関東学生春季リーグ・関東学生秋季リーグともに優勝を果たし、目覚ましい活躍を見せる早大ハンドボール部男子部。全日本学生選手権(インカレ)優勝への期待もますます高まる中、日本一を目指す選手たちは日々どのような練習を積んでいるのだろうか。
ハンドボール部の練習は主に東伏見キャンパス内の体育教室棟で行われる。女子ハンドボール部と入れ替わりで、17時半ごろから約2時間行われる男子ハンドボール部の練習は、入念なウォーミングアップから始まる。軽いパス練習や走り込みなどのオーソドックスなものが行われたが、中には選手が楽しめるよう遊び心が加えられた鬼ごっこ形式のパス練習などもあった。シュート練習も終えてコンディションが整うと、いよいよ本格的なフォーメーション練習へ入る。早大男子ハンド部の練習メニューは、選手の要望を取り入れつつ大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)が組んだ早大独自のもので、試合を意識した質の高いものとなっていた。選手たちは大城コーチの指示に従い、各自のポジションで与えられた役割に沿った動きを練習することになるのだ。
大城コーチの指示のもと練習は進む
フローター間でのパス回しからのサイドシュート、3対3のローテーション、4対3で行われるオフェンス判断の練習など、各目的に沿った多彩なフォーメーション練習が展開される。それぞれの動きが複雑になるに連れて、大城コーチの指導にも熱が入り、選手同士でコンタクトをとる場面も増えていく。体育館全体が活気を帯びる中、練習時間が残り30分を切ると、チーム全体での試合形式の練習が開始され、その日の練習内容を意識した試合展開が繰り広げられた。白熱した争いが行われた後、19時45分頃に試合形式の練習は終了。大城コーチ、岩下祐太主将(スポ4=熊本・千原台)がそれぞれ最後を締め、この日の全体練習は終わった。
ディフェンス上からのシュート練習
リーグ戦春秋連覇を達成し勢いにのる早大男子ハンドボール部。1カ月後のインカレで優勝を飾れば、念願の三冠達成が実現する。「インカレという大きな大会が近づいている中で雰囲気もピリピリした感じでやっている」と岩下が語る通り、練習中の選手たちの士気も高い。宿敵・日体大との対戦も踏まえ、チーム全体のさらなるレベルアップに期待が懸かる。
(記事 山本葵、写真 細川香衣)
コメント
岩下祐太主将(スポ4=熊本・千原台)
――きょうの練習を振り返って
僕は途中から来たんですけれど、インカレ(全日本学生選手権)という大きな大会が近づいている中で雰囲気もピリピリした感じでやっていると思います。雰囲気だけじゃなくて、きょうの1対1のようにお互い強く当たったり、試合を意識した練習をしているんですけれど、まだまだそういう練習をしていても負けてしまっているので、もっと試合を意識して強い相手と試合することを意識しなきゃ駄目だと思います。
――練習メニューを組んでいるのは大城コーチですか
そうですね。基本的に考えてくださっているのはコーチなんですけれど、一応ミーティングとかをやって、自分たちで課題が何なのかを見いだした上でコーチに伝えて、その上で練習メニューを組んでくださっています。なので自分たちが話し合ったことが結果的に練習に結び付くかたちでやっています。
――練習はワセダ独自のものが多いですか
練習の内容は独特というか、他のチームではやっていないような練習を多くやっていると思うので、試合をどれだけ意識した練習をできているかという点では、ほかのチームとは一味違って、うちのチームの方が内容も雰囲気もできているんじゃないかと思います。
――日によってメニューも大きく変わりますか
日というよりかは時期とか相手とかによって練習内容は変わってきます。速攻をメインにやる日はバンバン走るし、セットのオフェンスやディフェンスがテーマになっているときは、セットだけをやったりもします。
――つらい練習、楽しい練習は何ですか
つらいのは走る練習が一番…(笑)。フットワークだったりはつらいです。楽しいというか、6-6とかで合わせるときに、ああしようこうしようというのを話しながら練習していると僕も思ったことを発言できます。いろんな人からいろんな意見をもらえるので、そういう意味では会話が飛び交うので楽しいのかなと思います。
――インカレに向けて重点を置いている練習は
リーグ戦のデータを出してもらって見たんですけれど、ポストポジションからのシュートの得点とサイドの得点が極端に少なくて。それで負けている部分も大きいと思うので、ポストとサイドで点を取れるような練習も多くしたり、あとは速攻での点数もなかなか練習をしていなくて増えていないので、速攻もいま重点を置いて練習しています。
――インカレまであと1カ月ほどですが、現在のチームの状態は
リーグ戦で試合に常に出てたメンバーはやっぱりそれなりにレベルも高いし、スキルも持っていると思うんですけれど、リーグ戦であんまり試合に出ていない、経験の少ないメンバーも一緒に練習している中で、(そういったメンバーが)練習の中からでも目立ってくれれば、もっとチーム全体の層が厚くなると思います。これからインカレに向けてチーム全員がレベルアップできるようになっていきたいです。