東インカレ男女個人 田村、首藤、鶴木が出場 次につながる結果に

体操

 東日本学生選手権(東日本インカレ)が、有観客の中、高崎アリーナで行われた。早大からは女子個人で田村七紗(先理2=東京・錦城)、男子個人で首藤匠(スポ3=三重・暁)、鶴木康成(スポ2=埼玉栄)が出場した。田村は88位、首藤は40位、鶴木は52位という結果だった。

 4月に行われた東日本学生グループ選手権で28位となり、今大会への出場権を獲得していた田村。第1種目は平均台。緊張からか、少し強張った表情で平均台に手を掛ける。そして平均台に横からの前転で乗って演技を始めた。途中で1度落下するも、落ち着いて演技を再開し、その後は安定した演技を見せた。続くゆかでは壮大できらびやかな音楽に合わせ、華やかな演技を披露。ジャンプを成功させると笑顔も見られた。着地が少しずれ、一歩踏み出す場面もあったが後半では見事修正し、10.500点を記録した。

ゆかでポーズを決める田村

 1ターンの休憩を経て、田村は3種目目の跳馬に挑む。もともと好きな種目だという跳馬では、着地をぴたりと決める好演。11.750という点数だった。最終種目の段違い平行棒では8.150点と、「まだDスコア(技の難易度)が低い」と語る田村。さらなる成長に期待のかかる大会となった。

 男子個人には首藤、鶴木が1班の5番、6番で出場した。第1種目はゆか。先に挑んだ首藤は最初のジャンプを成功させると、その後も安定して技を決め、13.300点と高得点をマークした。また、鶴木もまとまりのある演技で13.050点を記録。両者ともに好成績を納め、幸先の良いスタートを切った。2種目目のあん馬では首藤が落ち着いた演技を見せる。鶴木は序盤からスピードに乗った演技を見せるも、難しい構成に挑んだ分ミスが出てしまう結果となった。

 第3種目はつり輪。首藤は緩急のある演技を見せると、着地もぴたりと止める好演。鶴木も始めは一つずつ確実に技を決めていったものの、後半にぐらつき、着地でも大きく一歩踏み出してしまう。唇をかみしめ、悔しさをあらわにした。しかし第4種目の跳馬では2人とも安定して技を決める。鶴木は13.150点とこの日一番の高得点を出し、あん馬とつり輪の失敗を取り返した。

演技後に笑顔を見せる鶴木

 続く5種目目は平行棒。ここまで好演を続けてきた首藤だったが、「鬼門」だと語る平行棒でミスが出てしまう。12.150点と悔しい結果になった。反対に鶴木は調子を上げる。しっかりと間を取ってから演技を始めると、テンポ良く技を重ねた。最後の6種目目は鉄棒。首藤は一度落下してしまい、平行棒に続いてミスが出る結果に。良い演技が続いていただけに、試合後には「悔しいとしか言いようがない」と心境を明かした。ダイナミックな演技を披露した鶴木は「今までで一番いい演技ができたのではないか」と振り返った。

 それぞれに課題の残る点もありつつ、全体として次につながる演技が見られた。声を出しての応援などに制限はあるものの、ようやく観客も戻りだしている。全日本学生選手権(全日本インカレ)に向け、さらなる飛躍が見込まれる。

(記事、写真 荒井結月)

結果
女子個人総合
選手名 跳馬 段違い平行棒 平均台 ゆか 合計点 順位
田村七紗(先理2) 11.750 8.150 9.800 10.500 40.200 88位


男子個人総合
選手名 ゆか あん馬 つり輪 跳馬 平行棒 鉄棒 合計点 順位
首藤匠(スポ3) 13.300 12.850 12.800 13.600 12.150 12.100 76.800 40位
鶴木康成(スポ2) 13.050 11.900 12.000 13.150 12.800 12.700 75.600 52位


田村七紗(先理2=東京・錦城)

――試合を終えて今の心境はいかがですか

 前回の試合と同じところを失敗してしまいましたが、前回とは違って、平均台にちゃんと乗ることができたので良かったです。

――今日の目標は何でしたか

 この大会で予選を通過すると全日本インカレに出られるので、上位6人に入れるように完成度の高い演技ができるように意識して取り組みました。

――今日の演技を全体的に振り返っていかがですか

 平均台は落ちてしまったのですが、他の技はあまりふらつきなくできたので良かったです。ゆかは大学の床よりも少し跳ねてしまうところがあって、最初は着地でうまくいかなかったところがあったのですが、後半は着地を意識してできたので良かったです。

――調子が良かった種目は何ですか

 調子が良かったのは跳馬です。もともと好きな種目なのですが、今日は着地まで止めて演技ができたので良かったなと思います。

――反対に、反省が残る種目はありますか

 一つ目が、失敗してしまった平均台です。前回の大会で失敗してしまってから練習を積んできましたが、まだ怖くてできていない部分があるので、もし全日本インカレに出られたら修正していきたいです。二つ目は段違い平行棒です。まだ技のDスコアが低く、減点される箇所もたくさんあるので、修正していきたいです。

――ゆかや跳馬を振り返ってみていかがですか

 ゆかも着地以外はうまくできました。ゆかで2回宙返りをすると0.5点加点されるのですが、まだそれができていません。そこを次の試合ではできたらいいなと思います。跳馬は可能なら新しい技ができればいいなというくらいで、今の技の完成度を高めたいなと思っています。

――今後の目標について教えてください

 全日本インカレに出られたら、新しい技を入れてさらに完成度の高い演技ができるように頑張りたいと思います。

首藤匠(スポ3=三重・暁)

――試合を終えて、今の心境はいかがでしょうか

 悔しいとしか言いようがないです。

――今日は何を目標に取り組んでいましたか

 楽しくやろうと思い、1種目目から笑顔を忘れないように取り組みました。

――今日の演技を全体的に振り返っていかがですか

 苦手で鬼門となっていた5種目目の平行棒を乗り切りたいと思っていましたが、そこでミスをしてしまいました。ミスをした気持ちをそのまま切り替えることができず、最後の鉄棒でも失敗してしまったので、そこが悔しいですね。

――調子が良かった種目はありますか

 全体的に調子は良かったと思います。前日の会場練習から調子が良く、楽しんで演技できていたのですが、今日はその中でミスが出てしまったという印象です。

――反省点が残る種目はありますか

 平行棒と鉄棒です。最近は点数的にも得意種目となってきていた中で失敗が出てしまったことが悔しいです。

――他のそれぞれの演技についてはいかがですか

 ゆかは1種目目ということで緊張していました。着地を狙いにいく気持ちではなく、全部一歩(以内に抑える)という感じで、少し抑えに入ってしまいました。あん馬の最初の技は試合で初めてやり、少しつまりかけたのですが、それ以外は縮まることなく思い切り演技できたので良かったです。つり輪はEスコアも評価され、8点台前半ですが取れたので、結構プラスにできるなと思いました。次の全日本インカレでは、もう少しEスコアをあげられるようにしたいと思います。跳馬はミスできない種目で、安定に後ろ一歩で(抑えた)、という印象です。

――最後に今後の目標について教えてください

 今回3年目にしてようやく東日本インカレが開催され、個人のみでの出場となりました。全日本インカレまであと2、3カ月ほどですが、調子も上がってきているので、全日本インカレは団体で出られるように、そして個人としてはU‐21の代表に選ばれるように練習を積んでいきたいと思います。

鶴木康成(スポ2=埼玉栄)

――試合を終えて今の心境はいかがですか

 最近あまり良い練習ができていなかったのですが、今日の試合はミスがある中でも、うまくまとまった演技ができたかなと思います。

――今日の目標は何でしたか

 久しぶりの試合だったので、試合感を楽しみながら演技できたら良いなと思っていました。

――調子が良かった種目は何ですか

 平行棒と鉄棒です。鉄棒とかは今まで一番いい演技ができたのではないかなと思います。

――反省が残る点はありますか

 あん馬とつり輪で納得のいかない演技がありました。あん馬は得意種目なのですが、難しい構成に挑んだので一番不安で。その不安が出てしまいましたね。つり輪は最後の9技目くらいの技で横にぐらついてしまって、そこを修正できずに終末技までいってしまったのでぐだついてしまいました。

――他の演技について振り返ってみていかがですか

 ゆかは結構まとまった演技ができました。着地を6つのうち3つを止めて、良い演技ができたのではないかなと思います。跳馬は最近足首を痛めていた影響でなかなか着地の取れない状況が続いていましたが、今日はその中では良い一本だったのかなと思います。

――最後に、今後の目標について教えてください

 8月に全日本インカレがあるので、それに出られるように。今はケガ人もいてうまい人たちが出られていないので、そこでしっかり出られるよう、安定した演技ができるように頑張ります。