危なげなく初戦突破

男子ハンドボール

 ついに開幕した全日本総合選手権(全日本)。実業団やプロが一堂に会する今大会。学生がどこまでやれるか。全日本学生選手権(インカレ)での雪辱を果たすべく、早大は1つでも上を目指す。初戦の相手はFOG。持ち前のディフェンスをここでも発揮し、前半は完全に相手の攻撃をシャットアウトすることができた。しかし後半に入るとオフェンスからリズムをつくれず、テンポが乱れる。中盤ピンチを迎えるがなんとかそこをしのぎ切り、最後は猛攻を仕掛け24-17で見事勝利。危なげなく1回戦を突破した。

 前半の立ち上がりから開始20分までは、完璧な試合内容だった。堅固なディフェンスで完全にゲームを支配し、多少のミドルシュートを許すも失点を最小限に抑える。クロス主体の攻撃にもしっかりと対応し、ポストの受け渡しミスもGK中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)が好セーブでカバー。最後尾からチームをサポートする。内海祐輔副将(スポ4=香川中央)も臆することなく自ら切り込み得点を奪いにいく。堅守速攻で点数を伸ばし大きくリードして折り返したかったが、最後10分で失点が重なり思うように引き離せず、5点差リードで前半を終えた。

ディフェンスの間を割ってシュートを放つ内海副将

 しかし迎えた後半はオフェンスでのミスが目立った。決められる場面で決めることができず、なかなか波に乗ることができない。それでも途中交代で入った萩原侑(文構2=東京・早実)や東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)が奮闘。果敢にゴールを狙い、流れを引き寄せる。ディフェンスのみで出場した松本光也(社1=神奈川・法政二)もしっかりと自分の役割を果たし、勢いを後押し。最後は齋藤凌(スポ2=岩手・不来方)が決めて試合終了のホイッスルが鳴り響く。最終的には7点差と、大差をつけたのと同時に課題も残す結果となった。

この日最後の得点を挙げた齋藤

 快勝だったが、自分たちのミスから中盤相手に追いつく隙を与えてしまった。この部分を修正できれば、次から待ち受ける実業団相手にも良い勝負ができるはず。玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)も「実業団相手でも胸を借りるつもりはないですし、倒しにいきます」と、気持ちの面に迷いはない。格上との戦いでさらにもう1つ上のステージへ――。高みを目指す今シーズン最後の挑戦がいま、幕を開ける。

(記事 佐藤凌輔、写真 藤巻晴帆)

全日本総合選手権
早大 24 12−7
12−10
17 FOG
GK 中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)
CP 玉城慶也(スポ4=沖縄・興南)
CP 内海祐輔(スポ4=香川中央)
CP 桐生正崇(人3=群馬・富岡)
CP 福岡佑哉(スポ3=北海道・札幌月寒)
CP 齋藤凌(スポ2=岩手・不来方)
CP 川島悠太郎(スポ2=福井商)
コメント

玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

中盤2点差まで追い詰められたんですけど、そこから我慢できたのはあしたにつながるんじゃないかなと思います。

――試合前の指示は

1点入れる毎に全員でガッツポーズだったりで盛り上げるっていうのを言っていたんですけど、あまりできていませんでした。社会人っていうのはそういうのがうまいので、そこは学ばないといけないんですけど、とにかくもう最後なので本当にやらなきゃいけませんよね。

――対戦相手のFOGはワセダにはない盛り上げというか、そういったところがうまかったと思います。印象などはいかがですか

FOGは練習試合もしているので手の内は知っていたんですけど、やられてしまったので前半ディフェンス守れていたのに後半に入ると守れなくなったりしたので、この波をなくせばもっと良いチームになると思います。

――社会人相手にも当たり負けしていないという印象でしたが

社会人とは言ってもクラブチームなので。あしたから実業団選手になるので、筋トレしてウェイトアップもしてるだろうし、そこで僕らがどれだけ戦えるか。実業団相手でも胸を借りるつもりはないですし、倒しにいきます。

――では、きょうの試合の出来は上々といった感じですか

いや、上出来ではないですね。インカレ(全日本学生選手権)で負けたときみたいに、後半はシュートを外しまくってますし、決められる場面で決めないと厳しいです。

桐生正崇(人3=群馬・富岡)

――きょうの試合への意気込みは

きょう勝たないと実業団とやれないということだったので、しっかり初戦勝つという意気込みでやりました。

――全日本に向けてどういった調整をされてきましたか

インカレでシュートが簡単なミスが多かったので、インカレで出た課題を詰めて臨むという感じでした。

――実際きょうの試合を振り返っていかがでしたか

前半立ち上がりしっかりできて、前半の終わりと後半の中盤でちょっと中だるみみたいな時間帯ができてしまったのかなという感じです。

――ご自身の調子の方はいかがでしたか

もう少しシュートとかポスト、サイドをうまく使っていけたら良かったなという感じです。

――次戦へ向けての課題は

相手が実業団なのできょうみたいに中だるみの時間を作ってしまうとその時間帯に一気に離されてしまうので、あしたは5、60分集中して隙を与えないようにして実業団に食らいついていきたいと思います。