「団体3位」を掲げて臨んだ今大会。滑り出しこそ悪くなかったが途中の平行棒で乱れ、最後のあん馬でのミスの連続が望みを潰えさせた。主将の欠場も響いたか、早大は去年から順位を下げ398.150で6位となった。
最初の種目はつり輪。スタートの大役を担ったのは団体メンバー入りを直前に告げられた1年生の藤尾拓海(スポ1=岡山・関西)。少し緊張は見られたものの無難にまとめきり、まずまずのスタートを切った。また早大の得点源の1つである跳馬では南亜蘭副将(スポ4=大阪・太成学院大)がヨー2をきれいに決め14.850の高得点を叩き出す。ラインアウトした選手もおらず良い雰囲気に。しかし続く平行棒では南と原田脩(スポ3=東京・帝京)にそれぞれ大きなミスが出てしまい、加えて他選手も小さなミスを重ねたため、得点が伸び悩んでしまった。
つり輪で好演技を披露し種目別選手権決勝に残った南
後半に入り、鉄棒では落下する選手はおらずチームの得点としては及第点を記録。チームとしては5種目目のゆかはしっかりまとめたが、最後のあん馬で悪夢が襲う。最初に演技した南は、足が把手に引っかかる場面も見られたが粘りを見せて落下は免れた。しかしその後続いた武井優介(スポ1=東京・松陰)が落下。更に高い実力を持ち本来チームを牽引するはずだった竹端健太郎(スポ2=京都・洛南)が平行棒で着地をまとめきれなかったことを皮切りに後半種目でミスを連発。あん馬でも落下しチームはとどめを刺される形に。藤尾、山田元大(スポ3=千葉・市船橋)はそれぞれ緊張の中悪くない演技を見せたが、ミスはカバーしきれなかった。合計では398.150で6位と目標の表彰台には10点近く届かない結果に。実力を発揮すればそれぞれ80点がとれるようなメンバーで構成されているこのチームだったが、懸念されていたあん馬がやはり鬼門となって立ちふさがる形となった。
あん馬でチームにミスが相次ぐ中、山田は気をはいて踏みとどまった
また団体メンバー以外にも早大からは個人で鈴木海斗(スポ2=千葉・市船橋)、齊藤司(スポ2=愛知・名城大付)、濵野魁(スポ1=京都・洛南)、山本泰己(スポ1=愛知・名城大付)の4人が出場。その中で山本が得意のつり輪で結果を残した。倒立姿勢での静止技で若干のブレが見られたものの全体的には非常によくまとめ、終わった後は本人も納得したようにうなづく仕草も。13.750を記録した山本は種目別選手権決勝進出を決めた。
(記事、写真 青柳香穂)
結果
男子団体 | ||||||||
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選手名 | ゆか | あん馬 | つり輪 | 跳馬 | 平行棒 | 鉄棒 | 合計点 | 順位 |
藤尾拓海(スポ1) | 12.750 | 13.800 | 11.900 | 13.750 | 12.600 | 13.100 | 77.900 | 49位 |
南亜蘭(スポ4) | 13.450 | 12.100 | 13.850 | 14.850 | 11.100 | 13.550 | 78.900 | 34位 |
原田脩(スポ3) | 13.650 | 13.350 | 12.350 | 13.500 | 11.800 | 13.200 | 77.850 | 52位 |
山田元大(スポ3) | 13.450 | 13.800 | 12.950 | 13.850 | 12.950 | 13.450 | 80.450 | 22位 |
竹端健太郎(スポ2) | 11.700 | 10.950 | 13.250 | 14.350 | 13.100 | 12.000 | 75.350 | 78位 |
武井優介(スポ1) | 13.600 | 10.000 | 13.400 | 14.100 | 13.600 | 13.200 | 77.900 | 49位 | チーム得点 | 66.900 | 64.000 | 65.800 | 70.900 | 64.050 | 66.500 | 398.150 | 6 位 |
男子1部個人総合 | ||||||||
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選手名 | ゆか | あん馬 | つり輪 | 跳馬 | 平行棒 | 鉄棒 | 合計点 | 順位 |
濵野魁(スポ1) | 12.250 | 12.100 | 11.600 | 13.500 | 12.750 | 13.050 | 75.250 | 84位 |
齊藤司(スポ2) | 13.200 | 11.600 | 12.100 | 13.950 | 11.750 | 12.500 | 75.100 | 85位 |
鈴木海斗(スポ2) | 13.150 | 13.300 | 12.150 | 13.050 | 13.500 | 12.350 | 77.500 | 54位 |
山本泰己(スポ1) | 12.200 | 10.300 | 13.750 | 13.600 | 12.100 | 11.950 | 73.900 | 93位 |
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コメント
南亜蘭副将(スポ4=大阪・太成学院大)
――全体を振り返ってみていかがですか
はじめは結構流れが良かったのが平行棒で一気に崩れて、でも立て直せばどうにかなるかなと思ったんですけど、中心的な存在のような竹端が一気に崩れて団体としても結構打撃を受けたのかなと思います。
――1番良かったところはなんでしょうか
跳馬はばっちりでした。
――反省点はありますか
平行棒はちょっと自分でもびっくりするくらいミスがでてしまったので、どうしようもないと言ったらどうしようもないんですけど悔しいです。
原田脩(スポ3=東京・帝京)
――演技が終わって今どんな気持ちですか
メンバーが入れ替わったりした状況の中でも耐えた方だったんじゃないかなと思います。
――1番良かったところはなんでしょうか
鉄棒は自分としては仕上がっていなくて練習でも何回か落ちていたので、そこを粘れたのは良かったんじゃないかなと思います。
――反省点はありますか
自分が1番練習不足で、試合もしばらく出ていなかったので緊張でガチガチになってしまいました。
山田元大(スポ3=千葉・市船橋)
――演技が終わって今どんな気持ちですか
直前に団体のメンバー交代などもあって皆精神的にも揺れる瞬間があったんですけど、チーム一丸となってできて、目標の3位には届かなかったけれども、今の実力はみんな出せたかなという感じです。
――1番良かったところはなんでしょうか
最後のあん馬は全然良い演技がでなくて心がすごく折れそうになったんですけど、絶対に諦めないでしがみついてでも落ちないようにやろうと思って、緊張はすごくしたんですけど演技終わった瞬間はすごく達成感がありました。
――反省点はありますか
つり輪の力技がとれなかったというのと、平行棒で落ち着いてできていないというのがあって、雰囲気に流されてしまって集中できていなかったかなと。練習から緊張感をもってやるのが大事だなと思いました。
竹端健太郎(スポ2=京都・洛南)
――演技が終わって今どんな気持ちですか
絶望です。悔しいですね。
――種目全体を振り返ってみていかがですか
前半のつり輪、跳馬、平行棒まではいつも通りで良かったんですけど、後半3種目は思い描いていた演技ができなかったです。鉄棒が終わった後疲労感がすごくて身体が動かなかったです。
武井優介(スポ1=東京・松陰)
――演技が終わって今どんな気持ちですか
途中まで上手くいっていても、最後気を抜いていたわけではないんですけど、失敗したら一気に落ちてしまうということで、反省点が見つかったので、また来年頑張りたいと思います。
――種目全体を振り返ってみていかがですか
最後以外良かったんですけどあん馬は苦手種目で、分かっていたことではあったんですけど、練習してまあまあ自信が持てるようにやってきたのにああなっちゃうと悔しいです。
藤尾拓海(スポ1=岡山・関西)
――演技が終わって今どんな気持ちですか
一応ノーミスでやりきったとは思うんですけど、まだまだ自分の求めているところまではできていないなという風に感じました。
――団体メンバー入りを知らされたのはいつですか
出発の1週間前くらいで、急遽ということで1年から団体の最終組ですごく緊張するかなと思っていたんですけどやってみたら意外とそうでもなくて自信を持ってできたと思います。
――1番良かったところはなんでしょうか
あん馬でチームに貢献できたことです。
――反省点はありますか
つり輪が弱くて点数をとれなかったというところです。