかった選手たちが多く出場したが、思わぬ苦戦を強いられる展開となった。試合開始直後に先制こそされたが、高橋拓也(人4=群馬・富岡)の連続ポストシュートですぐさま逆転するなど、早大はポストプレーを中心としたオフェンスで得点を重ねてゆく。しかし、前半中盤に差し掛かるとパスワークがかみ合わず、セットオフェンスで苦戦を強いられる時間帯が続く。すると、早大の攻撃が滞る間に慶大に3連続で得点を挙げられ逆転を許してしまう。その後も奥村陸生(スポ1=神奈川・法政二)が連続で1対1のシュートを外すなど暗雲が立ち込める早大であったが、GK永田奈音(スポ4=宮崎・小林秀峰)の好セーブから速攻で立て続けに得点を挙げ、前半を10−9で終える。後半に入ると中村祐貴(スポ2=北海道・札幌西)のポストシュート、青沼健太(社1=千葉・昭和学院)のミドルシュートなどが決まるなど、早大主導で試合が進む。しかし、中盤に差し掛かった時間帯に高橋と伊舎堂博武(スポ4=沖縄・興南)が続けざまに退場を命じられ、その間にペースを握られた早大は速攻から連続で4失点を喫し、再び慶大に逆転を許す。それでもチームの大黒柱・山﨑純平主将(社4=岩手・不来方)の連続得点で勝ち越すと、またも永田のファインセーブから阿南遼星(スポ2=大阪・大体大浪商)のミドルシュート、小林春慶(スポ3=長野・屋代)の速攻で慶大を突き放し、最終スコア22−19で勝利。苦しみながらも春リーグ王者の威厳を示したが、主力選手と控え選手間の連携、セットオフェンスでの崩しや速攻の対応など、秋へ向けた課題が露呈した早慶戦となった。

慶大戦で2得点を挙げ今後へ向け自身をアピールした阿南

 続く第3試合は優勝を懸けて明大と対戦した。ポイントゲッターである三輪颯馬(スポ4=愛知)らを欠く中ではあったが、主力で挑んだこの試合。2カ月前の春季リーグで立ち上がりに大量得点を許し苦しめられた相手に、この日は流れを渡すことなく優位に試合を進めた。序盤は抜きつ抜かれつの展開となったが、開始6分に伊舎堂がフェイントで相手を翻弄(ほんろう)しカットイン、ステップシュートを続けざまに決める。さらに軽快なパス回しで相手ディフェンスを片側に寄せると、対角でフリーになった清原秀介(商3=東京・早実)がサイドシュートを決め3連取。失点後は速いリスタートから前田理玖(スポ2=福井・高志)が速攻を決めるなど、緩急をつけたオフェンスで得点を重ねていった。GK羽諸大雅(スポ3=千葉・市川)も安定したキーピングで援護し、2点リードで前半終了。後半は決定機で決めきれない時間帯もあったが、早大の徹底したセットディフェンスも間を割らせない。小畠夕輝(スポ4=岡山・総社)や山﨑のカットインが連続で決まるようになると徐々に差を広げ、最終スコア20—16で試合終了。見事早慶明定期戦6連覇を達成した。

伊舎堂の鮮やかなステップから生まれるシュートはこの日も健在だった

 「最低限勝つということが任務というか、最低ラインの条件」(荒木進監督、平5=熊本市商)という位置付けで臨んだ大会で、春季リーグ王者の力を誇示した早大。来週は関学大で開催される早関定期戦を控えている。日本一を目指す早大にとって、関西のチームと対戦できる貴重な機会であるだろう。春シーズン最後の実戦で勝利をつかみ、気持ちよく夏の鍛練期に向かうことができるか、注目だ。

(記事 林大貴、宅森咲子 写真 斉藤俊幸、森迫雄介)

早慶明定期戦(対慶大)
早大 22 10−9
12−10
19 慶大
GK 中村匠(スポ1=千葉・市川)
LW 長谷川靖幸(法1=東京・早実)
LB 前田理玖(スポ2=福井・高志)
CB 青沼健太(社1=千葉・昭和学院)
PV 高橋拓也(人4=群馬・富岡)
RB 伊舎堂博武(社4=沖縄・興南)
RW 清原秀介(商3=東京・早実)
早慶明定期戦(対明大)
早大 20 11−9
9−7
16 明大
GK 羽諸大雅(スポ3=千葉・市川)
LW 前田理玖(スポ2=福井・高志)
LB 小畠夕輝(スポ4=岡山・総社)
CB 山﨑純平(社4=岩手・不来方)
PV 高橋拓也(人4=群馬・富岡)
RB 伊舎堂博武(社4=沖縄・興南)
RW 清原秀介(商3=東京・早実)
コメント

荒木進監督(平5人卒=熊本市立商)

――きょうの試合展開、結果を振り返っていかがですか

一試合目、慶應さんと試合やるときは、やはりチームを二分したということもあって競っていました。ただまだまだ個人の努力というか、そういったところが足りないなと思いました。

――二試合目はほぼ普段のスタメン陣で臨みましたが、明大の力を考えてのことでしょうか

前の試合(対慶大)が良い試合内容であれば、そのまま(チームを二分することを)続けていたかもしれないけど、そこはキャプテンと話しをしながら、今のままではい厳しいと思い、フルメンバーにしました。

――春季リーグを優勝という結果で終えたなかで、ミニミニカップや各定期戦はどういった位置づけで臨んでいますか

ミニミニカップは個人の能力を伸ばし、それがチームに還元できるということを考えていますし、定期戦に関しては最低限勝つということが任務というか、最低ラインの条件かなと思います。その中で経験のない1、2、3年生にもう少し経験を積ませたかった部分があるけど、まだまだそこに至ってない状況です。

――秋に向けて強化していく部分は何ですか

全部です。