【連載】インカレ直前特集『To The GLORY』第6回 長谷川大耀×渡邉志明×中村統トレーナー

男子ハンドボール

 今回の対談は、最上級生としてインカレ(全日本学生選手権)に臨む長谷川大耀(政経4=東京・早実)、渡邉志明(スポ4=東京・両国)、中村統トレーナー(スポ4=埼玉・熊谷)の3人。日本一を目指す最後の挑戦を前に、それぞれがどういう覚悟を決めたのか。その心境に迫った。


※この取材は10月1日に行われたものです。

最後のリーグを終えて

ムードメーカーとしてチームを鼓舞してきた渡邉

――最初に関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)の振り返りをお願いします

渡邉 全体の結果として優勝しようと言っていて5位だったので納得はいってないです。リーグを通して勝てる試合を落としていたので、そこはもったいないと思います。

長谷川 言われた。本当に勝ち切れなかったなと思います。

中村統 芳村コーチ(優太、平27スポ卒=愛知)が入ってうまくいく部分が増えてきたなとは思うんですけど、二人が言うように勝ち切れないイメージは春から続いていて、そこが順位がそんなに上がらなかった原因なのかなという感じはありましたね。

――春秋を通してのチームとしての課題には何が挙げられますか

長谷川 一回崩れたら立て直せない。入りから崩れていたら巻き返せない。流れを呼び込めないですね。ディフェンスは粘れていても、オフェンスのミスで流れを完全にこっちのものにできないということは春秋通じて感じましたね。

渡邉 オフェンスもディフェンスも結構春に比べて良くなっているので、気持ちの面かな。試合に対する心の準備とか、アップとか、そういう部分だと思います。

――試合前には1年生が一芸を見せるとお聞きしましたが、4年生からの評価はいかがですか

渡邉 非常にいいと思います。満点の出来だと思います。

一同 おおー(笑)。

――今までで一番良かったのは誰ですか

渡邉 歴代で一番良かったのは自分ですね。

一同 (笑)。

長谷川 確かにね(笑)。

――ことしの一年生では誰が一番面白かったでしょうか

渡邉 島田(将平、社1=神奈川・鎌倉学園)と空(菅野、教1=神奈川・川和)と鮎川(優毅、人1=東京・東学大附)は良かったですね。芦刈(太一、商1=東京・筑波大駒場)は面白くないです。 島田は面白かった。

長谷川 面白かったね。

渡邉 空も面白い。1年生は仕事も大変な中考えてきてくれてるんで、本当に感謝しかないです。

長谷川 それをずっと思ってて欲しかったわ。文句ばっか言ってたじゃん(笑)。

――中村トレーナーから見た課題はいかがですか

中村統 ハセ(長谷川)が言っていたようなことが一番かなと思います。志明が言っていたように、オフェンスとディフェンスは両方とも良くなっている感じはあるんですけど、入りで決められなかったりして流れを呼び込めないというか。(前半で大差をつけられた)日大戦(●25-34)とかはそうだったと思うんですけど、そういうところを直していかないとインカレでもまた同じようなことになってしまうかなと思います。

渡邉 アップは?

中村統 いまはインカレ前練習になって、やるべきことはやれているし、それを継続していければいいのかなと思います。

長谷川 あと、朝に弱い。

渡邉 秋の日大戦が確か第一試合で。

長谷川 全然違うチームだよね。

渡邉 眠い。みんな寝るの遅いからね。

長谷川 誰も動かなくなっちゃう。でもインカレは全部午後からだったからラッキーって思った(笑)。

渡邉 インカレは大丈夫っす。

――続いて秋季リーグの収穫はいかがでしたか

渡邉 芳村さんが来てオフェンスとかディフェンスが変わったんですけど、全部データで表してくれるのですごくわかりやすいですね。

長谷川 平均得点も上がって平均失点も上がって。

渡邉 平均失点は上がったけどリーグ全体の得点率が上がったから、それは仕方ないとか、ディフェンス成功率は上がってるとか、データを使って示してくれます。

長谷川 あと、勝ち試合と負け試合でも分けてデータを取ってるから違いがわかる。ディフェンス成功率とか、キーパーのセーブ率とかが結構違いましたね。

中村統 シュートを打つ位置も9メートルの外が多かったよね。外から打たされてて。

長谷川 打つポイントは1年生が全部記録してくれていて、まとめてくれています。感謝です。あと、四十宮(実成、政経3=徳島市立)とか拓(高橋拓也、人3=群馬・富岡)とかそれ以外もだけど、ちょくちょく代わって出たりして、スタメンがずっと出ずっぱりじゃなくて休ませることができるようになったかなとは思います。

中村統 出場時間とかもデータを取っているんですけど、四十宮、拓とか義志(宮國、社2=沖縄・浦添)とかも出るようになって偏りが減ったのかな。スタメン組の負担軽減にもつながっていると思います。

長谷川 インカレは5連戦だから、それは大きいと思います。

――同級生から見た主将・西山尚希選手(社4=香川中央)の印象はいかがですか

渡邉 一言でいうと、ツンツンツンツンツンツンデレですね。基本ツンなんですけど、時々デレを見せてくるから憎めないっていうか。

一同 (笑)。

渡邉 一度デレに入っちゃうとずっと何しても怒んないんで、その時は見極めてできるだけ普段の仕返しをしとくって感じですね。

長谷川 はい(笑)。

渡邉 真面目なこと言うと、誰よりも厳しいことが言えて。よくあんなに言えるなって。言うべきことを嫌われ役になってもいいっていう気持ちで厳しく言ってくれるんで、同じ4年生としてはすごく助かるというか。西山を見ると俺たちはまだまだ足りないなって思います。

長谷川 すごく責任感があります。今は(西山が)あまり出てなくて下級生が多く出ているから、「思いっきりプレーして、その結果の責任は俺が取るから」といつも言っていて、自覚と責任があります。

中村統 その部分が大きいのかなと思います。ケガをして出られないときにもベンチから声とかも出していましたし。コート上だったり、ケガをしているときも自分ができることをやろうとしていますし。そういうところの責任感が誰よりも強いから、キャプテンとしてやっているんだと思います。芳村さんが来るまではあいつが一人で全部メニューとかも考えていましたし、チームで勝ちたいという気持ちが外からでも伝わってくるので、それをちゃんと出せるのがあいつのすごいところかなと思います。

――去年のチームとの違いはありますか

中村統 雰囲気は違うのかなと思います。前までは淡々と練習をやっていた印象があるんですけど、今は練習の意図とかを考えながら工夫してやっているのかなと思います。芳村さんが来て、練習メニューのバリエーションがすごく多くて、それによって変わったなっていう部分もあります。

長谷川 去年は章さん(大城、平18人卒=沖縄・那覇西)がいなくなって1年目で戸惑いながらやっていました。ことしは2年目で、最初は西山がいろいろ3、4年生にやりたいメニューあるか聞いたりしてたけど、そういうところですごくちゃんとやっていたのと、芳村さんが来て深く練習できるようになったと思います。

――好きなメニューや嫌いなメニューはありますか

渡邉 やっぱランは嫌いかな。

長谷川 ランは嫌い。

渡邉 え、お前ラン嫌いなんだ。俺は好きだよ。

長谷川 どっちだよ(笑)。

渡邉 ランとサーキットが好きです。

一同(中村は真面目な顔で) (笑)。

長谷川 じゃあ嫌いなのは?

渡邉 嫌いなのはストレッチかな。

中村統 それはダメだろ。

長谷川 嫌いなメニュー…。

中村統 無理に出さなくていんじゃね?

長谷川 いや嫌いなやつ絞り出してるから。

渡邉 やっぱランっすね。あれは好きでやるもんじゃないんで。好きなのは島田くらい。

長谷川 いや島田も好きではねーだろ(笑)。走れるだけ。

渡邉 一番楽しいメニューはゲームかな。あとスポーツ鬼ごっこかな。

長谷川 あれ楽しいね。

――三人にとって最後のリーグだったと思いますが、振り返っていかがでしたか

渡邉 やっぱり個人的にはあんまり出場機会が与えられなかったので、もうちょっと出たかったなと思います。だからインカレに向けて頑張ります。

長谷川 あんまり意識していなくて。普通に目標に向けて一つのステップのリーグっていう感じでした。

中村統 終わったときは最後っていう意識はなかったですね。

渡邉 泣いてたじゃん。

中村統 泣いてねーよ。

渡邉 最終戦終わった後泣いてたじゃん。

中村統 あんま適当なこと言うなよ!焦るだろ(笑)。

渡邉 国士舘大戦の後めっちゃ泣いてましたよ。トイレで。

長谷川 ケアしてほしかったのに。

渡邉 アイシングしてって言っても「後で…」って。

中村統 どこまで事実かわかんなくなるだろ(笑)。

渡邉 これは載せちゃって大丈夫です。泣いてるって知って後輩たちも気持ち変わると思うんで。

中村統 俺のキャラおかしくなるだろ!

長谷川・渡邉 言っちゃダメだったっぽいですね。

中村統 嫌だわそういうの。終わったときは最後のリーグだなという意識はなくて。インカレに向けて春よりは成長しているだろうなと感じていたので、あと1カ月また上がればいいところまでいけるんじゃないかなというような感じでしたね。だから特に最後っていうイメージはなかったです。

4年生として

大学での部活生活を振り返る三人

――お互い初めて会ったときの印象を教えてください

長谷川 初めて会ったのは、志明が練習に来たときでしょ?

渡邉 統はまだいなかったんですけど、最初僕1人だけ遅れて入ったんです。最初の印象としてはみんな冷たいなっていう。最初はみんなあまり話しかけてこないし、こっちからも話しかけなかったですし。最初の練習のあと俺とハセと光也(松本副将、社4=神奈川・法政二)と西山の4人で松屋に行ったんですけど、みんなすごいハンドボールの全国大会の話で盛り上がっていたんですよ。高校生のとき、あまりハンドボールの強いところでやっていなかったので、全国大会の事情とかあまり知らなくて、1人だけ一言も喋らずにご飯を食べたのを覚えています。こいつら全然気を使ってくれないなって(笑)。大丈夫かな、やっていけるのかなって。

――しばらく馴染めない状態が続いたんですか

渡邉 1年ぐらい続きましたね。

長谷川 ぶっちゃけたね(笑)。

渡邉 高校の時は同じハンドボール部の仲間はすごい仲が良くて一番大好きだったんですけど、大学に入ってからは1年のインカレが終わるぐらいまでは結構全員嫌いでしたね(笑)。

――仲が悪かったんですか

渡邉 仲が悪いというよりかあんまり絡まない感じでしたね。ハセぐらいしか絡まなかった。

――打ち解けたタイミングはあったんですか

渡邉 1年生が終わったぐらいかな。

長谷川 やっぱり1年生は緊張するというか、先輩とかを恐れていて。ミスとかに対しても1年生同士で怒られるし。厳しい時代でしたね(笑)。

渡邉 今とはちょっと違ったな。

――渡邉選手の第一印象はどうでしたか

長谷川 第一印象…志明の…。座っていたのはめっちゃ覚えてる。

一同 (笑)。

長谷川 あのOBがよく座っているところに座ってたのはよく覚えてる。

渡邉 あー、見学のとき?あそこに座ってたのか、俺。

長谷川 それでしょ?第一印象って。

渡邉 それみんな一緒だから(笑)。あそこにみんな座るから。見学に来たら。

長谷川 あー、でもやばいなって(笑)。結構やばいやつだなって思った。

渡邉 え、どんな感じだった?俺。

長谷川 危険な香りがプンプンした。

――何が危険を感じさせたんですか

渡邉 まぁ、第一印象は絶対悪かったよね、俺。

長谷川 うーん。なんかやらかす感じがしたのは覚えている。それで2年生からも、あいつだけはちゃんと見張っとかないとって言われてました。

渡邉 なんかね、そういう感じでしたね。自分でも感じてましたね。あー、これはちょっと変えなきゃいけないなって。それで1年ぐらいかけて変えましたね(笑)。

――中村さんはいつから部に加入したのですか

中村統 僕は遅れて2年の春リーグ終わりから入って、最初は「(新しいトレーナーが)来るぞ」って。部に知り合いがいて、その人の紹介で入ったんですけど、誰も話しかけてくれなくて(笑)。その紹介してくれた人もちょうどモチベーションビデオをハセとかと一緒に円になってつくっていて、話しかけに行こうとしても、ずっと画面に集中していて。話しかけちゃいけない雰囲気だったので、ずっと一人で端っこの方に座っていたのは覚えています。

長谷川 で、最初に話しかけてくれたのが?

中村統 光也です。

一同 (笑)。

長谷川・渡邉 絶対それ言うよな。

中村統 リーグ戦の終わりとかに電車の中とかで光也と、あと1個上の侑さん(萩原、平29文卒=東京・早実)とかが話しかけて来てくれて、僕自身結構人見知りなんで、あんまり喋りかけられなかったんですけど、それからちょっとずつ馴染んでいけました。

――選手から見て中村さんの印象はどうでしたか

渡邉 それわかんなくね。全然覚えてないわ。

長谷川 一番最初入ってきたときは、パリピ入ってきたなって。

中村統 お前それサークル上がりだからだろ!

渡邉 サークル生だったからパリピ入ってくるんだろうなって思ってたら、全然パリピじゃなかった(笑)。

――何のサークルをしていたんですか

中村統 フットサルのサークルをやっていました。それで、途中からちょうどいい機会かなと思って、2年生からハンドボール部のトレーナーになりました。

――なぜトレーナーになろうと思ったのですか

中村統 ずっとケガばかりしていたこともあって、もともと入学前からそういうことに興味があったんですよ。でも、入学して最初は自分も動きたくて。トレーナーだと動けないじゃないですか。だから、動きたいなと思ってサークル入って体を動かしていたんですけど、やっぱり何かしたいな、部活動とかに入りたいな、と思ったのと、スポーツ科学部で勉強しているうちに興味が湧いてきて、やろうと思って始めました。

――高校時代はハンドボールをやっていたんですか

中村統 サッカーをやっていました。ハンドボールは全く知らない状態で部に入りました。

――苦労したことなどはありましたか

中村統 ハンドボールの動きとか何もわからなかったので、ハンドボールをしたことがないという時点で、「お前ハンドボール知らないだろ」っていう批判が一番怖かったです。

渡邉 お前ハンドボール知らないだろ。

一同 (笑)。

――実際にそういう声はありましたか

中村統 3年生のときは章さんとかにトレーニングメニューをちょくちょく考えてもらっていたんですけど、そういうときに、辛いメニューとかはみんな嫌じゃないですか。それでもこっちはやらせないといけなくて、そのときに、「お前はハンドボールしたことないじゃん、わからないだろ」みたいなことを言われたことはありましたね。

渡邉 それで泣いてたもんな。

中村統 泣いてない(笑)。お前らすぐ話を盛るじゃん。トイレ泣いてたとか。でもやっぱりそこが一番苦労したところですかね。サッカーとかとも動きが全然違うので。

――中村さんから見て、渡邉選手、長谷川選手の印象はどうでしたか

中村統 志明はもともと共通の知り合いがいて、そいつからちょっとやばいやつだって聞いていて(笑)。

長谷川 お前(渡邉)、そのとき丸刈りだったじゃん。

中村統 なんかいろいろやらかして丸刈りになったやつがいるって聞いていたんですよ。最初にハンド部の見学場に行って、俺が友人と一緒にいたときに、出てきたのが志明で、あ、こいつがやばいやつかって(笑)。

渡邉 実際は?実際は?

中村統 実際は…まあまあまあ。

長谷川 クズみたいな奴で(笑)。

――丸刈りになった原因は

渡邉 年間30単位以下の人は丸刈りみたいなルールがあって、1年生の時になんかいろいろ多方面から圧力を受けてしょうがなく丸刈りにしました(笑)。

長谷川 ルールだったんだっけ。

渡邉 いや、ルールではなかった気が。騙されて丸刈りにした。単位が取れないとっていう明確なルールはなくて、遅刻とかいろいろやらかすと丸刈りになります。

中村統 ハセはあんまり覚えてないな。ハセ最初いつ喋ったっけ?

長谷川 覚えてないな。

渡邉 あんまり喋らないイメージでしたね。すごい物静かな雰囲気がありました。あと真面目な印象が。見た印象ですけど。でも実際喋ってみると、違ったかな(笑)。ちょっと変わっているやつだなって(笑)。

――変わっているエピソードなどありますか

長谷川 そんなに変わってるかな?

渡邉 でもやっぱりハセは変わってるよね。でも具体的にはなんだろう。なんか変わってるよね(笑)。うーん。特にこれといったエピソードはないけど、なんとなく変わっている(笑)。

長谷川 変わってるっていうならエピソード欲しいけどね。

渡邉 やっぱ蜂ですかね。蜂を素手でつかんだっていうエピソードが。

長谷川 それ俺じゃねーよ(笑)。俺のお父さんだよ。似てるってよく言われるけど。

渡邉 ハセをおじいちゃんにしたみたいな。ハセが歳取ったらああなるんだろうなって感じです。

――トレーナーと選手の関係はどうですか

渡邉 ギスギスだよね。

中村統 ギスギスじゃねーだろ(笑)。

渡邉 やっぱり少し壁があるよね。

中村統 ねーだろ(笑)。逆になさすぎてダメだね。もう少しリスペクトして欲しい。

長谷川 近すぎるなっていうのはあります。でもやっぱ年齢が上なんで僕らより。そこの面では壁を感じます。

中村統 でも全然その話しないじゃん。むしろいじってくるじゃんそれで。

長谷川 でもやっぱそこはあんまいじれないじゃん。

中村統 たまにね。年齢に関してはたまにね。

長谷川 年齢に関しては触れると怖いんで、タブーですね。なぜか年齢が上なんですよね(笑)。

渡邉 時が違うんだよね。タイムリープしてる。わかんないけどなぜか。こんな感じですね、いつも。あんまり壁はないですね。

――プレーヤーお二人から見て中村さんはどんな存在ですか

渡邉 やっぱり頼れる年上ですね(笑)。

一同 (笑)。

長谷川 だって俺らが小学生のとき中三とかでしょ?

中村統 ちげーよ。そんな上じゃねーよ。

渡邉 俺らが小6とかで鬼ごっことかしてるときに、統はもう中二病でね。

長谷川 俺らとは話題がかみ合わないよね。ジェネレーションギャップがあります。歌とかを聞いてても「え?」みたいな、「あれこれ俺らいつだっけ」みたいな。「この曲俺ら小3ぐらいのときだよね」って言うと「え、中3だよ」って。

中村統 知らない人が聞いたらめちゃくちゃ誤解するじゃんこれ。

渡邉 でもそれは結構ありますね。

中村統 ないよ!

渡邉・長谷川 いやあるよあるよ。それは認めろ。

中村統 いやないって。1個しか変わらないんだから。たまたまその曲聞いたことなかっただけだろ。

長谷川 でも統アムラーだったんでしょ?

中村統 ちげーよ(笑)。

長谷川 だから今めっちゃ悲しんでるもんな。

渡邉 もう真面目な回答が一個もないじゃん(笑)。

――仲のいい後輩はいらっしゃいますか

渡邉 鮎川かな。

長谷川 あー、鮎川か。

渡邉 ここで名前が挙がってると嬉しいよね。いっぱい出してあげよう。あと宗海(皓己、スポ3=高知・土佐)と颯馬(三輪、スポ3=愛知)かな。普段からいつも話してます。休みの日に遊びに行くことも結構あります。

――どんなところに行くんですか

渡邉 宗海の見たいつまんない映画を観に行ったりとか(笑)。

長谷川 宗海と合う?趣味とか。あんまり合わなくない?

渡邉 あんまり合わないね。好きな映画の趣味とかは合わないですね。颯馬とは普通に仲良くて、先輩後輩っていうのももうあまり感じないですね。

――長谷川選手は仲のいい後輩はいらっしゃいますか

長谷川 芦刈とは仲良いかな。鮎川、奈音(永田、スポ3=宮崎・小林秀峰)、あと宗海。

渡邉 宗海は先輩と仲良いからね。同期に嫌われている分(笑)。

長谷川 同期全体に嫌われてるもんね(笑)。

渡邉 かわいそう。

長谷川 だからずっと俺らといる。あいつ寮生なんですけど、寮でご飯を食べる時に結構光也と僕と西山が4年生でいて、この3人で食べるのはまあわかるんですけど、宗海は他の同期とは食べずに僕らと食べるんですよ。だからやっぱり先輩と仲がいいっていうのと、同期に嫌われているっていう(笑)。でもそんなガチで嫌われているわけではないです。嫌われキャラですね。

――中村さんは仲いい後輩はいらっしゃいますか

中村統 1個下は同じ時期に入っているので、なんかあんまり先輩と見られていない感がありますね。仲良いのは拓とか純平(山﨑、社3=岩手・不来方)とか。1個下とは結構距離が近い感じがありますね。

――ハンドボール部として期待している後輩はいらっしゃいますか

長谷川 鮎川とか。鮎川結構いいんじゃないかと思っている。ちゃんとやればちゃんとなるやつ。伸びてきてるよね。片鱗はめちゃくちゃ見せてる。

渡邉 期待の後輩…。祐貴(中村、スポ1=北海道・札幌西)とか。祐貴とよく一緒にバスケするんですけど、手も足も出ないんで、やっぱそのバスケットセンスを生かして、未来のNBAプレーヤーとして頑張ってもらいたいですね。

長谷川 そういう期待(笑)?

中村統 選手としては阿南(遼星、スポ1=大阪・大体大浪商)です。芳村コーチにもプレーに関して聞きに行ったりとか、そういう意欲とか野心がすごいむき出しなんで、そういう部分がここ最近はいないタイプですね。その意欲を持ったままいければ結構いいんじゃないかなと思います。トレーナーとしては、綱ちゃん(綱川彩友美、文構3=東京・明治学院東村山)、原ちゃん(遼太、スポ1=岡山・総社)と2人後輩のトレーナーがいて、来年以降もしっかりやってくれると思っています。2人とも努力家な部分があるので、そこはいい方向に向かうんじゃないかなと期待しています。

――最近のマイブームはありますか

長谷川 前にハマってたとかでもいいなら、マインクラフト。去年、悠太郎さん(川島、平29スポ卒=現北陸電力ブルーサンダー)さんと凌さん(齊藤、平29スポ卒=岩手・不来方)と僕でマインクラフトのマルチプレイをめっちゃやってて、2人がいなくなって僕だけになってしばらくやってなかったんですけど、最近、1年生の芦刈と3年生の拓が入ってきて、今もやっていますね。

――どういった点が面白いですか

長谷川 それよく言われるんですけど、言えないんだよね。自分の世界をつくる感じですかね。

――渡邉選手のマイブームは

渡邉 スマブラかな、やっぱ。寮でめっちゃスマブラやってるんで。特に春休みが多くて、練習の合間にずっとスマブラやってて。午前中練習して、昼休みにスマブラしてまた練習みたいな生活を繰り返していましたね(笑)。

――誰が上手なんですか

渡邉 颯馬がうまいですね。頭一つ抜けてる感じですね。次点で僕かな、やっぱ(笑)。でも、西山と光也は弱いっすね。クソザコですね。ハセはもうザコ中のザコですね。

長谷川 やりたくないもんだって。

――中村さんのマイブームは

中村統 何ですかね。最近はハセの携帯を奪ってウイイレをやっていました(笑)。僕の携帯だとアプリの容量が大きすぎて入らなくて、ハセがやってるのを借りて、やっていました。

――みなさんゲームがお好きなんですね

長谷川 どうなんだろう。俺はそれだけかな。

渡邉 でもみんなモンハンとかしてるじゃん。モンハンめっちゃやったわ。宗海と。

長谷川 ポケモンもやってなかった?

渡邉 ポケモンもやってた。寮に落ちてたポケモンをみんなの名前にしてやってました(笑)。俺以外だと瞭(遠藤、スポ1=神奈川・法政二)は結構ゲームやってるかもしれないです。

――オフの日は何をしていますか

渡邉 結構友達と遊んでますね。大学の友達とも。ハンド部だと、宗海とかが多いですね。

長谷川 なんだろう、家から出ないからな。あんまり予定が入らないから、家でゆっくり寝てることが多いです。この前は、TSUTAYAに行って一本映画を借りて見ました。

――ちなみに何の映画をご覧になったんですか

長谷川 ファンタスティックビーストです。初めて見た。面白かった。でもちょっと難しいんだよね、話が。

渡邉 何に対しても言うじゃん(笑)。理解能力が無いんだよ。トトロにも言うじゃん。

一同 (笑)。

長谷川 ファンタビ見た?

渡邉 見てない。

長谷川 難しいんだよ話が。

――中村さんはオフのとき何をされていますか

中村統 大学の友達とかと体動かしたりすることが多いですね。あとはインターンでいろんなところ行ったりしています。予定がないときは基本家から出ないですね。携帯でYouTube見たりしていますね。

――ハンドボールを始めたきっかけは

長谷川 始めたのは中1で、それまではバスケットボールをやってて。中学でバスケットボールか野球はやるつもりで、バスケットボールやろうと思ったら、中学にバスケットボール部がなくて。次に1回ハンドボール部の見学に誘われて行ったんですよ。野球部の隣にハンドボール部のコートがあったんですけど、次の日に野球部の体験に行ったら、ハンドボール部の3年生の先輩から「お前何で野球部いるんだよ!こっちだろ!」って怒鳴られて、それで半ば強引にハンドボール部に入部しました(笑)。まさかこんなに続くとは思わなかったです。

渡邉 僕は、『中東の笛』がきっかけでしたね。オリンピックのアジア予選で審判の判定があまりにも偏りすぎて再試合になったことがあって。それが一時期ニュースとかで初めてと言っていいぐらいハンドボールが大きく取り上げられて。それで結構ハンドボールが話題になって、学校とかでも流行って。友達同士でやったときに、ジャンプシュートを打ったらうまくて、僕が(笑)。始めようかなって(笑)。センスを感じて。中学3年生から始めました。

長谷川 中1からそれまでは何してたの?

渡邉 帰宅してましたね(笑)。

――ハンドボールに出会わなかったら何をしていたと思いますか

長谷川 ハンドボールに出会わなかったら…。それは結構やばいな。中3の先輩に怒鳴られなかったら、まず早大には来てないし、中学校で仲良かった人たちが結構グレてる人たちだったので、悪の道に進んでたかもしれないですね(笑)。ハンドボール部の顧問がめっちゃ怖い人だったのでそっちには行かなかったですけど、ハンドボールに出会っていなかったら道を踏み外してた可能性もありますね。ハンドボールやってなかったら全然違っただろうな。

渡邉 中学生の時は、ハンドボール始めるまではめっちゃゲーマーだったんで、そのままずっとゲームして、今はYoutuberになってゲーム実況してたかもしれないですね(笑)。好きなことで生きていたかもしれないです。結構学校が進学校だったんですけど、ハンドボールばかりしててあまり勉強してなかったので、ハンドボールやってなかったらめっちゃ勉強して今ごろは東大、マサチューセッツ、ハーバードあたりの大学で学者をやってたかもしれないですね。

長谷川 すぐ嘘入るじゃん(笑)。

渡邉 でも実際俺ってそんな感じだよね。やればできるっていうか。ハンドボールに生活の全てを捧げてるから。

――中村さんはトレーナーをやっていなかったらどんな大学生活になっていたと思いますか

渡邉 やっぱサークルでプロのパリピだったんじゃない(笑)。

一同 (笑)。

中村統 そのままサークルを続けて普通の大学生活をしていたと思いますね。特にやりたいこともなかったですし。ハンドボールに出会えて良かったです。

渡邉 彼女できてたかもね。

中村統 うるせえ(笑)。

――ハンドボール人生で最も印象に残っている試合はなんですか

渡邉 2年前の函館インカレの筑波大戦かな。

長谷川 俺もそれかな。

渡邉 やっぱり、劇的な試合だったんで。延長で中野さん(裕通、平29スポ卒=兵庫・神戸国際大附)が爆発して、悠太郎さんが15点ぐらい取って勝ったんですけど。

長谷川 あんま覚えてない(笑)。

渡邉 え?じゃあ印象に残ってないじゃん(笑)。

長谷川 引退試合とか?中学校の引退試合はチームのエースがケガして弱くなって、それで負けたんですけど。うーん、無いですね。無しでお願いします(笑)。

渡邉 かっこいいなあ。

――ハンドボール人生でもっとも影響を受けた人物は誰ですか

長谷川 中学校の顧問の先生です。中学校のハンドボール部は強かったんですけど、ハンドボールだけでなく私生活とかでも厳しくて、そういった部分で、人としてだいぶ変えさせられました。あと、卒業した後もその卒業生が先生のところに挨拶に行ったりしているほど慕われていて、そういう人柄も尊敬していますし、自分も今でもその先生の関わりがありますね。

渡邉 プレー面では同じポジションの颯馬は一番影響を受けているというか参考にしています。うまいので。

――中村さんはトレーナーとして影響を受けた人はいらっしゃいますか

中村統 最近ですけど、芳村さんですね。海外にも自分で行かれていて経験を積んでいますし。お話しする機会とかも結構あって、話を聞かせていただくんですけど、スポーツと関係する部分で、意見であったり考え方を勉強させてもらっています。

「ワセダの伝統を背負って優勝したい」(長谷川)

最後のインカレに向けて思いを語る長谷川

――インカレの組み合わせを見て思ったことはありますか

長谷川 関学大は早関戦(早関定期戦)で負けてるし、国士舘大にも秋リーグで負けてるし、国士舘大は全勝優勝してるすごく強い相手なんで。かっこいいこというと強いところと早いうちに当たれるからいいかな。倒し甲斐があるというか。まあスラムダンクみたいな。一回戦が関西のチームで豊玉高校、二回戦が国士舘大で山王工業、チャンピオンで。山王の次は…。あ~~。

長谷川 燃え尽きちゃうじゃん(笑)。

渡邉 じゃあ俺らがスラムダンク第二章っていうことで。

――インカレでキーマンになる選手は誰ですか

渡邉 博武(伊舎堂、社3=沖縄・興南)と小畠(夕輝、スポ3=岡山・総社)。あいつらは気分屋なんで、インカレっていう短い大会だと気分が乗ってくれれば、誰よりもすごさを発揮してくれると思うので、キーマンとして期待しています。

長谷川 羽諸(大雅、スポ2=千葉・市川)と光也。ワセダはチームとしてディフェンスからしっかりやって流れつくっていこうっていうチームなので、あの二人が中心でキーマンとしてうまく機能すれば勝てるんじゃないかと思います。

中村統 僕は羽諸ですかね。かぶっちゃいますけど。最近すごく意識高く練習に入っていて、話を聞きにいったり。あいつがいるのといないのでは大きく違うのかなと思います。あいつが止めた試合とかはいい雰囲気にで乗れますし。あいつが自分がやりやすいように、乗れるように流れをつくっていけるかっていうのが大きいと思います。

――トレーナーとして自分の強みをチームに還元するために心掛けることはありますか

中村統 今実際ケガ人のリハビリとかも見てるんで、あと1カ月しかない中でチームがベストな状態でインカレにいけるようにしたいです。最後がベストな状態で臨めなくて終わるのはとても残念なことなので、試合に出たい選手たちをしっかりとコートに立たせられるようにしたいです。最大限でスタッフやトレーナーができることをやるっていうのが、今一番やらなきゃいけないことだと思います。僕は今までリハビリ系を見て来たので、最後はケガ人なくインカレを4年間の集大成とできるようにサポートしていきたいです。

――これからインカレに向けての1カ月をどう過ごしますか

渡邉 あと1カ月しかハンドボールをこんなに真剣にやることはないので、今までにないくらい真面目に真剣に取り組むためにスマホとか封印しようかなと思います。アプリとかも消そうかな。3DSも手の届かないところに隠そうかなと思います。僕と光也の部屋はテレビはないんで。中野さんっていう人に取られたんです。中野さん返してくださーーい。

一同 (笑)。

長谷川 絶対読まないよ(笑)。同じようにハンドボールを真剣にやるのはあと1カ月なんで、もっとやっとけば良かったなっていう高校の時とかに思ったことをもう思わないようにやり切りたいなと思います。

中村統 今練習の雰囲気とかは良いので、客観的に見てこの雰囲気を全体で継続するためにはやっぱり4年生中心でやっていくべきなのかなっていう。僕自身としてはあと1カ月全力でサポートしていけたらなと思います。

――大学4年間を振り返っていかがでしたか

渡邉 大学俺4年間じゃねえから。大学5年間だからまだ終わってねえや。なんでかね。

長谷川 わかんないけど(笑)。

渡邉 まあでも大学4年間を振り返ると、高校の時まではすごくゆるい環境で過ごしてたので、大学での部活は僕からしたら厳しい環境で、今まで人生の中で一番成長できたかなっていろんな面で思います。

長谷川 部活に入らなきゃできないような経験がたくさんできたし。時々部活に入らなかったらやりたかったことって考えるけど、でも大学4年間でしか大学の部活はできないから、その点では入ってよかったと思います。いろいろきついこととか悔しいこととかも経験して、うれしいことも経験したし、いろんなことを経験できた4年間で、他の人よりもたくさんのことを経験できたんじゃないかなと思います。

中村統 最初1年間は本当に何もしてなかったんで、そこでやっぱり何かしたいなと思ってハンドボール部に入って。そこからの3年間はすごい短く感じた期間で、すごく充実してたのかなって思う部分があるんで、4年間大学の部活動でしか経験できないことがたくさんありました。自分自身はトレーナーという立場で、たぶん学生でしか経験できないことをいろいろさせてもらえて、いい3年間だったのかなって思います。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

渡邉 終わり良ければすべてよし、有終の美を飾りたいと思います。 使い方合ってるよね?

長谷川 合ってる。西山がよく言うように、優勝した経験を僕ら4年生しかしていなくて、1~3年生はしていないから、そういう経験を引き継がなければいけないなと思うんで、ワセダの伝統を背負って優勝したいなと思います。

中村統 去年は終わってからもっとやっておけばと言っていた人が多かった印象なので、ことしは絶対そういう後悔が無いように。僕ら4年生は当たり前なんですけど、下級生の子たちも後悔しないような結果を出せるようにチームとしてやれればいいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 林大貴、佐々木一款)

4年間の集大成へ、意気込みを書いていただきました!

◆長谷川大耀(はせがわ・ひろあき)(※写真右)

1995(平7)年12月12日生まれ。東京・早実高出身。政治経済学部4年。選手兼主務としてチームを支えてきた長谷川選手。秋季リーグでは主務として理事長賞を受賞しました。『W』を背負う最後の大舞台。早実高時代から7年間の『ワセダ魂』を、インカレでぶつけます!

◆渡邉志明(わたなべ・しめい)(※写真中央)

1995(平7)年8月31日生まれ。東京・両国高出身。スポーツ科学部4年。チームのムードメーカーである渡邉選手。試合前に下級生が行う一芸は「歴代で一番自分が面白い」と自信たっぷり。その明るいキャラクターは日本一を目指す早大ハンドボール部にとって必要不可欠な存在です!

◆中村統(なかむら・おさむ)(※写真左)

1994(平6)年8月29日生まれ。埼玉・熊谷高出身。スポーツ科学部4年。早大ハンドボール部を陰で支える縁の下の力持ち。選手たちをサポートするトレーナーとして、いい関係を築けているようです。インカレで『有終の美』を飾れるように、チームの力になってくれるはずです!