東海大を下し、無傷の4連勝

男子ハンドボール

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)は折り返しとなる4戦目を迎えた。この日はここまで3戦全勝と、好調を維持する東海大と対戦。立ち上がりで競った前半だったが、徐々にペースをつかみ16-10とリード。後半は退場者が相次ぎ、さらに点差を開くことはできず31-25で終了。課題を残しながらも、4勝目を死守した。

 前後半を通して、堅いディフェンスが光った。開始早々から東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)が積極的にシュートを打ち込んでいくが、序盤は取っては取られる攻防が続き流れをつくることができない。相手に速攻を許すなど、一時は2点差を追いかける展開に。しかしこの悪い流れを食い止めたのは、途中出場した中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)だった。サイドシュートや速攻を次々と止め得点機をつくりだし、前半15分以降の失点はわずかに2点。16-10とリードを広げて後半へつないだ。

ビッグセーブでゴールを死守した中野

 ところが後半はまたしても苦いスタートを切ってしまう。2点を詰められたところから玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)、続いて森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)が退場。早大のコートプレイヤーは4人に。なんとかこの窮地を凌いだものの、その後も勢いを止められず、ついに20-19と1点差に詰め寄られる。しかし選手に焦りはなかった。玉城主将の「慌てずに1点1点取っていこうと意識しました」という言葉のように、ディフェンスから再び立て直しを図った早大。逆速攻から川島悠太郎(スポ2=福井商)がサイドシュートを放つなど、最後は相手を突き放した。後半だけ見ると15-15と得点は伸び悩んだが、最終スコア31-25で辛くも勝利を収めた。

角度の狭いところからでもサイドシュートを確実に決めた川島

 現時点では唯一、いまだ黒星がない早大。しかし残り5試合は上位校との対戦が控えていて気は抜けない。一番の課題だったディフェンスはうまく機能したが、簡単なシュートミスなど少しの失点が敗戦につながることもあるだろう。「控えの選手が入ってきて、ディフェンスの連携がうまくできていなかった」(東江)と語ったように、誰が出場しても戦い抜けるようなチームになることも課題の一つだ。一つ一つの問題を見つめ直し、成長を遂げながら勝ちを重ねていきたい。

(記事 細川香衣、写真 松下優)

関東学生秋季リーグ
早大 31 16−10
15−15
25 東海大
スタメン
GK 増田翔(スポ4=神奈川・生田)
CP 玉城慶也(スポ4=沖縄・興南)
CP 内海祐輔(スポ4=香川中央)
CP 森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)
CP 東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)
CP 桐生正崇(人3=群馬・富岡)
CP 太田翔(スポ3=北海道・札幌月寒) 
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コメント

玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)

――きょうの試合の総括をお願いします

前半で点差を開くことができて、そのまま最後までいけたかなという感じです。

――立ち上がりはいかがでしたか

ディフェンスは悪くなかったと思います。オフェンスでシュートを決められなかったことが点差を離せなかった原因ですかね。

――前半から集中して守れているといった印象ですがいかがですか

以前、東海大と練習試合をしたときに相手の7番の選手にやられたのでそこに注意していました。そして上から打たれないように3-3ディフェンスを敷いたんですが、そうしたら7番に代わって11番の選手が出てきて、その選手に崩されたかなと。それでも抜かれた後に、ディフェンスがみんなでしっかりカバーできていたので良かったと思います。

――前半は16-10でしたが、後半は15-15と失点が増えてしまいました。後半のディフェンスについては

後半の最初に自分がいらない退場をしてしまって、スタートから乗れませんでした。そこは自分自身反省しています。でも、こういう接戦を粘って勝ったのは大きいですね。

――東海大が退場者を出した時に点差を離せていたという印象ですが、なにかチームで意識したことはありますか

同点に追いつかれることもなく逆転もされていなかったので、慌てずに1点1点取っていこうと意識しました。

――試合後にはどんな話し合いをしましたか

ディフェンスは全然悪くなかったということと、ちょっとノーマークのシュートを外している場面が多かったのでそれは気をつけようということを話しました。

東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)

――きょうはどのような気持ちで試合に臨みましたか

東海もここまで無敗で波に乗っているチームだったので、全員で勝つという意識を持って臨みました。

――実際に試合を振り返っていかがでしたか

接戦になることも想定内だったので、試合の中でミスも出たのですがそれを修正できました。後半の追い付かれそうになったとき、速攻につないで点を離せたことが良かったと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

相手はディフェンスが高く上がってくるチームだったので、個人としては1対1で前を狙っていこうと思っていました。それがうまくできたので、得点を量産することができました。

――ここまで4戦全勝ですが、現時点でのチームの状況は

リーグ期間ですが2部練もやっていて、体がきつい中でお互いにカバーしながらやっています。チームとしてうまく成熟して、一戦一戦を乗り切っていると思います。

――今後に向けての課題はありますか

たとえば控えの選手が入ってきて、ディフェンスの連携がうまくできていなかったりだとか。あとはスタートの選手も含めて、ミスをしても逆速攻の戻りをチームの約束事としてやっているのですが、それができていなかったりもします。それと個人のシュートミスも課題ではないかと思います。

――次戦の国士舘大戦への意気込みをお願いします

相手はスピードがあってディフェンスの堅いチームだと思います。また1週間空くので、ビデオを見て研究しながら相手の弱いところを突いていきたいと思います。

中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)

――きょうの試合を振り返って

きょうは前半戦の最後の大事な試合だと思っていました。最初の方は少しもたついていたのですが2点差に詰められた時から粘れたのは大きいかなと思います。

――全体のディフェンスに関してはいかがでしたか

きょうは結構ディフェンスをしてもらっていて勝負できるところで勝負をさせてもらったので止めやすかったです。

――中盤2点差まで追い上げられる場面もありましたが、そこからまた点差を広げることができました。その要因は

ディフェンスをしっかりしてから点を取るということを徹底してできたのでそのおかげだと思います。

――好セーブの連続でしたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

朝早く起きて準備したおかげだと思います。

――次戦への意気込みは

次も朝早く起きてしっかりとコンディションを整え、万全の態勢で臨みたいと思います。