一進一退の攻防も、春の王者相手に接戦を落とす

男子ハンドボール

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)も残り3試合、勝てば優勝の可能性が高まる一戦、先週のいい流れをそのまま続けたい早大であったが、春の王者明大に27-28で惜敗した。「今シーズンの中で、一番勢いがあって、ワセダらしいゲームができた」(西山尚希、社3=香川中央)と語るほど内容としてもいい試合だっただけに、手痛い敗戦となった。

 先制したのは早大だった。小畠夕輝(スポ2=岡山・総社)のカットインで幸先良く先制した早大であったが、すぐさま明大も取り返す。その後も三輪颯馬(スポ2=愛知)やエース川島悠太郎副将(スポ4=福井商)などのシュートで得点するも、明大もしっかり得点を取っていき、前半15分まで9-9と一進一退のシーソーゲームとなった。ここから早大はミスなどでしばらく得点のない時間が続く。流れを渡すまいとGK永田奈音(スポ2=宮崎・小林秀峰)も素晴らしいキーピングを見せるが、前半20分に4点差に離されたところですかさずタイムアウトをとる。ここから再び早大は流れを取り戻し、西山、川島のシュートなどで同点に追い付き、明大もここでタイムアウトを取る。その直後に川島が退場して悪い流れが来るかと思われたが、西山や松本光也(社3=神奈川・法政二)による3連続得点で逆転に成功し、そのまま流れを引き寄せて前半を18-16で終えた。

きょうも多彩なシュートでチームを盛り上げた川島

 流れを引き寄せた早大が後半突き放すかと思われたが、明大もエース吉野を中心に着実に得点を重ね、後半7分に20-20と再び同点に追い付かれる。早大がここから2点を奪うも、明大に7mスローを決められ、流れが明大に傾くかと思われた時、萩原侑(文4=東京・早実)が相手に絡まれながらも気迫あふれるプレーで速攻を決め、さらに相手を1人退場させて相手の勢いを止めた。また明大がオフェンスのためにキーパーがプレーヤーと交代していた時に三輪がパスカット、そのままハーフライン付近から無人のゴールにシュートが突き刺さった。それから両校とも得点を取り合い、後半24分の時点で26-26の同点、会場も大きな盛り上がりを見せていた。そこで明大がタイムアウトを取り、一区切りした相手に2連取されてしまう。「ディスタンスシュートに頼ってしまい、それを止められて相手に持っていかれた」と川島が語るように、ラスト5分の攻め方が両校の明暗を分けた。1点差に迫ったところで早大がタイムアウトを取るも得点できず。そのまま27-28で悔しい敗戦となった。

選手たちは最後まで全力を尽くした

 「アップの雰囲気も良く、秋季リーグの中で一番いい感じで入れた試合だったが、勝ち切れなかったのが大きな課題」と川島が語るように、内容も雰囲気もいい中で接戦を落とすというのは今後の大きな課題だ。しかし、堅守速攻という早大の持ち味はしっかり出せていたし、プラスの内容も多くあった試合でもあった。あしたは春の準優勝校・国士舘大との対戦であるが、きょうの敗戦をしっかり切り替えて、勝ち切ってほしい。

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(記事 佐藤慎太郎、写真 佐々木一款)

関東学生秋季リーグ
早大 27 18−16
9−12

28 明大
GK 永田奈音(スポ2=宮崎・小林秀峰)
LW 三輪颯馬(スポ2=愛知)
LB 西山尚希(社3=香川中央)
CB 川島悠太郎(スポ4=福井商)
PB 松本光也(社3=神奈川・法政二)
RB 小畠夕輝(スポ2=岡山・総社)
RW 齊藤凌(スポ4=岩手・不来方)
コメント

CB川島悠太郎副将(スポ4=福井商)

――試合を振り返っての感想をお願いします

きょうは明治で練習試合とかでどんな相手かも分かってたんでアップの雰囲気とかも悪くなくて秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)の中では一番いい感じで入れたんですけど、最後勝ち切れなかったのが大きな課題ですね

――川島選手はディフェンスで途中ポジションを変えていましたがどんな意図がありましたか

相手の2番の選手が強くディスタンスシュートもフェイントも来るので(前に)出るっていうのは練習からやっていて、色々動いて相手の反応を見ようかなと思っていたんですけど、試合を通して結構多くやられてしまいました。僕も後半足が止まってしまって結構抜かれてしまったので反省するところかなと思います。

――11得点を挙げた自身のオフェンスを振り返っていかがですか

結構ディスタンスシュートが多くて、それが入ったから良かったんですけど周りが入ってこなくなったら苦しいと思うので、もっと周りを生かすプレーとかカットインを増やせたら攻撃の幅が広がると思います。

――前半途中に3点差付けられたところでタイムアウトを取りその後盛り返しましたが、どういった話し合いをしていましたか

特に話をしたということはないんですけど、3点差で持っていかれそうになっていたのであそこは切り替えの部分が大きくて、もう一回気持ちを入れ直すぞという話をしました。

――ラスト5分の時点で同点でしたが、そこからどういったプレーがあれば勝ち切れたのでしょうか

ラスト5分は西山(尚希、社3=香川中央)も小畠(夕輝、スポ2=岡山・総社)も僕もなんですけどディスタンスシュートに頼ってしまっていて、それを結構止められて相手に持ってかれてしまいました。相手は2番を中心にずらしなど確率の高いプレーを選んで攻めてこられたので、そこの差が最後の差になってしまったんじゃないかなと思います。

――残り2試合、国士舘大・日大との試合を控えています。意気込みをお願いします

とりあえず明日は国士で国士も強いチームなんで、ポストもそうですし上も選手がそろっているので、きょう負けてしまったのはもう切り替えていい雰囲気でやれたらいいなと思っています。

LB西山尚希(社3=香川中央)

――きょうの試合を終えて率直な感想をお願いします

率直な感想を言うと悔しいですね。みんな言ってたんですけど、今シーズンの中でも一番勢いがあったっていうか、ワセダらしいゲームができたと言ったら、このゲームかなと思うんですけど、勝ち切れなかったのは悔しいですね。

――前半逆転して終えた後のハーフタイムはどのようなことを話しましたか

リードした流れのいい状態で前半終われたんでそのリードを保ったまま後半差を離していこうという話でした。

――前半を振り返って個人的にはどうでしたか

自分自身シュート入っていて、前半は自分の中でもいいシュートがあったので良かったと思います。

――試合後半を振り返ってどうでしたか

後半利き手に強く行って、相手にプレスされた時に思い切りシュート打ったんですけどキーパーに止められちゃって、シュートまで行ったんですけど決め切れなかったので、そこを改善していかなければいけないと思いますね。

――試合最後1点差でタイムアウトを取りましたが、その時はどういうお話をしましたか

はじめのきっかけを決めて、その後は自分たちはフリーオフェンスを基本としているので、最初きっかけだけ決めてその後はいつも通り前を狙っていこうと話しました。

――「10分経ったぞ」ということをよくおっしゃっていますが、どのような意図があるのですか

試合の最初の10分間で相手の特徴を見極めたり、相手のどういう選手がどういうプレーをしてきてどういうディフェンスをしてくるのかを感じ取ったりして、その後の前半20分でこっちがどう組み立てていくかということを見極めようとなっているので、10分経ったと言うのは10分経ったから相手がこういうディフェンス・オフェンスしてくるからというのをみんなで意思統一して、こっから勝負かけようという感じですね。

――最後に、あしたもまた春準優勝の国士舘大との試合ですが、意気込みをお願いします

春も国士に僅差で負けたんで、きょうも明治に僅差で負けて、勝とうと思ってたけど勝ち切れなかったんで、あしたこそは勝ち切ろうと思います。

GK永田奈音(スポ2=宮崎・小林秀峰)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

ワセダは、ディフェンスで守って試合をつくるというゲーム展開をしたいのにも関わらず、きょうは前半で16失点というのは点を取られすぎだと思いますし、僕自身、シュートが(体に)当たっているのに止められないというのが何本もあったので、そこで正直波に乗れなかったと思います。

――ただ、流れが悪かった時の永田選手のプレーはとても良かったように思いますが、その点はいかがですか

速攻を止めることができたのはとても大きかったと思いますが、ディフェンスの流れをつくるのは、セットディフェンスでみんなが守ったところをきっちり止めることなので、その部分を修正するべきだったと反省しています。

――きょうの試合は優勝へとつながる一戦、また相手が春の優勝校である明大ということで、特別な意識はありましたか。

春の優勝校ということよりかは、明大はよく練習試合をし、またよく知っている相手だったので、勝手に相手との(プレーの)読み合いをしてしまったのは間違いだったと思います。もっとディフェンスと合わせて、(シュートを)止めることができればいい流れがつくれたのではないかと思います。

――明大のエース吉野選手に対して特別な対策はしていましたか

高い位置で(シュートを)打たせようという話はしていましたが、その高い位置からのロングシュートを前半やられてしまったので、前半の途中からディフェンスシステムを変更して打たせないようにしましたが、その対策が遅かったと思います。

――残り2試合への意気込みをお願いします

まだインカレのシードを取りに行かなければならないので、残り2試合しっかり勝って、インカレにつながるいい試合をしたいと思います。