日体大に痛恨の敗戦。今季初黒星で全勝優勝の夢、ついえる

男子ハンドボール

 関東学生春季リーグ、ここまで開幕6連勝で負けなしと勢いに乗る早大は日体大との一戦に臨んだ。「全勝優勝を狙う」と意気込むワセダセブンであったが、相手GKの幾度とない好セーブや速攻に苦しめられ、思うような試合運びができず、まさかの敗戦。今季リーグ戦初めての黒星を喫した。

 試合開始早々、小畠夕輝(スポ4=岡山・総社)がロングシュート、7メートルスローで立て続けに得点を決め、幸先の良いスタートを切る。このままいつものように早大ペースで試合が進むかと思われたが、日体大に対してはそうはいかない。『走り勝つハンドボール』を掲げる日体大は、ゴールを決められるとプレー再開までに時間をかけず、早大ディフェンスが出来上がらないうちに速攻のように一気に攻め込む、そんなシーンが何度も見られた。それに対して早大も「練習の段階からリスタートやバックチェックの対応の時間は割いていた」と高橋拓也(人4=群馬・富岡)は中村祐貴(スポ2=北海道・札幌西)との交代に気を遣うなど、チーム全体で何とか相手のリスタートに対応する。さらに守護神の羽諸大雅(スポ3=千葉・市川)が好セーブを連発すると、前半はまさに一進一退の攻防が続き12-11となんとか一点リードで終了した。

小畠は連続得点を挙げるも、その後は鳴りを潜めた

 両者で差がついたのはオフェンス面だった。再三好機を迎えシュートを放つも「シュートは決めないと勝てない」(山﨑純平主将、社4=岩手・不来方)。早大はシュートミスから相手の得意とする速攻に持ち込まれ失点するなど、試合の主導権を握ることができなかった。後半2分に同点にされると、その後も同じように速攻からの4連続失点で、ついに逆転を許す。追いかける展開へと変わった早大だったが得点差を必死に詰める白熱の試合に、会場の熱気も高まっていく。しかし大事なところでの1点が決められなかった。幾度も追い上げるも、追いつくことはできず、逆にまた離されるというもどかしいゲームは終盤、相手に3連続得点を決められ勝負あり。今季リーグ戦、好調だった早大に初めての土がついた。

リーグ初黒星を喫し、選手たちの表情も曇る

 昨年のリーグ戦は春、秋いずれも無敗チームが優勝してきたが、きょう早大が借敗を喫したことで今リーグにおける無敗チームはいなくなった。昨秋リーグ戦優勝の国士館大が7位、同5位の早大が首位をひた走る(5月4日終了時点)など、実力伯仲なことしのリーグ戦であるだけに油断は禁物である。優勝の可能性はまだ早大の他に筑波大、中大、そして日体大にも残っている。残り2試合、もう一度気を引き締め4年ぶり30回目の栄冠へ――。早大の目指す一つ目のペナントはもう目の前だ。

(記事 斉藤俊幸、写真 林大貴、宅森咲子)

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関東学生春季リーグ展望/関東学生春季リーグ(4/10)

関東学生春季リーグ
早大 22 12−11
10−15
26 日体大
GK 羽諸大雅(スポ3=千葉・市川)
LW 三輪颯馬(スポ4=愛知)
LB 小畠夕輝(スポ4=岡山・総社)
CB 山﨑純平(社4=岩手・不来方)
PⅤ 高橋拓也(人4=群馬・富岡)
RB 伊舎堂博武(社4=沖縄・興南)
RW 清原秀介(商3=東京・早実)
星取表(5月4日現在)
早大
国士館大
日大
中大
筑波大
法大
東海大
順大
日体大
明大
1位 早大

29○22

27○23

33○28

26○24

28○27

22●26

5位 国士館大
22●29
30○26
27○26
24○20
28○26
17●25
20●24
6位 日大
23●27
24●29
27●34
28○22
30○22
30△30
28○26
3位 中大
28●33
29○24
38○30
18●22
31○28
30○28
29○22
2位 筑波大
24●26
26●30
30○19
29○23
32○21
31○24
28○18
7位 法大
26●27
34○27
30●38
19●30
34○20
25●30
26○24
9位 東海大
20●24
22●28
22○18
23●29
20●34
22△22
20●24
10位 順大
27●28
26●28
22●30
28●31
21●32
30○25
27●37
4位 日体大
26○22
25○17
30△30
28●30
24●31
22△22
37○27
8位 明大
23●27
24○20
26●28
22●29
18●28
24●26
24○20
コメント

山﨑純平主将(社4=岩手・不来方)

――初黒星となってしまいましたが、感想をお願いします

自分たちが勝てる試合を落としてしまったなと思います。

――試合展開を振り返って

前半はどちらのチームも何かつかみ切れないでいて、とりあえず1点リードで終わって、そこまでは良かったんですが、後半の出だしに、先に少し集中力が切れたのがこっちだったので、そこで一気に点差を広げられてしまったという感じです。

――敗因は後半の出だしにあるということでしょうか

出だしというよりは、後半集中力が先に切れてしまったのがワセダだったということですね。

――日体大の速攻は実際に対戦していかがでしたか

リスタートに関しては練習していたのですが、相手のワンマン速攻、こちらが攻め切れないで打たされたシュートの逆速攻が予想以上に速くて対応しきれなかったのが、敗因だと思います。

――オフェンスではシュートを止められるシーンが何度かありました

そうですね。シュートに関しては選手各々感じている部分があって、ノーマークは作れているが、シュートは決めないと勝てないので、そこは今後の課題になってくると思います。

――きょうのタイムアウト中はどのような話をしましたか

まずディフェンスからという話をして、やはりディフェンスから速攻という場面がいい流れで点数を取れている時間帯であるので、とりあえずディフェンスからという指示でチームを一回引き締めてタイムアウトを終えるという感じです。

――最後に次節の東海大戦への意気込みをお願いします

1敗はしてしまったのですが、ここでまだ春季リーグは終わるわけではないので、この2週間、あとの2戦しっかり(白星を)取るということでしっかり調整して、まずは東海、その次の法政という風に、1戦ずつ勝っていきたいと思います。

高橋拓也(人4=群馬・富岡)

――日体大は速攻が速いチームでしたが対策はしてきましたか

練習の段階から紅白戦の中で点を決めたらすぐボールを出してリスタートすることや、バックチェックに対しての時間は割いていました。

――試合全体を振り返っていかがでしょうか

シュートミスが全てだったと思います。ディフェンスは抑えられてはいて、足も動いていたので。その中で相手キーパーにハマってしまうとか、1点差まで詰めてそこから同点への一本が出なかったのでそこが今の自分たちの弱さだと思いますし、離せる時に離すことができないのもチームの弱さだと思います。

――敗戦の一番の要因は何でしょうか

自分たちの一つのミスで空気が重くなってしまったなというのは感じましたね。そこで切り替えて「一本いこう」という声は出たんですけど同点や逆転までいくことができなかったので。流れをこっちに呼べなかったのが大きいかなと思います。

――中村祐貴選手(スポ2=北海道・札幌西)と交替で出場されていましたがそのあたりはいかがでしたか

ディフェンスが中村、オフェンスが僕でした。交替している間にリスタートされたら意味がないので、そのまま僕が戻ることは重点的に意識してやっていました。

――後半のタイムアウトではどのような話があったのでしょうか

ディフェンスはオッケーだと。あとは自分たちのシュートミスだけだったので、「一つ一つやっていって、残り5分に同点に追いつけば負けることはない。勝てるぞ」と前向きな話をしていました。

――東海大戦に向けて意気込みがあればお願いします

優勝するためにはあと2つ絶対に落とせないので、ここで落ちることなく切り替えて、東海大にしっかり勝って優勝に王手をかけたいと思います。

小畠夕輝(スポ4=岡山・総社)

――リーグ戦初黒星となりました

めちゃくちゃ悔しいですね。相手ももちろん強いんですけど相手の速攻でやられちゃったかなという感じです。あと相手のGKに対応しきれないというかシュートもよくGKに当たっていたのでそこで上手く流れが掴めなかったのかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

前半の初めに2点取っただけで後半取れなかったし本当にクソでした。

――日体大の速攻に苦しめられた印象ですが対策等はされてましたか

今週の練習は逆速攻の対策として横からボール出してBチームが攻めてバックチェックの練習はしていたんですけど、きょうはイージーミスが多くて練習ではどうしようもないというかというミスが多かったのでそういうミスや相手キーパーのセーブにやられたかなと思います。

――前半はリードして折り返しましたが後半は差が開いてしまいました。その要因は何だったと思いますか

やっぱり後半はオフェンスで足が止まりがちだったという感じがあるのと、相手の左利きのエースがガンガン来ていて若干足が止まっていた印象があります。

――日体大の運動量に対して苦戦したのでしょうか

ラントレも結構しているんで運動量にも自信はあったんですけど、やはりきょうは流れが掴めなかった、点を取ってもすぐに取り返されるとか、連取がほとんど出来ていなくて試合全体を通してワセダのリズムではなかったかなと思います。

――きょうの反省点を踏まえ次戦に繋げるとしたらどこでしょうか

シュートミスを含めたオフェンスミスが多かったのでそこをもっと詰めるというのと、またチームで話し合ってもう一度一から考え直してあと2つ勝てば優勝なのでそこを目指して頑張りたいと思います。