団体は表彰台逃すも佐々が個人で2位に輝く

馬術

 関東学生三大大会の一つである、関東学生賞典総合馬術競技大会(総合)が2日間にわたって開催された。 馬場馬術競技(馬場)、クロスカントリー競技(クロスカントリー)、障害飛越競技(障害)の3種目を行い、各大学上位3名の減点の少なさで争うこの大会に早大からは4名がエントリー。しかし、その内1名が棄権、2名が失権となったため団体は合計減点2053.8点で6位に終わる。そのような中で、佐々紫苑(スポ2=神奈川・日大女付)は3日間安定した試合運びをし、個人で2位入賞を果たした。

 第1種目は、調教審査である馬場。早大はこの馬場を苦手とする選手が多いが出場者40名中、佐々が4位、大澤佳純主将(教4=神奈川・桐蔭学園)が15位と健闘する。しかしその大澤主将が棄権し、早大は残り2種目を佐々、河野貴大(スポ2=東京・東農大一)、工藤千明(人3=東京・三鷹)の三名で戦うこととなった。迎えた2種目目のクロスカントリー。早大の1番手で登場した工藤が16番障害で落馬し、失権となってしまう。しかし、続く河野と佐々は見事完走し、悪い流れを断ち切り最終種目に望みをつなぐ。特に佐々は減点なし、また出場者トップのタイムで会心の走りを見せた。

慣れないクロスカントリーを完走した河野と稲玄

 2種目を終えると、出場者は最初の半分の20名にまで減っていた。クロスカントリーでの失権が相次いだためだ。難関をくぐり抜け、河野と佐々は余力審査である障害に挑んだ。クロスカントリーを終えたばかりである上、頭上にはじりじりと照り付ける太陽。河野が乗る稲玄には疲れが見えた。結果は2反抗で失権。試合後には「実力不足だった」(河野)と自分を責めた。残るは、佐々ただ一人。2種目終了時点ではトップとの減点差が2.6点の3位につけていた。優勝に望みをつなげるべく落下なしでまとめたいところであったが、3番のダブル障害で1落下。あと1歩のところで惜しくも栄冠を逃したが、「満足してます」(佐々)と納得の結果を手にした。

早大で唯一個人入賞した佐々と稲隆

 この関東学生三大大会は、総合こそ6位だったものの馬場と障害では団体として表彰台に登った早大。また、三大会の総合結果では4位入賞を果たした。素晴らしい成績を残したが、これだけでは満足しない。10月から開催される全日本学生大会で団体上位を狙うため――。早大馬術部、勝負の夏が始まろうとしている。

(記事 稲満美也、写真 桝田大暉、稲満美也)

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表彰式後、笑顔の早大馬術部

結果

▽関東学生賞典総合馬術競技大会 団体結果

1位 日大 合計減点163.6点

2位 専大 合計減点215.4点

3位 明大 合計減点237.1点

6位 早大 合計減点2053.8点

▽関東学生賞典総合馬術競技大会 個人結果

2位 佐々・稲隆

▽関東学生三大大会 総合団体結果

1位 日大

2位 明大

3位 専大

4位 早大

コメント

河野貴大(スポ2=東京・東農大一)

――今大会の結果についていかがですか

稲玄は総合をまともに帰ってきたのは前回が初めてで、今回はどうなるかと思ったんですけど、野外は馬が頑張ってくれて帰ってくることができたのでそれは良かったと思います。でも障害も帰ってくることができれば、団体で(三大会の総合順位が)3位まで上がったかもしれないので、そういう面では実力不足だったと思います。

――稲玄との相性はいかがでしたか

半年くらい乗っているので、だいぶ感覚が合ってきたと思います。きょうは人がミスしてしまったので、馬に申し訳ないです。

――以前、経験が浅いとおっしゃっていたクロスカントリーですが、きょうの走行を振り返っていかがですか

本当に人が経験値がない中で、馬はベテランなので、馬に助けてもらいながら人は乗っかっているだけで、気合いで頑張りました。

――障害で失権となってしまった原因をどのように考えていますか

野外もあって疲れているので、サポートしてあげられれば良かったと思います。

――これからの練習で強化していきたいところは何ですか

全部ですね。初日の馬場があまり順位が良くなかったので、もう少し馬場で点が稼げるようにしたいです。野外は経験を積んで、障害はずっとやってきてるのでもっと感覚を磨きたいと思います。

 

佐々紫苑 (スポ2=神奈川・日大女付)

――今回コンビを組んだ稲隆は昨年のこの大会の優勝馬でしたが

今回、馬場の時に今までとちょっと違うことをやってみたりして、良い感じだったので優勝したかったんですけど、馬の能力的にも落下は仕方なかったかなと。馬はよく頑張ってくれたので、良かったと思います。

――この大会の団体としての目標は

団体は入賞が目標だったので、総合だけ入れなかったのは悔しいです。チームでまた団体枠とれるか分からないですが、全学(全日本学生大会)に向けてみんなで頑張っていけたらと思います。

――試合の中で意識したことはありますか

乗った馬はみんなすごく良い馬で、その馬の能力をいかに人間が引き出してあげられるかが問題だったので、馬の能力は心配せずに、人間が緊張しないで乗れるように心掛けました。

――総合で個人2位という結果はいかがですか

勝ちたかったので、落としちゃった時は悔しかったんですけど、出番直前にハプニングがあったりして、それでも暑い中馬はよく頑張ってくれたので満足してます。

――課題は見つかりましたか

障害では自分と馬との間の課題が見つかって、総合は馬のケアの部分で色々あったので、暑かったので仕方ないんですけど、馬のケアだけ対策を練ってみようかと思っています。

――収穫も得られたでしょうか

こうなったら稲隆が暴れちゃうんじゃないかと不安だった部分が意外と大丈夫だったりとか、これぐらいスピード出しても大丈夫だなとか、調整してみて良かったことがあったので、全学(全日本学生大会)などの次の試合に生かせると思います。

――最後に今後の目標をお願いします

今後は稲隆では全日本学生大会で優勝できるようにしっかり調整していきたいと思います。障害は夏に学生戦ではなく全日本大会があるので、そちらでも結果を残せるように練習していきたいと思います。