全日本種目別に藤尾・向中野が出場 落下が響き決勝進出とはならず

体操

 全日本種目別選手権(種目別)が、東京体育館で行われた。早大からはあん馬に藤尾拓海主将(スポ4=岡山・関西)、向中野蓮(スポ2=千葉・市船橋)が出場するも、落下が重なり演技に乱れが出てしまう。藤尾は11.000点で23位、向中野は11.566点で21位となり、2選手どちらも決勝に進むことはできなかった。

 今大会は18日のあん馬の予選に25人が出場し、上位8人が19日の決勝に進出する。予選の前半競技であるあん馬は10時40分からの開始。昨年度に続き2度目の出場である向中野は、2組の5番手となった。直前の選手の点数発表に時間がかかるというアクシデントもあったが、競技前には笑顔を見せるなど、リラックスした雰囲気が見られた。いよいよ演技順が回ってくる。向中野は一息ついてからゆっくりと演技を始めるも落下してしまう。表情にはまだ落ち着きが見られたが、背中が取っ手についてしまい、2度目の落下。さらに立て続けにもう一度落下し、3度の落下となってしまう。最後には落ち着いた演技を見せたが、結果は11.566点。満足のいく演技ではなかったという昨年度の13.366点(19位)から大きく点を落とし、悔しさをのぞかせた。

あん馬の演技をする向中野

 藤尾は続く3組の1番手として出場。ずっと目標だったという今大会には、大学4年目にして初の出場となった。大きく息をついてから、しなやかに演技を始めた藤尾。しかし新たに加えた技で失敗し、落下してしまう。さらに徐々に勢いに乗ってきたところで、ひざが馬体の側面にぶつかり2度目の落下。1度落下してしまったことで「精神的な焦り」が出たと振り返る。その後は流れに乗った旋回技を見せたが、11.000点という点数に。藤尾は硬い表情のままあん馬を後にした。

あん馬の演技に挑む藤尾

 新しい技を入れるなどして挑んだものの、向中野は11.566点で21位、藤尾は11.000点で23位とどちらも決勝進出とはならず、悔しさの残る大会となった。お互いに落下が影響し、本来の実力が出せなかった結果だ。今回の反省を踏まえ、7月頭の早慶戦、そして8月の全日本学生選手権(全日本インカレ)では両選手の満足いく演技となるよう期待したい。

(記事 荒井結月、写真 田中駿祐)


種目別選手権 あん馬
選手名 結果(順位)
藤尾拓海主将(スポ4) 11.000(23位)
向中野蓮(スポ2) 11.566(21位)


藤尾拓海主将(スポ4=岡山・関西)

――今の心境はいかがですか

 「やっちゃったな」という感じです。

――今日は何を目標に取り組んでいましたか

 決勝に行くというのが一番でした。今日の予選ではこの一本の演技を大切にしようと思っていたのですが、うまくいきませんでした。

――本日の演技を振り返っていかがですか

 練習でも出たことがないくらい失敗してしまって。いい感じで(今日まで)運べてきていたので、どこが駄目だったのかを振り返らないといけないなと思います。

――2度の落下もありました

 1回目の落下は新しく入れた難しい技だったのですが、2回目の落下は精神的な焦りから出たものだなと思うので、そこも含めて反省が必要ですね。

――ずっと目標だったという種目別に、4年目にして初の出場となりました。これについてはいかがですか

 昨年と違ってここまで来たというのはすごく大きかったです。ただ、まだまだ上を目指してやっていく必要があるなと思いました。緊張はあまりしませんでしたが、「失敗したらどうしよう」という恐怖感はありました。

――向中野選手の演技はご覧になっていていかがでしたか

 応援しながら見ていましたが、(向中野選手が)落ちてしまって。その後は1回自分の世界に入って落ち着こうとしていました。お互いの演技の後には、グータッチをして、ドンマイと声をかけ合いました。

――最後に早慶戦と、全日本学生選手権(全日本インカレ)への意気込みを教えてください

 早慶戦では今回と同じであん馬にだけ出場します。今回の反省点を生かして、通しで演技をやり切れたらいいなと思います。インカレでは、ずっと団体で3位になるという目標があって。それを達成するために、これからチームみんなで一丸となって頑張りたいです。

向中野蓮選手(スポ2=千葉・市船橋)

――今の心境はいかがですか

 やはり失敗してしまったので悔しい気持ちです。

――何を目標に取り組んでいましたか

 上位8人が明日(19日)の決勝に進めるので、そこを目標にやっていました。結構攻めた演技をしないとその8人に残れないと思っていたので、攻めましたが失敗してしまいました。

――本日の演技を振り返っていかがですか

 いつもミスをしないところでミスをしてしまったので、詰めが甘かったのかなと思います。

――順番待ちが長かったですが、どのような心境で待機していましたか

 もう長いから早くしてくれという感じでしたね。

――昨年に続き、2度目の種目別でしたがいかがですか

 昨年もあまりいい演技ができず、今年も失敗をしてしまったので、来年こそはしっかりとやりたいです。

――藤尾選手の演技は見ていてどうでしたか

 練習の段階から僕よりも拓海さん(藤尾拓海主将)の方が仕上がっていたので、あの人でも失敗するんだなという感じです。

――これからどのような練習をしていきたいですか

 あん馬は落ちやすい種目ということもあるので、それでも落ちないようにもっと詰めて、最後の最後までミスをしないような練習をしていきたいです。

――最後に早慶戦と、全日本学生選手権(全日本インカレ)への意気込みを教えてください

 早慶戦はあん馬で出場するので、そこではしっかりと今日の反省を生かしてやっていきたいです。全日本インカレはまだメンバーも決まっていないので、まずはしっかりとメンバーに入れるようにして、今日出たミスなども踏まえながらしっかりと練習をしていきたいです。