全国のカベ厚く、苦しい結果に

馬術

 一年間の山場である全日本学生大会(全日本)。今までの鍛錬の成果が試される時がやってきた。まず初めに行われたのは全日本学生賞典障害飛越競技大会(障害)だ。早大からは三名が出場したが、第一走行で思うような走行が出来なかったことが響き、団体13位と沈む。障害を得意とするワセダとしては非常に悔しい結果となった。

 1、2日目に行われる障害。順調な滑り出しとは言えなかった。第一回走行で最初に出場したのは石山晴茄(スポ1=茨城・つくば秀英)・稲帥組。序盤は安定した走りを見せるも、徐々にリズムが乱れ始め3つの障害を落下させる。タイム減点はつかずに減点12という結果となった。続いて工藤千明(人4=東京・三鷹)・ゾビオン組が登場するが、序盤の障害で2反抗によりまさかの失権に。後がなくなったワセダ。なるべく減点をせず2日目へと望みを繋げたい。最後に出場した河野貴大(スポ3=東京・東農大一)・稲嵐組は、落ち着いたリズムで好スタートを切ると、安定した走りで障害を飛び越えていく。しかし中盤、6番障害を飛んだ後にバランス崩し落馬してしまう。惜しくも失権となった。

第一回、第二回走行ともに完走した石山・稲帥組

 続いて2日目。ここで上級生が意地を見せた。まず工藤・ゾビオン組が走行。4つの障害を落とし、タイム減点がついたものの見事完走する。河野・稲嵐組は、昨日の雪辱を果たすような完璧で落ち着いた走行を披露し、タイム減点が1点ついたものの障害を1つも落とさずに帰ってくる。「本当に馬は良い状態だったので、人の気持ちを入れ替えて、気合いを入れて頑張りました。」(河野)。石山・稲帥組は4落下と、タイム減点が惜しくも1点つき、個人としては全体23位につける。しかし、第一回走行での失点が響き団体順位としては17校中13位という苦い成績となった。

第二回走行で見事な走行を披露した河野・稲嵐組

 今回の結果は決してよいものではなかった。しかし、第二回走行で見せた三者の走りはこれからの馬術部の明るい未来を予見させるものだったと言えるだろう。石山と工藤は全日本学生賞典総合馬術競技大会(総合)にも出場が決まっている。ワセダの意地を見せつけることは出来るのか。最終日まで目が離せない。

(記事、写真 吉田安祐香)

★三川が馬場馬術に個人出場

演技を披露する三川・カプチーノA組

 3日目に行われた第59回全日本学生賞典馬場馬術競技大会(馬場)の予選に三川莉奈(基理3=東農大一)・カプチーノA組が出場した。昨年はこの大会に3人が出場し団体を組むことが出来たが、ことしは1組の出場となった。結果は25位と沈み、惜しくも決勝進出とはならなかった。らいねん、三川はラストイヤーを迎える。今回の悔しさをばねにして飛躍する姿に期待したい。

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

コメント

河野貴大(スポ3=東京・東農大一)

――今大会はどんな意気込みで臨みましたか

去年は馬の故障で出られなくて、初めてだったのでベストを尽くせるように頑張ろうと思っていました。

――障害の第1走行を振り返ってみていかがですか

馬はすごく良い状態で、途中まではすごく良かったのですが、油断して失敗してしまいました。

――スピードを抑えている印象でしたが、どんなプランで走りましたか

馬が元気が良かったので、丁寧にいこうと思っていました。

――落馬のシーンを振り返っていかがですか

人が迷ってしまって、行くか行かないかを決め切れなかったと思います。

――第2走行は落下なしでまとめましたが、修正したところはありますか

本当に馬は良い状態だったので、人の気持ちを入れ替えて、気合いを入れて頑張りました。

――ご自身の結果についていかがですか

正直、初日も気合を入れてやれば上位を狙えたと思うので、来年頑張ります。

――団体の結果についてはいかがですか

障害は、上級生がうまくいかなかったのですが、1年生の石山晴茄(スポ1=茨城・つくば秀英)が頑張ってくれて助かったという感じです。

――これからへの意気込みをお願いします

馬事公苑がなくなって、遠くで試合をすることになるので、また問題も起きたりするとは思うのですが、来年は最上級生として頑張りたいと思います。