試合終了の笛が鳴り響くと、同時に巻き起こった歓喜の渦。その中心には日体大が、そしてワセダはその様子をただぼうぜんと見つめることしかできなかった。『日本一』を決める大一番は、まさしく互角の戦い。速攻を主体に戦う相手に対して、徹底してセットオフェンスとセットディフェンスで対抗する。それでも主導権を握れず勝負は後半へ。そこからも一進一退の攻防を繰り広げたが、残り時間5分を切ったところで試合が動く。勝負所でミスを重ね一気に点差を離されると、それを盛り返すだけの時間はなく無念の敗戦。あと一歩、わずかな差で栄冠に手が届かなかった。
決勝戦を一目見ようと多くの観客が押し寄せ、会場は興奮と熱気に包まれていた。しかしそんな雰囲気とは裏腹に、試合は静かな立ち上がりとなる。これまで勝ち進んできた試合のように、出だしでエンジンが掛からない。さらには日体大の得意とする素早い速攻を止められず苦しい展開に。そんな中、オフェンスでは桐生正崇副将(人4=群馬・富岡)やルーキー伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)が劣勢ムードを振り払うように、強気の姿勢を示してチームを支える。加えて相手のミスにも助けられ、前半残り3分で同点にまで追い付くと、さらにその直後福岡佑哉(スポ4=北海道・札幌月寒)のポストシュートで逆転に成功。あとは1点でもリードして折り返したいところだったが、相手の粘り強さに押され2連続で失点を許し、16-17で前半を終えた。
ルーキーながら堂々としたプレーを見せた伊舎堂
序盤とは打って変わって、後半は良い立ち上がりを見せる。伊舎堂の得点を皮切りに、前日の筑波大戦(〇42-30)で大活躍を見せた川島悠太郎(スポ3=福井商)が続いて2得点。東江雄斗副将(スポ4=沖縄・興南)もペナルティースローを確実に決め、21-19に。だが、ここで『らしさ』を欠いたワセダ。盛り上げ切れず、いつもの爆発力が見られない。日体大もこの隙を見逃さず、スカイプレーを決めるなどして必死に流れを引き戻す。ここからは再び取っては取られるシーソーゲームへ。漂う緊張感に会場全体が固唾(かたず)をのんで見守る中、試合は終盤に差し掛かる。試合時間残り3分で29-30の1点ビハインド。ミスは許されない緊迫したそんな状況で、冷静さを見せたのは日体大だった。土壇場で力負けを喫しわずかに及ばず。コートに落ちた涙がその悔しさを物語っていた。
試合終了後悔しさをあらわにする選手たち
『挑戦者』の気構えで臨んだこの一年。関東学生春季リーグ・秋季リーグでは共に6位と厳しい現実を突き付けられた。「ことし1年に関しましては、つらいことが多すぎた」と複雑な胸中を明かした太田翔主将(スポ4=北海道・札幌月寒)。だが、その後こう付け加えた。「でもその分楽しいこともいっぱいあって本当に充実していました。」――。試合後には、これで実質引退となる4年生がそろえて感謝の思いを口にした。共に戦ってきた仲間に対して、そして支えてくれた周囲に対して。そうした感謝を忘れない姿勢にこそ、ワセダの強さは宿っていたのだろう。その残された思いは次へと継がれて、再び心に火を付ける。結果で示すその時まで、『挑戦者』に終わりはない。
(記事 佐藤凌輔、写真 尾澤琴美、中村朋子)
全日本学生選手権 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 29 | 16−17 13−16 | 33 | 日体大 |
GK 中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付) CP 桐生正崇(人4=群馬・富岡) CP 東江雄斗(スポ4=沖縄・興南) CP 川島悠太郎(スポ3=福井商) CP 齊藤凌(スポ3=岩手・不来方) CP 松本光也(社2=神奈川・法政二) CP 伊舎堂博武(社1=沖縄・興南) |
コメント
大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)
――いまの率直なお気持ちは
悔しいですけど、やることはやったと思います。選手たちにも言いましたが、精一杯努力しましたし、結果は目標には届かなかったけれど彼らの持っているものはすべて出せたと思います。そういう意味では『満足』という言葉を使ってはいけないかもしれないけれど、彼らにやれることは精一杯やっての結果なので、そこに関しては満足しています。
――今季始まった時から大城コーチはこのチームなら日本一になれるとおっしゃっていましたが、どういった部分でそう感じられていたのでしょうか
このチームは、前の年に比べていいことするにも悪いことするにもみんな一緒なんですよね。チームとして仲間意識が非常に高い学年だと感じていましたので、チームの目的がいい方向に進めればチャンスはあるのかなと思っていました。メンバーとしては前の年に比べたら確実に落ちますけども、これは学生スポーツですから。チームが団結して目標に突き進んでいけるかが重要だと思っていて、その面で感じていました。
――太田翔主将(スポ4=北海道・札幌月寒)はこれまでの主将とはまた違うタイプの主将でした
そうですね。本人もそれは十分理解しています。彼らが太田を(主将に)指名した理由は、やっぱり控えの選手の気持ちだったり、ワセダらしい泥くさいプレーを理解していたり、そういった部分で他のメンバーも彼を尊重していたからだと思います。たしかに違ったタイプの主将でしたが、いままでのワセダにはない、スタープレーヤーがいて見失っていた泥くさいプレーや地道に頑張ることだったりを、太田主将は僕にももう一度思い出させてくれました。いまは彼がチームに種を蒔いてそれが出始めた時期なのではないかなと考えています。
――太田主将の残したものは次の代にとっても大きいものだったのですね
影響させていかなければいけませんよね。彼だけでなく、田﨑(裕晃、スポ4=神奈川・桐光学園)や藤井(豪之、教4=東京・早実)、西東(匡寛、文構4=東京・早実)たちが残したものというのは、いままでワセダを8年間見てきた中で一番大きいです。試合に出られなくてもやれることがあるということを自分なりに考えて表現し続けた1年間だったと思います。それをこれからも残る3年生以下も引き継いでいってほしいと考えています。
――選手たちに最後メッセージを送るとしたら
後悔はしていません。よく頑張ったと伝えたいです。
太田翔主将(スポ4=北海道・札幌月寒)
――いまの率直な気持ちは
インカレ(全日本学生選手権)で一矢報いてやろうと思ってやってきました。関東6位だったチームが全国2位になれたというのは大きな成果だったと思っています。
――試合終了時、悔しさもあらわにされていました
悔しさと後悔とがありました。ポイントとして試合前の準備が大事だと共有していたので、その部分でもっと詰められたらというのがあったのですが、そこで少し悔しさが出てしまいましたね。
――きょうの試合を振り返って
連戦で疲れが溜まっているというのと、決勝戦の緊張感があるということで思うようにいかないというのは分かっていました。でも一試合通してその状態が続いてしまったというのが敗戦につながったと思います。
――1年間主将としてやってきていかがでしたか
自分としては『日本一』を目指すレベルのところの主将に、弱小校から来て挑戦していろいろな経験をさせてもらった4年間でした。ことし1年に関しましては、つらいことが多すぎた分、楽しいこともいっぱいあって本当に充実していました。結果的に2位まで上がってこれたからよかったですけど、本当に濃い1年間だったなと思います。
――同期の存在というのは
まず自分が主将になると言った時に認めてくれたことを本当に感謝しています。そして1年間自分が不甲斐ない存在だったとしても、それを支えて見守ってくれたことは一生感謝し続けると思います。
――後輩に伝えたいことはありますか
言わなくても思いは伝わっていると思うので、切り替えて勝つことで示してほしいです。あとはせっかく僕が主将になったので、何が大事なのかをもう一度考え直して次の代からはチャレンジしていってほしいなと思っています。
東江雄斗副将(スポ4=沖縄・興南)
――全日本学生選手権(インカレ)を振り返ってみていかがでしたか
非常に楽しかったです。最高でした。
――惜しくも2位でした。結果について
優勝を目指してやってきたので悔しかったのですが、関東学生春季・秋季リーグ6位からここまで上りつめたのはみんなの力があったからこそなので、その点に関しては非常に満足しています。
――相手は1対1が強い選手が多い印象でした、攻撃はいかがでしたか
相手の速攻とセットの1対1を試合通して止めきれなかったのが敗因だったので、そこをもうひと踏ん張りしたかったのですが粘れずに最後に離されてしまいました。ワセダも大事なところでシュートが入らなかったと思うので、その点が課題かなと思います。
――終始競ったゲーム展開でした。焦りとかはありましたか
この展開になるということは想定していたので、残り5分で連続で速攻を決められたときに少し焦りはありました。簡単にシュートを打って外したりして、逆速攻でやられてしまったのでそういったところに全体の焦りを感じました。
――最終目標としていたインカレに向けてやってきた1年間を振り返って
このインカレ優勝を目指してやってきたので集大成としてつらい思いをしてやってきました。仲間がいたから自分も頑張れました。すごく楽しかったです。
――試合後4年生で話したことはありましたか
話したというか、試合終了後はみんな泣いていました。インカレを振り返るのは帰ってからの飲み会でゆっくり話そうかなと思います。
――実質、引退というかたちになります。『引退』という言葉を目の前にして
自分は全日本総合大会もあるのですが、4年生とできるのがあとは早慶定期戦だけなので非常に寂しいです。でも最後の最後まで楽しんでやっていきたいなと思います。
――試合後、伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)と熱い抱擁を交わしていました。後輩たちに託す思いは
非常に悔しい思いをしたと思うので、その悔しさを忘れずに来年以降は頂点に上りつめてほしいです。自分がいる時は教えられることは教えたつもりなので、それをまた後輩たちに代々伝えていって欲しいです。
――大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)はことしが最後ということですが、なにか思うこと
一緒に笑って終わろうぜと話をしていたのですが、やっぱりあの人の情熱に押されながらもやってきました。あそこまで選手と真剣に向き合って練習を取り組んでくれるのは章さんしかいないと思うので、本当に感謝しています。
――インカレにはたくさんの方々か応援に来てくださったと思います。最後にその方々に向けて一言
この決勝の舞台でたくさんの方々に応援してもらって、本当に幸せ者だと思います。優勝というかたちで恩返しをしたかったのですが、それができないのは残念です。でもワセダハンドボールを楽しんでもらえたかなと思います。本当に感謝しています。
桐生正崇副将(人4=群馬・富岡)
――いまの思いは
やっぱり優勝を狙ってやっていたので負けて悔しいという気持ちです。
――前半からなかなか波に乗れませんでした
相手の持ち味である速攻を防げずに失点してしまったので、そこでリズムに乗れなかったのかなと思います。
――相手キーパーに当ててしまうシーンが多かった
インカレに来てからワセダはノーマークシュートを決めていたんですけど、きょうは相手のゴールキーパーが何本も止めてきました。そういった面でも課題だったノーマークのシュートが浮き彫りになってしまったと思います。
――東江雄斗副将(スポ4=沖縄・興南)がマークされたことによる攻めづらさは前日の筑波戦よりも強かったですか
筑波のディフェンスよりサイズはなくて、運動量はあったんですけどそこまでやりづらさは感じていません。やっぱり大事な場面でのシュートミスが響いたんだと思っています。
――桐生選手自身は最後までカットインで攻めるプレースタイルを貫きました
ステップシュートはもう少し狙えたらよかったのかなと思うんですけど、5対5になって間が広くなったところを割っていくというのが自分のやるべきことだったので。それをずっと貫いていきました。
――ワセダのハンド部で過ごした4年間とは
僕自身、高校時代はインターハイ1・2回戦負けのチームにいて、結構軽い気持ちでハンドボールに携わっていました。それが早稲田大学に来て章さん(大城コーチ、平人18卒=沖縄・那覇西)と出会ってハンドボールの価値観がすべて変わりました。日々日本一を目指す環境の中で自分が4年間もまれ続けたということは、人生の中でも最も濃くて刺激的な4年間だったのかなと思っています。
――きょうまで共に戦ってきたチームのスタッフに向けて一言お願いします
4度目のインカレですが、今回ほど下級生からの洗濯とかのサポートであったり、スタッフ陣からの疲労回復のアミノバイタルなどたくさんのケアをして頂いたことはなかったので、本当に感謝しかないです。
――桐生選手にとって今回が学生最後の大会となりました。
優勝できたらよかったんですけど、春・秋ずっと6位という不本意な結果で後輩たちにはいい思いさせられていませんでした。最後のインカレという舞台で後輩を決勝のセンターコートまで連れてこられたというのは、最低限の仕事はできたのかなと思います。
福岡佑哉(スポ4=北海道・札幌月寒)
――いまの率直な感想をお願いします。
負けてしまったという事実は本当に残念です。ただ、ワセダで4年間やってきて最後チーム一丸となって戦えて良かったかなと思います。
――ワセダでの4年間を振り返っていかがですか
入部当初から考えると、自分がこの決勝の舞台に立っているというのは想像できませんでした。仲間にも後輩にも恵まれて、最高の4年間だったなと思います。
――最後の1年間は主力として戦いましたが、振り返って
正直ふがいないなと思うことがたくさんあったんですけど、本当に周りに支えられた一年でした。
――前半の立ち上がりからスローペースになってしまった印象ですがいかがですか
相手の特徴である早い速攻を全く守れなくて、全然足も動かなくて、やられてしまってはいけないところでやられてしまったなという印象です。
――後半を振り返って
拮抗(きっこう)した場面でいかにミスを少なくして、ラスト3分のところでもいいのでそこで逆転できるようにと考えていました。でも逆に自分たちがミスして相手に流れを持っていかれでしまいました。
――焦りは感じていましたか
焦りは無かったんですけど優勝が懸かった大一番だったので、ミスは許されないなという自分へのプレッシャーみたいなものはありました。
――セットディフェンスでの手応えはいかがですか
セットでは正直そこまでやられていないような印象だったので、あとはいかにバックチェックで逆速攻を守れるかがカギでした。そこができなかったのが後悔の残るところです。
――同期のみなさんへ一言お願いします
4年間一緒に戦ってきて本当に仲良く、いい意味でフランクに接してきてくれて、楽しい4年間でした。
――最後に後輩のみなさんへ一言お願いします
僕たちの無念を晴らせとは言いません。これからは3年生が主軸に戦っていくので、3年生らしく自分たちなりのチームをつくってくれたらなと思います。
副務・奥住咲紀(教4=東京・八王子東)
――全日本学生選手権(インカレ)全体を振り返って
関東学生春季・秋季リーグを6位で終えて、みんなの目標ではありましたが正直決勝までいくのは難しいかなと思ったところもありました。でも決勝まで連れて来てもらってすごく幸せでした。
――結果は2位でした
悔しいの一言です。勝てない相手ではなかったと思うしみんながすごく頑張っていたので悔しいのですが、しょうがないですね。
――早慶定期戦を除いて、実質引退になります。4年間を振り返って
長いようであっという間でした。大変な時もたくさんあったのですが、ワセダハンドボール部の人はすごく優しくて。支える立場なのに、逆に支えてもらっていたと思った4年間でした。
――4年間選手を見てきて、マネージャーの立場から成長といったところではいかがですか
特に私たちの代は、人数も問題児も多くいたので1年生の時は怒られてばかりでした。でも、きょうはチームを引っ張っていて4年前から考えられないくらいみんなが上級生としてチームを支えていて成長したなと思いました。
――大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)はことしで最後ですが
章さんにこそ感謝しかありません。家庭もあり忙しいのに、ほぼ毎日練習に来てくださいました。ミーティングで章さんがよく言うのは、支えてくれる人に感謝をしながらプレーをしろという言葉で。私たちも部員の一人ですけど、マネージャーやトレーナーのことも考えてくださってみんなに感謝しなさいと言うその言葉が私はすごく嬉しかったです。章さんには本当に感謝しかないです。
――試合後、選手からなにか言われましたか
試合後は泣いていてそんなに話していないのですが、みんなが「勝てなくてごめんね。」と言ってくれるのがつらいけどうれしかったです。謝ってくれたのが印象的でした。
――きょうの試合を応援しに来てくださった方々に一言お願いします
函館という遠いところまで応援に来てくださったり、OBの方もSNSから見て応援してくださりました。優勝というかたちで恩返しをすることはできませんでしたが、4年間支えてもらってありがとうございました。
川島悠太郎(スポ3=福井商業)
――いまの結果を受けての、お気持ちをお願いします
優勝目指してやってたので、2位という結果に悔しいという気持ちもあります。でも、ここまで一年間やってきて全部出し切れての2位だったので良かったです。
――『ダントツ優勝』という目標の中で、春・秋負けてしまった日体大と戦うということに関して、試合前はどんな気持ちでしたか
僕らは春・秋6位だったので、思い切りやろうという意気込みでやりました。けど相手の方が強かったので負けてしまったんじゃないかなと思います。
――ワセダが得点を決めた後、相手の素早いリスタートにどのような対応をしましたか
とにかく日体大は速いので、みんなで戻ろうという話はしてたんですけど、それを上回る速さがあって、ちょっと対応し切れてない部分というのがありました。
――対応しきれない中でも追いつき、ワセダのムードになるかなと思えましたが
後半しっかりバックチェックをやろうという話をしたら、結構止められていい雰囲気になりました。でも僕自身もシュートミスとかをしてしまって、勢いに乗り切れないところがあったんじゃないかなと思います。
――ご自身のプレーを振り返るとどうでしたか
きょうはシュートミスもディフェンスミスも多く出てしまって、自分の弱さが出てしまいました。来年もう一年あるので、もう一回基礎からやっていきたいなと思います。
――全日本学生選手権に関してはやりきれましたか
ことし4年生とすごく仲がいいというか、すごくいい雰囲気でやれてきて、勝ちたいという気持ちがかなり強かったんですけど、最後まで楽しくやれました。
――次の日本選手権ではどうしていきますか
実業団チームとやると思うので、大学生とはまた違った、レベルの高い試合になると思うので、少しでもチャレンジして勝てたらいいなと思います。
――公式戦最後となった4年生に
ことし4年生には私生活の面から部活の面でもお世話になって引っ張ってもらいました。みんなで勝ちたいという気持ちが強かったですけど、『ダントツ優勝』という目標をもって、春秋6位から2位という結果になって。結果はついてこなかったですけど、僕自身も自分勝手なところがあったので、そこをうまくまとめて、笑って引っ張ってくれて、本当に4年生にはありがとうございましたと言いたいです。
松本光也(社2=神奈川・法政二)
――きょうの試合を振り返って
まず勝てなかったことが悔しいです。
――決勝という大舞台にどのような意気込みで臨まれましたか
関東学生春季リーグ・秋季リーグ6位という結果で日体大にも両方負けていたので、チャレンジャーとして開き直ってやってやろうという気持ちでいきました。
――2位という結果はどのように捉えていますか
チームの目標が秋リーグ終わった時点でも『インカレダントツ優勝』だったのですが、それを達成できなかったのはすごく悔しいです。でもインカレを通してチームが成長していって自分たちがここまでできたということを周りの人に証明できたことが良かったと思います。
――松本選手ご自身としてはどのような大会になりましたか
ディフェンスで求められてることが多かったんですけど、僕自身結構できなかったことの方が多くて。最後の試合もいっぱいいっぱいで弱気になってしまったので、課題が多く出た大会になったと思います。
――4年生にとっては最後のインカレとなりましたが、なにか思うことは
練習がすごくきついなかで一緒にやってきた4年生なので、一戦一戦やっていくうちに4年生ともっと一緒にプレーしたいという気持ちが強くなって。結果的に優勝はできなかったですけど、決勝まで一緒に長くハンドボールができてよかったと思います。
――今後への課題と意気込みをお願いします
この悔しい結果を糧にして、4年生たちの分も自分たちが来年、再来年と頑張っていきたいと思います。
伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)
――残念ながら優勝とはなりませんでした。お気持ちをお聞かせください
決勝の舞台で4年生と一緒に楽しんでプレーができたので、悔いはないです。
――緊張などは
ありました。1年生なのでやりたいようにやれと言われるのですが、やはり背負うものは一緒で。緊張もありながらプレーをしたのですけど、たまに消極的になったりするのが自分でもわかるくらいありました。でもそこで3、4年生がシュートなど決めてくれて。自分も後ろから(背中を)押されたみたいな感じでした。
――前半我慢の展開となりましたが
前半は相手の速攻が速くて点取り合戦みたいな内容だったのですが、「点取り合戦だったら勝てない」という指示がありました。そこで前半は粘ったのですが、後半粘り切れずに(点差を)離されてしまいました。
――後半最後点差をつけられてしまいましたが、その時の気持ちはいかがでしたか
離されたのは(試合終了まで)あと1分半くらいのところだったので。諦めるというよりかは残り少ない1分半をどれだけ4年生と楽しめるかを思いながらプレーしました。
――ディフェンス、オフェンス面について。ご自身のきょうの調子はいかがでしたか
ディフェンスではコミュニケーションが少し足りなかったかなと思う場面があって。オフェンスでももう少し積極的に行けばよかったかなと思いました。
――インカレ中、体調不良などもありましたが、大いに活躍されました。振り返っていかがでしたか
1年生でこんなにいい経験ができて、本当に充実した大会でした。僕はまだ1年生なので、あと3年あるのですが、きょうから切り替えて、オフ明けからしっかり体作りなどに専念して、土台からしっかりつくっていきたいとおもいます。
――インカレは4年生にとって最後の大きな大会となりました。4年生への思いをお聞かせください
正直言うと、僕は1年生なのに少し生意気なんですよ。けれどみんな優しくしてくれて。僕は自由にハンドボールもできて、私生活でも仲良くしてくれて。率直に言うと、4年生が大好きでした。
――試合後、東江雄斗副将(スポ4=沖縄・興南)に歩み寄り涙を流す場面も見られました。東江選手からは何かお言葉などかけられましたか
覚えてません(笑)。覚えてないですけど、「次あるから、ちゃんと頑張れよ」と言われたのは覚えています。
――今後への意気込みと課題を
1年生なので、まだフィジカルの面では劣っていると思うので、しっかりそこをさらに鍛え上げていって。また技術の面でもまだ青い、甘いところがまだあるので、その甘いところをなくして、一つ一つのプレーにもっと責任を感じながらプレーしていきたいとおもいます。