リーグ開幕!幸先よく白星スタートを決める

男子ハンドボール

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)がついに開幕を迎えた。連覇を目指して挑む初戦、早大は今季1部に昇格を果たした中大と対戦した。試合開始から思うように得点を伸ばすことができず、試合の流れが二転三転する接戦となるも、後半終盤に持ち味であるディフェンスからの速攻で相手を突き放し、終わってみれば10点差近くをつけて快勝。連覇に向けて、まずは白星発進となった。

チームに指示を出す岩下主将

 初戦ということもあり幸先の良いスタートダッシュを狙った早大。だが、シュートがなかなか決まらず、得点が伸びない時間帯が続く。相手GKの好セーブもあり、思うように点差を広げられない。13-11とディフェンスではいつも通りのプレーを見せる中で、オフェンス面では精彩を欠くプレーが続いた前半であった。後半に入ってもその展開は変わらず、中盤まで僅差で試合はもつれていく。しかし、後半も終盤に入ろうかという17分過ぎから競り合っていた試合展開が一変。ディフェンスからの逆速攻が決まりだした早大が流れをつかむ。特に速攻絡みのプレーから積み重ねた8連続得点という一連の流れは、まさしく「らしさ」が見られた時間帯だったと言える。追いすがる相手を突き放し、30-21で勝利を飾った。

復帰早々に活躍をみせた森田

きょうの課題としてオフェンスでの不調が挙げられる。速攻が機能し始めた後半終盤まではセットオフェンスで苦戦し、個人技での打開から得点を重ねるといった場面が象徴的であった。ディフェンスは試合を通して大きく崩れなかっただけに、セットオフェンスで相手を崩す場面が増えれば、チームとして一回り成長するとともに個人技もまた連携の中で生きてくるだろう。一方で収穫としては、春季リーグで欠場が続いた森田啓亮(スポ3=岩手・不来方)の復帰が挙げられる。力強いプレーでチームの得点源として活躍を見せ、「春に活躍できなかった分、秋にしっかり活躍してチームに貢献しよう」と意気込みも十分。昨年は年間を通して試合に出場し続けていただけに、頼もしいプレーヤーが帰ってきたという印象だ。

 春季リーグでは優勝を飾った早大。しかし、最大のライバルである日体大との直接対決では負けているだけに、連覇を狙うことはもちろん、雪辱を果たすためにも重要な秋季リーグとなる。課題もあるがディフェンスからの速攻という強みを発揮しての快勝ということで、チームとしてもまずは一安心というところだろうか。1ヶ月に及ぶ熱戦が今、スタートした。

(記事 八木和基、写真 松下優、松田萌花)

関東学生秋季リーグ
早大 30 13-11
17-10
21 中大
スタメン
GK 岩下祐太(スポ4=熊本・千原台)
CP 山田隼也(スポ4=沖縄・興南)
CP 稲垣圭亮(人4=神奈川・桐光学園)
CP 内海祐輔(スポ3=香川中央)
CP 森田啓亮(スポ3=岩手・不来方)
CP 東江雄斗(スポ2=沖縄・興南)
CP 桐生正崇(人2=群馬・富岡)
コメント

岩下祐太主将(スポ4=熊本・千原台)

――初戦を振り返って

立ち上がりから後半の途中までずっと接戦で、こっちのペースになったり相手のペースになったり緊迫した状態だったんですけれど、最後の最後に自分たちで立て直してしっかり勝てたというのは評価できるかなと思います。

――何が追い上げの要因となりましたか

ディフェンスでしっかり守って速攻で点をとって点差を離す、という形で勝ちにいこうというのをずっと言ってきたので、後半ディフェンスもしっかりと機能して速攻で点をとれたのが勝ちにつながったと思います。

――好プレーが多かったですが、ご自身のプレーを振り返って

調子がよかったのもあるんですけれど、相手のシュートミスが自分が誘ったものもあるんですけれど多かったので、自分の実力よりはミスが多かったのが幸いだったという感じです。

――チームとして夏の間に強化してきた部分はありますか

ディフェンスは常に守って速攻ということでやっていたんですけれど、ことしの夏はオフェンスでのボール回しに力を入れていました。パスを速くして人も動きながらボールをしっかり回すというトレーニングを、愛知に遠征行ったぐらいからずっとやっていました。

――ケガ人の復帰などで春季リーグと比べてチームに変化はありましたか

技術的な面でもスキルの向上というのが見られるんですけれど、やっぱりそれよりもチームの全員がそろって練習や試合に出られるといった精神的な支えやメンタル的な面で、みんなすごく強くなったかなと思います。

――あすへの意気込みをお願いします

あしたもコーチが不在の中でみんなでゲームメイクをしないといけないので、常にコミュニケーションをとってどういう風なゲームメイクができるのかをキャプテンとしてチーム全体に伝達できればいいかなと思います。

桐生和紀(人4=群馬・富岡)

――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします

初戦ということで試合開始から一気に得点差をつけたかったんですけど、後半までズルズルといってしまいました。ただ終盤はディフェンスからの速攻という自分たちのプレーができて10点近く差をつけることができたので、スタートとしては良かったのかなと思います。

――攻撃面について、特に前半は得点が思うように伸びませんでした

自分も含めてなんですがノーマークの時のシュートミスが本当に多くて、自分たちのミスから逆速攻というかたちで、ズルズル引きずってしまったのが原因だと思います。

――きょうの試合では攻撃専門という形で出場していましたが、どういったことを意識してプレーしていましたか

ムードメーカーとしてチームを盛り上げるというのが自分の仕事だと思っているので、盛り上げることを心がけていました。

――ディフェンスについてはいかがですか

20失点に抑えることを目標にディフェンスをしていて、きょうの試合では20失点を超えてしまったんですけど問題ないというか、良い感じでディフェンスがやれているのかな、と感じています。

――夏の練習期間はいかがでしたか

基本的に1日練習だったんですけど、普段生活が分かれてしまう寮生と寮外生が一日過ごせたということで、チームワークやコミュニケーションのところでチームとして団結できたと思います。

――最上級生ということで最後のリーグになりますが、意気込みをお願いします

学生としても、また自分のハンドボール人生としても本気でやれる最後の試合になるので、一つ一つの試合を悔いの残らないようにやりたいです。

森田啓亮(=岩手・不来方)

――開幕戦ということで意識して臨んだことはありますか

自分は春のリーグに出てないので、春に活躍できなかった分、秋にしっかり活躍してチームに貢献しようと思っていました。前半はいいプレーができなかったんですけど、後半にしっかり修正できたのでよかったと思います。

――春が終わってから強化してきたのはどこのあたりなのでしょうか

春は速攻であまり点数が取れなかったので、この夏はセットディフェンスからの速攻の練習をやってきました。それを何本か試合で出せたと思うのでよかったと思います。

――前半は得点がのびませんでした。その要因は何か考えられますか

初戦だったので競った試合になるとは思ってたんですけど、全体としては焦りは無くて、しっかり後半からは立て直していこうと思っていたので、それが実行できてよかったです。

――多くの点を決めたご自身のプレーへの評価を教えてください

相手ディフェンスが0ー6で低かったので、もうちょっと前半からロングシュートを狙っていけばよかったかなと思います。後半はボール回しを速くして、カットインプレーが増えたので、いいプレーが出たので明日もこういうプレーをしたいと思います。

――春は多くのディフェンスシステムを使っていましたが、この秋はどうなるのでしょうか

システムは何個かあって、夏を通して主に練習してきたのがこの試合で使った0ー6ディフェンスなので、それで試合をしました。失点もある程度は抑えられたのでよかったと思います。

――最後に目標を聞かせて下さい

春は出ていないので、秋から復帰して、これで優勝できなかったら僕の立場も無いので、しっかり優勝を目指して、一つ一つ集中して頑張っていきたいと思います。