河崎、最後のインカレは9位

体操

 福岡県の北九州市立総合体育館において、行われた全日本学生選手権(インカレ)。1日目と2日目の2日間に渡って個人総合が行われ、各選手4種目の演技を披露し合計点で競った。最後のインカレに臨んだ河崎羽珠愛(スポ4=千葉・植草学園大付)はいくつかミスを犯してしまい、本来の実力が出せなかった種目も。自身の演技を振り返って「波乱万丈」と評した通り、酸いも甘いも噛み分ける結果となった。

 1日目に行われたのはフープとボール。最初のフープでは、冒頭強張る様子が感じられたが、だんだん身体が動くように。しかしやはり非常に緊張していたようで、フープをくぐらせる際に引っかかってしまったか、手を離してしまう。更にリスクを試みる際に、フープを進行方向の遠くへ弾いてしまい場外へ。Dスコア(技術点)の上限がなくなった現在の新体操は最初から最後まで技を詰めた方が得点が出やすい。河崎のプログラムも例外ではなく、休みなく動くことが求められる構成となっており、高いスコアを狙える反面、手具のラインアウトなどで演技が中断されてしまった時に失う点数が大きく1つのミスが命取りになることも。河崎は予備の手具に持ち替えて演技を再開したが、大きく得点を失って19位と想定外の位置からのスタートを切ることになってしまった。続くボールでは序盤に右腕から背中を通して左腕へとボールを転がせる技の途中で、手具を落下させてしまうミス。それでも直後にあるローテーションのパンシェ・ターンは後ろ足を真っ直ぐ天井にあげて綺麗に3回転以上続けた。その後は落ち着いて、それぞれのリスクでも慌てることなくしっかり落下点に入った状態で手具をキャッチ。目立ったミスは手具落下の1回に留め、16.800とまずまずのスコアを記録し、1日目を13位で折り返した。

予備の手具でのフィニッシュとなったフープ

 2日目は河崎にとって「1番難しい種目」であるというクラブから演技を披露。序盤、フロアの対角線上を大きく使い、ジュテアントゥールナンの連続から更に2回転する迫力あるリスクを決める。しかしそこで勢いがつきすぎたか、次のリスクでクラブを飛ばしすぎてしまい、フープでのミスもよぎる危うい場面となったが、しっかり見て走ることで押さえ込んだ。フェッテ・ターンでは音をしっかりとった状態で2回転を4セット続け得点源に。「2日目の方がのびのびできたかな」と振り返った通り、つま先まで神経の行き届いたキレのある演技で魅了した。最終種目のリボンは「あまり綺麗な曲を使ってこなかった」という河崎が美しい旋律にのせて舞うプログラム。背中から腕にかけてのラインを美しく見せる柔らかい動きを丁寧に演じた。しかし、リボンが身体にふれるなどしてもたつき、勢いが失われるミスもいくつか見られた。序盤、片手で倒立姿勢になった際に足に引っかけてしまい演技が短い時間ではあるが途切れてしまう。終盤にもキャッチした後にそのまま上手く勢いを繋げることができず、身体に絡まった状態に。すぐに解いて演技を続けたが、焦りがでてしまったかリボンに十分な勢いがないままにドゥヴァンに足をあげてバランスをとろうとしたが再び足に引っ掛けてしまう。その後なんとかアラスゴンドでのバランスは遂行したものの、後味の悪い演技となってしまった。

クラブの演技でジュテアントゥールナンをする河崎

 思い描いていたような理想の演技を揃えることはできなかったものの、フープ以外の3種目で大会3日目に行われる種目別決勝に駒を進めた。あまり時間はないが見つかった課題を改善し、より良いパフォーマンスに繋げたい所だ。

(記事、写真 青柳香穂)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果
女子個人総合
選手名 フープ ボール クラブ リボン 合計点
河崎羽珠愛(スポ4) 14.150(19位) 16.800(7位) 16.000(3位) 14.300(9位) 61.250(9位)