新体操の新たなシーズンが開幕した。4年生になった河崎羽珠愛(スポ4=千葉・植草学園大付)にとって、過去3連覇したこともあるこの大会は大事な初戦。上位に入ればユニバーシアードとアジア選手権の代表権を得ることができるのだが、フープでのミスが響き厳しい幕開けとなった。
1種目目のフープは競技会初披露のプログラム。ダンサブルな振り付けが魅力のアップテンポなナンバーで溌剌と舞った。発表会では既に何度か踊ってはいたが、やはり大会独特の雰囲気に緊張してしまったか。中盤、高得点の難度であるジュテアントゥールナで跳んでいる間に手具を持ち替えるはずが、しっかり掴むことができず落下させ場外に出してしまう。「気持ちが乗ってきたところでのミス」だっただけに演技が途切れた印象が強く、予備の手具に持ち替えるまでに時間もかかった結果、大きく得点を失い11位発進と出遅れた。
フープの演技をする河崎
気持ちを切り替えて臨んだ2種目目のボールでは昨季から継続して使っているプログラムを披露。全体としてスムーズな動きを見せ、フープでミスの出たジュテアントゥールナも軽やかに跳躍し、パンシェのピボットやフェッテなどのローテーションも軸のブレなく綺麗に回りきった。しかし中盤「普段あまりミスをしないところ」でまたしても手具を落としてしまう。減点には至らなかったものの、1種目目を終えて追う立場にいた河崎にとって痛いミスとなった。それでも他の部分での小さなミスや取りこぼしが少なかったことが幸いし、D得点で1位を記録。全体3位とまずまずの結果となった。
ボールの演技をする河崎
二大会連続でのユニバーシアード出場に向けて厳しい折り返しになってしまった河崎。それでも明日にはクラブ、リボンといずれも得意としている種目が残る。諦めるのはまだ早い。
(記事、写真 青柳香穂)
コメント
河崎羽珠愛(スポ4=植草学園大付)
――左膝にテーピングも見られましたが今のコンディションはいかがでしょうか
コンディションはそんなに悪くないのですが、一応ジャンパー膝が完治はしていないのでちょっと保護用みたいな感じで左にテーピングをしています。
――出場選手全体にミスが多く見られる1日目でした。やはり選考会というのは非常に緊張するものなのでしょうか
そうですね、シーズンの初戦というのもあるし新しい演技のお披露目というのもあるので。発表会とかにはところどころ出させてもらっていただいてはいたんですけど、また試合となると違う雰囲気になってミスが出やすくなってしまうのかなと思います。
――フープの演技は大会で踊るのは初めてということになるのですか
はい、初めてです。
――このプログラムはどのようなテーマで踊っているのでしょうか
ボーカルの方がリアーナとシーアっていう2人の方のコラボの曲なんですけど、ダンスがとても上手い方々なのでノリノリで踊ろうというテーマで踊っています。
――このプログラムで難しいと感じているところはありますか
技が繋がっているのでその中でも踊るっていうのがまだまだ課題だなと思っています。
――今日のフープの演技自体は振り返ってみていかがでしたか
ちょうど自分の気持ちが乗ってきたところでミスをしてしまったのでちょっともったいないミスをしてしまったなと思います
――タイミングが合わなかったことがミスに繋がってしまったように見えました
そうですね、タイミングもあるし、持ち替えるときに手がフープをしっかり掴めていなかったのも良くなかったです。
――ボールのプログラムは昨年からの継続となりましたが、昨年と比べて変えようと意識していることはありますか
まだまだ模索中なんですけど自分にしかできない曲と演技だと思うので1人の女性として踊っているという感じです。
――ボールでも手具落下のミスが出てしまいましたが、どのようなことが原因でしたか
あそこは普段あまりミスをしないところだったのですが、ちょっとボールが滑ってしまって身体の動きも硬くなってしまったのかなと思います。
――明日どういう演技がしたいか意気込みをお聞かせください
2種目ともミスはしてしまったんですけど、明日は切り替えてクラブリボンに集中して自分のベストを出せるようにというのと、この試合自体を楽しんで踊りきれるようにしたいなと思います。