3年生が躍動!勢いそのままに今季3勝目

男子ハンドボール

 世間はゴールデンウィークで、各地が盛り上がりを見せているが、大学ハンドボールは熱い戦いが続いている。関東学生春季リーグ(春季リーグ)は折り返しの5試合目を迎えた。3連勝中だった明大を撃破し、勢いに乗る早大は、先日、中大を相手に今季初勝利を手にした立大と対戦。前半は粘る相手をなかなか引き離すことはできなかったが、後半は流れをつかみ、主導権を相手に渡すことなく危なげなく勝利した。

 前半開始直後、伊舎堂博武(社3=沖縄・興南)の高校時代の同僚である立大17番・下地利輝に先制点を奪われる。小畠夕輝(スポ3=岡山・総社)の勢いよく走りこんだミドルシュートですぐに1点を返すが、伊舎堂が一発退場を食らい、そのまま2失点するなど立ち上がりはあまり良くなかった。しかし、高めのディフェンスを敷いてくる相手に対し、ワセダのオフェンスはクロスプレーなどでしっかりと継続させ、4連続得点。ディフェンスもしっかり機能して、流れをつかんだと思われた。しかしながら、そううまくはいかなかった。試合開始10分後に、西山尚希主将(社4=香川中央)が「10分経ったぞ!」とチームに声を掛け、勢いに乗りたかったところだったが、早くも伊舎堂が2回目の退場をするなど4連続失点で逆転を許してしまう。それでも、ワセダも小畠や宗海皓己(スポ3=高知・土佐)、三輪颯馬(スポ3=愛知)などの3年生たちの活躍で応戦し、後半23分に逆転。2点リードで前半を終えた。

前半8得点と大暴れした小畠

 後半が始まると、ワセダの勢いが爆発した。GK羽諸大雅(スポ2=千葉・市川)がポストシュートをセーブすると、伊舎堂が7mスローを決める。その後も宗海の速攻や松本光也副将(社4=神奈川・法政二)の速攻からのポストシュートなどで得点を重ねていく。ディフェンスでは全員がよく足を動かし簡単に得点を与えず、GK羽諸もいつも以上に安定したキーピングでディフェンス陣の奮闘に応える。「前半に2回退場してチームに迷惑をかけたので、オフェンスもディフェンスも強気でいった」と、今季は周りを生かすプレーが目立っていた伊舎堂も、高めのディフェンスの間を縫って積極的にシュートを放ち、得点を量産する。完全に試合の主導権を握ったワセダは、後半18分の時点で10点差をつけた。一時相手の追い上げで点差を詰められるが、焦ることなくきっちりと西山などがゴールを決める。試合終了間際には今まで出場機会の少なかった渡邉志明(スポ4=東京・両国)や齊藤孝佳(人3=城北埼玉)らが出場。けがから復帰した高橋拓也(人3=群馬・富岡)はいきなり2分間退場となってしまったが、それでも久しぶりに公式戦出場を果たした。そのような主力でない選手たちが出場している中でもワセダの勢いは止まることなく、そのまま30-21で勝利した。

この日の伊舎堂は積極的にシュートを狙った

 この試合では、西山主将や松本副将はもちろんだが、特に3年生の活躍が目立った。総得点30点のうち22点を3年生が取り、その中でも小畠が10点、伊舎堂が6点の活躍を見せた。今季初の連勝を果たし、勢いに乗る早大。この勢いとチームの雰囲気を維持したまま、あす、強敵筑波大に挑む。

(記事 佐藤慎太郎、写真 佐々木一款、平松史帆)


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関東学生春季リーグ
早大 30 14−12
16−9
21 立大
GK 羽諸大雅(スポ2=千葉・市川)
LW 三輪颯馬(スポ3=愛知)
LB 山﨑純平(社3=岩手・不来方)
CB 西山尚希(社4=香川中央)
PV 松本光也(社4=神奈川・法政二)
RB 伊舎堂博武(社3=沖縄・興南)
RW 長谷川大耀(政経4=東京・早実)
コメント

CB西山尚希主将(社4=香川中央)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

前半、立ち上がりでいいムードで始まって接戦になってリードで終えて。普段はそのまま最後までもつれちゃう感じだったんですけど(得点を)3つ離して5つ離して最後10まで行けたというのはチームにとっていい経験だったかなと思います。

――前半、接戦だったと思いますがチーム内ではどのように考えていましたか

最初はオフェンスミスであったり、各々が合わないパスミスから逆速攻をくらって、接戦になってしまっていたので。ディフェンスは守れてたという実感は自分たちにはあって、ディフェンスはそのまま継続してリズムで速攻でいこうと話はしていました。

――後半は点差がどんどん離れていきました

僕たちのオフェンスがしっかりアタックできたというのもあったんですけどその中で起きたディフェンスミスをキーパーが救ってくれたというのもありました。

――立大はワセダがあまり得意としていない高めのディフェンスでしたがどのような対策をしてきましたか

僕たちは相手がどういった形であろうともやることは変わらないというか、狙いは体を使って攻めるとかで。3-3ディフェンスが苦手って思われてて、ことしは苦手と思うなとやることは同じだから目の前の一線ディフェンスでも3-3ディフェンスでも高いディフェンスに対してもボールをもらう前の動きが大事になってくるのでそこを意識してしっかりとクロスで絡んでいこうという話をしていたので、本人たちも苦手意識っていうのはついてなかったんじゃないかなと思います。

――連勝でしたが、チーム内の雰囲気はいかがですか

先々週の中大戦から練習の中でも各自がしっかりしなきゃいけないという自覚を持ってくれているのかなと感じていて自立という面でもいい雰囲気で出来ているという面でも両方の面でいい雰囲気で来てるんじゃないかと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

筑波大は選手そろってて選手も多いんですけど、毎回言ってるんですが相手がどうというよりか自分たちワセダがやってきたことをコートで表現して、リーグ優勝に向けて次の一戦も勝ちたいと思います。

LB小畠夕輝(スポ3=岡山・総社)

――きょうは前半8得点と調子が良かったですね

超気持ちよかったです!

――調子が良かった要因はなんですか

立大のディフェンスは研究していたので、攻めのイメージができていました。それがうまくハマったかなと思います。

――立大の高めのディフェンスはどう崩そうと考えていましたか

後ろから走り込んでフィジカルを利用してガンガンやっていこうと思っていました。

――小畠さんが活躍するとチームが勝ちますね

そうですね、チームに貢献できればいいと思います。純平(山﨑、社3=岩手・不来方)もいるので、いい意味でプレッシャー無くプレーできています。

――あしたは強敵・筑波大戦ですが意気込みや準備を教えてください

ビデオとか見て研究してるんで、絶対勝ちます!

RB伊舎堂博武(社3=沖縄・興南)

――きょうの試合振り返っていかがですか

きょうは興南高校の同期とか先輩とかがいる相手だったので、楽しみだったし、実際楽しかったから良かったかなと思います。

――試合前からそのことは意識していましたか

どうせ自分のところは厚く守ってくるんだろうなとは思っていたんですけど、最初の方に小畠とかが強く打ちにいってくれたので、自分がいきやすくなったから、最初はみんなが本当によくやってくれたなと思います。

――今までは周りを生かすようなプレーが多かったですが

勘違いかもしれないですけど、自分に厚くマークが来てる気がするし、実際やっててシュートにいかなくても2人は必ず寄ってたから、そこで無理していくよりかは周り使った方が楽だなと思っただけです。いけるところがあればいこうとは考えていたけどこれまで4試合あまりそういう場面がなかったから、きょうそういう場面が増えて自分的にも良かったかなと思います。

――きょうの後半は積極的にシュートを打っていました

前半何もしてなかったから(笑)。前半で退場をすぐに2回もらってしまって、チームに迷惑かけた感じがしたので、後半ビビってやるよりかはレッドカード覚悟していこうかなと思って、オフェンスでもディフェンスでも強気でいった結果です。

――春季リーグ、どんな気持ちで臨んでいますか

半年くらいのブランクがあって、試合も久しぶりで、慣れるのにも時間がかかっている感じがするんですけど、戻ってきたからにはしっかり自分の役割を果たして、少しでも上にいけるように、優勝目指して頑張ります。

――今季初の連勝ですが、チームの雰囲気はいかがですか

明大の連勝を抑えてから、その後の練習もみんなすごい盛り上がってたし、その前の練習も明大に勝とう、連勝を止めようという気持ちを維持して、きょうの立大戦までそれが続いてきて、チームの仕上がりは良くなってきているなぁと思います。まあ、キャプテンじゃないんですけど(笑)。上級生として僕はそう思います。でも、まだ(試合は)あるので、優勝できる可能性はまだあるから、油断せずに残りの試合も僕は楽しんでいきたいと思います。

――あしたの筑波大戦に向けて一言お願いします

筑波大は僕たちと同じように体も作っているし、きょうみたいな試合はできないと思うんですけど、大事なところでしっかりシュートを決めていくところとか、一つ一つのパスを丁寧に、かつみんなが前を狙ってみんなでハンドボールができるように意識してあした臨みたいと思います。