鬼のディフェンス!東海大封じ3連勝!!

男子ハンドボール

 ゴールデンウィークもハンドボールがアツい。関東学生春季リーグ(春季リーグ)4日目は、昨年の春を制した東海大を相手に迎えたが、きょうは終始早大ペースで試合が進んだ。攻めては西山尚希(社3=香川中央)、伊舎堂博武(社2=沖縄・興南)、山﨑純平(社2=岩手・不来方)のフロータートリオが絶好調。なんと3人で計20得点を叩き出した。守っては鉄壁のセットディフェンスがきょうも機能し、東海大に攻め入る隙を与えない。最後まで気を緩めることなく今季最少失点に抑え、28-21と理想的なスコアで60分の熱戦を終えた。

喜びを爆発させる三輪

 連勝の勢いはきょうも止まらない。西山のシュートで幸先よく先制すると、三輪颯馬(スポ2=愛知)が速攻で続く。伊舎堂のカットイン、山﨑のミドルシュートも効果的に決まり、最初の15分を終えた時点で10-5と5点のリードを手にすることに成功した。「オフェンスで攻め切れない時間があることは今季通じての課題」と岩本岳主将(スポ4=東京・早実)は語ったが、攻撃のバリエーションは増え、その精度は徐々に上がってきている。そう感じさせたのは18分のワンプレー。左サイドの三輪がポストインして相手ディフェンスを引き付けると、西山が一瞬のマークミスを見逃さず見事アウト割りを決めた。ディスタントシュートなどの個人技と、こうしたチームオフェンスが組み合わさることで早大の攻撃は間違いなく破壊力を増した。その後はお互いに点を取り合い、16-11で前半を終えた。

スナップの利いたシュートが光る小畠

 後半も流れは渡さない。開始直後に岩本主将が2本連続で体を張ったディフェンスを見せチームを盛り上げる。西山が退場し1人少ない場面では、齊藤凌副将(スポ4=岩手・不来方)が豪快なロングシュートを決め、相手の追随を許さない。12分には交代で入った小畠夕輝(スポ2=岡山・総社)が目の覚めるようなステップシュートでベンチを沸かせるなど、全員がそれぞれ自分の役割を果たしてみせた。そして、なんといってもきょうの最大の勝因は早大自慢のセットディフェンスだ。速いパス回しとポストを絡めたプレーを得意とする東海大に対し、「最初から気を張ってディフェンスできていた」(伊舎堂)。パス回しには全員が足を動かし対応。ポストはしっかりマークし、苦し紛れに放たれたロングシュートはGK永田奈音(スポ2=宮崎・小林秀峰)が落ち着いてセーブ。相手は大いに攻めあぐんだ。その証拠に、審判が東海大にパッシブプレー(攻撃に時間を要しすぎることによる反則)を予告する場面が今試合は特に目立った。失点を25点以下に抑えるというのは選手たちが常々口にする目標だが、きょうはそれを見事に達成し勝ち星を手に入れた。

きょうも8得点と活躍を続ける山﨑

 きょうの勝利で3連勝とまさに破竹の勢いで勝ち続ける早大。次はいよいよ筑波大と対戦する。各年代の日本代表が名を連ねる最強集団であり、現在3勝1敗で早大と同率の3位につけている。「今季一番厳しい戦いになる」と松本光也(社3=神奈川・法政二)が語ったように手ごわい相手だが、優勝するためには筑波大を倒すことは絶対条件だ。また、来週は筑波大戦を含めて3試合が組まれており、早大にとってはまさに正念場。GW残り3試合も勝利を収め、黄金の連勝街道を突っ走っていきたい。

(記事 田中一光、写真 篠原希沙、本田理奈、三佐川唯)

関東学生春季リーグ
早大 28 16−11
12−10

21 東海大
GK 永田奈音(スポ2=宮崎・小林秀峰)
LW 三輪颯馬(スポ2=愛知)
LB 山﨑純平(社2=岩手・不来方)
CB 西山尚希(社3=香川中央)
PB 松本光也(社3=神奈川・法政二)
RB 伊舎堂博武(社2=沖縄・興南)
RW 齊藤凌(スポ4=岩手・不来方)
コメント

LW岩本岳主将(スポ4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って

もうちょっと離せるかな、というチャンスは何度かあったのですが、最後までよくディフェンスも粘って3連勝できたのはうれしかったです。

――チーム全体として、評価できる試合だったということでしょうか

オフェンスが攻め切れていないというのはどの試合でも課題として挙げることができて、それがきょうもあったんですけど、21点しか取られてないというのはとても評価できると思います。

――岩本選手ご自身でも、後半では何度かディフェンスが光る場面が見られました

よかったです(笑)。チームとしても段々良くなってきました。

――3連勝という結果については主将としていかがですか

1敗はしちゃったんですけど、まだ優勝が見える位置だと思うのでこれからまた、練習を積み重ねていけたらなと思います。

――次戦、筑波大戦への意気込みをお願いします

コマが揃っていて強いチームなのですが、自分たちのハンドボールをして勝ちたいと思います。

LB山﨑純平(社2=岩手・不来方)

――きょうの試合の感想をお願いします

勝ててまずよかったということと、個人的にはディフェンスがもうちょっとできたかなと思います。

――ディフェンスというのは東海大のRBの選手への対応ですか

そうですね、アウト割りのフェイントが対応できてなかったのでそこをもうちょっと筑波戦に向けて修正したいです。

――その点に関してはハーフタイムにどういった指示がありましたか

右利きの逆45だったので高くインに抜かせていこうという話があって、そういう意気込みで後半に臨みました。

――きょうは8得点を決めましたがその時の心境をお願いします

周りが上手くフリーの場面を作ってくれたので、なんとか決めるという感じでしたね!

――去年は膝のけがで出場できず今季から試合に出場する場面が増えましたが、春季リーグを4試合終えて変わった部分はありますか

やっぱり出れない選手がいるのでそういう部分で責任を持ちながら試合に臨んでいます。

――きょうは全体的に有利に試合を進められたのではないでしょうか

前半5、6点離したあたりでちょっともたついちゃって。チームディフェンスで21点に抑えられたことはすごいよかったんですけど、離せるところはもう少しあったかなという感じです。最初のうちに10点差くらいつけれていたらもっと楽に試合を展開できたかなという感じです

――きょうで3連勝ですがチームの雰囲気はいかがでしょうか

いいですね、だいぶ。乗ってきています。次が筑波なのでそこですね、問題は。そしてそこで気を緩めず駿河台大戦までつなげるという。ゴールデンウィークは試合が続くので連勝したいですね。

RB伊舎堂博武(社2=沖縄・興南)

――まずきょうの試合を振り返ってみていかがですか

試合に臨む前から勝つという自信はあったんですが、今は特に何も思わないです。無心です。

――要所要所でチームの悪い流れを断ち切る得点を挙げていましたが、それに関してはいかがですか

流れも悪くて、雰囲気も悪かった時にみんな自分たちのことに精一杯で、周りが見えていなかったんですけど、すぐに変わったとは言えませんが、自分がそこでしっかり雰囲気を変えられるワンプレーをできたのは良かったと思うし、まだ下級生ですけど、チームを引っ張っていく責任はあるんじゃないかなと思っているので、そういうプレーをしていきたいと思います。

――東海大に対してはどのような対策を立てていましたか

相手がポストプレーの多いチームだと思っていたので、そこは練習でもかなり意識していましたし、ディスタンスに強い選手はいなかったんですけど、横のパス回しが速いチームなので、それに翻弄(ほんろう)されないように最初から気を張ってディフェンスできていたと思います。

――3点、4点差で試合が展開していくという緊迫した試合となりましたが、このような試合展開になることは予想していましたか

僕はもっと離せると思っていたんですけど、決めれるところでまだ決められないのがワセダの弱いところだと思っていますし、そこを決めていけばもっと楽に試合を進めていたんじゃないかと思ってます。差を離すことができればベンチに控えている選手も試合に出れて、それがチームの底上げにつながると思うので、決めるべきところで決めるというのをもっと意識して練習していきたいと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

自分たちのプレーをしっかりとして、また4連勝できたらいいかなと。しっかり点差も開かせて、ベンチのメンバーも出て経験を積めるようにして、インカレに向けていいチーム作りをしていきたいです。

LB小畠夕輝(スポ2=岡山・総社)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

7点差で勝ったので、そこそこ良かったと思います。

――オフェンスを具体的に振り返ってどうでしたか

チームとしては走り込んでのクロスプレーが結構効いていたので良かったです。

――ディフェンスはどうでしたか

ディフェンスも足が動いていて良かったかなと思います。

――ミドルシュートが決まっていましたが、ご自身で振り返っていかがですか

あのミドルシュートは個人的には満足していなくて、振り切れていなかったので、もう少しいいシュートが打てたかなと思います。

――これで3連勝ですが、チームの雰囲気はどうですか

すごくいい感じなので、筑波大戦も勝てるように頑張ります。

――三輪選手(颯馬、スポ2=愛知)が負傷退場した後、思うところはありましたか

颯馬はいい選手なのでちょっと痛いかなと思います。僕のパスからなので少し罪悪感があって、パスが悪かったかなと。

――次戦への意気込みをお願いします

次も出たら点を取ります。

PB松本光也(社3=神奈川・法政二)

――昨年の春季リーグ優勝校ということですが、事前にチームで話し合ったことは

昨年の優勝チームということはあまり考えず、ことしはことしのチームと捉えて、早いパス回しや相手のディフェンスを高い3―3DFで敷いてくると思っていたので、それに対する対策はしていました。今は平日に来てくれるコーチがいないので、自分たちでビデオを見て研究しましたね。

――それらの対策は本日の試合で生かされましたか

そうですね、オフェンスに関してはいつも通りできましたし、ディフェンスはすこしやられてしまった部分も多かったんですけど、1試合通して見れば21点に抑えられたので、結果としては研究の成果が出ていたのではないかと感じます。

――ディフェンスを振り返って

やられたケースとしてはオフェンスのミスから逆速攻とかが多くて、今リーグ3回、4回目でそういった展開になってしまうことが多いので課題としてしっかり見つめ直して修正していきたいです。

――オフェンスに関してはいかがですか

オフェンスではもう少し自分もプレーに絡んでいきたいなというのが本心なんですけれども、来たボールに関して自分がしっかり決められたことは良かったかなと思います。

――課題が残る部分もあるのでしょうか

やっぱりそうですね。リーグ戦が4回まで来て、まだフローターに頼っている部分が多いので、もうちょっとポストとかサイドが活躍しないとフローターで点が取れなくなったときに厳しいかなと思います。

――チーム全体の雰囲気はいかがでしたか

試合中、みんなで話し合うということを意識しているんですけど、それがしっかりできていたし、意思統一にもつながってきているので、すごくいい状況ではあると思います。

――28ー21での勝利という結果はどのように捉えていますか

ディフェンスは21点に抑えられて良かったと思うんですけど、前半と後半の入りでもたついてしまった部分があったので、そこでもっと点は取れたなという悔しい気持ちもありますね。

――入りでもたついてしまった要因は

昨年はベンチから的確に指示を出してくれる人がいたので、攻めのレパートリーが豊富だったんですけど、やはり今は自分たちで戦いながら考えながらというのが苦しくて、特にフローターでやっている人は後半になってくるときついかなと感じます。

――やはり前半より後半のほうが苦しい状況はありますか

そうですね。後半になって、攻めあぐねる時間帯というのは絶対にありますね。そのときに替えの選手が入って1点を取ったりすれば雰囲気も変わると思うんですけど、なかなかそういったことはできていないので、もう少しチームで話し合わなければなと思います。

――最後に筑波大戦の意気込みをお願いします

今季一番厳しい戦いになると思います。相手もかなりフィジカルなども鍛えているチームですが、そこはディフェンスでしっかり守って、自分たちのプレーをして勝ちたいです!

CB西山尚希(社3=香川中央)

――きょうの試合はいかがでしたか

前半リードを奪えたことはよかったですし、後半離せはしなかったのですが、リードを保ったまま余裕を持てたことも良かったと思います。

――チームのオフェンスに関しては

相手のディフェンスが高く出てくるかなと思っていたのですが、予想に反して一線ディフェンスで、それならいままで練習してきたことをするだけでしたし、普段通りに攻めることができましたね。ただ、最後のシュートのところで外してしまう場面もあったので、決定力を高められるようにしていきたいです。

――ディフェンスに関しては

上から打たれても切り替えていこうという話はしていましたし、自分たちのディフェンスをすることができたのではないかなと思います。もっと詰めの部分を修正していければ、より良い戦いができると思います。

――西山選手は試合中チームメイトに積極的に声を掛けているという印象ですが、やはりその辺りは意識的にされているのでしょうか

そうですね。章さん(大城元コーチ、平18人卒=沖縄・那覇西)がいなくなって、誰かがしなければならないというのはありますし、ことしは若いチームということもあって、自分が引っ張っていこうという気持ちもあるので、そこは意識的にしていますね。

――それに対するチームメイトの皆さんの反応に関してはどう感じていますか

自分が言ったときには、みんなうなずいたりしてくれますし、その上で守りきれたときとかはすごく一体感が生まれるので、とてもいい状態だと思います。

――これで3連勝となりましたが、チームの雰囲気はいかがですか

上向いてきているとは思うのですが、次の相手は筑波なので、それに向けてしっかりと自分たちがやれることをやっていきたいと思います。

――最後にその筑波大戦への意気込みをお願いします

当然勝利を狙うのですが、一番は自分たちのしてきたことを試合で表現するということが大事ですし、それができれば結果もおのずと付いてくると思うので、これから先のことも見据えた上で、しっかり勝てるようにしたいと思います。