【連載】2016年度インカレ直前特集『Champion』第2回 春日咲紀×中村統

男子ハンドボール

 マネージャーとトレーナー。どちらも『Champion』を目指すチームにとっては必要不可欠な重要な存在だ。今回は春日咲紀副務(人3=東京・西)と中村統トレーナー(スポ3=埼玉・熊谷)にそれぞれの仕事のやりがい、チームへの思いを語って頂いた。

※この取材は10月16日に行われたものです。

マネージャー・トレーナーならではの苦労、喜び

マネージャーとして献身的にチームに尽くしている春日

――まず始めに、お二人の部内での役割を教えてください

春日 私は練習中にボトルを変えたり試合でスコアを付けたりしています。あとは、OBとの連絡や遠征の手配、会計をやっています。

中村 僕はトレーナーという立場なので基本的にメディカルの部分を担当していて、ケガ人が出たときの応急処置だったり、ケガ人が競技復帰するための段階的なリハビリのメニューを考えたりしています。あとは選手が試合に集中できるように試合中、試合後のケアをすることなどをメインにやっています。

――次に、お二人がマネージャーやトレーナーになるに至った経緯を教えてください

春日 私は高校で受験する時からハンドボール部に入ろうと決めていました。高校の時いろいろやってきてあまり楽しめるものがなかったり続かなかったりしたんですけどハンドボールだけは続いて。今後大学で何やりたいかなと思った時に「やっぱりハンドボールだな」って思いました。高校の頃はそこまで強いチームじゃなかったので、勝てるチームで設備の整ったいい所でやりたいなと思って、推薦でワセダに入ってハンドボール部のマネージャーをやろうと決めました。

中村 僕は小学校の時からサッカーをやっていたんですけど、その中で自分がケガすることが結構多くて、それで離脱してあまり部活に取り組めませんでした。なので、大学入った時にそういうケガとかリハビリには興味はあったんですけど、部活に入ってトレーナーをやろうとは1年生の時点で考えていませんでした。ただ、そういうことを勉強していくうちにトレーナーをやってみようかなというのがあって。最初は大学の『クリニック』っていう制度があってそちらの方でやらせていただいていたんですけど、やっていくうちにやっぱり自分で現場を持ちたいなと思うようになって、2年生から先輩の話とか聞きながら部活動を探し始めました。たまたま僕の先輩の知り合いが去年までコーチだった大城さん(章氏、平18人卒=沖縄・那覇西)の連絡先を知っていて、トレーナーを募集しているという話だったので連絡させていただいてチームの雰囲気とかを見て「このチームなら楽しくやれそうだな」と思ってハンドボール部に入りました。

――マネージャーやトレーナーの知識はどうやって身につけたのですか

春日 私は高校の時もマネージャーをやっていたので登録とかそういうことに関しては知識があったんですけど、大学に入ってどんどん世界が広がって人と関わる機会も増えて色々教えてもらいました。また、ワセダは引き継ぎの体制がしっかりとれていました。去年だと咲紀さん(奥住、平28教卒=東京・八王子東)が見守っててくれて自分でやらせてくれるという体制があったおかげで一人でやっていけるなというのがありました。あと私、大会の要項とか見るのすごい好きなので、端々まで見てマニアックなことまで読み込んでます(笑)。

中村 僕の場合は高校時代そういうことをやっていなかったので、大学入ってからスポーツ科学部の授業で知識の部分は得ています。ウチの部活は日曜日に外部のトレーナーの方が来られるんですけど、僕が入ってからは基本的に僕が一番上ということでやってきています。現場でやっているだけでは最初はほとんど何も分からなかったですし、学校の授業の知識だと基礎的な部分が多いので、自分で図書館に行って本を読んだり周りの知り合いのトレーナーや部活のトレーナーが同期にたくさんいるんでそういう人たちと話しながら色々試行錯誤しながらやっています!

春日 ちょっと固いですね(笑)。あらかじめ考えてきたみたい(笑)。

中村 考えてないよ!(笑)

一同 (笑)。

――では、どういったときにやりがいを感じますか

春日 やっぱり勝ったときと普段スタメンではない人が試合に出てシュートを決めた瞬間とかはすごいうれしいですね。あと、他の大学の人に「ワセダいいよね」って言われるとすごいうれしいですね!(笑)

中村 やっぱり同じようにチームが勝ったときは、やってて良かったなと思うんですけど、トレーナーとして一番いいのはケガして離脱した選手が復帰してまた元のプレーやそれ以上のプレーをして点を取ったときで、やっぱりこの仕事をしてて良かったな思いますね。特にケガ人が多いので。

春日 人(選手の数)も少ないもんね!

中村 そう!それでいいプレーができたときは本当にやってて良かったなと思いますね!

――プレーヤーだと得点したときが最も達成感を感じる場面だと思いますが、お二人が達成感を感じるのはどのようなときですか

春日 会計が締められたとき(笑)。他は、一区切り何事もなくリーグ戦が終わったときですね。やっぱりリーグやインカレが終わったときは、終わったぁっていう安心感を覚えますね。

中村 ほぼさっきと一緒なんですけど、ケガ人が練習や試合に戻ったときです。自分がリハビリのメニューをいろいろ考えて、うまくいかないときもあるんですけど、うまくいったときはすごい感じますね。自分が考えたプラン通りに選手が良くなっていって、最終的にこっちが戻れると判断して出してできたときとかは「うまくいったんだな」と思います。

――それでは、マネージャーやトレーナーをやっていて、大変だと感じることは何ですか

春日 人数が多く、さらに年頃の男の人たちがそれぞれ意見を持ってやっているので、その意見をまとめるのはすごい難しいと感じますね。キャプテンを中心にはやっていくんですけど、それぞれ思っていることがあって、こうしたいっていう思いがあるので、それをうまくまとめるのは難しいです。あと遠征に行くと、みんなすぐコンビニに入りたがるので、本当に付いてきてほしいなと思います(笑)。

中村 ハンドボールという競技自体がケガが多いスポーツで、トレーナーといっても僕とあと後輩一人、そして週1回来られる外部の方だけなので、ケガ人が多いときには全員を見切れない部分もあるので、それは大変ですね。あとさっきも少し話したんですけど、僕には(トレーナーの)先輩がいなくて僕が基本的にメニューなどを考えなきゃいけないので、やってるメニューとかも指導がなくて、これでいいのかなと思うときがありますね。そういうときはこの仕事って大変だなと思います。

――リーグ期間や試合中は、どのようなことに気を配っていましたか。

春日 春は追加登録とかがあるので、それがなんとか早く終わるようにということと、スコアを取っているので、そこにミスがなく、あとで選手が見たときにすぐ分かるようにできればなと思っています。リーグのときは…痩せます(笑)。2キロくらいは痩せますね、やっぱりリーグは大変です(笑)。リーグのときって昼ごはんもいつ食べたらいいか分からないからね(笑)。

中村 リーグ期間中、特に秋はとてもケガ人が多かったので、ケガを押してでも出なきゃいけない選手や監督の意向を考えると、そういう選手を完全に休ませるというわけにはいかない。なので、いかに復帰させられるかとか、どうやって痛みなくプレーできるか、あと試合後にいかに疲れを残さないようにケアできるかというのは、いつも考えていましたね。本当にケガが多かったので(笑)。テーピング巻き切るかどうかギリギリという状態だったので、ひたすら最初はテーピングを巻いて、練習させて、痛みがないかなどを見て、試合後(痛みが)どうだったかを選手に聞いて、またケアして、というのを1カ月続けていました。 

春日 試合終わりに氷をみんないっぱい取っていくから氷が足りないよね(笑)。

中村 いつも他の大学の氷借りてやってます(笑)。もうひたすらケガ人のケアというのと、次の試合までのリカバリーというのは気を配っていましたね。

春日 リーグは2日連続で続くことが多いので、土曜試合やって日曜にその疲れを持ち込むとなると良くないので、できるだけ疲れを取ってあげないといけないと思いますね。

――関東学生春季リーグ(春季リーグ)が4位、秋季リーグが5位という結果でしたが、もっとサポートできたのではという思いもあったのでしょうか

春日 春季リーグの国士大戦で、相手の選手の退場が終わってコートに戻るタイミングで声を掛けられなくて、ボールカットされてしまったことがあって。しかもこれが春季リーグの初戦だったので、それ以降は退場選手があと何秒で戻るかという声掛けをするようになりました。今まではそういうことを言うと選手が気にしてしまうかなと思って試合中しゃべらないようにしていたんですけど、初戦にそういうことがあって、しかも1点差で負けてしまったので、それを機にもっと大声で伝えよう、という気になりました。

中村 自分に知識とかがあまりないのでそういう面はかなり多いんですよね。特にあるのは、さっきも話したようにケガ人がリーグ中にたくさん出ちゃって。春とかは色々メニューとかを考えてやっていたんですけど、うまくいっている部分があるのかがよく分からなくて。実際リーグになるとケガ人が増えてしまったりして。もっとシーズン通してこっちから働きかけて防げなかったかなという思いはあります。あとはさっきリカバリーという話をしたんですけど、僕らは基本トレーナーとしての人数が少ないので、全員を見切れずに試合に出ている選手だけを見るということもありました。他大とかだと栄養面とかも考えて、飲み物や補食を用意していて。去年のインカレの時とかはうちもやっていたんですけど、リーグ戦ではできなかったので、それでもっと試合中の息切れとかを防げたかなというのは感じますね。

――チームが苦しい状況にあるときに心がけていたことを教えてください

春日 「ケガしないでね」ということと、「相手ミスして」っていうことを心の中で願ってました(笑)。本当に見守ることしかできないので、ただ祈ってるだけでした。あと、私が1年生の時はほぼ勝ちしかしなかったので、負けたときの落差というのがすごくて話しかけられないくらいだったんですけど、「このチームは負けるかもしれない」という気持ちがどこかにあるので、勝ちしかしなかった昔よりは声掛けしやすくなりましたね。それでもやはり負けたあとは喋りづらくはなるんですけど、そこで私たちが喋りかけてどうこうなる人たちではないので(笑)。いつも通りにやるだけです。

中村 試合負けた後とかは、正直何を話したらいいかってのはよく分からないので、変に励ましたりとかはしないようにしています。選手も結構気持ちを切り替えていることが多いので、僕としては試合の結果とかはあまり話さないようにはします。いつも通り痛みがあるかとかその程度しか聞かないようにというのは心がけています。

春日 試合が終わった瞬間から、それ以上に気持ちが下がらないので前よりは回復が早くなったのは良かったと思います。

――負けたこともプラスに考えようとする雰囲気もあるのでしょうか

春日 雰囲気かどうかはわからないけど、4年生はみんなくよくよしないタイプではあるかもしれませんね。落ち込まないというか。もしかしたら心の中で落ち込んでるのかもしれないけど(笑)。あまりそれを表には出さないで普段通り接してくれますね。

――選手に対してもっと頼ってほしいなどの要望はありますか

春日 なんかある?(笑)

中村 え、そうですね。僕も学生という立場なので上から言えないというか、選手が自分からやってくれるというのがベストなんですけどね。たまに言うこと聞かないときもあるので、絶対とは言わないけど、もう少し話を聞いてくれたらな、と思います(笑)。でもやってるのは選手たちなので、僕たちじゃわからないこともありますよね。ただプレーできないようなケガをしているときは休むことも大切だというのを頭に入れておいて欲しいですね。それは選手と話しながらやりたいと思います。

春日 まあ、お酒はほどほどにしてほしいです(笑)。でもその反面思うのが、上級生と下級生が打ち上げ以外で一緒にご飯行く機会が去年より少ないかなというのがありますね。ことしは1年生が実家生が多いというのもあるので。もっと私を含めて上級生が1、2年生を誘ってあげたいですね。いいこと言った~(笑)。

中村 たしかに(笑)。

早大ハンドボール部の魅力

トレーナーとして選手の体を誰よりも気遣っている中村

――お二人から見て、ハンドボールという競技の魅力はどこにあると思いますか

春日 かっこいいことですね。あと(客席から)近いということですかね。サッカーとかだとコートが広くて見る場所も遠くなるけど、ハンドボールは近いし、点数もいっぱい入ってアドレナリンもいっぱい出ます(笑)。やっぱりそこじゃないですかね。

――春日さんは海外のプロの試合も見ているそうですね

春日 はい!(笑)あと、バスケとかと比べると、颯馬(三輪、スポ2=愛知)みたいに背が低い人とか、それぞれの人に合ったポジションがあるというのは面白いかなと思います。合ってはいないかもしれないけど(笑)。でもそういう人でも活躍できる場所があるっていうのはすごいと思います。

中村 僕自身、高校までずっとサッカーをやってきていたので、大学に入って初めてちゃんとしたハンドボールというのを見て、最初はもう、危ないスポーツだなと思いました(笑)。全くイメージと違いました。サッカーをやってきていたので、テニスや卓球みたいにどんどん点数が入るスポーツってあんまり好きじゃなかったんですよね。サッカーみたいに1点の重さというのをすごい大事にしていたので。簡単にポンポン点数が入るのはあまり好きではなかったんですけど、ハンドボールをずっと見ていて、他のスポーツとはなんか違いましたね。攻守の切り替えが早いじゃないですか。全員が攻撃して全員で守備して。サッカーの場合は攻撃に専念する人と守備に専念する人と分かれていたので、展開が早いというのは見ていてすごい楽しいですね。あと、最後の1秒まで試合が分からないというか、同点だったのに一発で点入っちゃったりとか、逆に勝っててラスト10秒とかでもラストワンプレーで同点というのも見ててあったので、競ってる試合が多いなと思いました。そういうのを見てて、ハラハラするというか、そういう面でハンドボールはすごくいいし、見てて楽しい競技だなと思いますね。

――今の早大ハンド部の自慢を教えてください

春日 一番は人がいいことですね。やっぱ他大のマネージャーとも話をするんですけど、「ワセダだったらやってもいいよ」とか、「ワセダの人っていい人だよね」と言われます。試合中だと西山(尚希、社3=香川中央)とかは結構怒ってるシーンも多いんですけど、やっぱ西山は人ができてるなと(笑)。本当に悪い人がいないです。あとは、設備が整っていることですかね。

中村 ほぼ一緒なんですけど、僕がここに入った理由が人の良さとかチームの明るさとかが第一だったので、昨年の4年生からことしのチームに変わっても雰囲気は変わらずに誰とでも接しやすいし、他の人が外部から来ても話してくれますしね。その空気とか明るさとかが、いい意味で子どもっぽいというか。

春日 それ褒めてるの?(笑)

中村 子どもっぽいというか、オープンというか(笑)。それはこのチームのいい面かなと思います。誰とでも接してくれるし。

春日 いい面なんですけど、(中村は)入部当時誰も話しかけてくれなかった(笑)。一人で隅の方でずっと見てた(笑)。

中村 あれはちょっときつかった(笑)。今はいい距離感なんですけどね。

春日 今は打ち解けてるんですけど、最初は本当にもう体育館の端っこで一人でいて、私はいつも体育館の真ん中にいるので、誰か話しかけてあげろよって思ってました。(中村も)ちょっと壁作ってたりして(笑)。最初バスケ部と迷っていたらしくて、なんか大丈夫かな、バスケ部の方がよかったのかな、って思ってました。

中村 元々人見知りなので、そういった部分はちょっとありましたね。(当時の)4年生はすごい喋ってくれたけど。同期がちょっと、あ、これ喋れないかもって(笑)。

――最初にちゃんと話しかけてくれたのは誰か覚えていますか

中村 入ったときは、僕と同じ授業を取っていた人がいて、その人からハンドボール部の話を聞いてから入ったのでその人ですね。今はいないんですけど。あとちょうどその時期がリーグ期間で、みんな相手の分析とかモチベーションビデオとかを作っていて忙しそうであまり話しかけられませんでしたね。コアな話とかもしていたので全く付いていけなくて、入っちゃいけない話だろうなと思ってました。

春日 あ、自慢、モチベーションビデオです!(笑)

中村 それ今かよ(笑)。

春日 ごめんね、思いついちゃったから(笑)。

中村 最初に話しかけてくれたのは昨年の4年生のキャプテンの翔さん(太田、平28スポ卒=北海道・札幌月寒)でしたね。見学に来たときから入ってくれって言われてました。同期だったら、光也(松本、社3=神奈川・法政二)ですかね。試合の帰りの電車とかで。マネージャーとかは喋ってたけど、喋れなかった人たちで最初に話したのは光也だったかなと思います。

――今のお話にもありましたが、選手との関係性についてはどう考えていますか

春日 交ざりつつも分離しつつみたいな感じですかね(笑)。

中村 僕は結構後輩とかに付き合ってる部分もあるので、ちょっと距離感は近いかな、というか近すぎるのかなというのはありますね。あまりトレーナーだからといって分かれてる感じではないですね。

春日 仕事としてマネージャー、トレーナーっていうのは分かれてるけど、距離感として離れているかと言われるとそんなに、って感じですかね。

記者 距離感が近いに越したことはないですよね。

春日・中村 そうですね(笑)。まぁ、難しいです。

――それでは次に、お二人のお互いのイメージを教えてください

春日 授業もしっかり出てGPAもめちゃめちゃ高くてすごい真面目と思いきや、、、抜けてるんで(笑)。そこがやっぱりイジられる原因にもなっていて、ちょっとそういう点があるから親しみやすいというか、お茶目ですね(笑)。これ言うと怒るんですけど(笑)。

中村 自分ではそんな抜けてる感じしないんだけどなぁ(笑)。

一同 (笑)。

中村 春日はハンドボール関係者にめちゃくちゃ顔が広いなと思います。お偉いさんと話しているのも度々見るので。

春日 まあ、偉い人がワセダ出身のことが多いだけなんですけどね(笑)。

中村 相手の懐に入っていくのがすごいうまいんだと思います。僕とかそういのはあんまりできないんで(笑)。世渡り上手だなというイメージはありますね。

春日 やっぱり章さんがいなくなってワセダを知ってもらうには私がいくしかないんで(笑)。彼とかが消極的なんで、私が挨拶回りをしています(笑)!

――部員全員にとって春日さんはどういった存在なのでしょうか

春日 目の上のたんこぶかな(笑)。

一同 (笑)。

中村 見えない部分の裏方の仕事を僕らが知らないうちにやってくれてるという、陰ながら支えているイメージですね。

春日 たぶん、私がやってることの半分くらいしかみんな知らないと思います(笑)。

中村 そうですね(笑)。知らないけど部活のことを思ってすごいやってくれてるんだろうなっていう感じです(笑)。

――部活では忙しいとのことですが、オフはどういった過ごし方をしていますか

春日 私は実家住みで東伏見に住んでいるわけじゃないんで、部活の人と遊ぶことはそこまでないですね。一日暇だったら何もしないで寝ています(笑)。あと、映画はすごい好きなので観に行くこともありますけど、基本はダラダラしてます(笑)。みんなとご飯に行くのは部活終わりの方が多いですかね。

中村 基本部員は東伏見周辺に住んでるんですけど、僕は小手指の方に住んでいてちょっと遠いんで休日にハンド部の人に会うことはないですね。サッカーが好きなので試合を観に行ったり、フットサルに参加して自分自身、体を動かしたりとかしています。そうやって少し部活から離れてっていう日と、図書館とかに行ってトレーナーの勉強をしたりっていう日がありますね。

――それぞれ後輩(MG佐藤綾花、商1=東京・早実、TR綱川彩友美、文構2=東京・明学東村山)が入部しましたがいかがですか

春日 仲良くてご飯に行ったりとかしていますね。入ってくれてとてもうれしかったですし、彼女(佐藤)はずっとバスケをやっていた人なのでハンドボールに染めようと頑張っています(笑)。

中村 僕の場合は後輩って言っても、彼女(綱川)の方が入部したのが1週間ほど早いので変な感じはありますね(笑)。彼女はスポーツ経験者でもスポーツ科学部でもないので、難しい部分もあると思うんですけど頑張ってるなと思います。僕がらいねん引退したら一番上に立つことになるので最近はアップのメニューを考えてもらったり色々やらせています。

選手のために、そして応援してくれる人たちのために

部員たちの天真爛漫な明るさも早大の魅力です

――インカレに向けて心がけていることはありますか

春日 秋季リーグが終わってからもそこまでインカレ!という雰囲気はなかったんですけど、きのう組み合わせが出てやっぱり対戦相手が頭によぎるようになったと思います。私はまだ遠征の取り決めなどが忙しいのでそれを早く終わらせて選手をしっかり見れるようにしたいです。特に4年生は最後なので目に焼き付けておきたいなと思います。

中村 リーグが終わって徐々にケガ人が戻ってきたので僕もテーピングを巻く量を減らしながらやっています。あと1か月、ただただケガ人が出ないようにというのを考えながらやっています。大会は5日間しかなくて今大きいケガをしちゃうと間に合わないですし、特に4年生にとっては最後の大会なのでとにかくケガが出ないようにしています。

春日 リーグと違って決勝まで勝ち進むと5連戦になるので、それをイメージしてやっていかないとなって思います。ワセダは人数も少ないですし、代えも利かないので。

――今の4年生に対してはどういった思い入れがありますか

中村 4年生はみんな個性的で明るいですね。静かそうな大悟さん(戸部、教4=大阪・桃山学院)でさえ、強烈なキャラをしているので(笑)。5人とも親しみやすくてよく話しかけてくれますね。やっぱり最後のインカレなので全員が納得できるいいかたちで終わってほしいですね。

春日 岳さん(岩本主将、スポ4=東京・早実)っていうキャプテンだからこそなのかもしれないんですけど、一人一人に役割があるなというイメージです。うまく分担しているなと思います。

――岩本主将はどんなキャプテンですか

中村 僕は2年生から入ったので他のキャプテンは翔さんしか知らないんですけど、結構翔さんに似てるなと思います。プレーで引っ張るというよりは声を出して雰囲気をつくってチームを引っ張るという感じで。めちゃくちゃしゃべりますし。でも僕らの前ではそういった感じですけど、裏では章さんに電話してアドバイスをもらったりしていたり、チームをまとめるために努力してすごい考えているので、チームのためにとても尽くしてくれるキャプテンです。

春日 表向きにはそういう努力を出さないのでみんな知らないと思うんですけど裏ではしっかりやってくれていますね。

――特に印象に残っている出来事はありますか

中村 去年のチームのときにインカレではメンバーに入っていなくて分析を担当していたんですけど、ずっと寝ずに対戦相手のデータをまとめてくれていたんですよね。最後の決勝戦の前もみんなの前で必死に分析結果を話していて、チームのことをすごい思ってくれているんだなとその時感じました。(キャプテンになって)普段話している言葉からも僕たちのことを考えてくれているのが伝わってきて、言葉の内容というより雰囲気からそういったことが伝わってきます。だから岳さんはそういう人なんだなというイメージです。

春日 あと岳さんはたぶんワセダのハンド部のことがすごい好きですね(笑)。

――大城コーチが退任されてスタッフ陣が変わりました

中村 ことしから入った三津コーチ(英士、平8人卒=福岡・久留米工大付)はすごい人柄のいいとにかく優しい人で、練習でも走るトレーニングを一緒にやってくれたりして、すごく選手に近づこうとしてくれているのでありがたいですね。荒木監督(進氏、平5人卒=熊本商)は忙しいのであまり練習に来られないんですけど、大城コーチがいなくなった影響もあるのか、去年よりも自分が!という感じがあります。すごく選手に話しかけてくれるし、試合中の指示も増えてきたので、ワセダのハンド部を勝たせるために考えながらやってくれているんだなということをことしは特に感じますね。

春日 去年の全日本選手権のときにスタッフが進さんしか来れなくて、進さんも年末の忙しい時期だったので全部来れるかは分からないという感じだったんですけど、私たちがすごい勝ち進んで大丈夫かなと思っていたら、「(実業団相手に)こんなに勝ったんだから俺は絶対残る」って言って喜んでくれたのでうれしかったですね。

――インカレで注目のポイントを教えてください

中村 悠太郎さん(川島副将、スポ4=福井商)と西山ですね。二人ともプレー面ですごくチームを支えているんですけど、西山は去年膝で大きいケガをしていて、悠太郎さんもことしの春リーグは肩の脱臼で試合出られなくて、復帰してワセダを引っ張っているっていう二人なのでそのプレーを見て欲しいですね。

春日 ワセダってリーグ中は応援をしないんですけどインカレでは応援するので、出られないけど頑張って応援してくれるみんなの姿とか、お母さんたちやいつもお世話になっている人たちの姿を見て欲しいです。私はそういう光景を見て私たちはいい人たちに恵まれたなっていうのをいつも思います。あんなに一生懸命応援してくれるのはうれしいですし、やっぱり自分たちが何かを返さなきゃいけないなということを思いますね、インカレは特に。

――最後に、お二人の今後の目標を教えてください!

春日 やっぱり支えてくれたり応援してくれたりしてくれる人たちがいるからやっていけるんですよね。ツイッターでも何も知らない人がワセダを応援してくれて、私たちのプレーしか見ていないのに応援してくれるっていう人が増えるというのは本当にうれしいことで感謝すべきことだと思います。応援してくれる人がもっと増えるようなプレーを選手たちができるように、私も雰囲気をつくって、その結果、応援してくれる人たちを喜ばせることができたら私は一番うれしいかなと思います。

中村 やっぱりトレーナーなのでケガ人を出さないような働きかけをすることです。チームが勝つことが第一なのでインカレとかで優勝できるように、プレーに集中できるように、僕らが周りからサポートできるような体制をつくっていくことが目標ですね。まだ自分の頭の中にあっても実践できていないことが多いので、そういうことを選手たちに話を聞きながらプレーだけに集中できるように僕が働きかけていきたいです。その結果としてチームがインカレで優勝したり、大事な試合で勝って、「僕らもちゃんと貢献したんだな」っていうふうに思えるような仕事をすることが4年間の目標ですかね。

――ありがとうございました!

(取材・編集 佐藤慎太郎、田中一光)

チームへの愛情が伝わりました!

◆春日咲紀(かすが・さき)(※写真左)

1995年(平7)4月14日生まれ。東京・西高出身。人間科学部3年。三度の飯よりハンドボールが好きな春日さん。早スポにも積極的に話しかけてくださいます。早大ハンドボール部の魅力を広めるためにツイッターやブログを使って様々な試みをしていらっしゃいます!ぜひご一読ください!

◆中村統(なかむら・おさむ)(※写真右)

1994年(平6)8月29日生まれ。埼玉・熊谷高出身。スポーツ科学部3年。浪人して一般受験で早大に入学した苦労人。選手たちよりも早く体育館に来てケアをする準備に努めるなど献身的にチームを支えています。まじめかつお茶目な性格で、下級生からも慕われているそうです!