力不足を実感した4位

馬術

 個人の学生日本一を決める大舞台である第85回全日本学生選手権(選手権)と第49回全日本女子学生大会→選手権(女子選手権)が併せて行われた。選手権に出場した五十嵐裕哉(創理3=新潟南)が決勝に進むも惜しくも4位。畠山聖(スポ3=茨城・常総学院)はベスト16、選手権に出場した大澤佳純(教2=神奈川・桐蔭学園)は1回戦敗退で幕を閉じることになった。

 4人ずつブロックに分かれ上位2人が勝ち上がる方式で行われ、1、2回戦までは馬場馬術(馬場)のみで競う。準決勝からは馬場と障害超越(障害)の合計得点で勝敗を決めることになるが、馬場を苦手とする早大陣は苦戦を強いられることになった。また、貸与馬に乗るため騎手の力量が試される。ここ数試合、調子が上がらない大澤は1回戦敗退。危なげなく初戦を通過した畠山もやはり馬場でつまずき、準決勝に駒を進めることはかなわなかった。

悔しい2回戦敗退となった畠山

 そんな中、五十嵐だけは順調に勝ち進んでいく。馬場で点差を広げられた準決勝だったが、得意の障害で見事巻き返しを図り決勝進出を果たした。ただ8番のダブル障害をどちらも落としており決して満足のいく結果とはいえない。そうして迎えた決勝、苦手意識の強い馬場ではまずまずの成績を収める。しかし「もっと人間がしっかりしてやればさらに得点を狙える馬なのですが技術不足で負けてしまいました」と五十嵐は語り、本人の納得いく演技とはいかず悔しさをにじませた。障害の2回目の走行では貸与馬に苦しみ、障害物をほとんど落下させてしまう。そのため減点がかさみ表彰台にはあと一歩届かなかった。

あと一歩のところで表彰台を逃した五十嵐

 今大会では馬場における技術不足を露呈した。この課題が克服できれば栄光に大きく近づけるに違いない。冬にどれだけ強化できるかがカギだろう。来春一回り成長した早大を目にするのがいまから楽しみでならない。

(記事 藤巻晴帆、写真 井上雄太)

コメント

五十嵐裕哉(創理3=新潟南)

――きのうの1回戦と2回戦を振り返っていかがでしたか

らいねんのシード権を取るために準決勝まで残ることが目標だったので、なんとかそこまで残ることができてよかったかなと思います。

――準決勝を振り返っていかがでしたか

馬場が全然できないので差が開いてしまったのですが、障害は2落してしまい決して良くはなかったとはいえ(逆転することができたので)結果的には良かったと思います。

――決勝では苦手とされる馬場馬術を上手くまとめているように感じられましたが

馬場の1頭目はもっとできるいい馬なので、もっと人間がしっかりしてやれば更に得点を狙える馬なのですが技術不足で負けてしまいました。2頭目の馬でも細かいミスが出てもったいない減点が多かったなと思います。

――障害では大きなミスが見られました。その原因として挙げられるものは

4番目の馬ということで、馬もだいぶ疲れていて前向きに飛ぶ気持ちも失っていたので仕方がないかなと思います。

――来シーズンに向けて強化していきたいところは

自分個人としては馬場が全くできないのでそこを頑張っていきたいと思います。

――主将としてどのようにチームを引っ張っていきたいですか

個人としてはまだ自分も全然完成している人間ではないので、未熟ながら教えていくことは難しいですが、まずはしっかり団体3種目を全日本で組めるように下級生の強化を冬の間になんとかしていきたいなと思います。

畠山聖(スポ3=茨城・常総学院)

――きょうの1回戦、2回戦をそれぞれ振り返ってみていかがですか

1回戦はまあ勝てたんですけど、2回戦は馬が馬見せから良くなくて、(出番を決める)くじで1番を引いてしまってあまり期待はできなかったので、やれることはやったんですけど、2人目の人が乗るときから馬の調子がだんだん良くなってしまって、しかもうまい選手がいたので、そちらのほうが良くなるのは当然なのでしょうがないです。

――これからは大きな大会がない期間が続くと思いますが、どのようにして強化を図っていきたいですか

とりあえず馬もずっと試合に使っていたのでこの冬は少し休ませて、ぼちぼち試合が始まり出すのが2月終わりから3月初めごろなので、そこから調子を上げていってという感じですね。そこからはほぼ毎週のように試合があるのでいまのうちに人もちょっと休みたいと思います。

――今後、最高学年としてどのようにチームを引っ張っていきたいですか

最高学年になったとはいっても、きょねんもおととしも人を教えてたりしたのであまり変わらないんですけど、最高学年になったからといって偉そうにすることもなくいままで通りにできたらいいかなと思います。