順大相手に白星発進、格の違いを見せつける

男子ハンドボール

 関東学生春季リーグ(春季リーグ)が閉幕してから約3ヶ月。トレーニング期間の夏を経て、ついに関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)が開幕した。初戦のこの日、相手は今季から1部リーグに昇格した順大。しかし格下相手でも気を緩めることなく、付け入る隙を与えなかった。最初の10分こそ固さが見られたが、次第にペースをつかんでいき9点のリードを奪って前半を折り返す。迎えた後半も、終始流れは早大に。一度も追いつかれることなく、さらに点数を重ねて快勝。良いかたちで開幕戦を勝利した。

思い切りの良い攻撃でチームをけん引する玉城主将

 課題の立ち上がりで少し不安を見せるが、動じることなく落ち着いて試合を運んだ早大。目立ったミスもなく、序盤から集中を欠くことはなかった。「徐々に試合の雰囲気に慣れていった」と東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)。中盤には固さも取れて、フットワークを生かしたオフェンス、ディフェンスで相手を圧倒する。玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)や東江を中心に攻めたて、リーグトップの攻撃力を存分に発揮した。順大のリスタートの早さに対応しきれずシュートを決められる場面が何度かあったが、慌てずにしっかりと修正。素早い戻りと堅実な守りで簡単に得点を許すことはなく、前半から力の差を見せつけた。

常に攻めの姿勢を崩さず積極的にシュートを放つ東江

 迎えた後半、松本光也(社1=神奈川・法政二)がポストシュートを決めると、さらに中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)も冷静なセービングでチームを勢いづける。このまま押し切りたいところだったが、ファールが重なり一気に2人が退場してしまう。数的不利を背負った早大に少し動揺が走ったが、それでも大きく点差を詰められることなく、一丸となってピンチを乗り切った。その後もテンポ良く試合を進め、一度もリードを奪い返されることなく試合は終了。40-23と大量得点で確実な一勝を挙げた。

 暑い夏を越えて、さらなる成長を遂げた選手たち。中には世界学生選手権やU-22東アジア選手権の代表に選ばれた選手もいて、これからその経験をどう生かすのか、どんな影響をチームにもたらすのか、そうして受けた新たな刺激で、チームとしての完成度をより高めていきたいところ。そして「三冠連覇」をその手につかむため、今度は秋季リーグの連覇を狙う。頂点を目指すエンジの戦士たちの戦いが、いま始まる。

(記事 佐藤凌輔 写真 松田萌花)

関東学生秋季リーグ
早大 40 20−11
20−12
23 順大
スタメン
GK 中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)
CP 玉城慶也(スポ4=沖縄・興南)
CP 森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)
CP 東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)
CP 太田翔(スポ3=北海道・札幌月寒)
CP 田崎裕晃(スポ3=神奈川・桐光学園)
CP 川島悠太郎(スポ2=福井商)
コメント

玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)

――秋季リーグ初戦を振り返って

きょうは初戦としては良かったと思います。7月、8月となかなか全員集まって練習することができなくて、きのうの練習でやっと4回目くらいでした。そういったことも考えれば良かったんじゃないでしょうか。

――8月3日から8月10日で行われた、世界学生選手権に代表として召集されていましたが、感想は

選ばれたメンバーにワセダの選手が多くて、先輩の山田さん(山田隼也、平25スポ卒=現・トヨタ自動車東日本)や岩下さん(岩下祐太、平25スポ卒=現・トヨタ紡織九州レッドトルネード)、監督も大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)だったのでやりやすかったですね。世界と戦って、自分たちの年代の世界のレベルが分かったので良かったです。結果はあまり良くはなかったんですけど、ワセダの選手にとって良い経験になったと思います。

――この夏、チームで重点を置いて練習したことは

やはり全員がそろわなかったので、個々の能力アップができたんじゃないかと思います。

――夏を越えて、チームの仕上がりという点では

僕自身あまりチームでいることができなかったので評価しづらいのですが、仕上がりの結果っていうのはこの秋季リーグで出ると思います。

――最後に、秋季リーグを通しての目標をお願いします

ことしの目標が「三冠連覇」。春季リーグは優勝で飾れて、今度は秋季リーグの優勝ということで、チーム一丸となって優勝目指して一戦一戦頑張っていきたいです。

桐生正崇(人3=群馬・富岡)

――秋季リーグ開幕戦を振り返って

初戦としてはそんなに悪くない試合だったので良かったかなと思います。

――きょうのプレーを振り返って

失点も25点以下で、シュートも外すことが多くあっても40得点したので全体として良かったと思います。

――順大は今季から1部リーグに昇格したチームですが、印象は

あまり試合とか見たことなかったのですが、2部で圧勝していたので良いチームだなと思いました。

――きょうの快勝の要因は

しっかり9メートルラインの外からロングシュートを打たせることができました。あしたの中大からレベルが徐々に上がっていくのでもう一度リスタートなどの悪かった点を修正していきたいと思います。

――これからのリーグ戦に向けて

自分たちの目標は「三冠連覇」ということなので、しっかり二冠目の秋季リーグ取れるように頑張っていきたいと思います。

――第2回U-22東アジア選手権の代表に選出されましたが

東アジアの方へ行って試合をしてきました。韓国との試合で負けてしまい、韓国との力の差を実感しました。もう一度ハンドボールについての考え方や価値観というのが変化して、自分の中では良い経験になったと思います。

――その経験をどのように生かしたいですか

韓国は身長が低いのにフィジカルが強く、当たるところはしっかり当たっていたので自分のような背の低い選手でも高い選手に当たれることを学べました。秋季リーグでは大きな選手にも当たれるようにしていきたいです。

東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)

――秋季リーグが開幕しました。初戦を振り返って

初戦ということで、少し前半の出だしは動きが悪かったですが、徐々に試合の雰囲気に慣れてきていつもどおりのプレーができたのではないかと思います。

――春季リーグでは2部の順大との対戦でしたが

練習試合では何回か対戦していたので、相手がどういう相手かというのは把握していました。そのおかげで、試合の流れは予想できていて、落ち着いてプレーできたと思います。

――この試合に臨むにあたってチームとしてはどのような状態でしたか

「三冠連覇」というチームの目標があって、きょうはその二冠目を取るための始まりだったので、きのうの練習も雰囲気良くやれていて、チーム一丸となって秋季リーグに臨めたと思います。

――秋季リーグを迎えるまで、夏の練習はいかがでしたか

夏の練習では、チームから何人か世代別の代表に呼ばれていたりもしたので、チーム練習はなかなかできず、合わせられない部分がたくさんありましたが、焦らずリーグ期間中に取り戻せていけたらと思います。

――世界学生選手権での経験を振り返って

やはり世界でやってきたこの経験をもとに、自分が感じたことをプレーで表現したりして、チームに刺激を与えたいなと思いました。

――具体的にはどのようなことを感じたのでしょうか

フィジカルはやはり強いなと実感して、プレーの際での技術の差や、精神的な面での余裕などでレベルの差を感じました。

――世界学生選手権での経験も含め、今後の個人的な目標などは

個人の目標はやはり東京五輪に出たいので、その目標のためにまずは学生リーグを制覇して、さらに上のレベルに行くために頑張っていきたいと思います。