各々課題を見つける

馬術

 新体制の力が試される形となった。伝統のある今大会は、複数の種目を行って個人の成績が点数として換算され、その合計を競い合う。ワセダからは総力とまではいかないものの実力のあるメンバーが多数出場したが、結果は団体3位と振るわなかった。しかし、最終日に行われた新人障害飛越競技(新人障害)では山田瑞希(創理2=栃木・立教英国学院)が減点なしで3位につけるなど、少しずつ感覚をつかみ始めているようだ。

 1日目・2日目にかけて行われるは複合馬術競技には、河野貴大(スポ2=東京・東農大一)・稲嵐ペアと、山田・稲師ペアがそれぞれ出場。しかし結果は思わしくなかった。馬場馬術競技(馬場)では山田は前回からの不調を克服できず全体で10位、障害馬で出場した河野は12位と、良いスタートを切ることはできなかった。続いて行われた障害では、河野は障害の落下はなかったがタイム減点がつき7位、山田は終盤にペースが崩れてしまい2反抗による失権という結果に終わった。

障害用の馬、稲嵐で馬場に臨む河野

 しかし、同時に開催される他の競技ではワセダの健闘が目立った。新人馬場では三川莉奈(基理2=東京・東農大一)・カプチーノAペアが4位につけ勝ち点を大きく獲得し、新人障害では山田・稲師ペアが減点なしで走行し3位入賞。「まだまだ反省点はあるとはいえ、良かったなと思います」と山田が語るように徐々にいい方向へと向かいつつあるようだ。また、中障害では河野・稲嵐ペアが障害減点を4点に抑えて4位という結果を残し、チームの団体成績に貢献した。各自でポイントを稼ぎ、団体結果は48ポイントで明大・慶大に続く3位となった。

最終日に快調な走行を見せた山田と稲師

 今年度最後の公式戦が終わった。結果としては3位だったが、1位の明大は118ポイント、2位の慶大は108ポイントと上位2校に大差で突き放されている。新体制の力が試された今大会、決して良かったとは言えないかもしれない。しかし、確実におのおのの課題や修正点を見つけるという貴重な収穫があった。次の公式戦、関東学生選手権までは時間がある。それまでに部員一人一人が自身の課題を克服し、成長した姿が見られることを期待したい。

(記事 吉田安祐香、写真 吉田安祐香、桝田大暉)

結果

▽六大学総合順位

優勝 明大
2位 慶大
3位 早大

▽複合馬術競技

7位 河野貴大・稲嵐 
9位 山田瑞希・稲師

▽新人馬場馬術競技

4位 三川莉奈・カプチーノA
※入賞者のみ掲載

▽新人障害馬術競技

3位 山田瑞希・稲師

▽中障害馬術競技

4位 河野貴大・稲嵐
6位 山田瑞希・稲師

コメント

北原佑一朗主将(教3=東京・早稲田)

――今大会の目標を教えてください

うちは六大学はやはり加盟校同士の戦いなので、必要最低限の馬は出すんですけども、そこまで六大学に向けて調整はしていませんが、入賞は狙えるように組みました。

――ご自身の試合を振り返っていかがですか

失敗も結構ありはしたんですけど、これから一年間付きあっていく馬なので、これから馬のことをもう少し理解しなければなという反省が生まれるような試合でした。これまではそんなに大きな反抗がなかったので、そういう意味では新たな馬の一面が見られたのは収穫としては大きかったと思います。成果はなかったですけど、その代り得られるものはあったかなと。

――他の選手の結果についてはどうお考えですか

全体を見回してみると、新体制が始まったばかりなので、選手の入れ替わりもある中で、手探りというか、こういう人馬の組み合わせはいけるかなとか、色々と確認できた試合だったかなと思います。

――新体制に移行しましたが、いかがですか

馬の管理だとかそういうもので偏っている部分が大きくて、副将の工藤(工藤千明(人3=東京・三鷹))が結構多くの馬を見ているので、その辺りをうまいこと分担していこうと思っています。我々もあと一年足らずで引退してしまうので、先のことを見越して引き継いでいけたらなと思います。

――今季の抱負をお願いします

昨年度は早慶戦は完全優勝しましたし、各試合それぞれで入賞したので、選手層に若干不安は残るんですけど、今年もそれに劣らないような成績を残せたらなと思います。

河野貴大(スポ2=東京・東農大一)

――団体3位という結果についていかがですか

2位か3位かなと思っていたんですけど、2位のケイオーとのポイント差を見るとすごく離されているので、もうちょっと頑張れたかなと思います。

――個人としての試合内容を振り返っていかがですか

1日目の複合馬場は障害で使う馬を使ってみたので、そんなに結果は期待してなかったんですけど、もうちょっと頑張れたかなって感じです。2日目も要練習って感じですね。

――課題は明確になりましたか

そうですね。何を練習すればいいのかは分かった気がします。

――具体的に挙げることはできますか

馬場馬はもう少し馬をまっすぐにするというか。簡単に言うとそんな感じです。

――新体制も本格的に始動していると思いますが、チームの雰囲気はいかがですか

雰囲気はすごくよくやれているので、緩みすぎないように、良い雰囲気の中にもぴりっとして団結していけたらいいなと思います。

――今後に向けて、目標や意気込みをお願いします

今回はあまりうまくいかなくて、課題が多く残ったんですが、関東(学生大会)まで時間があるので1個ずつ課題をつぶしていこうと思います。

山田瑞月(創理2=栃木・立教英国学院)

――前回から今回の大会に向けての修正点は

前回の大会では、120センチ(の障害)が自分の考えていたのよりも全然回って来れなかったので、それの反省がありました。どういう風にして馬をまとめるか、とかそういったことを考えて、きょうは臨みました。

――それを踏まえて馬場の手応えは

良くはなかったです。前回も今回も。

――続いて障害はいかがでしたか

土曜日がいつも良くなくて、それが自分の課題だと思っています。日曜日の新人戦は0で帰ってくることができたのは、まだまだ反省点はあるとはいえ、良かったなと思います。中障害に関しては馬が頑張ってくれているので自分も能力を引き出せるように今後も練習していきたいな、と思います。

――具体的に、今大会で見つかった課題というのは

私の乗る稲帥号は走ってしまう馬なので、それをどういう風にまとめて、いかに最後まで同じペースで帰ってこれるか、というのが一定の課題です。それが最後の120センチ(の障害)でもできていなくて、そういうところがまだまだ課題だと考えています。

――新体制も始まって時間が経ちましたが、雰囲気などいかがでしょうか

(次年度の)4年生が工藤(千明、人3=東京・三鷹)さんしかいらっしゃらなくて、(次年度の)3年は河野(貴大、スポ2=東京・東農大一)と私という形です。まだ一番上ではないですし、責任というよりかは競技を頑張れる年なので、ことし色々吸収して、らいねん引っ張っていけるような存在になっていきたいです。

――今後の抱負は

まだ関東学生選手権に向けて試合が何個かあるので、その中でしっかり稲帥号との折り合いを見つけて、関東学生選手権で結果を残せるようにがんばりたいと思います。