【連載】インカレ直前特集『To The GLORY』第7回 西山尚希主将×松本光也副将×副務春日咲紀

男子ハンドボール

 インカレ直前特集もいよいよクライマックスを迎える。選手対談の最後を飾るのは、チームの核である西山尚希主将(社4=香川中央)、松本光也副将(社4=神奈川・法政二)と彼らを一番近くで支え続けた副務の春日咲紀(人4=東京・西)。4年間の集大成として臨む全日本学生選手権(インカレ)で目指すのはもちろん『日本一』。栄光をつかみ取るために4年生三人が決めた覚悟とは――。


※この取材は10月1日に行われたものです。

「最後かというのを実感していた」(松本)

大学生活最後のリーグ戦を振り返る松本副将

――秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)の振り返りをお願いします

松本 勝ち切れる試合を落としてしまって、順位が下がってしまいました。そこは自分たちの弱い部分であり、課題でもあるので、インカレまでに修正したいですね。リーグと違ってインカレは一発勝負なので、しっかり修正して、1試合1試合大事にしていきたいです。そういうインカレに向けた課題が出たシーズンだったと思います。

西山 最後のリーグということで、まだリーグ優勝を経験したことがない後輩のためにも優勝を経験させてあげたいと思って臨んだんですが、4試合目の中大戦(△30-30)でケガをしてしまって、迷惑を掛けてしまいました。結果僕が試合に出れないなかで、シード権は取れませんでしたが、上位4チームに入る寸前まではいったので、いい部分も悪い部分もありましたがそこはよくやり切ってくれたかなという感じです。

春日 勝ち切れる試合で勝てずに順位を落としてしまったことをとても大きく感じています。今までは大体最終戦で勝って、いいかたちでインカレにつなげるというのが多かったんですけど、最後に国士舘大にああいう負け方をしてしまって。いい流れとは言えないんですけど、インカレの組み合わせが初戦が早関定期戦(●28-34)で負けた関学大、2回戦も国士舘大で、その先はもしかしたら秋季リーグで引き分けた東海大と当たるかもしれなくて。今までのリベンジをしながらインカレで勝ち上がれたらと思います。

――今シーズンのご自身のプレーを振り返っていかがですか

松本 自分はポストなので、シュートを決め切るというのは自分の役割だと思うので、シュートを決めるという部分は春に比べて意識しました。それでもまだ外すときがあるので、そこは頑張らないといけないですね。ディフェンスの部分でいうと、まだ自分のところでやられることが多いので…春と比べて成長したのかもわからないです(笑)。ただ周りを気に掛けるということは意識していたので、プレーというよりそういう部分が成長しましたね。

西山 このチームではセンターをやっているんですが、春を通してやったときにセンターとしての役割を意識しすぎて、得点を取れていないイメージだったので、秋は自分が得点するという気持ちでやっていました。ケガするまではいい感じでできていましたね。春に比べると自分でいける部分があったので、そこは良かったと思います。

――この春、秋シーズンを通して、チームの一番の課題は何だと思いますか

松本 踏ん張りどころで気持ちが切れてしまう選手が多いことです。1試合通して集中力を切らさずにやれるように考えて声掛けとかをしていたんですけど、やっぱりまだまだ気持ちのコントロールが課題ですかね。技術面では芳村さん(優太コーチ、平27スポ卒=愛知)が来てから得点力も上がったし、ディフェンスも春より悪い部分はなくなったので、やっぱり一番は精神的な部分だと思います。

西山 光也が言った通り、気持ちの部分が調子を大きく左右するチームなので、そこを4年生が中心となってまとめるのはもちろんですが、個人としてそういうことをやってもらわないと、最終的には変わるのは自分なので。そこは気持ちの部分が大きな課題だと思います。

春日 みんな真面目で実直だから自分のプレーはできるけど、意地悪なプレーというか、相手の嫌がるようなプレーができたらいいんじゃないかなと思います。

――主将・副将として臨んだ今シーズン、何か心境の変化はありましたか

松本 去年から真ん中を守っていたんですが、4年生に頼っていた部分が多くて。ことしはその上級生がいなくなって、自分たちで引っ張っていかないといけない立場になりました。西山は主将としてチーム全体を引っ張ってくれていたのですが、春は自分のことで精一杯でした。でも秋は西山が教育実習でいなかった時期とかがあって、自分がやらなきゃいけないという気持ちになりました。そこでちょっと気持ちが変わったというか、責任感が増しました。

西山 去年は4年生がいたので、僕はチームが勝つためのプレーをしていました。でも自分が4年生になってからは、主将としてチームをまとめたりなど、主将としてしなきゃいけないことをしています。やっぱり一番は、チームスポーツは自分ひとりじゃできないことも多いので、みんなに感謝する部分は増えたかなと思います。僕一人が頑張っても無理ですし、みんながいるから頑張れるっていうことを改めて気付かされたり、キャプテンをやっていないと気付かない点が多かったと思います。

――マネージャーから見てこの2人はどう映っていましたか

春日 試合中はずっとベンチにいるんですけど、西山がケガをしてベンチにいるということで、春よりもベンチが盛り上がったり声が出ていたり、ベンチとしての役割がしっかり果たせていたと思います。それは西山が率先して声を出したりみんなに声掛けをしていたからで、それにつられて光也も秋の方が声出すなというか、いいところで声をしっかり出していたので、頼もしいなと思いました。

――この二人はやはり去年と違いましたか

春日 去年も岳さん(岩本、平29スポ卒=東京・早実)だったり悠太郎さん(川島、平29スポ卒=現北陸電力ブルーサンダー)が離脱してベンチに入ることがあったんですけど、やっぱりそれとは違って西山らしさが出ていたベンチだったなと思います。

――芳村コーチが来てから、練習の部分での変化はありますか

松本 学生だけで練習をしていくっていうのは限界がありました。自分たちは西山を中心に練習メニューを考えてやっていたんですけど、そこで専門的な知識を持った芳村さんが来て、自分たちにできない部分を芳村さんが考えてくれたので、自分自身の練習ができるようになりましたね。あと練習がマンネリ化しないことです。自分たちで練習を考えてやろうとするとその練習をうまく進めていくことを気にしすぎて自分の練習にならなかったので、芳村さんが来てくれたことで自分自身がしっかり練習できるというのが良かったです。

西山 芳村さんが来てくれる前は僕が練習メニューを考えていたので、そこの負担がだいぶ減りました。その分他に時間を充てられたので、助かったなと思っています。あと練習中に誰か1人外で見てくれているのと自分たちだけでやるのでは見え方が違うので、質のいい練習ができていると思います。

――外から見ていて変化などはありましたか

春日 一番思ったのは西山の負担が軽くなったことですね。自分たちでやるからこそ、自分たちの目線でしか見れなくなっていたので、それを早スポの記事とかで客観的にどう見られているかがわかる時もあるんですけど、それが毎回客観的な視点で自分たちがどうなっているのかがわかるようになりました。プレー面でもそうですけど私生活の部分でも少し変わったんじゃないかなと思います。

――早スポの記事はワセダ目線なので主観的なこともあると思いますが

春日 主観的ではあるんですけど、自分たちのプレーを普通の人はどう見ているのかっていうところですね。こっちは超主観的なので(笑)。それがわかるのは面白いなと。

――三人にとっては最後のリーグでしたが、終えてみていかがですか

西山 さっきも言ったんですけど、やっぱり下に優勝を経験させたかったっていうのは一番だったので、終わったことですけど悔しかったですね。僕はケガもありましたし。でも運も実力のうちというので、僕の実力が足りてなかったのかなと思います。

松本 チームが始まった時に、インカレ優勝という最終目標の前に春・秋リーグ優勝という目標を掲げていたので、そこの結果にたどり着けなかったのは悔しいです。1試合1試合やっていくなかで、関東リーグのチームとやるのも最後かというのを感じていました。残りが少なくなるにつれてこれが最後かというのを実感していましたね。

春日 最後というので、私もこの会場に来るのは最後だとも思うんですけど、なんかまた4月になったら日大の体育館にいるんじゃないか、まだリーグが続くんじゃないかっていう思いがあります。まだ私はそんなに断ち切れてないですね(笑)。

――ことしの試合で一番印象に残っているのはどの試合ですか

松本 全然思いつかない(笑)。

西山 印象的というか、今のワセダを象徴していたのは秋の東海大戦(△30-30)ですかね。同点で勝ち切れないっていう。僕は出てないですけど、ベンチから見てて、絶対勝てる試合だと思ってたのに、追い付かれて1回逆転されて、そこから自分たちの展開に持っていけなかったり、勝ち切れないという部分で課題である精神的な弱さが出た試合でした。いい試合でいえば秋の筑波大戦(〇27-24)。スタートからいいかたちでいって最後勝ち切れたのでいい試合だった思います。東海大戦はインカレじゃなくて良かったなという試合でした。

春日 春の法大戦(●23-24)は印象に残っています。最後ペナルティで博武(伊舎堂、社3=沖縄・興南)が外したんですけど、最後博武に任せてしまって、責任を負わせてしまったのはすごい申し訳なかったです。でも彼がその1点を重く感じて頑張ってくれていたら、あれをずっと覚えといてくれたらいいと思うんですけど。そこで率先していける4年生がいなかったことに責任を感じないといけないなと思いました。

松本 早関戦ですかね。春が終わって西山がいない状態で、他にも4年生はいましたけど僕が副将として引っ張ってという風になったときに、試合のなかでチームへの声掛けだったりとかそういう部分が全然できず、負けてしまったので、定期戦ですけどあの1試合は自分のなかでは印象的です。

「熱くなれる、大好きなハンドボールを一緒にできて良かった」(春日)

4年生となって改めてお互いのことを語り合う三人

――3人が初めて会ったときのお互いの印象はいかがでしたか

松本 初めて会ったときの印象!?

西山 覚えてねえ(笑)。

――では、最初に会ったのはいつですか

松本・西山 受験の時ですね。

松本 咲紀ちゃんと初めて会った日は覚えてないな。

西山 教職の科目登録を一緒に手伝ってもらった記憶がある。

春日 そう、西山の印象は教職を一緒に取るということで、一緒の人がいる!ってすごくうれしかった。これが最初の印象(笑)。

西山 確かに 。

春日 いっぱいいたんですけど西山は科目も一緒だったので安心したのを覚えています。

――それは部活よりも前に出会ったという事ですか

西山 いや、部活のとき体育館で会って教職取るっていうのを知って。僕は全然わかんなかったので「じゃあ教えて」って。これは頼りになるなーって(笑)。光也は確か、東伏見駅の改札を出たところの階段を下りてきて会ったのが初めてです。

松本 でも高校の選抜大会で当たったときが初めてです。そこでは僕たちが負けました。そのときから西山のことは知ってて。ただそのときにすごく怖いやつっていうかやばいやつっていうイメージがあった(笑)。

――実際にお話しされたのは大学に入ってからが初めてですか

松本 そうですね、大学入ってからが初めてです。高校の時は全然。

西山 あ、でもそういえば一番最初は高校1年の時の選抜大会かな、その時は僕らが負けたんですけど。

松本 めちゃめちゃさかのぼるじゃん(笑)。

――お二人はその時には試合に出ていたのですか

西山 出てました。光也にシュート決められたの覚えています(笑)。 

松本 あ、その前に大分合宿で練習試合しています(笑)。

西山 その時は確か光也はケガしてたんですけど。

松本 え、俺らが1年の時だよ。

西山 じゃあしてないわ、両方出てたか。

――実はだいぶ前に会っているんですね

松本 そうですね、実は(笑)。

西山 ハンドボール界って狭いです。

春日 (大学の)リーグ戦も同窓会みたいだよね(笑)。

――ではお互いの今の印象はいかがですか

松本 西山は寮にいるからわかるんですけど結構几帳面で、自分の部屋もきれいにしているし生活のリズムをつくっていてケアなどもしっかりしているのでそういう面が主将としても表れているのかなと思います。あ、あと意外とふざけるっていうか、後輩にちょっかい出したりとかもしてますね。

――先ほど、最初の印象は怖かったとおっしゃっていましたが今はいかがですか

松本 最初は寮生が(同学年で)二人ということで寮の仕事などいろいろあって、結構けんかしたりしてたんですけど、逆にそれで今なんでも言える関係になれたんだと思います。今の1年生はそういうのが無いので一回そうやってぶつかっているほうがお互い言いたいこと言えるようになるんじゃないかなと思いますね。咲紀ちゃんはハンドボールの事がすごく好きだなっていう印象ですね。

――春日さんの今の印象は最初の印象と変わりましたか

松本 いや、そんなに。あ、あと就活中にいろいろと助けてもらった。

春日 それって印象!?

松本 やっぱり頭いいんだなっていう、頭の良さがマネージャーの仕事とうまく結びついています(笑) 。

西山 光也の今の印象は、優しいですね。後輩ともよく仲良くしゃべってたりとか、僕らともすごく仲良くしてますし。ハンドボールだとそれが裏目に出る部分もあるんですけど(笑)。でも後輩からの信頼も得られますしすごく大事なことだとは思います。あと、すごく頑張り屋さんだと思いますね。これは昔からなのですがラントレなどきついトレーニングの時とかも、めっちゃ体が重そうだけどすごい頑張って走るとか自分を追い込むことができるので、そこはすごいと思います。

――普段の松本選手はどんな感じですか

西山 普段は意外とギャグセンスが高いっていうか、お笑い好きなんです。自分でするっていうキャラではないんですけど、たぶん動画を見たりして勉強してますね(笑)。

松本 勉強はしてないですよ(笑)。

西山 でもテレビが無いからすること無くて漫画読んだりとか動画サイトでネタを見たりするんですよ。それがたまに生きて会話の中でギャグセンス高いこと言ったりするんです。そういうところは本当に面白いなって思いますね。

松本 そんなに分析されてるとは思わなかった(笑)。

西山 きのうも僕の部屋に志明(渡邉、スポ4=東京・両国)と来てお笑い番組を見てたのですが、僕が「帰ろう」って言っても「次面白いの来たから帰れない」って、結局最後までいましたね(笑)。咲紀ちゃんは、さっき光也も言ってたようにマネージャーということもあってお世話が上手というか、後輩のこともしっかりと見ています。ただ優しくするんじゃなくて試合中は切羽詰まっている部分もあって厳しく言うことも結構あるんですけど、人に対してものを言えるので指導っていう面も合わせてうまくしてくれていると思います。あと教職も一緒に取っていて助けてもらったこともあり、すごく頼りになります。

――普段の春日さんはどんな感じですか

西山 部活のときは一緒だけど普段は一緒にいることがないのでわからないですね。でももしかしたら部活のときと普段のときで別の顔があるかもしれないですね(笑)。

春日 光也は弟のような良さがあって、西山は兄のような良さがあるんです。そういうところで役割がうまく分かれていて、二人の(後輩などへの)関わり方が違うんですけどうまくやっていると感じです。

西山 うまくまとめられちゃった(笑)

――部員から見てマネージャーの春日さんとはどのような存在ですか

西山 4年生になって自分自身初めてチームのことをしっかり見ようとするようになったんです。3年生のときはチームを勝たせたり、ハンドボールの試合に関してはチームを見ることはできても、組織としてチームを見れるようになるのは4年生からでした。そのときに例えば部費の管理だとか僕たちが気付かない部分や(選手である)僕たちが絶対に関わらない部分でうまく組織を成り立たせてくれているので、4年生になってそういう部分を知るようになってからはチームとして欠かせない存在でもあります。水やホワイトボードへの書き込みなどハンドボールのことをやってくれているっていうのはもちろんみんなわかってるんですけど、他の部分を気づけて改めてありがたい存在だと思うようになりました。

松本 同じ同じ(笑)。でもやっぱり選手との関わり方もうまいですね。1年生とかは特に上級生に話しかけにくいと思うんですよ、僕がそうだったので。でもトレーナーやマネージャーの人だったら話しかけやすい部分はあると思うので、上下関係の中で誰からでも話しかけやすい存在であり、マネージャーからも話しかけてたりすることもよくあるので、チーム全体から慕われる存在です。練習が終わったあととかはみんなマネージャーの前に集まって話してたりすることが結構あるので、そういう空間をつくり出してるんじゃないかなって思いますね。

春日 4年生なので誰にでも話しかけることができるっていうのはあるかもしれないですね。自分自身が1年生だったときに4年生だったり上級生に良くしてもらったっていうのがあるので、そういったことが客観的に見て返せてるんだったらいいなとは思いますけど(笑)。

――部員のお二人はお互いにどういった存在ですか

松本 キャプテンとしてでもそうですし尊敬しています。自分は人に言うことが苦手なので、まずそういったところがすごいなと思いますね。人に言うってことはまず自分が一番できていないといけないので、西山が練習メニュー考えてそれをみんなにやらせるときに、こっちから見てても西山が一番頑張ってるなとも思うし、自分で決めたことは自分が一番しっかりやるとかそういったところを見て、自分も真似しないといけないんですけど自分にはできていないのですごいなと思います。

西山 僕はどうしても厳しくしすぎちゃうところがあるので、光也はそういった時にうまく調和をとってくれているのでそこはありがたいと思いますね。光也には感謝の思いが大きいです。僕が主将をやっていくうえで光也が副将として支えてくれている部分はすごく大きいですし、相談事とか寮で話したりしている時も、すごく話を聞いてくれます。そのなかで、それでいいんじゃないかって言ってくれる時もあれば光也なりの意見も伝えてくれるので、1年生の時から一緒にやってきたからこそ今の関係があると思いますし、ありがたい存在ですごく感謝しています。

――やはり主将と副将ということで他の部員の方たちとは違った信頼感がありますか

西山 そうですね、前からも一緒にやってきているのもあるのですごく信頼しています。

――では仲のいい後輩はいらっしゃいますか

西山 片思いって感じだったらつらいなあ(笑)。まあでも部屋が同じの宗海(皓己、スポ3=高知・土佐)とは仲いいと思ってます。向こうも一緒の部屋なので不満とかもあると思うんですけど、リーグ戦とか移動のときも同級生がいるのに僕ら4年生と一緒に行動するんです。そういうところは仲がいいと思いますね(笑)。

松本 僕は颯馬(三輪、スポ3=愛知)ですかね。仲いいっていうか、あいつは僕だけじゃなくて先輩の誰にでも好かれるっていうか(笑)。

西山 いやでも颯馬も光也のこと好きだよ(笑)。

松本 そうかなあ。まあ良く関わるっていうかあいつ(三輪)は先輩とよくいることがあるので。あとウエイトの班が一緒でそこもありますね。あと結構ふざけるので見ていておもしろいです(笑)。

西山 颯馬がふざけると光也がすぐバカにするんです。それで颯馬も「光也さん、またすぐにバカにする」って言うんですよ(笑)。あと純平(山﨑、社3=岩手・不来方)と博武(伊舎堂、社3=沖縄・興南)は学部同じなんですけど、あいつらは同じ学年でかたまっているのでかわいがってあげたいなとは思うんですけどね。

春日 頼れるって意味では高橋拓也(人3=群馬・富岡)が同じ学部で教職も一緒だし、すごく真面目なので授業なども頼っています。あと一人同じ学部の人いるんですけどその人はあんまり頼れないので…(笑)。

西山 たか(齊藤孝佳、人3=城北埼玉)じゃん(笑)。

春日 たかは授業とかの面でお世話に…なってるのかな(笑)。

――オフの日は何をされますか

春日 私は電源がオフです。何もしないです。朝からずっとテレビ見てますね。

西山 普段練習があるので時間を与えられると何もしなくなっちゃいますね。

春日 ハンド部たぶん交友関係めっちゃ広い人あんまりいないからね、派手な人がいない(笑)。

西山 両極端に分かれますね。しっかりやること決めている日は朝ちゃんと起きてその日にやろうとしていたことをやったり、リーグ戦の時はアクティブレストでちょっと動いたりしてリフレッシュしているんですけど、そうじゃない普通のときは起きたら昼の番組やってたりとか行動が昼からになっちゃうときもありますね。何かの節目とか疲れたときとかは、ハセ(長谷川大耀、政経4=東京・早実)と温泉に行ったりはします。

春日 それ1回だけじゃない?(笑)。

西山 1回だけじゃない!5回は行ってる!温泉のスタンプもたまりつつあります。

松本 自分は結構出かけます。あとは実家が近いので実家に帰って親に会ったりします。

――例えばどんなところに出かけますか

松本 電車で出かけるところ。

春日・西山 そりゃみんなそうだわ(笑)。

松本 新宿かな。なるべくオフの日にはオフを楽しむようにしています。結構バイトとかやっているんですけど、なるべくバイトはオフに被らないようにして、オフの日にはオンとオフをしっかり分けるようにしています。

――趣味はなんですか

西山 温泉とボウリングです。温泉はゆっくりできて疲れもとれますし、頑張ろうという気持ちになれるので好きです。ボウリングは楽しいので好きです。最近は本当に行ってないんですよ。ハンド部の4学年全体でボウリングが好きな人たちで集まる研究部があるんですけど、最近活動してないので活動させなきゃいけないですね。この前1回行こうって言ってたんですけど結局無くなっちゃったので行かないといけないです。

松本 趣味は食べること。食べることが好きなのでおいしいものを調べて結構食べにいきますね。でも何食べてもおいしいと思っちゃうんで、ラーメン屋はここっていうようなこだわりは無いですね。

西山 あとカラオケは?

松本 カラオケは趣味ではないかな(笑)。

春日 あ、私はアイドルが好きなのでコンサートとかには行ってますね。来週新潟にも(笑)。深夜とかにも結構テレビとかも見てます。握手会には試合があるのでいけないですけど。

――もし、ハンドボールをしていなかったら何をしていると思いますか

松本 俺、バスケかな。たぶん何かしらスポーツはやってた。ハンドボールは兄がやっていて地元の小学校のクラブを見つけてくれたんです。きっかけはそこからなので、その時期を考えると他はバスケかなって。休み時間とかにみんなでよくバスケをやっていたので、もしハンドをやっていなかったら中学校くらいでバスケ始めてたかなって思います。もしバスケやってたらここまではやっていないと思いますけど。

西山 意外だな。僕もたぶんスポーツをやっていたと思うんですけど、何かなあ。

――ちなみにハンドボールと出会ったのはいつですか

西山 ハンドボールと出会ったのは中1ですね。小学校の時にドッジボールをやっていて小3から4か5年生の時に野球にも誘われたんですけど、親に言ったら「両方できるの?」って言われて結局野球はやらずに。中学校でも結構先輩がドッジからハンドに流れていたのでその流れでハンドに入ったんです。もしハンド部に入ってなかったら野球やってたかもしれないですね。もし野球やってたらこうやって大学まで続けていたかもわからないですね。ワセダには確実にいないです。

春日 私は他のスポーツではマネージャーはやってなかったと思う。ハンドボールだから今こうやっていけてるし。でも明らかにサークルでワイワイやるタイプじゃないのでどこにも馴染めずにいるんじゃないかなと思います。

――やっぱりそれはハンドボールに何か惹かれるところがあったからですか

春日 私は高校からマネージャーをやっているのですが、初めて見た時からひとめぼれみたいな感じで。たぶん高校のときのハンドボール部で一番最初に入ったんです。部員の人よりも(笑)。やってなかったらどうなってたんだろう。

西山 今ごろ働いてたかもしれない、スポーツやってなかったら。

――ハンドボール人生で一番印象に残っている試合はありますか

春日 私は2年のときのインカレの筑波戦が印象に残っています。終わってから何度も見返したっていうのもあるんですが、秋リーグでは敵わないと思わざるを得ないくらいに筑波大にやられていて。インカレでは延長戦の末に勝ったっていうドラマチックな展開だったので、試合の時は急で水とかをやっていてほとんど私自身は見ていないんですけど、このチームなら大丈夫と思いながらずっと水を汲んでて。なので一番思いが強かったなって思います。

西山 僕はいいのと悪いのがひとつずつあって。いいのだと高校3年生の国体の準決勝の茨城県との試合です。そこはインターハイ(高校総体)で僕らが負けた高校が主体のチームで、同じ相手には負けたくない思いが強かったんです。結局試合はペナコン(ペナルティースローコンテスト)までいったんですけど、僕は一番最初に外してしまって。あと後ろが全員決めてくれて結果的には勝てたんですけど、キーパーが前の試合で膝の前十字靭帯や半月板などを傷めてしまい準決勝の試合には出れなかったんですよ。そんな状態でペナコンのときに「僕に出させてください」って監督に自ら言って2本止めたんです。それで勝ったので、僕自身が外したっていうのもあるんですが、思い出に残っています。あとは去年のインカレの2回戦で負けて先輩たちを引退させてしまったっていうことで後悔している試合として印象に残っています。

松本 自分も去年のインカレ2回戦ですね。負けた印象のほうが頭に残っています。しかも(去年の)4年生みなさんにすごくお世話になっていたので、あの試合で自分は出ていたのに、もっと一緒にハンドボールしたい思いが強かったのに勝つことができなかったので、もっと何かできたんじゃないかなって。あの試合だけじゃなくてあの前から何かできたんじゃないかなっていう思いがすごく残る試合として印象に残っています。

――いい思い出は残っていないものですか

松本 いいほうはあんまり頭に残っていないですね。でも去年の早慶戦は楽しかったですね。真剣勝負なんですけど全員がワンプレーワンプレーを楽しめていて、会場も最後東伏見でいいかたちで終われたっていうのがあります。インカレの成績は悪かったですが最後早慶戦で楽しくやれたのは良かったと思います。

――ハンドボール初めて最初に出た試合の印象などは残っていますか

松本 小学校で部員が少なすぎて仮入部の段階でゼッケン着て試合出て二個上の先輩にボコボコにやられました(笑)。

西山 公式戦に初めて出たのは中1の時の二個上の先輩が引退してからの秋の新人戦ですかね。ですけど全然記憶には残ってないです。中学校の時は光也は全国大会出るくらい強かったんですけど、自分の中学校はそこまで強いわけではなかったので、今ほど真剣に取り組んではいなかったのであまり記憶に残っていないです。

春日 私は大学に入って初めてベンチに入ったのは日本選手権だったんですけど、そのときが湧永製薬という実業団のチームに勝ったときなので試合的にも印象には残ってます。自分一人でやっていかないといけないっていうときだったので特に印象には残っています。

――ハンドボール人生の中で最も影響を受けた人物は誰ですか

松本 二人います。一人は阿部先生っていう高校の時の監督と、兄ですね。阿部先生は、自分が高2のときに右肩を脱臼して、手術後はシュートも打てないくらい痛くなったんです。その中でロングシュートなど厳しい練習をして。ケガは治さないといけないんですけど、その苦しいときに先生が本気でぶつかってくださったっていうのは大きくて。また私生活の面でも阿部先生から影響された面が大きくて、ハンドボールできるのも当たり前じゃないし、そういった当たり前のことができることを感謝しないといけないっていうのを高校のときに学べたことは先生の影響が大きいです。あと兄はハンドボールを始めるきっかけにもなったし、大学選びでもお世話になりました。自分は肩をケガしたということもあり、大学で競技を続けるか悩んでいたんですけど、阿部先生にはワセダを勧められていて。でも自分は兄の通っている大学と迷っていたので兄に相談したら、「お前と同じ状況だったらワセダにチャレンジする」っていう風に言われ、そこで考え直してこうしてワセダにいけたので。こうしてワセダに来れて実際良かったと思っていますし、そういった部分でも兄には感謝しています。

西山 僕も高校のときの顧問の河合先生に一番影響を受けたと思います。やはり河合先生がいなければ今こうしてワセダにはいませんし、河合先生の指導があったからこそハンドボールのプレーヤーとしても、人間としても変わることができました。高校の3年間という短い間でとても充実した3年間を送れたのも河合先生のおかげだと思いますし、実際にハンドボールをやっているときはきついし不満に思うこともあったのですが高3以降は先生に感謝する部分に多くあることに気づき感謝していますね。

春日 私は章さん(大城元コーチ、平18人卒=沖縄・那覇西)です。影響も受けていますし尊敬もしています。選手だったから選手の気持ちもわかるしコーチとして学生のスタッフのこともしっかり考えてくれて、ただ優しいだけではなくみんなのことを考えて、自分も成長できるような提案をしてくれていたので。たぶん章さんが一番ワセダのことを思って時間を費やしてくれていたので私もここまで熱くなれる大好きなハンドボールを一緒にできて良かったと思っています。

「全てをコートで表現する」(西山)

学生ハンドボール最後の大舞台に向け、強い言葉で語る西山主将

――先日インカレの組み合わせが発表されましたが、ご覧になっていかがですか

春日 やるしかないって感じですね。

西山 一番面白いところに入ったかなと思います。一発勝負なのでどこと当たるかはまだわからないですけど、僕は出ていませんが関学大は早関戦で負けているので、今度は僕が出てチームを勝たせたいです。国士館大に関しても秋、僕が出れずに負けているので僕が出ることでチームに違いを生ませたいです。そういう意味では、優勝を目指していくにはどこのチームにも負けるわけにはいかないのでどこと当たったとしても勝たないといけないと思っていました。

――今のチームの強みは何ですか

西山 一発勝負で大切になってくると思うのですが、勢いに乗ったときにどこのチームにも負けないくらいの勢いを出せるチームでありそこが強みだと思います。ただそれを毎試合引き出せるかといえばそうではないので、その強みを持っている分それを生かせるようにすることが大事だと思います。

春日 誰がシュートを決めてもみんなで喜べる仲の良さであったり信頼感があり喜びを分かち合うことができるのが強みだと思います。

松本 もちろん勢いとかもそうですし、ワセダとしてフィジカルコーチなども呼んで、身体づくりの部分をずっと他のチームよりも力を入れてやってきているので、そこの違いをディフェンスでもオフェンスでも出していきたいと思っています。

――インカレでは個人としてどのような役割を果たすべきだと考えていますか

松本 自分が3年生で試合に出ていた時は4年生のために、という強い思いを持って試合に臨んでいたので、今度は後輩たちからそう思ってもらえるように自分たちが一番必死になってシュートやディフェンスをしていくべきだと思います。

西山 日本一を目標にこの一年間やってきたので、そこにチームを導くのがすべてだと考えています。口で言うのは簡単ですが、プレーや行動でチームを引っ張っていくことが僕の役割だと思います。

春日 ずっと今までのインカレは4年生のため、4年生に勝たせてあげたいという思いでやってきました。でも自分たちが4年生になったら今まで受けてきた先輩を思ってくれる後輩のために何かをしてあげたいと思うので、チームのためになることをするっていうのが、プレーで貢献できない分他のいろいろな場面でチームのため、後輩のために貢献していけたらと思います。

――目標の日本一になるためのキープレーヤーは誰になると思いますか

松本 自分ですかね。やっぱり春、秋とフローターとかに頼っている場面が多くてポストとしての仕事がまだまだできていなくて。秋の課題でもポストの得点力っていうのが挙がっていました。自分がチームとしての課題となっていたので、逆に自分が伸びることでチームも伸びることになりますし、ディフェンスでも自分のところでやられることが秋には目立っていたので、そこを修正できればチームのためにもなるので、自分が頑張ってキープレーヤーになります。

西山 3年生の純平、博武、小畠(夕輝、スポ3=岡山・総社)の3人です。秋リーグで僕がケガで出れていない中で、あの三人がすごくがんばってくれていたと思うのですが、上級生としてもそうですし、フローターはチームの勝利に大きく左右するポイントなので、その三人が今上級生となって意識が徐々に変わりつつあるのでインカレでどういったプレーや行動や発言をしてくれるのか期待していますし頼りにしています。あとキープレーヤーにあげたかったのですがあまりプレッシャーを与えたくない、でも期待しているのが2年生の羽諸(大雅、スポ2=千葉・市川)、清原(秀介、商2=東京・早実)、義志(宮國、社2=沖縄・浦添)ですね。羽諸は去年から試合にでているのですが他も徐々に試合も出始めていて、責任感をそこまで背負うことなく伸び伸びとプレーしてもらいたいのが一番ですが、これからのワセダを引っ張っていくなかでインカレを経験することは大切なことなので期待しています。

春日 西山ですかね。秋はあまり出ていなかったんですが、西山あってのことしのチームなので、彼がどれだけチームを冷静かつ情熱的に引っ張ってくれるかにかかっていると思います。期待しています。

――インカレが学生最後の大きな大会となりますが何か思うことはありますか

春日 大学の部活に入ってから、本当に多くの人が関わってくれてその人に恩返しができる最後のチャンスなので、ワセダが勝って良かったといわれるような試合、行動をして恩返しがしたいと思います。

西山 インカレは学生の大会として一番大きな大会で唯一日本一をとったといえる大会なので、そこに強い思いは持っています。それに応援してくださる保護者やOBの方たちに感謝の気持ちを結果で伝えられる場でもあります。あと僕らが下級生の時にお世話になった先輩たちがずっと目標にしてきて成し遂げられなかったものでもあるので、そこを目指して優勝することによって成長した姿を見せることができると思います。過程が大事だということは4年間で学んだことではあるのですが、結果が大事なので結果にこだわりたいです。さっき言ったように口で言うのは簡単ですけど、口だけじゃなくて最後は結果として示せるように頑張りたいと思います。

松本 本当にこれまで長い間ハンドボールをやってきて最後の大会なのでこれまで自分たちがやってきたことを全部出して、二人が言ってくれたように感謝や恩返しもそうですし、ただ一番は自分たちのためにっていうことを考えて最後悔いのないように終えたいです。 

――このワセダでの4年間はいかがでしたか

松本 一番ハンドボール人生で濃い時間でした。自分が試合出るためにだけとかではなく、チームのために自分が何ができるかとかそういったことをいろいろ考えながらハンドボールをやってきたので長いか短いかはわからないですがとにかく濃かったです。

西山 4年間っていうと中学や高校の3年間と比べると時間的には長いとは思うのですが、さっき光也が言ったように学ぶことがとても多かった4年間だったので感覚的には学年が上がるにつれて時間が経つのが早かったように思います。4年間は選手としてもそうですが人間的にも大きく成長できたっていうのは一番良かったと思います。

春日 短かったかなー。振り返ればいろんな思い出が出てくるんですけど、それが一瞬で終わったような感じでギュッと詰まった4年間でした。

――最後に学生ハンドボールの集大成の舞台となるインカレへの意気込みを聞かせてください

松本 リーグ戦と違って一発勝負なので一戦一戦、自分たちの今までやってきたことを出し切って勝ち進んでいき優勝できるように頑張ります。

春日 やっぱりワセダのハンドボール部は伝統があるので、ことし勝つことで、それがどんどんこれから続くようなその通過点の一つとしてインカレ優勝ができるように頑張ります。

西山 僕たちが早稲田大学としてやってきたこともそうですし、感謝の気持ちもそうですし、その全てをコートで表現します。勝ちます。

――ありがとうございました!

(取材・編集 斉藤俊幸、佐藤慎太郎)

最上級生の三人には『勝利への欲』があふれています!

◆西山尚希(にしやま・なおき)(※写真中央)

1995(平7)年6月4日生まれ。香川中央高出身。社会科学部4年。ことしの絶対的エースで主将の西山選手。この1年は西山選手なしには語れません。ずっとこだわり続けた『日本一』の称号。最後に栄光を『勝ち取る』ために、主将の活躍は必要不可欠です!

◆松本光也(まつもと・みつや)(※写真右)

1995(平7)年5月3日生まれ。神奈川・法政二高出身。社会科学部4年。西山選手が秋に戦線離脱したことによって、最上級生としての責任感が増したという松本選手。プレーでは3枚目として、ワセダの強みであるディフェンスの中核を担います。人生最後のハンドボールで栄光の日本一を取るために、最上級生としての意地を見せつけます!

◆春日咲紀(かすが・さき)(※写真左)

1995(平7)年4月14日生まれ。東京・西高出身。人間科学部4年。ハンドボールが本当に大好きな春日さん。去年の対談では、「私は選手から見たら目の上のたんこぶだと思う」と冗談交じりに話していましたが、決してそんなことはありません。一番近くで選手たちを見てきたマネージャーとして、4年生の最後の雄姿を見守ります!